「絶対やらないで!」タブーを犯す恐ろしさを描く「○○してはいけない」サスペンス&ホラー映画6選

「○○してはいけない」というテーマの映画を6作ピックアップ。「○○してはいけない」ことに対して時に踏み込み、時に抗い、翻弄される、そんな主人公たちの物語をお楽しみあれ。

「やってはいけない」と言われるとやりたくなってしまうのが人というもの。でもそれが自身に危険が迫るものだったとしたら、あなたはやりますか? 今記事では「○○してはいけない」というテーマの映画を6作ピックアップ。全体的にスリル満点なセレクトになりました。「○○してはいけない」ことに時に踏み込み、時に抗い、翻弄される、そんな主人公たちの物語をお楽しみあれ。

「何か」を見てはいけない……
バードボックス』(2019)

あらすじ:思いがけず子どもを身ごもったアーティストのマロリー(サンドラ・ブロック)は、ある日突然訪れた世界の終焉と人類滅亡の危機に直面する。残された幼い命を守れるのは彼女だけ。生き残るためにできることは決して“その闇“を見ないこと。マロリーは決死の逃避行を決意する……。

ジョシュ・マラーマンが2014年に発表した同名小説を、『遊星からの物体X ファーストコンタクト』(2011)や『メッセージ』(2016)のエリック・ハイセラー脚本で映像化。突如世界に現れた「見てはいけない何か」から身を守るため、民家に立てこもり生き残った人々と手を取り合り、時には争う姿を描くサバイバル・スリラー。目を塞ぎながら食糧を求め外出したり、人間に危害を加えようとする人間が出てきたりと状況は混沌としていく。サンドラ・ブロック演じるマロリーとその子供たちはどこへ向かうのだろうか。

入ってはいけない……?
呪詛』(2022)

あらすじ:かつてある宗教施設で禁忌を破り、呪いを受けたリー・ルオナン。それから6年後、あの時の呪いが今度は自分の娘に降りかかったと知り、必死で我が子を守ろうとするが……。

ケヴィン・コー監督の「台湾一怖い」と称されるオカルトホラー作品。主人公・ルオナンは「決して入ってはいけない地下道」に足を踏み入れたことで呪われてしまう。災いは彼女の家族や周りの人々に降りかかり、ついには娘・ドゥドゥにまで影響が……。じわじわと追い詰められるような不気味さを持つ本作は、台湾で起こった実話をベースにしていることも話題を呼んだ。「地下道に入ってはいけない」ストーリーではあるが、“やってはいけない”ことは他にもある……。一体それは何なのか、是非、物語を最後まで観て確かめてほしい。

鏡の前で唱えてはいけない……
キャンディマン』(2021)

あらすじ:舞台は、シカゴに現存した公営住宅「カブリーニ=グリーン」地区。その界隈では、「鏡に向かって5回その名を唱えると、右手が鋭利なフックになった殺人鬼に体を切り裂かれる」という都市伝説が語り継がれていた。恋人とともに新設された高級コンドミニアムに引っ越してきたアーティストのアンソニーは、創作活動の一環としてキャンディマンの謎を探求を開始し、恐ろしい過去への扉を開いてしまった……。

この作品は、1992年のバーナード・ローズ監督による『キャンディマン』をもとに、『ゲット・アウト』(17)、『アス』(19)で知られるジョーダン・ピールの脚本で制作された。「鏡に向かって名前を5回唱えてはいけない」という噂が流行し、唱えるとキャンディマンがやってきて殺されてしまう。原作『キャンディマン』とは時代や展開が異なるアプローチをとっており、リメイクというより続編と言った方が近い。主人公でアーティストのアンソニーは作品作りに煮詰まり、“キャンディマン”の噂をもとに「名前を呼んでみろ」という作品を発表するが……。なぜキャンディマンは人々を襲うのか、「やってはいけない」の先に待ち構えるものとは……?

空を見上げてはいけない……
NOPE/ノープ』(2022)

あらすじ:舞台は南カリフォルニア、ロサンゼルス近郊にある牧場。亡き父から、この牧場を受け継いだOJは、半年前の父の事故死をいまだに信じられずにいた。形式上は、飛行機の部品の落下による衝突死とされている。しかし、OJはこの事故の際に一瞬目にした飛行物体を忘れられずにいた。妹のエメラルドはこの飛行物体を撮影して、“バズり動画”を世に放つことを思いつく。やがて起こる怪奇現象の連続。それらは“最悪の奇跡”の到来の序章に過ぎなかった……。

前述の『キャンディマン』の脚本を担当したジョーダン・ピールが監督・脚本を務める。主演のダニエル・カルーヤは、ジョーダン・ピールの代表作『ゲット・アウト』(2017)でも主人公を演じ、今作で再タッグとなった。本作は上空にいる謎の飛行物体との接触を描く物語。主人公・OJ以外にも飛行物体の正体を探ろうとするものも出てくるが、それは「見て」はいけなかった。

黒い絵を見てはいけない
岸辺露伴 ルーヴルへ行く』(2023)

あらすじ:特殊能力を持つ、漫画家・岸辺露伴は、青年時代に「最も黒い絵」の噂を聞く。それは最も黒く、そしてこの世で最も邪悪な絵だった。時は経ち、その絵がルーヴル美術館に所蔵されていることを知った露伴はフランスを訪れる。しかし、不思議なことに美術館職員すら「黒い絵」の存在を知らず、データベースでヒットした保管場所は、今はもう使われていないはずの地下倉庫だった。

シリーズ累計発行部数1億2千万部を誇る荒木飛呂彦のコミック「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフシリーズ、「岸辺露伴は動かない」。その中の一作である「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」は、フランスのルーヴル美術館によるバンド・デシネプロジェクトとして制作された。「岸辺露伴」シリーズはサスペンス・ホラー色が強い作風が特徴で、これまでたびたび実写ドラマとして展開し、初めて映画化された。今作はこの世で「最も黒い絵」を巡る物語。その絵を「見て」しまったとき、次々と恐ろしいことが起き始める。「黒い絵」とは何なのか、降りかかる災難を露伴はどう切り抜けるのかが見どころ。

眠ってはいけない……
エルム街の悪夢』(2010)

あらすじ:エルム街に住む高校生・ナンシーたち5人は、顔が焼けただれ、鉄の爪を持った男に襲われるという悪夢に毎晩うなされていた。夢の中の出来事が現実でも起こり、生き延びるためには眠らずにいるしかないと悟った彼らは、自分たちと殺人鬼の関係を探るが……。

アメリカ3大ホラーの一つでもある『エルム街の悪夢』(1984)のリメイク作品。夢の中に現れる殺人鬼、フレディと戦うストーリー。1984年版のロバート・イングランド演じるフレディは意外と陽気であの手この手で襲ってくるコメディチックな一面があったが、リメイクのジャッキー・アール・ヘイリーのフレディは静かに、そして恐ろしくターゲットを追い詰めていき、全体的にシリアスな印象となっている。どちらのフレディが好みかは人それぞれだが、リメイクは「眠ってはいけない」ことの辛さをよりフィーチャーしており、眠気に耐える若者たちの奮闘には手に汗握らずにはいられない。

 

サムネイル:(c)FILMAGA

※2023年11月29日時点の情報です。

※最新の配信状況は、各動画配信事業者の公式サイトにてご確認ください。

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