映画ファンが「雨でダルい…」時にオススメ。「気怠い気分」にフィットする映画10選

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ミニシアターブームの先駆けとなった名作『ストレンジャー・ザン・パラダイス』、台湾の巨匠ホウ・シャオシェン監督が紡ぎ出す青春ロードムービー『憂鬱な楽園』など!「梅雨の気怠い気分にフィットする映画」を10本厳選してご紹介!

ジメジメとした梅雨の季節は、雨や湿気で外出するのも億劫になりますよね。どうせ自宅で過ごす時間が増えるのなら、梅雨特有の気怠い気分にフィットするような映画を鑑賞してみて、憂鬱な気持ちを楽しみに変えてみては?

本記事では、「気怠い気分にフィットする映画」を10本ピックアップ。怠惰な日常をオフビートなテンポ感で描いた名作から、アジアの巨匠たちが紡ぎ出す恋愛劇まで、ちょっぴりしっとりとした作品をご紹介します。

映画セレクト基準は?

本記事で紹介する映画は、国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づきセレクトされています。

ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984)

『ナイト・オン・ザ・プラネット』(91)の、ジム・ジャームッシュが監督と脚本を務める、35ミリ長編の第1作目。第37回カンヌ国際映画祭にて最優秀新人賞受賞するほか、ロカルノ国際映画祭グランプリ、全米映画批評家協会最優秀作品賞受賞。

あらすじ:「新世界」「一年後」「パラダイス」からなるエピソードで綴られる異邦人たちの物語。ニューヨークで自由気ままな生活を過ごしていた青年・ウィリーは、叔母からの頼みで、ハンガリーから渡米してくる16歳の従妹・エヴァを10日間だけ預ることに。渋々エディを預かることになったウィリーと、ウィリーの相棒・エディ。3人の不思議な友情と怠惰な日常が始まる。

奇妙でコミカル、特有のオフビート感で、今尚アメリカン・インディーズ映画界の金字塔とされる作品。日本公開時は、ミニシアター・ブームの草分け的作品としてロングランヒットを記録。

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』(2013)

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(84)の、ジム・ジャームッシュ監督作。

あらすじ:デトロイトで暮らす吸血鬼のアダムは、ギターをはじめとした弦楽器を得意としている。どんな弦楽器も自由に弾きこなすミュージシャンとして、アンダーグラウンドのミュージックシーンでその活躍ぶりを発揮していた。しかし、ここ最近の破滅的な人間たちの振る舞いを見て、アダムは抑鬱を伴う。そんな時、吸血鬼であり恋人のイヴが、アダムのもとを訪れる。2人は何世紀にもわたって愛し合い、支え合って生き続けてきた。久々の再会も束の間……イヴの破天荒な妹・エヴァが、突然2人に会いにやって来る。そこから3人の運命は、ゆっくりと変わり始め…….。

何世紀にもわたって恋人同士として支え合ってきた吸血鬼の男女が、突如現れた彼女の妹と対峙することによって生じる関係性の変化をユーモラスを交えながら描く。

きみの鳥はうたえる』(2018)

『ケイコ 目を澄ませて』(22)の、三宅唱が監督と脚本を担当。作家・佐藤泰志による、同名タイトルの小説を原作としている。第73回毎日映画コンクールにて、男優主演賞と音楽賞を受賞。

あらすじ:函館郊外の書店で働く「僕」は、失業中の静雄と小さなアパートで共同生活を送っていた。ある日、「僕」は同じ書店で働く佐知子とふとしたきっかけで関係をもつ。彼女は店長の島田とも抜き差しならない関係にあるようだが、その日から、毎晩のようにアパートへ遊びに来るようになる。こうして、「僕」、佐知子、静雄の気ままな生活が始まった。夏の間、3 人は、毎晩のように酒を飲み、クラブへ出かけ、ビリヤードをする。佐知子と恋人同士のようにふるまいながら、お互いを束縛せず、静雄とふたりで出かけることを勧める「僕」。そんなひと夏が終わろうとしている頃、みんなでキャンプに行くことを提案する静雄。しかし「僕」は、その誘いを断り、キャンプには静雄と佐知子のふたりで行くことになる。次第に気持ちが近づく静雄と佐知子。函館でじっと暑さに耐える「僕」。3 人の幸福な日々も終わりの気配を見せていた……。

失業中の友人とアパートで共同生活を送る「僕」の部屋に、同じ職場の女性が加わったことから始まる、男女3人のひと夏の日々を丁寧に描いた青春群像劇。

タクシードライバー』(1976)

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13)の、マーティン・スコセッシ監督作。第29回カンヌ国際映画祭にて、最高賞パルムドールを受賞。

あらすじ:タクシードライバーとして働く帰還兵のトラビス。戦争で心に深い傷を負った彼は次第に孤独な人間へと変貌していく。汚れきった都会、ひとりの女への叶わぬ想い……。そんな日々のフラストレーションが14歳の売春婦との出逢いをきっかけに、トラビスを過激な行動へと駆り立てる。

タクシードライバーとして働く一人の青年の姿を通して、大都会ニューヨークに潜む狂気と混乱を悲惨なバイオレンス描写を交えながら描く衝撃のサスペンスドラマ。

ヴァージン・スーサイズ』(1999)

『ロスト・イン・トランスレーション』(03)の、ソフィア・コッポラによる長編映画初監督作。米作家、ジェフリー・ユージェニデスによる処女作「ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹」を原作としている。

あらすじ:リズボン家の5人姉妹美しくてかわいく、それでいてどこか謎めいていた。6月、末娘のセシリアが自殺未遂を起こす。一命はとりとめるも、数日後、彼女を励ますために開かれたパーティーの最中、窓から身を投げて命を落とす。遺された4人姉妹は悲しむことなくそのまま日常に戻るのだが……。

70年代半アメリカ郊外の街を舞台に、美しき五人姉妹がたどる儚い運命と、彼女たちに憧れを抱く少年たちの心の揺れを繊細なタッチで瑞々しく描き出す。ソフィア・コッポラ監督特有のガーリーな世界観が確立された一作。

まほろ駅前多田便利軒』(2011)

『セトウツミ』(16)の、大森立嗣が監督と脚本を務める。作家・三浦しをんによる、第135回直木賞を受賞した同名タイトルの小説を原作としている。

あらすじ:ペットの世話、塾の送迎代行、納屋の整理、そんな仕事のはずだった……。東京郊外のまほろ市で、けっこう真面目に便利屋を営む、しっかり者の多田啓介。そんな多田のもとに、風変わりな同級生・行天春彦が転がり込んできた。一晩だけのはずが、行天は一向に出て行かず、多田はしぶしぶ便利屋の助手をさせることに。こうして、水と油のような2人の奇妙な共同生活が始まった。そんな二人のもとに、“ワケあり”の事情を抱えたくせ者依頼人たちが、次から次へと現れる。自称コロンビア人娼婦、薬の売人、生意気な小学生、娼婦のストーカー。なんだかんだと彼らを放っておけない多田と行天は、やっかいごともしぶしぶ請け負っていたが、やがてある事件に巻き込まれていく……。ともにバツイチ、三十路の男2人の痛快で、やがて胸に熱く迫る便利屋物語が始まる。

舞台は、東京・町田市をモデルとした架空の都市“まほろ市”。便利屋を営む主人公と風変わりな同級生を、永山瑛太(瑛太)・松田龍平がそれぞれ演じ、変わり者の顧客たちから押し付けられる無理難題な依頼を、痛快に解決していく様子をコミカルに描く。

リバー・オブ・グラス』(1994)

『オールド・ジョイ』(06)の、ケリー・ライカート監督による長編映画初監督作。

あらすじ:楽園リゾート都市マイアミのほど近く、なにもない郊外の湿地で鬱々と暮らす30歳の主婦コージーは、いつか、新しい人生を始めることを夢見ている……。

“現代アメリカ映画の最重要作家”と謳われるライカート監督が、かつて思春期だった自分に捧げる「ロードの無いロード・ムービー、愛の無いラブ・ストーリー、犯罪の無い犯罪映画」。

憂鬱な楽園』(1996)

『台北ストーリー』(85)『冬冬の夏休み』(84)などを手掛ける、ホウ・シャオシェン監督作。

あらすじ:中年間近のチンピラと、弟分と彼の恋人のその日暮らしの毎日を描いた一編。チンピラのガオは40近いが正業に就かず、弟分のピィエンと彼の恋人のマーホァを連れて、田舎町の平渓にやって来る。

現代の台湾を舞台に、行くあてもなく放浪を続ける男女3人組の生き様をアンニュイな映像美で綴った青春ロードムービー。

花様年華』(2000)

『恋する惑星』(94)の、ウォン・カーウァイが監督と脚本を務める。第53回カンヌ国際映画祭にて、最優秀男優賞とフランス映画高等技術委員会賞の2部門を受賞。

あらすじ:1962年、香港。ジャーナリストのチャウは、妻と共にとあるアパートへと引っ越しをする。また、チャンとその夫も、同じ日に同じアパートへ越してきたのだった。やがてチャウとチャンは、互いのパートナーが不倫していることに気づく。そして彼らもまた、次第に惹かれあっていく。

互いに伴侶に裏切られた男女のプラトニックな恋模様を、官能的な映像美で情感豊かに綴った愛の物語。妖艶な衣装に身を包むマギー・チャンの美しさにも目を奪われる一作。

ロング・グッドバイ』(1973)

『ザ・プレイヤー』(92)の、ロバート・アルトマン監督作。米作家レイモンド・チャンドラーによる、ハードボイルド小説「長いお別れ」を原作としている。

あらすじ:真夜中に愛猫に起こされた探偵マーロウの元に、友人のテリーがやって来た。テリーは夫婦喧嘩の末に家を飛び出し、これからメキシコへ行くという。そこでマーロウは国境沿いの町まで彼を見送りに行くのだが翌朝帰宅するや突然、妻殺しのテリーを匿ったという罪で警察に逮捕されてしまう。その後テリーが自殺したため釈放となったが、どうも釈然としない。そこで彼はテリーの死を確認するため、メキシコへと向かう。

原作に大胆なアレンジを加えたことで、公開当時は賛否両論を巻き起こした本作。しかしこの、ユーモアに満ち溢れた実験的手法やエキセントリックな発想が光る本作は、長い年月をかけてカルト映画の一つとして愛されるようになった。

 

HAKODATE CINEMA IRIS by Paramount Classics, a division of Paramount Pictures.「まほろ駅前多田便利軒」製作委員会(C)1995 COZY PRODUCTIONS(C)2000,2009Block2PicturesInc.AllRightsReserved.(C)1973 Metro-Goldwyn-Mayer StudiosInc. All Rights Reserved

※2023年5月30日時点の情報です。

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