世代を超えて読み継がれる新井英樹による伝説的コミックを、主演に池松壮亮、ヒロインに蒼井優を迎え、真利子哲也監督が映画化した『宮本から君へ』が2019年9月27日(金)に全国公開となる。
映画では、原作の後半をベースに、池松壮亮が演じる“宮本浩”と蒼井優が演じる“中野靖子”の前に立ちはだかる「究極の愛の試練」を二人が克服していく姿が描かれている。また、井浦新、松山ケンイチ、佐藤二朗、柄本時生など個性派俳優たちの出演も魅力のひとつとなっている。
映画『宮本から君へ』あらすじ
文具メーカー「マルキタ」で働く営業マン宮本浩(池松壮亮)は、笑顔がうまくつくれない、気の利いたお世辞も言えない、なのに、人一倍正義感が強い超不器用な人間。
会社の先輩・神保(松山ケンイチ)の仕事仲間である、自立した女・中野靖子(蒼井優)と恋に落ちた宮本は、靖子の自宅での食事に呼ばれるが、そこに靖子の元カレ・裕二(井浦新)が現れる。裕二を拒むため、宮本と寝たことを伝える靖子。怒りで靖子に手を出した裕二に対して、宮本は「この女は俺が守る」と言い放つ。この事件をきっかけに、心から結ばれた宮本と靖子に、ひとときの幸福の時間が訪れる。
ある日、営業先で気に入られた真淵部長(ピエール瀧)と大野部長(佐藤二朗)に誘われ、靖子を連れて飲み会に参加した宮本は、気合いを入れて日本酒の一升瓶を飲み干し、泥酔してしまう。見かねた大野が、真淵の息子・拓馬(一ノ瀬ワタル)の車で送らせようと拓馬を呼びつけた。そこに現れたのは、ラグビーで鍛えあげられた巨漢の怪物だった……! 泥酔する宮本と、宴会を楽しむ靖子、二人の間に、人生最大の試練が立ちはだかる。
映画『宮本から君へ』キャスト
宮本浩/池松壮亮
文具メーカー「マルキタ」の営業部員。「ひなぎくハウス」201号室に住む。まっすぐで熱く、人生が不器用すぎる男。
1990年7月9日生まれ。福岡県出身。『ラストサムライ』(03)で映画デビュー。出演した『紙の月』(14)『愛の渦』(14)、『ぼくたちの家族』(14)、 『海を感じる時』(14)で、第38回日本アカデミー賞新人俳優賞、第57回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。主演作『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(17)などで第9回TAMA映画賞最優秀男優賞、第39回ヨコハマ映画祭主演男優賞を受賞。映画出演作には『万引き家族』(18)、『君が君で君だ』(18)、『散り椿』(18)などに出演。最新出演作に『町田くんの世界』(19)。
池松壮亮コメント
この原作が手元に来てから、随分と時間が経ってしまったような気がします。ボロボロになるまで読み漁ったこの偉大な原作の力をお借りして、時代の変わり目に強烈な人間賛歌を残すべく、身も心も捧げたつもりです。蒼井さんとは「斬、」から立て続けの共演となりますが、今度は宮本と靖子として、物語の中の人生の試練を共にする事が出来たと思っています。その存在にいつも救われました。そのほかキャストそれぞれの、抜群のアクトも楽しみにしていただければと思います。まだ仕上げ真っ最中でどうでるか分かりませんが、生きてゆく覚悟、信じる覚悟、そして人生を感じるような映画になるんではないかと期待しています。
傲慢な男ですが、今秋、宮本からあなたへ、よろしくお願いします。
中野靖子/蒼井優
宮本の会社の先輩・神保の仕事仲間。飲み会で宮本と意気投合する。男勝りで芯が強く自立した女。
1985年8月17日生まれ、福岡県出身。『リリイ・シュシュのすべて』(01)のヒロイン役で映画デビュー。『花とアリス』(04)、『ニライカナイからの手紙』(05)、『フラガール』(06)などで主演を務め、『フラガール』で第30回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、新人俳優賞をダブル受賞したほか、国内の映画賞を総なめにした。近年の主な映画出演作に、『オーバー・フェンス』(16)、『アズミ・ハルコは行方不明』(16)、第41日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『斬、』(18)、『長いお別れ』(19)。
蒼井優コメント
全身で感情をぶつけ合うシーンの連続だった為、撮影3日目には既にヘトヘトでした。こんなに早く疲弊した現場は初めてです。体力、集中力、瞬発力、そして声量が基本的にどのカットにも必要だったのですが、共演者の皆様と労り合い、励まし合い、スタッフの皆様に助けていただき、なんとかクランクアップすることが出来ました。こんなに高カロリーな作品はなかなか無いと思います。公開を楽しみにしていただければと思います。
風間裕二/井浦新
靖子の元彼。小説家志望の遊び人。女がほっとけないヒモ気質。
1974年9月15日生まれ、東京都出身。『ワンダフルライフ』(98)に初主演。以降、映画を中心にドラマ・ナレーションなど幅広く活動。『かぞくのくに』(12)で第55回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞、『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(13)で第22回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞、第8回大阪アジアン映画祭主演男優賞。近年の主な映画出演作に、『菊とギロチン』(18)、『止められるか、俺たちを』(18)、『赤い雪 RedSnow』(19)、『嵐電』(19)など。
井浦新コメント
撮影時、この作品が放つ生命感溢れる熱量に吹き飛ばされまいと、全身全霊で現場にしがみついていた。その中心で熱苦しいほどのエネルギーを生み出している池松君と蒼井さんのぶつかり合いは、正に鬼神の如く、その凄まじさを余すことなく味わえたことが、大きな喜びでした。関わったシーンでの撮影では毎回がクライマックス、しかし初号を観たら始まりから終わりまで全編がクライマックスに漲っていた。なんてべらぼうな映画だ。
真淵拓馬/一ノ瀬ワタル
真淵部長の息子。現役ラグビー部で怪物と呼ばれるほどの怪力の持ち主。
1985年7月30日生まれ、佐賀県出身。格闘家としての現役時代に出演した『クローズZEROⅡ』(09)で俳優デビュー。日本人俳優として規格外の体格を活かし『HiGH&LOW』シリーズ、『新宿スワン』シリーズなど様々な作品に出演する。近年の主な出演作品に、『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18)、『トラさん〜僕が猫になったワケ〜』(19)、『キングダム』(19)などがある。
一ノ瀬ワタル コメント
映画「宮本から君へ」がいよいよ公開します。僕が原作に出会った直後にこの役をやれるチャンスを頂き運命的なものを感じました。真淵拓馬は絶対に自分にしか出来ないという自信と強い想いがあります。より拓馬に近付く為2ヶ月間で30kg以上の増量もしました。この作品を撮り終わったら死んでも良いと覚悟して挑んだ作品です。ありったけの魂を込めました。この映画、観てください!!!!!!!!
大野平八郎/佐藤二朗
太陽製薬・資材部部長。大学ラグビー部時代からの真淵の親友で息子・拓馬の面倒も見るほど。宮本を真淵に紹介する。
1969年5月7日生まれ、愛知県出身。1996年に演劇ユニットちからわざを旗揚げ、全公演で作・出演。多数のドラマ・映画に出演する他、映画『memo』(08)では脚本・監督を務めるなど幅広い才能を発揮する。近年の主な出演作品に、『50回目のファーストキス』(18)、『銀魂2 掟は破るためにこそある』(18)、「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」(19)、『柴公園』(19)、『ザ・ファブル』(19)などがある。
佐藤二朗コメント
僕が新井英樹作品を大好きな理由の1つが、何かを引きかえに描いてるとしか思えない、壮絶で豊饒なキャラクターたちだ。今回、そのキャラクターの1人を演じられることに悦びと畏れを感じつつ、皆で渾身の思いで拵えた作品です。是非、劇場でご覧ください。
神保和夫/松山ケンイチ
宮本の先輩。「マルキタ」の営業部主任だったが、独立し新会社を経営。
1985年3月5日生まれ、青森県出身。2002年に俳優デビュー。2005年に『男たちの大和/YAMATO』で鮮烈な演技で一躍注目を浴び、第30回日本アカデミー賞新人俳優賞、第31回報知映画賞新人賞、第28回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。2016年には、『聖の青春』で第40回日本アカデミー賞優秀主演男優賞、第59回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞。近年の主な出演作に、『怒り』(16)、『関ヶ原』(17)、『ユリゴコロ』(17)などがある。
田島薫/柄本時生
宮本の同僚でよき相談相手。関西弁の気のいい男。
1989年10月17日生まれ、東京都出身。2003年、映画 Jam Films S『すべり台』(05)のオーディションに合格し、主演デビューを果たす。『俺たちに明日はないッス』(08)など同年数々の映画で活躍し、第2回松本CINEMAセレクト・アワード最優秀俳優賞受賞。以降、舞台、映画、ドラマと幅広く活躍する。近年の主な出演作に、『超高速!参勤交代リターンズ』(16)、『聖の青春』(16)、『彼女の人生は間違いじゃない』(17)、『王様の選択』(18)、『旅のおわり世界のはじまり』(19)などがある。
小田美紀彦/星野英利
「マルキタ」の営業部課長。危なっかしい宮本を何かと気にかける。
1971年8月6日生まれ、大阪府出身。『UDON』(06)で映画デビュー。『幸運の壺 GoodFortune』(12)で初主演を務めて以降、ドラマ、映画など幅広く活動。近年の主な出演作品に、『宮本から君へ』(18/TX)、『チア☆ダン』(18/TBS)、『砂の器』(19/CX)、『スパイラル〜町工場の奇跡〜』(19/TX)、『文福茶釜』(18)など。公開待機作に『酔うと化け物になる父がつらい』(19)がある
岡崎部長/古舘寛治
「マルキタ」の営業部長。小田に説得され、いつもの尻拭いをさせられる。
1968年3月23日生まれ、大阪府出身。ニューヨークで演技を学び、帰国後、舞台を中心に個性派俳優として、映画、ドラマ、CMに数多く出演。近年の主な出演作品に、『勝手にふるえてろ』(17)、『友罪』(18)、『クソ野郎と美しき世界』(18)、『教誨師』(18)などがあり、『甘いお酒でうがい』(20)の公開が控える。大河ドラマ『いだてん〜東京オリンピック噺〜』(19/NHK)にレギュラー出演中。
真淵敬三/ピエール瀧
泉谷建設・建設部部長。営業に来た宮本を気に入り、自分のラグビー部に入れる。
1967年4月8日生まれ、静岡県出身。89年、電気グルーヴのメンバーとして活動を開始。ミュージシャンとして活躍する一方、俳優として、13年『凶悪』で第37回日本アカデミー賞優秀助演男優賞他、数々の賞を受賞。近年の主な出演作品に『アウトレイジ最終章』(17)、『サニー/32』(18)、『孤狼の血』(18)、『麻雀放浪記2020』(19)などがある。
宮本武夫/新井英樹
宮本の父親。昔、校長先生をしていた。
『宮本から君へ』原作者。1963年、神奈川県生まれ。大学卒業後、文具メーカーの営業マンから漫画家へ転身。88年の第19回ちばてつや賞入選などを経て、89年「8月の光」で漫画家デビュー。90年にモーニング(講談社)で連載をスタートし、92年に<第38回小学館漫画賞 青年一般部門>を受賞。漫画代表作に2018年に吉田恵輔監督、安田顕主演で映画化された「愛しのアイリーン」や、「ザ・ワールド・イズ・マイン」など。
映画『宮本から君へ』監督・脚本
真利子哲也
1981年、東京都生まれ。法政大学在学中に8mmフィルムで自主制作した短篇作品が、国内外で注目される。その後、東京芸術大学大学院の修了作品『イエローキッド』が、国内外で高い評価を受けると、学生映画として異例の劇場公開に。『NINIFUNI』『FUN FAIR』など中編作品を経て、2016年に劇場公開された『ディストラクション・ベイビーズ』が、第69回ロカルノ国際映画祭で最優秀新進監督賞を受賞をはじめ、国内外の映画賞で多数の賞を受賞した。
映画『宮本から君へ』原作
社会に蔓延する様々なテーマを、容赦ない人間描写と圧倒的な世界観で描き続けてきた漫画家・新井英樹が熱血営業マン・宮本浩、七転八倒の記録を描いた作品。1990 年にモーニング(講談社)で連載をスタートし、1992年に<第38回小学館漫画賞 青年一般部門>を受賞。
2009年には『定本 宮本から君へ』(全4巻)が太田出版より出版され、いまもなお俳優やミュージシャン、漫画家など各界から熱烈な支持者を生み続けている。
新井英樹コメント
初めて真利子くんにあった日から
いま、ここまでの道のりが、まんま『宮本から君へ』でした。
「映像は『宮本』好きなひとを集めたい!」と語る彼に
原作者のボクは「それはその想いだけで十分」と・・・
ところが、そこに池松くんの熱が加わり
さらにさらに演者・スタッフ・製作・音楽すべてに
ボクの想像を超えた熱情が噴き出しました。
これ、「感謝」はおこがましいので
関係者の皆さんの「歓び」になっていたなら幸せです。
ボクにとって
「ボクのものじゃなくなる!」って寂しさのない爽快感は
「誰かのものになった!」嬉しさ、達成感と相まって
最高のご馳走となりました。
エネルギーに満ちた映画なんです!
ゴツゴツした魂のかたまりの岩を
勢いで積み上げ固めた爆弾ようです!
女のひとに向けた映画です!
25年前にボクが片付けられなかった
「あのシーン」の顛末、
ずっと残っていた心の罪の想いを
ボクのこどものような歳のふたりの演者が
救済してくれました!!
理屈じゃ感動できないボクには
最高の贈られ物でした!!
生きているってのは誰かから誰かへと
想像もできない感情を生み出してくれます!!
『宮本から君へ』
ぜひ劇場で確かめてみてください!!
映画『宮本から君へ』予告編
映画『宮本から君へ』作品情報
2019年9月27日(金)新宿バルト9ほか 全国ロードショー
配給:スターサンズ、KADOKAWA
公式サイト: https://miyamotomovie.jp
(C)2019「宮本から君へ」製作委員会
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】
【文/ビルボーイジン】
※2020年11月28日時点のVOD配信情報です。