『ライオン・キング』はディズニーのエッセンスと最新技術を融合した“超実写版”ージョン・ファブロー監督<来日インタビュー>

世界のディズニーを翔る元映画サイト編集長

鴇田崇

7月の全米公開後、驚異的なヒットを記録しているディズニー映画最新作『ライオン・キング』。オープニング3日間の興行収入は1億8,500万ドル(約197億9,500万円)を超え、その勢いはとどまるところを知らず、2週連続で全米No.1。全世界興行収入は早くも10億ドルを突破という、公開からわずか12日間で、日本興収100億円を突破した『アラジン』の全世界興行収入を超えてしまった<キング・オブ・エンターテインメント>だ。

ライオン・キング

その監督を務めた才人ジョン・ファブローに、FILMAGAでは来日インタビューを行った。3年前の『ジャングル・ブック』では、主人公以外のキャラクターをすべてフルCGで描いて革新的な映像を作り、全世界歴代興収ランキング1位となった記録的大ヒット映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』では製作総指揮を務め、映画『スター・ウォーズ』の実写ドラマシリーズ『ザ・マンダロリアン(原題)/The Mandalorian』でも製作指揮監督を務めるなど、近年のディズニー映画のキーマンに話を聞く。

ライオン・キング

ーー本作はアニメ版、舞台版の両要素の融合が見られますが、どのような経緯を経て完成したのでしょうか?

ファブロー監督 ジュリー・テイモアが演出した舞台版は、アフリカの文化や音楽に焦点を当てていて、キャスティングや美術を作る上でも、きちっとアフリカが舞台であるというカルチャーを大切にしていた。そこがすごくいいなと思ったので、採り入れた要素のひとつだよ。後は女性キャラクターが94年のアニメーション版よりも数多く登場していて、僕はアップデートは当然だろうと感じたし、今回、非常に有機的にそれらを採り入れているつもりだ。

ーー良いものは受け継ぐということですね。

ファブロー監督 舞台版を観た時に94年の映画とまったく一緒だなと思ったけれど、実はミュージカル版のほうが1時間も長かったりする。ということは本質をキープしながらも、自由に付け加えたりしている部分があるということだ。オリジナル版を観た人の記憶に残った部分は押さえつつ、あまり記憶に残っていない部分は自由に広げていくという手法はいいなと思って、今回もそうしている。だから観てもらうとアニメ版とまったく一緒だと思うかもしれないけれど、両方をよく比べて観ると、けっこう違うとは思うよ。

ライオン・キング

ーー最初にオリジナル版を観た時は、どういう感想を?

ファブロー監督 ハリウッドで俳優として仕事をしている20代の頃、僕はアニメーションを観るようなタイプではなかったよ(笑)。でも、素晴らしい作品という評判で、劇場に観に行ったかな。ちょうど当時はピクサーの作品も登場していた頃で、たとえアニメーションでも物語が美しいアーティスト性が高い作品というものは、子どもからおじいちゃんおばあちゃんまで世代に関係なく観られるものだと思ったよ。それはまたディズニーが得意としている部分だよね。

ーー内側にいる人の視点で観た場合、ディズニー社の映画作りのスタンスは、どこがすごいと思いますか?

ファブロー監督 興味深い質問だね。マーベルについては僕と一緒にケヴィン・ファイギとスタートして、クリエイティブの中心的存在として彼が皆を引っ張り、ディズニーはそれを支えてくれる。それはもちろん、ケヴィンが素晴らしい仕事をしているからなのだが、彼は本物のスーパーヒーローもののファンであり、確かなビジョンを持っていることも理由としてはあるかな。

おそらくディズニーは、本当に世代を超えて愛され続けている自分たちのIPをきちんと理解しているスタジオだと思う。作品を作る時も、みながそのエッセンスを守りつつ、少しそれを変えても変えすぎないところが絶妙なんだよ。あとはもちろんよく知っていると思うけれど、映画で体験した感動や世界観をグッズ、テレビ、リゾート、パークなど、いろいろな形で展開していて、ディズニーのすべてのビジネスの側面の中にアイデンティティみたいなものが同じように流れていくように作っているところだ。

ーーちなみに<超実写版>として、次に映画化したいディズニー作品は何でしょうか?

ファブロー監督 次だって? どうでしょうか(笑)。今作は、登場人物が全部生きものだったから使えた技術だったよ。反対に、完全にアニメーションでなければ使えないものであったとも思う。つまり、クラシカルなディズニー・アニメーションを実写でリメイクしようと思った時に、何もリアルなものは撮れない。だから、そもそもが無理という地点で話が始まっているので、であれば、バーチャルな空間で実際にカメラで撮影ができる、すなわち普通に実写で使う技術を採り入れたら、できるのではないかというところで生まれたテクノロジーだった。今回の『ライオン・キング』が突きつけてきた挑戦の答えが、今回の『ライオン・キング』にすべて入っているよ。

ライオン・キング

ーー今後も期待しています!

ファブロー監督 とはいえ今回培った技術を、ほかに調整・応用はするつもりだ。実際にたとえば「ザ・マンダロリアン」のほうで形を変えて準備は初めているよ。(取材・文=鴇田崇)

映画ライオン・キングは、2019年8月9日(金)より全国ロードショー。

出演:ドナルド・グローヴァー、セス・ローゲン、ビヨンセ ほか
監督:ジョン・ファブロー
脚本:ジェフ・ナサンソン
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/lionking2019.html
(C)2019 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

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  • かとぅーらす
    4
    え、これアニメーションじゃないんだ?! ん…? しかも、監督、ジョン・ファブローなのかよ! ということで鑑賞。 普通に超良かった。 とにもかくにもビジュアルが死ぬほど強くて、これだけでも十二分に満足できるくらい尋常じゃなく完成度が高い。溜め息が出るほど素晴らしく、あまりにも雄大。この良さは百万言を費やしてもとても伝えられないので、是非とも実際に見てほしい。 私は、一人動物園や一人水族館にも行ってしまう程度に動物が好きなのだが、その中でも、猫飼いであるため猫が特別好きである。そう、何が言いたいのかと言うと、子供の頃のシンバがかわい過ぎるのである。猫じゃん! 百獣の王も猫じゃん! おにゃんこじゃん! おにゃんこちゃんじゃん!にゃんにゃーん! なのである。子供の頃の、と言ったが、大人になってもかわいいのである。アニメーションにはない強みなのである。たまらんのである。『猫ちゃん飼ってるんですか?』と聞かれた際に『はい、そうです』とだけ言っとけばいいものを、『俺が猫ですよね、もはや』とかいう意味不明で気が狂った返事をたまにしてしまうくらい猫科の動物が特に好きなのである。当然、言われた相手は失苦笑するしかないのである。猫ちゃん万歳なのである。 しかし、これだけ映像がいいと、ナショジオを見てるときみたいに自然の営みについても思いを馳せてしまうし、ストーリーで描けること描いてること以上に、作品が深まってて超いいな。 いやー、見れて良かったー。
  • きん
    -
    劇団四季のライオンキングを観に行く予定なので予習がてら鑑賞。 動物ちょっと苦手だしストーリーは知っているのに全然楽しめた!幼虫たちを食べ散らかすところはリアルで気持ち悪かったけども!あとハイエナの群れがとても怖かった。 ベビーシンバが声見た目共に可愛くて、危なっかしいけれどずっと観ていたい。父からの教えと父子の関係が素敵。父の足跡に自分の小さな足を重ねる場面や、シンバが危険を冒した後に父が激怒するのかと思いきや諭すにとどめてじゃれ合う場面が良い。 ティモンとプンヴァがいいキャラしてた!父を目の前で亡くし絶望していたシンバが2匹のお陰で前向きに成長していく。 2匹が歌うアカペラの歌がすごく良かった。 「ハクナマタタ」「悩むな!」胸に刻もう
  • こーしろ
    4.2
    結構好き。 けど大人のシンバの声優さん微妙に子供っぽいの気になる。 逆にそれが良いのかな。お父さんと比べると声はまだイケボじゃないけど中身は成長したよ的な。 んなことないか。 やっぱり曲がいいよねライオンキング。
  • NttCh
    -
    記録
  • りんご
    2.3
    アニメの方が好きだったかも。 でもリアルだったから動物園に行きたくなった笑
ライオン・キング
のレビュー(82158件)