「スター・ウォーズ」シリーズなどのハリウッド超大作からインディペンデント作品までさまざまな作品に出演し、幅広い役柄で独特の魅力を発揮するアダム・ドライバー。そんな彼が出演したおすすめ映画をまとめてご紹介。
アダム・ドライバー プロフィール
アダム・ドライバーは、1983年11月19日生まれ、アメリカ・カリフォルニア出身。
9.11のアメリカ同時多発テロをきっかけに海軍に入隊するが、バイク事故の怪我で退役。その後ジュリアード音楽院に入学し演劇を学ぶ。
TVドラマシリーズ「GIRLS/ガールズ」(12)で主人公のボーイフレンド役として知名度を高め、『フランシス・ハ』(12)、『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』(13)などの話題作に立て続けに出演。『ハングリー・ハーツ』(14)で映画初主演を務める。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)以降のシリーズ3部作でカイロ・レンを演じ、人気と実力を確実なものにしていく。
以降も『沈黙ーサイレンスー』(15)、『パターソン』(16)など話題作への出演を重ね、『ブラック・クランズマン』(18)、Netflix映画『マリッジ・ストーリー』(19)の2作で2年続けてアカデミー賞 主演男優賞ノミネートを果たす。
『パターソン』以来のタッグとなるジム・ジャームッシュ監督作品『デッド・ドント・ダイ』が2020年4月3日に公開を控える。
『フランシス・ハ』(2012)
ノア・バームバック監督によるヒューマンドラマ。プロダンダンサーを目指す女性の人間模様と生きざまを、ユーモアも交えながら、独特のモノクロ映像で描き出す。
ニューヨークでプロのモダンダンサーを目指す27歳のフランシス(グレタ・ガーウィグ)は、親友のソフィ(ミッキー・サムナー)とルームシェアをして楽しく暮らしていた。しかしダンスの芽は出ず、恋人に振られ、さらにソフィとの同居生活も解消になり、居場所を求めて町を転々とする。地に足のついた生活を送る友人たちを見て焦るフランシスは、苦しみながらも自分の人生を見つめ直していく。
アダム・ドライバーが演じたのは、フランシスの友人のレヴ。長身と端正な顔立ちを生かし、スタイリッシュな男性を好演している。本作では比較的マイナーなキャラクターだが、のちに『ヤング・アダルト・ニューヨーク』『マリッジ・ストーリー』でノア・バームバック監督とタッグを組んでいる。
『ハングリー・ハーツ』(2014)
イタリアのサヴェリオ・コスタンツォが監督・脚本を手掛けたヒューマンサスペンス。子育てをめぐり対立する夫婦の苦悩と、深い愛が生み出した狂気を描く。
運命的な恋に落ち、結婚したジュード(アダム・ドライバー)とミーナ(アルバ・ロルヴァケル)。2人はやがて男の子を授かり、幸せな生活を送るかに思えた。しかしミーナは育児に異常な神経質さをみせ、息子が接する物事に恐怖と敵意を抱いていく。
主演を務めたアダム・ドライバーは、愛する妻と息子を守ろうと奮闘する夫・ジュードを熱演。ミーナ役のアルバ・ロルヴァケルと共に、第71回ヴェネチア国際映画祭 ヴォルピ杯(男優賞)を受賞した。
『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』(2019)
世界的大ヒットを誇る「スター・ウォーズ」の新シリーズ3部作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)に続く3作目。シリーズの9作目にして、スカイォーカー家の物語の最終章となる。監督・脚本はJ・J・エイブラムスが務める。
祖父ダース・ベイダーの遺志を受け継いだカイロ・レン(アダム・ドライバー)は銀河の統治を拡大。一方、伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーの意志を受け継いだレイ(デイジー・リドリー)はフォースを覚醒させる。光と闇のフォースをめぐり、2人の運命は交錯し、最終決戦へと繋がっていく。
アダム・ドライバーは、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』で初登場となったカイロ・レンを熱演。荒々しいが悲哀をともなう、複雑なヴィランを見事に演じ、シリーズの往年のファンからも絶賛の声を得ている。
『ヤング・アダルト・ニューヨーク』(2015)
ノア・バームバックが監督・脚本を手掛けたラブコメディ。世代の異なる2組の夫婦の出会いと交流、友情を描く。
ジョシュ(ベン・スティラー)とコーネリア(ナオミ・ワッツ)は40代の夫婦。ドキュメンタリー映画の監督のジョシュは8年も新作を完成させられず、人生や夫婦関係に欠落を感じ始めていた。そんなある日、ジェイミー(アダム・ドライバー)とダービー(アマンダ・セイフライド)という20代の夫婦に出会う。自由な生き方をする2人に刺激を受けたジョシュとコーネリアは、人生の活路を見出したかに思えたのだが……。
アダム・ドライバーは、レトロなカルチャーを好むおしゃれな男性、ジェイミーを好演。映画制作者の端くれとしてジョシュを慕うが、徐々に本性を見せ始める。現代的な若者を自然体で表現している。
『沈黙ーサイレンスー』(2015)
遠藤周作の小説『沈黙』を、『タクシードライバー』などの巨匠マーティン・スコセッシが長年温めてきた企画を実現し、実写映画化。キリシタン弾圧下の日本に渡った宣教師の壮絶な体験を描く。
時は17世紀、江戸幕府によるキリシタン弾圧が激しさを増す中、高名な宣教師フェレイラ(リーアム・ニーソン)が長崎で棄教したとの知らせが入る。事の真相を確かめるべく、弟子のセバスチャン・ロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とフランシス・ガルペ(アダム・ドライバー)は、キチジロー(窪塚洋介)の案内により長崎へと潜入を果たすが、想像を絶するキリシタンへの迫害を目の当たりにする。
アダム・ドライバーが演じたのは、若き宣教師のフランシス・ガルペ。迫害を強いられる“隠れキリシタン”の命と、自らの大きな信念のはざまで苦悩する姿が胸を打つ。役作りのために大幅に減量し、心身共に役に没入する姿はファンならずとも必見。
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】『パターソン』(2016)
『コーヒー&シガレッツ』などのジム・ジャームッシュが監督・脚本を手掛けたヒューマンドラマ。バス運転手の何気ない日常を、絶妙なユーモアを交えながら温かく描く。
ニュージャージー州パターソンで暮らすバスの運転手、パターソン(アダム・ドライバー)の1日は、妻ローラ(ゴルシフテ・ファラハニ)へのキスから始まる。一見すると単調だが少しずつ違う日々の中で、パターソンは些細な出会いや出来事すべてが愛おしく、思い浮かんだことを詩に書き留めて愛しんでいる。
主演を務めたアダム・ドライバーは、優しく寡黙な運転手・パターソンを好演。平凡だが感受性豊かな男性を魅力たっぷりに演じ、独特の存在感を知らしめた。
『ブラック・クランズマン』(2018)
元刑事のロン・ストールワースによる同名ノンフィクション小説を、『インサイド・マン』などのスパイク・リー監督が実写映画化。白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)に、黒人刑事が潜入捜査を行うさまを描く。痛烈な社会批判に絶妙なユーモアを効かせたクライム作品。
1979年、コロラド州コロラドスプリングスの警察署で、ロン・ストールワース(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は初の黒人刑事として採用される。捜査に燃えるロンは、白人のふりをしてKKKのメンバー募集に電話をかけ、幹部から気に入られて面接に呼ばれてしまう。同僚の白人刑事フリップ・ジマーマン(アダム・ドライバー)の協力を得て、対面はフリップ、電話対応はロン担当でKKKへの潜入捜査を進めていく。
アダム・ドライバーが演じたのは、“対面担当”でKKKへの潜入捜査にあたる白人刑事、フリップ・ジマーマン。過激な思想を持つKKKのメンバーと触れることで、自身のユダヤ人というアイデンティティと対峙していく複雑な役柄を好演し、第91回アカデミー賞 助演男優賞など複数の映画賞のノミネートを果たした。
『ザ・レポート』(2019)
CIAの尋問プログラム調査に関する実話を実写映画化したクライムドラマ。スティーヴン・ソダーバーグの『コンテイジョン』『サイド・エフェクト』などで脚本を担当したスコット・Z・バーンズが監督・脚本を手掛けた。日本では劇場未公開だが、Amazonプライム・ビデオで配信されている。
アメリカ上院職員のダニエル・J・ジョーンズ(アダム・ドライバー)は、CIAが行う尋問プログラムの調査を命じられる。調べを進める中で、9.11同時多発テロ以降、CIAは容疑者に残忍な拷問行為をはたらいていたことが判明する。
主演を務めたアダム・ドライバーは、調査員のダニエル・J・ジョーンズを熱演。CIAの圧力を受けながら5年もの歳月をかけて執念の調査を行い、真実を世に送り出す熱い姿から目が離せない。
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】『マリッジ・ストーリー』(2019)
ノア・バームバックが監督・脚本を務めたNetflixオリジナル映画。アダム・ドライバーとは『フランシス・ハ』『ヤング・アダルト・ニューヨーク』に続き3作目のタッグとなる。離婚を控えた夫婦の葛藤を丁寧に描いたヒューマンドラマ。
離婚を決めた女優のニコール(スカーレット・ヨハンソン)と、舞台演出家のチャーリー(アダム・ドライバー)。円満離婚を希望していたものの、弁護士に長年の不満を打ち明けたことがきっかけで、壮絶な離婚劇へと発展してしまう。
アダム・ドライバーが演じたのは、劇団を主宰し舞台演出を務めるチャーリー。スカーレット・ヨハンソン演じるニコールに真情を吐露し、壮絶な口論を繰り広げるさまは、映画史に残る名シーンの一つとも称される。前年の『ブラック・クランズマン』に続き、本作で第92回アカデミー賞 主演男優賞へのノミネートを果たした。
『デッド・ドント・ダイ』(2019)
『パターソン』などのジム・ジャームッシュが監督・脚本を務めたゾンビ・コメディ。街にはびこるゾンビと戦い生き残るべく、3人の警官たちが奮闘する。
アメリカののどかな田舎町に、突如ゾンビが出現。生前の活動に引き寄せられ町中をさまようゾンビたちは、次々と増殖していく。町に3人きりの警察官、ロバートソン保安官(ビル・マーレイ)、ピーターソン保安官代理(アダム・ドライバー)、モリソン巡査(クロエ・セヴィニー)は、生き残りをかけて奮闘するのだが……。
アダム・ドライバーが演じるのは、どこか朴訥とした雰囲気の警察官・ピーターソン。“ユルい”雰囲気のゾンビコメディに期待値が高まる。2020年4月3日公開予定。
【文・ココネコ】
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※2020年3月26日時点の情報です。