2018年新語・流行語大賞トップ10、Twitter世界トレンド第1位獲得するなど日本中に社会現象を巻き起こした『おっさんずラブ』が『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』となってスクリーンで帰還! 現在連続ドラマ時代のファンを中心に、奇跡の映画化を歓待する声でいっぱいです。
笑いも感動もスクリーンで頂点へ達し、おっさんの“ラブ・バトルロワイアル”が炸裂している今回の劇場版に、天空不動産 東京第二営業所 営業部員の栗林歌麻呂役の金子大地も再登板。一年という月日が流れ、大人になったという<マロ>について、そして自身について赤裸々に語ってくれた。
ーーマロ役で再び、ということで、どういう心構えで撮影に入りましたか?
そうですね。クランクインの前日まで別作品の撮影をしていたこともあって、実は準備という準備は特に今回していなかったんです。撮影現場でなんとかするしかないと思っていましたが、現場に入って皆さんと一緒にお芝居をしていったら自然とマロになれていました。気持ちとしてはドラマの時と同じような感覚で臨みました。ただ、ドラマのその後の物語がしっかり描かれていたので、ちゃんと雰囲気をつかまないととは思いました。
ーーマロにも新展開がありますからね!
そうですね! でも、あれだけの年の差なので、純粋でいることは心がけました。純愛というか、それなりに覚悟がないといけないなと思ったので、そこは意識しました。
ーーマロは愛されキャラな印象もありますが、どう受け止めて演じたのでしょうか?
意外と大人ですよね、マロは。映画では、それを意識していました。マロは周囲をよく見ていて、天空不動産にいる時と蝶子さんとふたりでいる時とでは違う。仕事をしている時は気を張っていて、蝶子さんといる時は純粋に好きな人と一緒にいる気持ちを出すということを心がけていました。
ーー一年間の成長でしょうか!
(蝶子さんへの)接し方がわかったということなのかなと思いました。ドラマではとがっていましたが、ちゃんと付き合い方が上手くなった。大人になったなあと思っていただけるとうれしいです。ドラマの時はモンスター新入社員ということで、いまどきの感じも意識していましたが、大人になったんだと思います。
ーー山田正義(ジャスティス/志尊淳)の登場も影響ありそうですよね。
すごい名前ですよね(笑)。マロは自分が新入社員で、後輩がまさか入ってくるとは思ってなくて、自分も栗林歌麻呂というすごい名前なのに、もっとすごい名前の奴が来た。言動もすごくて、しかも春田さんとのシーンもたくさんあって。ちょっとジェラシーを感じましたが、僕には蝶子さんがいるって思っていました(笑)。
ーーマロとはどこが似ていますか?
マロほど攻撃的ではないですが、純粋でありたいと思って僕自身も生きているので、そこは似ているのかなと思います。
ーー共感するところは?
マロを演じるうえでは映画でもあったように、それなりの覚悟が必要だと思うんです。それは若いのにすごいなと思っていて、自分もそれくらい大きな男になりたいなって思いながら演じていました。
ーー最近の活躍を振り返って、いまの俳優としての日々はいかがですか?
演じている時も楽しいと感じることはありますが、映画でもドラマでも、いまやっていることが後になって返ってくるので、出来上がった作品が評価されると、やっぱり楽しいなって思いますね。
ーーそれも含めて、俳優になって初めて知る感覚ですよね。仕事を始める前と後で、何か感じたことはありましたか?
もしかしたら違う仕事をしていたのかな、と思うこともありますが、僕自身はそこまで変わらなかったと思います。とにかく今はいいものを残したいと思ってこの仕事をしています。
ーー俳優として、現時点での課題みたいなものは何でしょう?
いろいろまだ足りていないなと思うことはありますね。何が足りていないかって言葉で表現するのは難しいですが、僕はもういただた役を一生懸命演じることが大切だと思っています。足りない部分は誰かが評価することだと思うので、僕自身ではなかなか思い浮かばないですね……。
ーーいずれ、こういう俳優になるみたいな理想の俳優像はありますか?
作品を通じて人を感動させている人は、すごいですよね。俳優として、何かを届ける力を持っている方はすごいと思うので、そうありたいと思います。(取材・文=鴇田崇/写真=iwa)
映画『劇場版 おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』は、現在大ヒット公開中。
出演:田中圭、吉田鋼太郎、林遣都 ほか
監督:瑠東東一郎
脚本:徳尾浩司
公式サイト:ossanslove-the-movie.com
(C)2019「劇場版おっさんずラブ」製作委員会
※2022年1月30日時点のVOD配信情報です。