元殺人犯と共生できるのか……ヒューマン・サスペンス『羊の木』は衝撃の連続!?

「がきデカ」の山上たつひこ、「ぼのぼの」のいがらしみきお。この日本ギャグマンガ界のレジェンドがタッグを組んで作った超問題作が『羊の木』。マンガで描かれたテーマはそのままに、新たな物語としてこの度、2月3日より公開されます。

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物語は、国家の極秘プロジェクトとしてあるさびれた港町が元殺人犯たちを受け入れることで、彼らを信じていいのか、それとも疑うのか、主人公を通して揺れ動く心を鋭くあぶり出していくヒューマン・サスペンス。監督は『桐島、部活やめるってよ』や『紙の月』を手掛けた吉田大八、そして主演は錦戸亮。そのほか、木村文乃北村一輝優香市川実日子水澤紳吾田中泯松田龍平など実力派俳優が多数出演。そして第22回釜山国際映画祭でキム・ジソク賞を受賞するなど海外でも認められた話題作。

元殺人犯を受け入れた町を襲う衝撃。このラストは絶望か?希望か?

さびれた港町・魚深に移住してきた男女6人。市役所職員の月末(錦戸亮)は彼らの受け入れを命じられるます。普通のようでどこか普通とは違う言動をする彼ら。その6名は全員、元殺人犯だったのです。

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なぜ彼らは魚深にやって来たのか?それは、地方自治体が身元引受人となることで受刑者を仮釈放し、刑務所のコスト削減と地方の過疎化対策を図るという国家プロジェクトに魚深市が参加することになったためだった。やがて月末もその事実を知ることになるが、これはほかの住民には知られてはいけない、そして元受刑者同士を接触させてもいけないという超極秘の社会実験。

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そんな中、港で死亡事故が発生。月末は6人を信じていいのか揺れ、次第に、彼が密かに想っている同級生の文(木村文乃)も巻き込む形で、日常が狂いはじめ……。元受刑者を自治体が受け入れるという現実にも起きそうな設定、そして、この先どうなってしまうのか手に汗握り、数々の衝撃が襲う展開。そして待ち受ける結末から浮かび上がるのは、絶望か?希望か?思わず感想を語り合いたくなります。

■観終わった後には「違和感」にも似た大きな余韻が残る。監督の作品ほぼ全てに共通しているともいえる、「ラストシーンのその後を想像させる」演出には今回も良い意味で悩まされる。(オーデュボンさん)
■絶え間なく進むストーリーの展開に沿った不気味であるようで何故か惹きつけられるようなワンシーンごとの演出に”吉田監督らしさ”というものを感じ、私自身のめり込む様に見入ってしまう程でした。何度見ても飽きない、それどころか見る回数を重ねるほど見方が変わってくるような、そんな作品だと感じました。(かなさん)
■映画だけど、もしかして自分達の日常にも そういうことが起こることもあり得るわけで、 そういう時に私はどういう選択を迫られるのかと 投げかけられているようでもあった。 救いとみるか、絶望とみるか、私は救われた。(きむりんさん)

信じるのか、疑ってしまうのか。元殺人犯に翻弄されるうちに浮かび上がる人間の本性

羊の木』の見どころのひとつは、移住者がみな「元殺人犯」と知って、人を信じられるのか、それとも疑ってしまうのか、主人公の月末が揺さぶられるところ。「信じたい」とは思っていても、港で起きた死亡事故を知ったり、月末の身近にいる人物たちが移住者と深く関わるようになったりしていくにつれ、彼らに対し疑心暗鬼な気持ちがふくらんでいき、月末から思わず人間の本性のようなものが現れるシーンも。

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犯罪者は極端な例としても、それに限らず、どれだけ自分や今まで接してきた人たちとは性質の違う人たちと共生できるのか。そういった人たちと友情は育めないものなのか……。そんなことを考えさせられる作品です。

■何をもって、信じ、疑うのか、そんなことではなく、その人を信じたいかどうか…少し考えさせられました。 いい意味でとてつもなく不気味な作品でした。またそこが素晴らしいです。(Kanataさん)
■元殺人犯という設定、感情を押し殺したような役者さんたちの芝居と演出で、この人なんかやらかすんじゃないか…と終始ドキドキしっぱなしでした。(yassan0804さん)

原作の設定を生かした吉田大八監督による映画オリジナルの新展開

吉田大八監督が描く『羊の木』は、山上たつひこいがらしみきおの2人よる原作の設定を生かしつつ、キャラクターの年齢や職業なども映画に合わせたものになっています。そして、結末も原作とはちがう完全オリジナルであることも見どころ。また、主人公は今までの監督の作品にあるような強烈な個性を持った人ではなく、どこにでもいる平凡な青年というのも、吉田監督作品には珍しいです。

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「そんな当たり前の青年を、『羊の木』という謎めいた物語に投げ込むことで、人が他者や社会と関わる際の大切な手がかりに近付ける気がしたんです」と監督。そう語る通り、移住者6人に振り回される月末の行く先に、他人や社会とどう向き合って生きていくか、ヒントのようなものを見つけられるかも!?

■配役、ピッタリ。 原作とは世界は似ているけど全然違う話で映画もとても面白かった!(なみさん)
■錦戸くんの「普通の人感」がめちゃめちゃ良かった。物語の中で、普通の人が中心に世界を回ることがこんなにも面白く、いろいろなものが見えてくるのかと思った。最後の表情が、すごくいい。(Maikyoさん)
■6人の受刑者に翻弄されるという主演の錦戸亮さんの演技は特に素晴らしく、アイドルという面でなく俳優として作品を引き立たせ、かつ導く役目をしっかりと果たされているなと感じました。(かなさん)

実力派キャストのおかげで、より深みのある作品に

出演しているのは、主人公・月末に錦戸亮のほか、月末の同級生・文に木村文乃。そして元殺人犯の移住者6人を北村一輝優香市川実日子水澤紳吾田中泯松田龍平といった実力ある俳優陣が演じます。

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彼らのリアリティある演技力のおかげで、急速にシリアスに展開していくクライマックスの緊張感が高まるだけでなく、登場人物それぞれの心の中に渦巻く葛藤が伝わってくるような深みのある作品になっているところもポイントです。

■キャスティング100点満点。全員いい顔をしていい芝居をしています。俳優を見るだけで価値ある作品。劇伴も良くてサントラ買いたくなりました。音響いい映画館でもう一度観たいな。(Maさん)
■個性的な役を、役者さんたちが上手く演じていて面白かった。 主役や6人の移住者はもとよりサブキャラを演じたキャスト達も良かったです。 ひとつひとつの演技に拘る吉田監督ならでは作品だと思います。(ゴン吉さん)

観終わったあと、人や社会にどこか望みがあることを信じたくなる、この冬注目の映画です。『羊の木』は2月3日(土)全国ロードショーです。

◆映画『羊の木』 information

羊の木

あらすじ:さびれた港町・魚深(うおぶか)に移住してきた互いに見知らぬ6人の男女。市役所職員の月末(つきすえ)は、彼らの受け入れを命じられた。一見普通にみえる彼らは、何かがおかしい。やがて月末は驚愕の事実を知る。「彼らは全員、元殺人犯」。それは、受刑者を仮釈放させ過疎化が進む町で受け入れる、国家の極秘プロジェクトだった。ある日、港で発生した死亡事故をきっかけに、月末の同級生・文をも巻き込み、小さな町の日常の歯車は、少しずつ狂い始める・・・。

上映時間:126分
2月3日(土)全国ロードショー
配給:アスミック・エース
公式サイト:http://hitsujinoki-movie.com/
(C)2018『羊の木』製作委員会  (C)山上たつひこ、いがらしみきお/講談社

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※2021年12月23日時点のVOD配信情報です。

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