国内最大級の映画・ドラマ・アニメのレビューサービス Filmarks主催のリバイバル上映プロジェクトにて、今年日本公開10周年を迎える『アバウト・タイム 愛おしい時間について』が5月31日 (金)より2週間限定で全国にてリバイバル上映中。
2024年5月26日(日)には、リバイバル上映に先駆け、卓越したクリエイティブで人気のTRUNK BY SHOTO GALLERYとFilmarksが タッグを組み、『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のテーマや世界観をエッセンスとした空間で1日だけのスペシャルイベント「愛おしい時間の見つけ方」が開催されました。
FILMAGAではイベントの様子をレポート!
映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』(2013)あらすじ
あらすじ:イギリス南西部に住む青年ティムは、両親と妹、そして伯父の5人家族。どんな天気でも、海辺でピクニックを、週末は野外映画上映を楽しむ。風変りだけど仲良し家族。しかし、自分に自信のないティムは年頃になっても彼女ができずにいた。そして迎えた21歳の誕生日、一家に生まれた男たちにはタイムトラベル能力があることを父から知らされる。そんな能力に驚きつつも恋人ゲットのためにタイムトラベルを繰り返すようになるティム。弁護士を目指してロンドンへ移り住んでからは、チャーミングな女の子メアリーと出会い、恋に落ちる。ところが、タイムトラベルが引き起こす不運によって、二人の出会いはなかったことに!なんとか彼女の愛を勝ち取り、その後もタイムトラベルを続けて人とは違う人生を送るティムだったが、やがて重大なことに気がついていく。どんな家族にも起こる不幸や波風は、あらゆる能力を使っても回避することは不可能なのだと……。そして、本当の愛とは、幸せとは何なのかを知る。同時に、ティムと時間の旅をともにする私たちも、愛と幸せの本質を実感することになる。
『アバウト・タイム 愛おしい時間について』のエッセンスが散りばめられた会場

自由でクリエイティブなウェディングパーティを手がけるTRUNK BY SHOTO GALLERYプロデュースのイベント会場はどこを切り取ってもフォトジェニック。

劇中のウェディングシーンの雰囲気そのままの会場に来場者のテンションも一気に上がっていました。柔らかなグリーンとカラフルな装飾が特別感を演出。

作品のあのシーンを完全再現!

劇中でティムがタイムトラベルを行う際に使っていたクローゼット。印象に残っている方も多いのでは?

そんな名シーンを完全再現したフォトスポットも。実際にクローゼットの中に入って写真を撮影することができました。このセットはこの日のためだけにTRUNK BY SHOTO GALLERYがイチから製作。

参加者の皆さんは、可愛くて美味しい軽食&デザートやドリンクを片手にイベントを楽しんでいました。

作品から得られる“教訓”がぎゅっと詰まったティムと父が卓球を行うシーンも! 棚の上の小物まで父の書斎のムードが漂います。

クイズやトークテーマでファン交流も

本イベントでは参加者がテーブルごとに分かれてチームとなり、「今の自分、10年前の自分」「ティムのように過去にタイムトラベルができるとしたらいつに戻って何をしますか?」など簡単な自己紹介を含めたトークや、『アバウト・タイム 愛おしい時間について』と、ラブコメ作品に関するクイズを実施。

『アバウト・タイム 愛おしい時間について』にまつわるクイズは全チームが秒速正解を出す勢い……! クイズの優勝チームにはオリジナルのTシャツと直筆のサイン本のプレゼントが。
ジェーン・スーさん&高橋芳朗さんによるスペシャルトークセッション
「新しい出会いなんて期待できないんだから、誰かの恋観てリハビリするしかない~愛と教養のラブコメ講座」(ポプラ社)を共著しているお二方のスペシャルトークセッションも。
ラブコメについて、リチャード・カーティスの作品や音楽についてたっぷりお話し頂きました。FILMAGAでは中でも『アバウト・タイム 愛おしい時間について』の魅力についてのトークを抜粋してご紹介!

ジェーン・スー

コラムニスト・ラジオパーソナリティ
1973年東京生まれの日本人。TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』(毎週月~木曜 午前11時~)のメインパーソナリティを担当。 毎週金曜17:00に配信されている話題のポッドキャスト「ジェーン・スーと堀井美香のOVER THE SUN」 が、2021年3月「JAPAN PODCAST AWARDS2020 supported by FALCON」にて、「ベストパーソナリ ティ賞」と、リスナー投票により決まる「リスナーズチョイス」をW受賞。また、ポッドキャスト「となりの雑 談」(毎週火曜20:00配信)のパーソナリティも担当している。2024年2月現在、毎日新聞やAERA、婦人 公論などで数多くの連載を持つ。
高橋芳朗

音楽ジャーナリスト/ラジオパーソナリティー/選曲家。
東京都出身。著書は『マーベル・シネマティック・ ユニバース音楽考~映画から聴こえるポップミュージックの意味』『新しい出会いなんて期待できないん だから、誰かの恋観てリハビリするしかない~愛と教養のラブコメ映画講座』『ディス・イズ・アメリカ~「ト ランプ時代」のポップミュージック』『KING OF STAGE~ライムスターのライブ哲学』『ライムスター宇多 丸の「ラップ史」入門』『生活が踊る歌~TBSラジオ「ジェーン・スー生活は踊る」音楽コラム傑作選』な ど。TBSラジオでの出演/選曲は『ジェーン・スー 生活は踊る』『金曜ボイスログ』『アフター6ジャンクショ ン』など。
アバウト・タイムという映画について
ー公開当時もご覧になられていると思うのですが、当時の感想などはいかがでしたか?
スー:温かい気持ちになって感動したあと、よく考えて驚いたのを覚えています。フォーマットはカジュアルなラブコメ作品なんですけど、徐々に明らかになっていく深淵なテーマや重厚な内容を軽やかに伝える術に関しては、ほかのラブコメ作品とは比較にならないほどだったから。その感想は、いまも変わりません。
高橋:あの中盤からの展開、最初に観たときはさすがにびっくりした。今日のトークイベントに登壇するにあたって昨晩2年ぶりぐらいに観直したんだけど、やっぱりこの映画は定期的に観ておかないとダメだね。ティムのお父さんの「毎日を二度すごせ」という名言があるでしょ? やっぱりあの言葉を肝に銘じて生きていきたいというか、日々の生活の戒めにしたいよね。
スー:ホントホント。そういう作品だって覚えていたのに、今回のイベントに備えて改めて家のソファーに寝っ転がりながら観て、お菓子をボロボロ落としたりして……。最後に「最善を尽くせ」というメッセージを受け取って、あぁ〜失敗した……今日はもう失敗した、明日から頑張ります!って気持ちになったわ(笑)
高橋:ティムが初恋の相手、シャーロットと再会したときに挨拶に失敗して何度も何度もやり直すじゃないですか。あの程度のことでいちいちクローゼットに駆け込んでいたら人生がぜんぜん前に進んでいかないよね(笑)。
スー:自分にも思い当たるところがあるシーンだよね。「あそこで上手くやれなかった!」ってずっと記憶に残ってるけど、相手はすっかり忘れてる。そういう記憶の濃度の違いが感情的な温度差に繋がる場面ってラブコメ映画によくあるパターンだけど、それを“もし、やり直せたら”っていう設定にしたのが、まず大発明。そして、微細な点をやり直したところで人生の本質は変わらないということをちゃんと教えてくれる。
高橋:人生うまくいかなくて当たり前なんだと思えてくるんだよな。そこはすごく勇気づけられるね。

ー好きなシーンはありますか?
高橋:ティムとメアリーが愛を育んでいく過程を地下鉄の通勤シーンのモンタージュで見せていくくだりですね。この映画きっての名場面でしょう。
スー:リチャード・カーティスのアイディアに仰け反る場面はいくつもあるけれど、ふたりが初めて出会う場面が「暗闇」なのが、まずもって凄まじいよ。だって、初対面なのにお互いの姿形は見えないんだもの。で、何も見えてないのにふたりの関係性がもう可愛いし、お互いに好意を持っていることが会話から伝わってくる。このふたりはお似合いだってことが、映像なしで伝わってくる。あれこそ脚本と演出の力。
高橋:でも、あんなに甘美な出会いを結局はやり直すことになってしまうという。
スー:フフフ。メアリーがケイト・モス好きってことを知っててよかったね。
高橋:ティムがケイト・モス写真展のギャラリーに通い詰めてメアリーが現れるのをひたすら待つシーンも好き。BGMで流れるキュアー「Friday I’m in Love」の甘酸っぱさがラブコメ感を高めてくれるよね。
スー:これ、ラブコメ映画の功罪のひとつではあるんですが、リチャード・カーティスを筆頭に「結局、相手のことを好きになったらどんな男の人でもちゃんと行動に移す」って演出をやりますよね。そうしないと物語が進まないからでもあるんだろうけど、現実でも必ずそうに違いないと頑なに信じてしまった昔のティーンエイジャーも少なからずいると思うわ。
高橋:あとはメアリー役のレイチェル・マクアダムスがめちゃくちゃチャーミングで。彼女が主演のラブコメって意外と少ないから貴重だよね。
スー:メアリーの出で立ちが普通の女の子なことは、観てる側としてすごく安心するよね。特別オシャレじゃないし、確かに前髪切りすぎてるし、でも存在の可愛さがずば抜けてる。そういう意味ではティムもそう。
リチャード・カーティス監督について
ーお二人にとってのリチャード・カーティスとはどんな存在ですか?
高橋:スーさんと僕の共著「新しい出会いなんて期待できないんだから、誰かの恋観てリハビリするしかない~愛と教養のラブコメ講座」では「ラブコメの神様」として崇めています(笑)。彼のフィルモグラフィはほぼラブコメで埋め尽くされていて、なおかつ軒並みハイクオリティ。「好きなラブコメを3作品挙げるなら?」と問われてリチャード・カーティスの作品が2タイトル以上入ってくる人、結構多いんじゃないでしょうか。
スー:クラスのマドンナやヒーローにはなれない、ともすれば人生の主人公にはなれないタイプの人たちを丁寧に群像劇で描くのも上手いよね。
高橋:恋愛だけじゃなく人生のペーソスを丁寧に描いていることが結果的に彼の作品の普遍性を高めているのかも。20~30年前のラブコメを現在の視点で見るとポリティカルコレクト的に厳しい部分があったりするのが常なんだけど、リチャード・カーティス作品は比較的耐久度が高い方じゃない?
スー:全くないとは言わないけど、いま観てうぅ……ってなるものは確かに少ないよね。
高橋:『フォー・ウェディング』にゲイカップルが登場するのも1994年であることを考えると画期的だった。イギリスの同性婚法制化前だからね。
スー:そうだよね。そのことが話題になったよね。

ー当時はリチャード・カーティス監督は『アバウト・タイム 愛おしい時間について』が引退作になると話していたのですが、彼が本作を最後に選んだ理由っていうのは何かあると思いますか?
スー:人生は愛おしいもので、育んで慈しんでいけばその分だけ輝くことをラブコメ作品として伝えたかったんだと思いますね。
高橋:ロブ・ライナー監督が自身の代表作にしてラブコメ大傑作の『恋人たちの予感』について「人はいかにして人と出会うかを描いた映画」とコメントしていて。まさにそれってラブコメの肝だと思うんですよ。
スー:うんうん。ラブコメって、他者が自分の人生に介在してくることをどう捉えるかっていうのが肝だよね。
高橋:『アバウト・タイム』は、ある意味「人はいかにして人と出会うか」を突き詰めた映画でもあると考えていて。
スー:たしかに。『ラブ・アクチュアリー』もそうだよね。
高橋:まさにまさに。
スー:それをティムとメアリーという若いふたりのカップルにフォーカスしたのが『アバウト・タイム 愛おしい時間について』だね。
高橋:長年にわたってラブコメ映画に携わってきたリチャード・カーティスが監督最終作として『アバウト・タイム』のような作品に帰結するのは納得のいく着地だと思いますね。
スー:他者を人生に介在させた方が楽しくなると思っている時点で、基本的にリチャード・カーティスは陽キャなんだと思う(笑)
高橋:あと、リチャード・カーティスがラブコメを作り続けながらも常に「人生」という視座を忘れなかったことは改めて強調しておきたいですね。彼は『アバウト・タイム』のあと、ビートルズが存在しないパラレルワールドを描いたファンタジーラブコメ『イエスタデイ』の脚本に携わっていましたが、エンディングに流れるのは「人生は続いていく」と歌う「Ob-La-Di Ob-La-Da」でした。そこは一貫していたんですよね。
スー:そう思います。
ー最後に『アバウト・タイム 愛おしい時間について』5月31日(金)から2週間限定でリバイバル上映ということで、お二人からこの作品が好き、ラブコメが大好きな方々にメッセージをお願いします。
スー:こういった旧作がスクリーンで観られる機会ってあんまりないので、リバイバルものは行ける時にできるだけ行ってほしい!
高橋:それはまちがいないね。
スー:そうなのよ。改めて観ると、当時とはまた感想が変わることもあるので、リバイバルものはちょっとでも興味があれば行っておくのがいいと思います。
ー音楽もいい音で聴けますしね。
高橋:そうですね。リチャード・カーティス作品は音楽も大きな魅力ですから。あとは冒頭でも言いましたが、やはりこの映画は戒めのために2年に一度ぐらいのペースで観た方がいい(笑)。日々の生活の中で「毎日を二度すごせ」をちゃんと実践できているか、その都度確認したいですね。
映画『アバウト・タイム 愛おしい時間について』(2013)作品情報

◾️製作年:2013年
◾️監督&脚本:リチャード・カーティス
◾️出演:ドーナル・グリーソン、レイチェル・マクアダムス、ビル・ナイ、リディア・ウィルソン、リンゼイ・ダンカンほか。
『アバウト・タイム 愛おしい時間について』は、2024年5月31日(金)より、新宿ピカデリーをはじめとする全国65館で2週間限定リバイバル上映中。名作をぜひ劇場で!
About TRUNK BY SHOTO GALL

渋谷・松濤にあるTRUNK BY SHOTO GALLREYは、“PLAY FUL(あそび心)”をコンセプトに、自由で クリエイティブな空間とチャレンジングな発想で、おふたりにとって大切な時間を、おふたりにとって大切 な人たちと、世界で一つだけのウェディングパーティをつくる場所です。
公式WEBサイト:https://www.tgn.co.jp/trunk-shoto/
※2024年5月29日時点の情報です。


