明暗真っ二つ!第90回アカデミー賞&第38回ゴールデンラズベリー賞受賞リスト一挙発表!<Filmarksレビューつき>

現地時間4日に開催された第90回アカデミー賞。『シェイプ・オブ・ウォーター』が最多4冠を獲得し幕を閉じた。

FILMAGAでは、国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks」のユーザーレビューとともに、2018年のアカデミー賞受賞作を振り返る。

【作品賞】

シェイプ・オブ・ウォーター

74

■シンプルだけど、深くて美しい。わかりやすいんだけど、鑑賞後はなぜかすごく満たされたような気持ちになる。映画のファンタジーな世界に飛び込んだと思いきや、なぜか現実の世界のようにも思える。そんな映画だった。心地よく心が満たされる映画体験。(takuroさん)
■幾度の困難や壁、そして種族を超えたラブストーリーに見える映画の芯の太さ。2人が辿り着く水中のシーンが、止まった時空を泳ぐようでとにかく美しい。“彼”が“彼”である事を忘れる。(てっぺいさん)
■あまりに美しすぎる愛に打ちのめされました。掃除係のエライザと彼との間で交わされる優しい眼差しと言葉を介さないコミュニケーションがとにかく綺麗で綺麗で。音楽も群を抜いてよかった(鰯さん)

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【監督賞】

ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)

ギレルモ・デル・トロ

■この映画は醜いモンスターと口の聞けない中年女性を中心にして、誰もが憧れる恋を描いているわけでもない。なのにどうしてこんなに美しいのか、いい映画だと感じるのか。ファンタジーでもリアリティでもなく、その真ん中をいくまさにギレルモ監督の才能が爆発した作品。(Kotaさん)
■デル・トロ作品初鑑賞!なんでしょう、この独特な雰囲気…めちゃくちゃ好きです(田中太郎さん)
■異形のクリーチャーと、清純な心の持ち主のヒロインのどこまでも真っ直ぐな純愛。『パンズ・ラビリンス』でもそうでしたが、デル・トロ監督はグロテスクの中に息を呑むような美しさや光を描く天才ですね。未だかつて見たことのない愛の形、心が揺さぶられました。(みおこしさん)

【主演男優賞】

ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男』)

ウィンストン・チャーチル

■ゲイリー・オールドマンの「なりきる」というカメレオン演技がとにかく凄い。彼のキャリアで最高の演技。(いつの日も風見鶏さん)
■ゲイリー・オールドマン演じるチャーチルの荒い呼吸音、瞳の動き、口角、すべてに、「人間」を感じた。予想以上に全てのシーンがダークトーンではなくビビッドに描かれていて、それもこの映画が「過去」ではない、というメッセージだと受け取った。わたしたちは、「人間」として今、この世界に生きているし、今という「歴史」を歩んでいるのだ。(ラニーナちゃんさん)
■ゲイリーさんは物真似ではなく、しっかりと人物を自分のものとして生きていらして、それは最初の登場シーン、浮かび上がるカットからわかる。ゾクゾクした。ああ、なんでこんなカットを思いつくんだろう…てほど飽きさせない、美しく知的な場面がどんどん出てきて、画に負けないチャーチル(ゲイリー)、撮らせる監督…卓越した技術の攻防を見せつけられた。(kyokoakayamaさん)

【主演女優賞】

フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)

フランシス・マクドーマンド

■これは本当にすごい。全てにおいて怖い。隠そうとしない怒りと時間が織りなす人間模様。まさに怪物。観ていて滑稽でありながらここに住む人々の考えが痛いほど伝わってくる。まるでこの街がほんとにあるかのように町全体で語りかけてくる。怒っているが自分の中では諦めの心を持っているんでしょうね。その寂しさや辛さを隠す隠れ蓑が怒りなのでしょう。母親の狂気?いや。なにもしてやれなかった母親の絶望感が見て取れた。フランシスがもう最高(RYANさん)
■役者陣もお見事で、主演女優? ?ノミネートのフランシス・マクドーマンドは女版イーストウッドと評されることある『漢』と書いて『女』と読ませる役所。男の警察を相手にして全く怯まない漢。少年も少女も関係なく股間を蹴り上げる漢。工事現場で着るような作業服を高級レストランに着ていく漢。彼女以外考えられない見事なキャスティングでした(FARGOさん)
■予想を覆されるから面白い。何度も思わぬ展開を目の当たりにして、やがて観る者は予想などしなくなる。物語の流れに身を委ねる。物語そのものを愉しむ。映画とはこうあるべきだ。(アキラナウェイさん)

【助演男優賞】

サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)

サム・ロックウェル

■サム・ロックウェル良すぎです!声がでかくて頭の悪い、粗野な警官をまさかの繊細さで演じたサム。彼がどんどんいい顔になっていくさまに目頭が熱くなります。(kazu1961さん)
■3つのビルボードに書かれた罵りと、そこから生まれた3つの愛の手紙。忘れかけていた愛を思い出すように、最後のミルドレッドの笑顔とディケンズとの会話が何ともいえない余韻を残し、テーマは重いのに「あぁ、いい映画だな」と思わせてくれる。(Kotaさん)
■何かが胸に引っかかってる気もするし、清々しい感じもするし、すごく不思議な感覚。でも一つ言えることは、こんなにも胸が締め付けられる作品だったとは思いませんでした。(瀧日みゆさん)

【助演女優賞】

アリソン・ジャネイ(『アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル』)

アリソン・ジャネイ

■マーゴット・ロビーの名演もさることながら、その母親役アリソン・ジャネイの名演が冴え、その怪演ぶりにイライラを超えて恐怖すら感じます。(すんさん)
■お母さんの人生にも興味が湧いた。役者が実在の人物と本当にそっくりなのと、撮り方の関係でドキュメンタリー映画を観ているような錯覚になった。(ななちむさん)
■ドキュメンタリー風がおしゃれ。インタビューシーンだけ画面の大きさが変わる。それがすごくよく計算されてる配置。テンポが最高。離婚したときのシーンのロングショットが初めてあんなのみた。第4の壁も破られる。編集もすごい。トーニャのお母さん役めっちゃ好き。実話なんだね。(Erikoさん)

【外国語映画賞】

ナチュラルウーマン』/チリ

ナチュラルウーマン

■人は、辛いことがあると強くなる。そして、強い人は優しい。マリーナの凛とした眼差し、歌声が心に響く。(なつさん)
■彼女が流した静かな涙と、ラストの凛とした顔で歌う姿が印象的で、「私らしく、私を生きる」という直球なキャッチが、素直に心に響いた作品だった。(kyokoさん)
■本作を一言で表現するなら、ヒロインの一途な純愛物語だと思う。
その愛はノーマルとかアブノーマルとか、LGBTという略語で表現される、レズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーとのものとか、そういう垣根や概念を越えたものだ。(MasaichiYaguchiさん)

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【長編アニメ映画賞】

リメンバー・ミー

リメンバー・ミー

■この作品にはサプライズがあり、ピクサーが持つ底力を最後まで感じ取ることができる。まずはキャラクターの表情は完全に命が入ってるし、自然の描写なんて実写と言われてもおかしくない。(がんびーのさん)
■“本当の死”がわかるシーンで号泣してしまいました。ちょうどお彼岸が近いので、私もちゃんと先祖を大切にして、思いを馳せたいと切に思わせてくれました。(さきさん)
■ピクサーで一番好きな映画かもしれない。めちゃくちゃ泣けるなかで笑わせにくるところが大好き。でも号泣。(清水優輝さん)

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【メイク・ヘアスタイリング賞】

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男辻一弘

辻一弘

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 “最低映画”ラジー賞最多は『絵文字の国のジーン』

アカデミー賞授賞式開催の前日、現地時間3日には、前年の“最低映画”を決める第38回ゴールデンラズベリー賞(通称:ラジー賞)が開催された。

最低映画賞に選ばれたのは絵文字の国のジーンで、同賞を含む最多4部門を獲得した。

そして、最低男優賞には、なんとあのトム・クルーズが選ばれた。トムにとってこれが初のラジー賞受賞となるが、過去には二度、『カクテル』(88)と『宇宙戦争』(05)でノミネートされていた。

 

第38回ゴールデンラズベリー賞の主な受賞結果は以下

【最低映画賞】
絵文字の国のジーン

【最低男優賞】
トム・クルーズ(『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』)

【最低女優賞】
タイラー・ペリー(『Tyler Perry’s Boo 2! A Madea Halloween(原題)』)

【最低助演男優賞】
メル・ギブソン(『パパVS新しいパパ 2』)

【最低助演女優賞】
キム・ベイシンガー(『フィフティ・シェイズ・ダーカー』)

【最低スクリーンコンボ賞】
絵文字の国のジーン』不愉快な2つの組み合わせの絵文字

【最低監督賞】
トニー・レオンディス(『絵文字の国のジーン』)

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※2021年10月22日時点のVOD配信情報です。

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