TOKYO MXの人気バラエティ番組「バラいろダンディ」で、玉袋筋太郎(以下:玉さん)&RHYMESTER 宇多丸(以下:宇多さん)の映画好きコンビが、月に一度とっておきの映画を解説するコーナー「水曜バラいろショー」。
9月のテーマは「継承映画」! 今夜も宇多さん玉さんがイチオシの映画を紹介。まずはFilmarksの継承映画ランキングから。
映画好きが思い浮かべる「継承映画」といえば…!?
宇多:今回のテーマはこちらでございます!
玉:「継承映画」ですよ。
宇多:映画はいろんなものを継承していくものですから、師匠から弟子に継いでいくみたいな、いろんな映画がございます。「継承映画」といえば、世の中の皆さんはどんな映画を思い浮かべるのか、TSUTAYAさんがオススメする国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」によるランキング。毎回面白い結果が出ています。こちらです、どうぞ!
「継承映画」FilmarksランキングTOP10
1位:『レオン』(1994年/フランス)
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3位:『グラン・トリノ』(2008年/アメリカ)
4位:『セッション』(2014年/アメリカ)
5位:『クリード チャンプを継ぐ男』(2015年/アメリカ)
6位:『プラダを着た悪魔』(2006年/アメリカ)
7位:『SING/シング』(2016年/アメリカ)
8位:『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』(2015年/日本)
9位:『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980年/アメリカ)
10位:『スクール・オブ・ロック』(2003年/アメリカ)
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玉:1位の『レオン』は、兄のレオンが弟のレロンに継承するっていう。
宇多:いやいや、そんな話じゃない。
玉:(プロ野球選手の)レオンとレロンのリー兄弟の話じゃないのか(笑)。俺はまだやるのかこのボケ。
宇多:3位の『グラン・トリノ』、これは継承ですよね。ベトナムの少数民族のために、クリント・イーストウッドが継承していく。
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玉:やってたね。
宇多:4位の『セッション』これはあれですね。まさにドラマーの少年が日野皓正さんから継承を受けるという…。
玉:そうそう、そういう話(笑)
宇多:そして、第5位は私も大好きな『クリード チャンプを継ぐ男』。
玉:『クリード』いいよね〜!
宇多:これは大傑作ですよ、本当に。
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宇多:9位に入っている「スター・ウォーズ」シリーズはもちろんです。
玉:帝国の逆襲も入っているんだ。
宇多:10位の『スクール・オブ・ロック』は先生のジャック・ブラックが学生に教える(継承する)という話ですから。
玉:これも良かったなぁ。
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宇多:そして、見事2位に入っております! やっぱりこれ「継承」というズバリね。では、いってみましょう。私がおすすめする「継承映画」はこちらです。どうぞ!
『イップ・マン 継承』(2015)
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宇多:今年4月に日本でも公開された「イップ・マン」シリーズの最新作『イップ・マン 継承』。主演のドニー・イェンは、『スター・ウォーズ』や『ローグ・ワン』でも世界的にスターになりました。もちろん、言わずと知れた香港の一大アクションスターなんですけれども。そんなドニー・イェンの当たり役となったのが、このイップ・マン! 実はイップ・マンは、ブルース・リーの師匠なんですよ。
玉:詠春拳だ!
宇多:そう、詠春拳。ブルース・リーの師匠イップ・マン役をドニー・イェンがずっと演じてきました。役者として円熟味を増したところでの大きな当たり役。そして今回の敵役は、マイク・タイソンですからね!
玉:アイ アム マイク・タイソン!!!!
宇多:マイク・タイソンが出てきて戦うということでございます。
玉:『ハングオーバー!』以来だな。
宇多:本当『ハングオーバー!』以来ということですよね。
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玉:タイソンが出ているだけですごいよ、ファイトマネー。
宇多:本当にドニー・イェンのアクションスターとしての、そして俳優としての魅力が全て詰まったシリーズ、これが『イップ・マン』3部作と言っても本当に過言ではないと思います。
玉:アクション指導をユエン・ウーピンがやっている。
宇多:そう! 2作目までは、サモ・ハン・キンポーがアクション指導をやってたんですけど、今回はユエン・ウーピンに変わって。
玉:ユエン・ウーピンは、『酔拳』でジャッキー・チェンの師匠役をやったユエン・シャオティエンの息子だね。
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宇多:そして、そのユエン・ウーピンが連れてきた役者マックス・チャンという男。このマックス・チャンが、今回ドニー・イェンと一番のライバルとして戦う男で、めっちゃいい男!
玉:そう、かっけぇ!
宇多:スタントマンでずーっとやってきたんだけど、めっちゃかっこよくて。ウォン・カーウァイ監督の『グランドマスター』っていう作品にも出てて、大抜擢されたんですけど、これから絶対にスターになっていく男なのでオススメです。
エレベーターでの戦いに注目の愛妻家アクション!
宇多:私のおすすめポイントはこちらです!
宇多:「愛妻家アクション」 。これはイップ・マンのキャラクターにも関わるところなんですけど。イップ・マンは、基本的には大変穏やかな人で、自分の道場を守っていこうとしていると。特に今回の3作目は、わりとファミリームービーとしての側面があって。夫婦2人でブルース・リーに教わって、社交ダンスを踊るっていう名場面があったりするんですけど。
玉:いいシーンがあるんだよ、これが。
(『イップ・マン 継承』の宇多丸オススメシーンを観ながら)
宇多:イップ・マンがエレベーターでムエタイの使い手と戦うというシーン。非常に名シーンなんですけれど。
玉:奥さん守るよ〜。
宇多:エレベーターに乗っていると、ムエタイの刺客がかかってくるわけです。エレベーターの狭い空間の中でのアクションで、なおかつ奥さんを守りながら。この作品はいろんなアクションの工夫をしているんですけど、この場面では奥さんを守りながら戦う。そしてエレベーターからエレベーターの外にある階段へ出て、階段を使ったアクションがずっと延々続いていく。
玉:奥さんをエレベーターに残してね。
宇多:階段で戦っているところを真上からとらえたショットがすごいかっこいいんです。これ、監督のウィルソン・イップ監督のインタビューによると、それを撮りたくて、これ建物全体をセットで建てて撮ってるんですね。ずっとこのアクションが続いて、本当に美しく激しく、さすがドニー・イェン!そしてユエン・ウーピー!というアクションでございます。こういう感じで、いろんな場面にさまざまな形のアクションのスタイルが活かされております。
玉:マイク・タイソンを見るだけでも嬉しいもんね。
宇多:窓ガラスをガシャンガシャンって連続で割っていくくだりとか、もうアガリますよね。
玉:最高だ!アガリまくり。あれくらいタイソンを追い詰めたの、バスター・ダグラス以来だよ(笑)
宇多:現役時代のね(笑)。マイク・タイソンは振り付けがプロじゃないから、本番では違う動きするので危なくてしょうがないらしいんですよ。
玉:あれ当たってるぜ、絶対。
宇多:危なくてしょうがないから、ドニー・イェンは、事前にマイク・タイソンの試合を全部研究して、動きを読んで避けてたらしいんですけど。当たったら死んじゃうから(笑)
玉:当たったら死ぬよ(笑)
宇多:ということで、3作とも本当におすすめなので、ドニー・イェンの代表作「イップ・マン」3作目の『継承』も含めておすすめしたいと思います。皆さんぜひ見てみてください。私のおすすめな映画でございます!
芸能界の継承者といえば…!?
今夜は、“芸能界にもたくさんの継承者がいるんですよ”という前振りから、「芸能界の○○イズム」と題して、玉さんが芸能界に存在する数々の継承者をブラックな笑いとともに紹介! 宇多さんも「何をか言わんや」としかフォローできないほど。玉さん自身は、ビートたけしイズム…ではなく、「ビートきよしイズムの継承者」と落としたところで、次回のテーマを発表!
次回10月4日(水)のテーマは「時代劇映画」
宇多:玉さん、次回10月の映画は何でしょうか。
玉:こちらです。「時代劇映画」。
宇多:テーマがでかい!
玉:来月、バラいろショー始まってちょうど2年なんですね。ということで、俺と宇多ちゃんの友達で、時代劇研究家の春日太一先生をお迎えして、時代劇映画の魅力を存分に語っていただきます!
宇多:次回の放送は10月4日です。ぜひ皆さん楽しみにしていてください。
玉・宇多:以上、「水曜バラいろショー」でした!
■オトナの夜のワイドショー!「バラいろダンディ」番組公式サイト
(月〜金曜日 21:00〜21:55放送)
水曜バラいろショー過去放送分 書き起こし
- 宇多丸おすすめのフィルム・ノワール新傑作『マジカル・ガール』
- 男性必見!悲哀なプレイボーを描いた名作『カサノバ』
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※2021年10月22日時点のVOD配信情報です。