それが人類未曾有の大事故を完全ドラマ化し今年最大の問題作といわれる『チェルノブイリ』だ。
製作はあの『ゲーム・オブ・スローンズ』のHBO®、監督は『ウォーキング・デッド』『ブレイキング・バッド』のヨハン・レンクという最高布陣が集結。全米での放送直後には、超有名評価サイトにて海外ドラマ史上最高評価を獲得し、2019年の第71回エミー賞で作品賞を受賞。
この度、満を持してBS241 BSスカパー!で第1話の無料放送が決定した。そんな海ドラ史上最高作が生まれた理由を徹底解説する。
冒頭からグイグイと引き込むサスペンスフルな構成
1986年4月26日未明の冷戦下の旧ソビエト。のちに「世界最悪の原子力事故」とされたチェルノブイリ原子力発電所事故が起こる。原子力発電所4号炉で起きた爆発により炉心や建物は一瞬にして破壊され、その後引き起こされた火災によって大気中には大量の放射性物質が放出。旧ソビエト政府がこの未曾有の原発事故を隠蔽しようとする中で、被害の拡大を少しでも抑えようと戦った“悲しき英雄”たちがいた。
「史実系は小難しそう…」という躊躇は不要。ドラマは事故からちょうど2年後の事故発生と同刻、事故の調査にあたった科学者ヴァレリー・レガソフがありのままの真実をテープに録音し終え、自らの命を絶つところから劇的に幕を開ける。まるでそのテープを再生するかのように、事故発生時の様子から事故の原因とその後の対応の一部始終が全5話を通して明かされる。冒頭から視聴者をグイグイと引き込むサスペンスフルな構成も高評価を得た要因と言える。
すべてのはじまりをドキュメンタリータッチで描き出す第1話は、全シーン全カットがクライマックスと言っても過言ではない程の緊迫感がある。事故が発生し、原発職員たちはパニックの中で原因を探ろうとする。ただよう粉塵。金属の味がする空気。顔は赤くただれ、吐血する職員もいる。がれきの山と化した原子力発電所4号炉。そして振り切れる線量計。目の前に広がるのは苦悩と絶望、葛藤、保身と隠ぺいに躍起になる組織側の人間たちの赤裸々な姿。
何も知らされずに到着した消防士たちは消火活動にあたるが、謎の落下物を触った消防隊の手がヤケドのようにただれ始める。現場を包み込む得体のしれない恐怖。情報を得ることのできない近隣住民たちはことの重大さに気が付かず、単なる火事の様子見とばかりに外に出てくる。そこに雪のように舞い散る、原発からの“死の粉”。子供たちは無邪気に“死の粉”の中ではしゃぎ、息を吸う。
阿鼻叫喚の発電所内部の様子と組織側の狡猾な動き。そこに消防隊や近隣住民たちの姿が同時進行で描かれ、夜明けとともに太陽の光が過酷な現実を炙り出す。しかしその太陽さえも、黒々とした煙に飲み込まれてしまう。
■ 5.0なんかじゃ足りないよ。8.0つけたい。映画を5本並べたクォリティーの高さ。何百人もの軍人・炭鉱労働者が自分の命を犠牲にして事故の処理にあたって、数百万人もの人々が放射能で被爆して、ホントにひどすぎるお話だよ。教科書とか本で読んでも実際分からない部分がほとんどだからこうやってドラマ化してくれたHBOは偉大すぎる。(KazKさん)
■ 最終話を観た後に第1話を思い返すとゾッとする作りが秀逸。なぜこんなことが起こったのかもそうやけど、なぜ隠すのか、なにが問題なのかが確実に浮き彫りにされていく。政府とそれに関わる人たちだけじゃなくて、色んな側面で関わった(影響を受けた)人たちにフォーカスしてドラマ仕立てになってるのも良い。(Yukiさん)
■ 事の顛末が分かっているからこその恐怖感。爆発した炉心の描写が凄い。廃炉になった原発で撮影したとか。HBOはやる事徹底してるなあ。俳優の演技が控えめなのがリアリティあってまた怖い。(majiziさん)
【番組放送予定】
●第1話無料放送(BS241 BSスカパー!)
[字幕]10/26(土)20:00~21:05
[二ヵ国語]11/10(日)21:00~22:05
●全5話一挙放送(BS200~202 スターチャンネル)
[字幕]10/27(日)14:30~21:00 一挙放送(BS201 スターチャンネル2)
[二ヵ国語]11/16(土)23:15~29:40 一挙放送(BS202 スターチャンネル3)
著名人からの高評価&推薦コメントも多数!
巧みなストーリーテリングもさることながら、その屋台骨を支えるのは、こだわりのロケ撮影。チェルノブイリ原子力発電所とその周辺地域は、最悪の事故から30年以上経過した現在も立ち入り禁止区域になっているため、現地ロケは不可能。しかし製作陣は物語に説得力とをもたらすために、チェルノブイリと景観が似ているリトアニアをロケ地に選び、廃炉になった原子力発電所の内部で撮影を行った。
爆発した原子炉やプリピャチなどの近隣の街並みは高度なCG技術を駆使して再現。没入感を最優先に、リアリティ重視の状況設定と演出で「あの日あの場所で一体何が起こったのか!?」という謎に迫る。
■ 今の日本で放送されることに、途方もなく大きな意味がある。組織のありかた、科学的な目、事実とどう向き合うかーーあらゆる方向からこの傑作に刮目してほしい。
佐々木俊尚(作家・ジャーナリスト)
■ 放射線の恐怖は見えない。しかしこのドラマは可視化した。再現されたチェルノブイリ事故の生々しさに震えが止まらない。吐きそうになりながら観た。政治は情報を隠し、市民は犠牲になった。そう、原発事故だ。私たちは知らない筈がない。 堀潤(ジャーナリスト)
■ 徹底的な調査と再現。どうやって事故が隠蔽され初動が遅れるか、放射能事故? ??なぜ悲惨なのか。日本に何が起きたのかが良くわかる。そして誰よりもこの「見えないし触れられない危険」を理解するのは日本に住む者だ。 いとうせいこう(作家・クリエイター)
製作陣の努力&労力は必然的に完成度に現れ、視聴者にもダイレクトに届いた。データベースサイトIMDbではテレビドラマ作品として過去最高の9.7点を獲得。これは『ブレイキング・バッド』や『バンド・オブ・ブラザーズ』が記録した9.5点を上回る快挙で、辛口で知られるレビューサイトRotten Tomatoesでも満足度98%というハイアベレージを叩き出した。エミー賞での受賞は必然。その反響と衝撃は、日本の著名人たちが寄せたコメントにも表れている。
■ 全5話5時間まったく隙が無く、緊張感と恐怖だけが続く。そして他国事とは思えぬ原発事故と、その処理に背筋が凍りつく。「面白い」という言葉が的確とは思えないが、ドラマとしても最高に面白い!個人的にはここ数年の海外ドラマ最高傑作!! 大根仁(映像ディレクター)
■ 旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故。あまりの杜撰さと無責任体質。日本でも原発事故が起き、上から目線で語ることはできなくなったが、事故を検証すると、人々の安全より自分の保身を大事にする人々の無責任さ。事故はけっして他人事ではない。 池上彰(ジャーナリスト)
海ドラ&映画ファン必見のキャスト&スタッフにも注目
エミー賞常連作品『ゲーム・オブ・スローンズ』のHBO®が製作、監督は『ウォーキング・デッド』『ブレイキング・バッド』を手掛けたヨハン・レンク。ヨハン監督は「セリフが104箇所もあったんだ。そんな映画やテレビドラマは僕の知っている限りお目にかかったことがない。撮影期間も100日以上に及んだ。本物の原子力発電所を含む恐ろしい場所で昼も夜も長い時間を費やしたよ。実際に起こった出来事を忠実に再現したかったからね」とこだわりを明かす。
旧ソビエト政府に調査を委任された科学者ヴァレリー・レガソフを『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』のジャレッド・ハリス、ゴルバチョフ書記長に現場の対応を任された副議長ボリス・シチェルビナを『マイティ・ソー』シリーズ、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのステラン・スカルスガルドが演じる。
さらに事故の真相解明に奔走した多くの核物理学者たちからインスパイアを受けてクリエイトされた架空のキャラクター、ウラナ・ホミョックに抜擢されたのは、スカルスガルドとは『奇跡の海』で共演済のエミリー・ワトソン。スカルスガルドとの共演にワトソンは「今回の最初の数テイクはぎこちなかったけれど、すぐに古くからの友人同士のように打ち解けることができた」と手応え十分。ラース・フォン・トリアー監督作品ファンにとってはニクイ配役とも言える。
◆『チェルノブイリ』information
未曾有の事故をリアルに再現したHBO®の衝撃的実録ドラマ『チェルノブイリ』の放送スケジュールは下記の通り。BS241 BSスカパー!では第1話無料放送が決定。字幕版は10月26日20:00~。二か国語版は11月10日21:00~。BS200~202 スターチャンネルでは10月27日14:30から全5話一挙。吹替版も11月16(土)23:15~から全5話一挙を独占日本初放送の予定。目撃しなければ本当に損です!
【番組放送予定】
●第1話無料放送(BS241 BSスカパー!)
[字幕]10/26(土)20:00~21:05
[二ヵ国語]11/10(日)21:00~22:05
●全5話一挙放送(BS200~202 スターチャンネル)
[字幕]10/27(日)14:30~21:00 一挙放送(BS201 スターチャンネル2)
[二ヵ国語]11/16(土)23:15~29:40 一挙放送(BS202 スターチャンネル3)
あらすじ:1986年4月26日未明、ソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で爆発事故が発生。発電所の作業員や消火活動に向かった消防士、そして地元の住民たちを大量の放射線が襲う。政府は無機化学者ヴァレリー・レガソフとソ連閣僚会議副議長ボリス・シチェルビナを対応に当たらせるが、事故の深刻性は人類未曾有のレベルに達していた。
監督:ヨハン・レンク
脚本:クレイグ・メイジン
出演:ジャレッド・ハリス、ステラン・スカルスガルド、エミリー・ワトソンほか
公式サイト:https://www.skyperfectv.co.jp/special/promo/chernobyl/
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