映画の告知チラシやトレーラーでよく見かける「製作総指揮」というポジション。ハリウッド映画だったらよく大物監督の名前が挙がることが多いですよね。では具体的にはどのようなことをするのでしょうか? 意外と知らない方も多いはず。
今回は絶賛公開中の純国産ロックンロールムービー『ゴーストロード』の製作総指揮を手掛けたマイク・ロジャース氏に話を聞きました。
生粋のプロデューサー、マイク・ロジャース、彼の考える「最高のプロデューサー5つの条件」とは?
ーーマイクさん! こんにちは、今回マイクさんは「製作総指揮」というポジションに就かれていると思いますが、どのようなお仕事をされたのでしょうか?
製作総指揮って、偉いポジションと思いますよね?
ーー思います。かなり偉い立場だと思います。
じつはそんなことないんですよ。私が今回した製作総指揮という仕事は「プロデューサー」に近いと思います。そもそも私はラジオ番組やテレビのプロデューサーをしていました。プロデューサーは「やりたくない仕事をやる」というのが仕事ですね。私が考えるいいプロデューサー(製作総指揮)の条件というのは、5つあります。
1つめは「お金」です。まずなによりも映画をつくるためにはお金が必要ですから、お金を集めることが仕事でした。これを集められる、という手腕はまず必要ですね。
ーーなによりも大事ですよね。
本当に今回も苦労しました(笑)。
2つめは「自分ができないことは無理にやらずに自分よりうまくできる人を揃えること」です。今回はオールマイティに動けるスタッフをそろえることができました。
ーーなるほど、なんでも自分でやらずに人に頼るのも能力なんですね。
はい、3つめは「自分の夢、ビジョンの共有」ですね。これを監督をはじめ、現場のスタッフまで共有できていると、同じ目標に向かって力を合わせていい作品ができることに繋がると思います。
ーー上に立つものとして、ビジョンの共有がないとバラバラになってしまいますからね、納得です。
4つめは先ほど言った「やりたくないことをやる」ということですね。朝早く起きて、近所のスーパーに行って弁当と飲み物を買って、など細かい部分もやりました。
ーーえ! そういうのはADさんがやられるかと思っていました。
今回私たちの映画はインディーズ映画だったのでそうもいきません(笑)。できる人がやる、これに限ります。
5つめのポイントは「カウンセラー」ですね。精神の部分を支えないといけませんね。現場ではやはりスタッフの間で喧嘩がよく起きたのですが、なだめることが多かったです。常に謝っていました。いろいろ事件がありまして、途中で8回くらい無理だと思いましたよ(笑)。
マイク・ロジャース渾身の作品! 純国産ロックンロール・ムービー『ゴーストロード』が満を持して公開!
今回の作品は、マイク・ロジャース氏が2014年の9月に大病を患った際に自身の人生を振り返り「映画を作りたい」と思ったことがキッカケ。情熱によって作られたロックンロール・ムービー『ゴーストロード』がいよいよ公開となりました。本作はインディペンデント映画の世界的祭典「レインダンス映画祭」にノミネート。現地ロンドンでは3回上映され(3回上映されたのは25年の映画祭史上6作品のみ)非常に高評価のようです。
マイク・ロジャース氏いはく「ストーリーも至って単純明快、誰でも理解できるシンプルで面白い映画となっています。クライマックスにどんでん返しが待っています。ビックリしますよ!」と、自信をもって薦めていただきました。
この映画には誰もが知っている有名イケメン俳優やテレビでおなじみの女優が出演しているわけではありません。ですが、彼の音楽、映画に対する情熱が詰まった「映画と音楽への愛」が暑苦しいほど伝わってくる作品となっています。是非、劇場へ足を運んでみてください。
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※2021年5月31日時点のVOD配信情報です。