みなさんは『真実の愛』を信じますか?私は意外と素直に『運命』だったり『真実の愛』の類のものを信じたがるタイプです。時々、恋がうまくいかないときは「そんなもんありゃしないんだよ!」なんてふてくされたりもしますが(笑)
映画のラブストーリーにおいて『真実の愛』を求めることは、もはや必須要素といっても過言ではありませんよね。それらの多くの映画に私たちは泣かされてきたはずです。そして今年また、新たな純粋で美しい真実の愛の物語に出会いました。
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監督は『セレステ∞ジェシー』で知られる、リー・トランド・クリーガー。主演はブレイク・ライブリー。
海外ドラマGossip girlのセレーナ役を経てキャリアを着々と積み合げてきているブレイクはファッションアイコンとしても確立されています。そんな彼女が『アデライン、100年目の恋』では時代に合わせたドレスや髪型、着こなしを披露しているところも見所のひとつと言えます。
1937年から現代まで歳をとらずに生き続けた女性、アデラインの人生を描いた作品。ファンタジー作品ではありますがラブストーリーには変わりありません。そこから少し『真実の愛』のヒントを得てみましょう。
歳をとらず、美しい29歳のまま
主人公のアデラインは1908年生まれ。結婚をしていましたが夫を事故で亡くし、彼女自身も29歳の時とある事故をきっかけに歳をとらなくなります。
40歳になっても見た目の変わらない彼女を不信に思ったFBIから追われてしまうようになり、関わる人たちに迷惑をかけたくないと、名前や風貌や所在地を一定に変えて転々とした生活を送ることに…。
そのため、何度か恋愛はするものの、本気になるといつも姿をくらませてしまう。自分の秘密を相手に決して伝えてはならないと思うからです。なにより歳をとらないため、愛する人と共に生涯を送る事ができない、という孤独も抱えることになります。
本当に愛した人に自ら背を向けてしまう
作中に彼女がタクシーに乗ってある場所に向かう場面があります。そこでタクシーから降りようとしたとき、彼女は公園のベンチに座る男の姿を見つけるのです。
…その手には指輪の箱があることも。
彼女は息をのみ、そのままその場を去ってしまいます。ここは後に重要な場面ともなってくるのですが、やはり彼女にとってもう一度深い恋愛をするのは難しいのでしょうか。
考えてみれば、彼女の秘密を相手に明かして受け入れてもらえばいいだけですが、彼女にとってはそんな簡単な話ではありませんよね。
ぬぐいきれない臆病な気持ち
わかりますよね、自分にとっての秘密を相手に打ち明けていいのか迷うときが誰にだってあるはずです。その迷いや不安というのも、「打ち明けたとして、受け入れられなかったらどうしよう」と自分が傷つくことの恐れからきているのです。この問題の根本には相手に対する「信頼」が大きく関係してくるのではないでしょうか。
107年目にして出会った運命の人
ある日、彼女は何回目かもわからないニューイヤーズパーティーに娘と行きます。そこでモテモテな彼女の目に一人の男性がとまるのです。彼も彼女を見つける。息を飲むかのように見つめあっていると、彼の横に女性が躍り出てきた。ああ、彼女がいたのね、とあからさまにがっかりするアデライン。
いよいよパーティーにも飽きて帰ろうとする彼女が乗ったエレベーターに、先ほどの男性エリスが追いかけて乗り込んできます。ところが困惑したアデラインは彼から逃げるようにしてその場を去ってしまいます。彼女としても彼との出会いに運命のような特別な何かを感じてしまったからではないでしょうか。
再会、そして結ばれたが…
のちにエリスが彼女の職場をつきとめて再会を果たし、付き合うことになります。しばらく安定した関係が続いていたある日のこと、彼の両親の結婚40周年パーティーに行くことになります。
そこで彼女はまたしても息をのむことに…。そこにいた彼の父親はかつて自分がタクシーに乗ったまま去った相手、ウィリアムだったのです。
忘れていた恋、揺れる2つの心
彼女もウィリアムもすっかり動揺してしまいます。その妙な空気に困惑するエリスとお母さん。昔のことを思い出す彼女に不安を覚えたのか、その日の夜彼は「こういうの一番聞きたくないのはわかってる、けど言わせてほしい。愛している。君がいない日々は考えられない」と告げます。
この彼の告白がとても胸に突き刺さるんですね(笑)これにやはり「なんて言ったらいいかわからない」と答える彼女。切なすぎます。
けど昔好きだった(しかも結ばれるはずだった)相手との再会、そして今大事にしている相手の存在の間で揺れ、わけがわからなくなってしまうのも当たり前ですよね…。一体どうしたらいいのでしょう。
過去は過去、今隣にいる人を愛する
一方彼氏の両親の間にも波紋は広がります。自分がずっと2番目だったのかと嘆く妻に対し、ウィリアムは「40年も一緒にいたんだ。そんなわけがあるか」と反論をします。
彼は彼女を愛したことを忘れはしていませんが、同時に40年付き添った妻のことを想い改めて愛を伝えるのです。
さて、過去の大恋愛はぬぐいきれないものですが、ひょんなことでその相手と再会を果たしたとしても、果たしてその恋はまた始まるのでしょうか?
どんなに素敵だったとしても、一度は終わって時間が経ったのです。その恋の終わりは絶対に辛かったはず、それでも今日まで歩んだ自分がいます。そして今そんな自分の隣には誰かがいたとしたら、その今を信じるべきではないでしょうか。
信じ合うことが、一番大切
そしてウィリアムの妻もまた、自分に向き合ってくれる彼をしっかりと信じていくべきですよね。付き合いが長くなればいきなり信用がなくなることが起きると一気に不安になるのも当たり前です。しかしそれ以前のお互いの事を思い出しましょう。
この作品でアデラインは「不老不死」というどうしようもないものを抱え、それ故に誰かを簡単に信じ愛することができません。しかしそんな彼女だからこそ「信じること」という事が重要なのではないでしょうか。
アデラインのとった選択は
さて、ウィリアムと再会を果たしたアデラインはどうするのでしょうか。今付き合っている彼と向き合うのか、逃げてしまうのか、彼女の選択に注目です。感動のラストが、私たちに『真実の愛』というものを教えてくれるでしょう。
劇場公開から少し経ちますが、渋谷、新宿、池袋をはじめ各主要土地でまだ上映中です。是非劇場に足を運んで、彼女の選択を見守ってみませんか?
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