夏到来!暑い毎日が続いていますが、夏といえば「海へ!山へ!」と、自然の中でキャンプをして遊びまわるシーズンでもあります。
とはいえ、中には「キャンプに行くような元気なんか無いし、虫が飛びまわる外で遊びたくない!」「そもそも汗をかくのが不快でたまらないのでエアコンの無い場所へ出るのもお断りだ!」という人もいると思います。そんな人へ、夏だ!キャンプだ!映画館へ行こう!~涼しい映画館でも出来るキャンプ体験~をオススメします!
ビバビバ♪ビバビバ♪ビーバー・ゾンビ!?『ゾンビーバー』
参照・公式サイト:http://www.interfilm.co.jp/zombeavers/
携帯電話は圏外だしテレビも無い、辛うじて電気だけは繋がっている人里離れた湖畔のコテージに6人の大学生と犬一匹がバケーションにやって来ます。謎のワケ知りな狩人に叱られつつも、若者らしくビールにセックスにとハメを外して楽しんでいました。しかし、湖には謎の廃液に犯され凶暴化したビーバーがいたのでした!
こちらは動物パニックを描いた低予算ホラーです。劇場公開では、この手の作品としては異例の4週を越えるロングランを記録しています。凶暴化したビーバーは最近めずらしくパペットを使用しての撮影で、最近よくある「サメもの」の様なCG丸出し感を避けて、昔ながらの作り物感を押し出した、愛嬌のある作品になっています。
奔放でチャラい子、お堅いメガネっ子、彼氏の浮気を目撃して消沈している子の、3人を中心に物語が進行していきます。この設定だけでホラー好きならどの順番で死んで行くか解ると思いますが、そのあたりを含めた“ハズシ”が、魅力になっています。
特に中盤以降、凶暴化したビーバーだけが敵では無かったことが判明する展開はお見事です。
宇宙人は何考えているか解らない!『エクストラ・テレストリアル』
携帯電話は圏外だしテレビも無い、辛うじて電気だけは繋がっている人里離れた山のコテージに5人の大学生と犬一匹がバケーションにやって来ます。謎のワケ知りな世捨て人に叱られつつも、若者らしくビールにセックスにとハメを外して楽しんでいました。しかし、そこは謎の失踪事件の多発するエリアなのでした!
こちらは、エイリアン・アブダクションをテーマにした低予算ホラー映画です。イマドキなCGの宇宙人が見えつ隠れつJホラー的な演出で登場して、雨やドアの覗きレンズを利用した斬新な恐怖演出が楽しい作品になっています。
ラストでは多くのアブダクションもので言及される、アブダクティー(アブダクションされた人)をからかう定番の、とある“冷やかし”に迫ります。
映画好きがキャンプ場映画に注目するワケ
今回紹介した2本の映画は同じ設定を持っています。違うのは『ゾンビーバー』が凶暴化したビーバーなのに対し、『エクストラ・テレストリアル』は宇宙人というくらいです。
加えて、『13日の金曜日』のジェイソンや、『バーニング』の殺人鬼バンボロに、太古の悪霊が復活する『死霊のはらわた』と、“敵役”を変えれば、どんどんと同じ設定を持った傑作ホラーのリストが出来上がります。さらに、そういった定番展開のホラー映画全てに意味を持たせた換骨奪胎キャンプ場ホラーの傑作『キャビン』まで存在しています。

これは、助けを呼べず、逃げ出せず、何人かがむごたらしく死んで、最後に女の子が生き残る物語を語るのに「夏のキャンプに来た学生グループ」は鉄板の設定になるからです。
携帯を圏外にすれば助けは呼べず、車の通り道に大木を倒せば逃げ出すことは出来ませません。学生グループの一人に、奔放なタイプの女の子を設定すればヌードも出せるし、影の薄いやられ要員の“彼氏”も設定できます。「死んでザマミロ!」と思わせる様な、観客を苛立たせるキャラクターにはヒューヒュー言ってる浮かれた学生以上の適役はいないでしょう。
そんな作りやすさから量産されたキャンプ場ホラーは作品を重ねるごとに、良い部分は残され、悪い部分は改善され、時に逸脱して可能性を探り…… と、ブラッシュアップがなされた長~い歴史があります。なので、安定した出来栄えを誇りながら、制作者のチャレンジ精神も垣間見える、映画好きにとっては見逃せないジャンルになっているのです。
そんな愉快で楽しく、涼しくて快適な映画館でのキャンプ場体験はうだる夏にもオススメです!