『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の監督J.J.エイブラムスってどんな人?

映画はいつだって人生の鏡像だ

鈴清

スター・ウォーズ・シリーズ最新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』の公開が来月に迫っていますね。この全世界が注目する作品の監督に抜擢されたのがJ.J.エイブラムスという人物です。

ドラマ、映画を問わずヒットメーカーとして認知されるエイブラムスですが、彼には脚本家、プロデューサー、そして映画監督と様々な顔があります。

彼のフィルモグラフィーを追いながら、その特性を紐解いていきましょう。

脚本家としてキャリアを本格的にスタート

 

J.J.エイブラムス

出典 https://ja.wikipedia.org/wiki/J・J・エイブラムス

エイブラムスはニューヨーク生まれ、カリフォルニア育ちのユダヤ系アメリカ人です。TVプロデューサーである父の影響で幼い頃から映画製作に興味を持ち、大学4年生の時にチームを組んで長編映画『ファイロファックス/トラブル手帳で大逆転』の脚本を書き上げ、映画界で本格的なキャリアをスタートさせます。

その後も『フォーエヴァー・ヤング/時を越えた告白』や『アルマゲドン』などのメジャー作品にも脚本家として参加し、順調にキャリアを積み上げることでストーリーテラーとしての足腰を鍛えていきました。

大風呂敷を広げる天才

映画界で脚本家としての地位を築き上げたエイブラムスは、やがてTV界へ活躍の場を移します。そして製作総指揮として『フェリシティの青春』や『エイリアス』などの人気シリーズを次々と世に送り出し、『LOST』の大ヒットでヒットメイカーとしての名声を不動のものにしました。

日本の連続ドラマと違い、人気が出れば数年に渡ってシリーズが続くアメリカのTVドラマにおいて、エイブラムスはドラマの序盤から様々な伏線を仕掛け、作品内の世界観や、ストーリー展開の可能性を無限に広げることを得意としています。

例えば『LOST』では、ある島に旅客機が墜落するところからストーリーがはじまり、人々が無人島でサバイバルする話という既定フォーマットを予期させつつ、その島に人工物や巨大生物などの存在を伏線として張り巡らせ、シリーズを重ねるごとにストーリーを思わぬ方向へ進ませて視聴者の心を掴みました。

スター・ウォーズの新シリーズを始動させるにあたって、作品世界の可能性を最大限に広げ、視聴者の興味を何年にも渡ってひきつける企画力が買われたということは大いに考えられるでしょう。

大人気俳優による抜擢で映画監督デビュー

ミッションインポッシブル3

2005年、TVシリーズ『エイリアス』の大ファンだったトム・クルーズの抜擢により、ミッション:インポッシブル・シリーズの3作目『M:i:Ⅲ』で映画監督デビューを遂げます。

映画2作目『M:i-2』では、ベースとなっているTVドラマ『スパイ大作戦』の魅力であった「チームワーク」という特色が薄まり、トム・クルーズ演じる主人公イーサン・ハント独壇場のストーリー展開になってしまっていたことを受け、彼は『M:i:Ⅲ』で再びイーサンにチームを編成させ、『スパイ大作戦』の映画化らしい仕上がりにすることに成功したのです。

エイブラムスとトム・クルーズとの蜜月は以後も続き、4作目『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』、5作目『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』でもプロデューサーとして作品を支えています。

人気シリーズのエッセンスをしっかりと理解し、進むべき道へと指針を示す、そんな特性も長寿シリーズである『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を監督するうえでふさわしいものですね。

スティーブン・スピルバーグ監督とのシンクロニシティ

エイブラムスはハリウッド界の巨匠スティーブン・スピルバーグの下で映画を監督したことがあります。

それは『SUPER8/スーパーエイト』という作品です。

宇宙生物との邂逅や、家族の和解を描くもので、時代設定も1979年となっており、これはスピルバーグが1970年代から1980年代の間に監督した『未知との遭遇』や『E.T.』といったSF映画へのオマージュなのではないかと言われています。

彼とスピルバーグとの出会いは古く、エイブラムスが15歳のときに映画祭へ出品した8mm映画の作品がスピルバーグのアシスタントだったキャスリーン・ケネディの目に留まり、スピルバーグが少年時代に撮影したホームムービーを編集するという仕事を手に入れたのが二人の邂逅でした。

『SUPER8/スーパーエイト』製作時にも、二人でストーリーを構築していったみたいです。そこでエイブラムスはスピルバーグからエンターテイメントの秘技をしっかりと叩き込まれたかもしれませんね。

風貌がにていることもあり、二人の数奇な接点も含めて、「エイブラムスはスピルバーグの隠し子じゃないか?」などと都市伝説的に囁かれたこともあるほどです。

スター・ウォーズ・シリーズに並ぶ大人気SFシリーズの監督へ抜擢

スタートレック

2009年、エイブラムスはスター・ウォーズ・シリーズに並ぶ大人気SFシリーズ『スター・トレック』を監督して世に送り出しました。

こちらは劇場版第11作にして仕切りなおしとなったいわゆるリブート作品ですが、前作までの流れを引き継ぎ既存のファンも満足させながら、新規の視聴者でも楽しめると非常に評価の高い仕上がりでした。

彼は引き続き続編の『スター・トレック/イントゥ・ダークネス』でも監督をつとめ、各方面から高評価を得ます。

そして、このスター・トレック・シリーズのリブートに成功したことが最大限評価され、エイブラムスはいよいよ自身も大ファンであるスター・ウォーズ・シリーズの監督の座を射止めることになったのです。

世紀のカルト・ムービーに臨む稀代のヒットメーカー

上記のように、エイブラムスは監督として、脚本家として、そして製作者としてTV界も映画界も制しました。

そして、そんな彼が全世界の映画ファンが注目するカルト・ムービーの新作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を来月、いよいよ世に送り出します。

公開のカウントダウンとともに、エイブラムスのフィルモグラフィーを辿りながら本編の展開に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?

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  • Ail
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    観た記録。 レイとBB-8好きーーー!ってなった。 レイ格好良くて美しいよーー
  • take4
    3
    間違って無い。ではなく正解なんて無い。
  • zoso30
    3.6
    初見は、公開直後の2015年12月20日、MOVIXさいたまで鑑賞。 二度目は、公開翌月の2016年1月11日、新宿ピカデリーで鑑賞。 そして、2017年12月14日、3度目の鑑賞。(WOWOW録画(字幕版)) やはり、「スターウォーズ・シリーズとしての違和感」は拭い去ることはできない。 今回は、フィンがライトセイバーを使って闘うあたりに「なんか違う感じ」を覚えた。 ― <以下、「キネマ旬報~読者の映画評」に掲載された拙筆> ― この「スター・ウォーズ~エピソードⅦ」は、『ジェダイの復讐(帰還)』の後日談として、これまでのスター・ウォーズの物語を踏襲する形で、宇宙を舞台にした善悪の駆け引きや対決シーンなどを描いている。 しかし、確かに極上の面白さで楽しめたのだが、「なんか違う…」という違和感を抱いた。初見時には物語や映像を追いかけるのが精一杯であり、その違和感は漠然としていた。後日再び観てみると、「その違和感が何なのか」がハッキリしてきた。 そもそもジョージ・ルーカス監督が『スター・ウォーズ』を創り始めた時のコンセプトは「日常生活の厳しさが観客と共に劇場についてこないもの。そして、誰もが持っている子供心に訴えるもの」を目指していた。 当時のルーカス監督が留意したと思われる点に「観客の想像力を膨らますためのSF的なリアルさは追求しても、現実世界を想起させるリアルさは追求しない」という気持ちがあったはずである。 しかし、この最新作では、冒頭のバトルシーンで「戦闘員のマスクに血糊が付く」という現実的な描写が出てくる。更に、ある惑星を襲撃しに来た悪の戦闘員が「ここの村人はどうします?」と悪人の長=カイロ・レンに尋ねると「全て殺せ!」と命令して実行される。この村人虐殺シーン、そして(物語が進んで描かれる)息子の父親殺しのシーンなども世界中で発生しているテロ事件などを想起させるものであり、『スター・ウォーズ』シリーズを名乗る以上タブーであったと思う。 とは言っても、ハリソン・フォードが転がる怪物から逃げる場面は『レイダース』、ライトセイバーを渡す宇宙人を『E・T』に似せるなど微笑ましいオマージュが感じられた。 また、旧作馴染みの登場人物や脇役も登場するなど、やはり『スター・ウォーズ』シリーズであることは確かであり、世代交代を図りながらの今後に期待していきたい。
  • 安倍心臓
    -
    2021春休み
  • sik
    4.6
    ルーカスさんは完全に「最後のジェダイ」を気に入っていましたが、私は「フォースの覚醒」が気に入っています。どちらもいいところはありますが、今作の用に過去作の象徴的なカメラワークや表現を参考にして、それでいて新しいキャラの魅力の伝え方にもこだわり、真新しいとはなりませんが、過去作を思わせる要素を盛り込み、新しいスターウォーズのスタートラインへと立つことができていたと思います。でも古参キャラさいならは見るに絶えません
スター・ウォーズ/フォースの覚醒
のレビュー(101380件)