2021年に公開され、2024年2月にネットフリックスでも配信スタートした映画『黄龍の村』。
本記事ではキャッチコピーにもなっている「村の決まり」や、「おびんたわらさま」の正体、そして結末の意味などを、キャスト情報と共に解説します!
『黄龍の村』(2021)あらすじ
夜の街でキャンプに行こうと盛り上がる4人の若者たち。 翌朝、梶原健人、工藤啓作、谷村真琴、谷村睦夫も加わり8人でキャンプ場に向かう。前述4人は若者らしくハイテンションで楽しむが、他の4人は静かに楽しんでいた。道中、携帯も繋がらない山の中で車がパンクしてしまう。助けを求め歩く若者たち。トンネルを抜けると焚火の前で音楽を聴きながら返事をしない村人や包丁が頭に刺さった案山子がある奇妙な村にたどり着く……。
*以下、ネタバレを含みます。
『黄龍の村』(2021)キャスト情報
若者たち
北村優希/水石亜飛夢
村井孝則/松本卓也
鈴木うらら/鈴木まゆ(鈴木麻由)
遠藤なごみ/秋乃ゆに
復讐者たち
工藤啓作/梅本佳暉(ウメモトジンギ)
青春時代を龍切村への復讐のために費やしてきた。
梶原健人/伊能昌幸
平成10年に龍切村へ訪れ殺された祖母の仇を討つためやってきた。
谷村睦夫/大坂健太
今作戦を指揮する。体力はなく頭脳派で銃を使いこなす。
谷村真琴/石塚汐花
睦夫の妹。
龍切村の人々
梅宮新次郎/陸野銀次郎
優希ら村人たちを迎え入れる。関西出身。
国村洋司/海道力也
龍切村の村長
田村弘/中村龍介
日本刀を自在に操る男性。
千代/小玉百夏
中国拳法の達人。
奈穂美/上のしおり
千代の命令に従う女性。 実は潜入捜査官として村に忍び込んでいる。谷村睦夫・真琴の妹。
莉子/藤井愛稀
千代の命令に従う女性。
小太郎/安田ユウ
村の若者。
十兵衛/一ノ瀬ワタル
おびんたわらさまとして村に祀られている。
龍切村の決まりとは? 「おびんたわらさま」は何故うまれた?
優希らが若者がキャンプに向かう途中、車がパンクし立ち寄った龍切村。異様な歓迎を受けた彼らは翌日には「村の決まり」として次々と殺されていってしまう。
村人たちの目的は、村に訪れた人々の「肉」。最初に殺害された孝則も、体から肉を削がれ、焼き肉にされたのち、「おびんたわらさま」と呼ばれる神の祭壇に捧げられてしまう。訪れた若者の肉を「おびんたわらさま」へ捧げる、これが「村の決まり」であった。
では、「おびんたわらさま」とは何か。祭壇の奥にいたのは十兵衛(一ノ瀬ワタル)という男性。彼は子供の頃に村に連れてこられて監禁され、以降「おびんたわらさま」として祀らることになる。彼は現在まで人肉を与えられ続け、自身の両親も食したことを明かしている。
そもそも、なぜ「おびんたわらさま」を祀る村が生まれたのか。はっきりとは判明しなかったが、村人の様子をみると想像することもできる。
関西ではない村で、新次郎が「関西弁」を使っている(わざわざ指摘もされている)ことや、村長が神への奉納の儀式をする際に見せた背中の刺青、日本刀を操る男に、中国拳法を駆使する女……。人里離れた村で暮らす村民にしては少々異様なメンツ。梶原の祖母が平成10年に犠牲になっていることから、村と「村の決まり」は少なくとも25年は存在しているようだが、当初は裏社会で生きる人々がイザコザから十兵衛を監禁したのをきっかけに、「村のきまり」を作って暮らす、犯罪者たちのコロニーだったのでは、とも考えられる。
「おびんたわらさま」が東京の守り神に?
なにはともあれ、最終的に復讐を誓う梶原らに村は壊滅させられてしまう。
復讐は一件落着してその後はというと、無職の梶原健人は世間を騒がす悪人を懲らしめる便利屋をはじめる。助手として現れたのは人肉が大好きな「おびんたわらさま」。彼は梶原のもとで「犯人を食う」、つまり死体処理役の仕事をしていた。
おびんたわらさまが嬉々として手にしていた“食材の紙袋”が何なのかは気になるところだが、「悪いことをするとおびんたわらさまに食われるぞ」という存在として、東京で活躍することになった。
梶原は“爆弾魔”と例を挙げていたが、今後、良からぬことを企む人は、おびんたわらさまに気をつけて……。
(c)2021「黄龍の村」製作委員会
*2024年1月15日現在の情報です。