「海猿」シリーズは、若き海上保安官・仙崎大輔を中心に海難救助を描くた佐藤秀峰の人気コミックを実写化した映画・ドラマ作品。
今回は映画とドラマで製作された海猿シリーズを公開順に紹介いたします。
『海猿 ウミザル』(2004)
海上保安官の中でわずか1%しかなることができない人命救助のエキスパート・潜水士を目指して、14名の海上保安官が厳しい訓練に挑む。期待の新人・仙崎大輔(伊藤英明)は落ちこぼれの工藤(伊藤淳史)とバディを組むことになり、初めはイライラするも、だんだんとわかり合い共に協力して訓練に励みようになる。厳しい訓練に耐え成長していく訓練生たちだったが、ある日哀しい事故が起きてしまう……。
シリーズの始まりとなった映画作品。海上保安庁が全面協力して製作された。海難救助の厳しさを伝えながら、友情、恋愛など人間ドラマが展開される。仙崎と環菜(加藤あい)の出会いが描かれているのも見所の一つ。
『海猿 UMIZARU EVOLUTION』(2005)
潜水士になり1年間現場で実務をこなした仙崎は、新しく横浜の巡視船“ながれ”に配属される。新しいバディの池澤(仲村トオル)と衝突しながらも初めての人命救助を経験する。経験することによって知った人命救助の厳しさを知り、池澤と理解し合いながら潜水士として成長していく。ある日、武装している不審船が現れ、仙崎たち“ながれ”に緊張が走る。
仙崎が潜水士となった後を描く連続ドラマ版。人命救助の過酷さが描かれ、海上保安庁の実態を知ることになる。池澤との絆が深まっていき、潜水士として強く成長していく反面、環菜との恋愛が上手くいかない不器用な一面ものぞかせる。
『LIMIT OF LOVE 海猿』(2005)
潜水士として成長した仙崎は、環菜との結婚に悩みを抱いていた。そんなある日、鹿児島沖3キロで乗客620名を乗せたフェリーが座礁。救出に向かうも、爆発によりバディの吉岡(佐藤隆太)と共に船に閉じ込められる。しかし沈没までの時間は4時間。フェリーに乗せている車への引火すれば未曾有の大惨事に……。絶体絶命の状況の中、仙崎は乗客を救出し、自らも逃げ出すことができるのか。
ドラマ版にはなかった壮大なスケールで救出劇が繰り広げられる。乗客の中に環菜も乗っており、シリーズの中でも最もラブストーリーの要素が濃いとの呼び声も高い。
『THE LAST MESSAGE 海猿』(2010)
福岡沖の巨大天然ガスプラント施設“レガリア”で火災事故が起きる。仙崎が救出に向かうが、突如爆発が起こり、施設に取り残されてしまう。大型台風の接近も迫り、ヘリも近くことはできない。仙崎は妻となった環菜と生まれたばかりの長男の元に帰ることを決心し、全員が無事に帰還する道を探るのだが……。
国家規模の重要プロジェクトだったことから、人命だけでなく国家との葛藤も描かれる。何千億もの国家費用をかけて作られた施設か、たった数人の命かの選択に迫られる。
『BRAVE HEARTS 海猿』(2012)
海上保安庁の精鋭部隊・特殊救難隊所属メンバーとなった仙崎。ある日、ジャンボ旅客機がエンジン爆発のため、飛行不可能となる。東京湾に着水すしたとしても機体が浮いていられるのはわずか20分。機体が沈む前に乗客乗員346名を救出することができるのか。
海上保安庁だけではなく、警察、漁船、民間までも一丸となって救出に向かう展開は胸が熱くなる。1名残らず助け出すという仙崎の想いと製作側の想いが強く現れている。前作を超える壮大なスケールで描かれた本作は、シリーズ完結編となった。
【文・タナカリオ】
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※2020年3月16日時点の情報です。