無理して大人にならなくても良い!新成人に送りたい青春映画『百万円と苦虫女』

2016.01.11
映画

映画好きなサラリーマン。

柏木雄介

本日は成人の日。今年は平成7年(1995年)度生まれの方々が新成人ですね。新成人の皆様、おめでとうございます!本日は成人式に出席して、久しく会っていない同級生と懐かしい話に話が弾み楽しい一日になる方も多いのではないでしょうか。

お祝いムードとは反対に世間では破天荒な新成人が毎年メディア等でクローズアップされてしまうのも悲しい一面です。20歳とはいえ、まだ学生の方も多いと思いますし、社会に出て行くことについて実感していない方もいるかと思います。

今回はお祝いの代わりと言っては何ですが、そんな迷える新成人になる方に観て欲しい映画をご紹介します。蒼井優さん主演の切ないけど、とっても爽やかな希望がある映画です。

百万円と苦虫女

百万円と苦虫女の簡単なあらすじ

就職浪人中の不器用な21歳の女の子、鈴子(蒼井優)。ひょんなことから前科持ちになってしまい、実家を離れて各地を転々としアルバイトをしながら生活をしていきます。1か所で100万円貯まったら次の場所に引っ越すという根無し草のような生活を始める青春ロードムービーです。

こんな人に特に観てもらいたい!

団体行動が苦手。
ひとりでいるのが好き。
だけど人とのつながりをなくなることを恐れて、愛想笑いをしたり人に合わせたりする。

これらに当てはまるのが主人公の鈴子であり、”苦虫”笑いをして生きる自身のことを”苦虫女”と自分で言い表します。鈴子の悩みは20代の男女に、きっと共感を与えるものだと思います。

大人になるということ

成人、大人になるとはどういうことを言うのでしょうか。

社会的に責任を取ること?
働いて収入を得ること?
一人暮らしをして、自分で生きるお金を稼ぐこと?

今日を機に「大人になったね!」なんて言われても何が変わったか実感はわくでしょうか。「自分探し」なんて言葉がありますが、まず自分が何なのか分からない、ましてやこの先どういった仕事に就くか分からない人にいきなり「成人になったから責任を取れ」と言われても呆気に取られるだけだと筆者は思います。

無理して大人になろうとしなくてもいいのです。大人って何なのか考えなくても良いのです。これから多くのことを犠牲にしながらも、生きるために仕事をしたり、誰かのために懸命に生きるかと思います。そのひとつひとつの行動の過程が大事なことは間違いありません。

鈴子が転々と引越しをして生きていることを「自分探しですか?」と聞かれて応える印象的なセリフがあります。

「いや、むしろ探したくない。どうやったって自分の行動で自分は生きていかなくてはいけない。探さなくても自分はここにいるから。」

大人になるということは、今まで得てきたもの、もらってきたものから、何が一番自分らしいか、大切なものを見えやすくするために何かを捨てることかもしれません。今後、年を取るにつれて、たくさんのものを手にいれ、たくさんの人と出会います。一つ一つがかけがえのないものだと思いますが、同時に取捨選択して生きて行くことが必要になってきます。ときに大事なものを捨てる覚悟も。その取捨選択、ひとつひとつの決断していくことこそが、大人になる道なのかもしれません。

主題歌も優しい気持ちにさせてくれる

クラムボンのボーカリスト、鍵盤担当の原田郁子さんが歌われている「やわらかくて きもちいい風」という主題歌もとても素晴らしいです。エンドロールでこれが流れるとき自然と涙が流れます。優しくて心地よい気持ちにさせ最後まで余韻に浸ることができます。

出会いがあるから、別れもある!

仕事をするようになり、家族もできてくると、今まで大切だったひとと一緒にいる時間も取りにくくなります。それでも大切なひととは定期的に顔を見ることがどれだけ大事なことかこれからちょっとずつ分かると思います。

目の前にいるひとを大事に想うこと。想うだけで分かるでしょ?言わないで黙っている、愛想笑いをしているだけでなく、伝えることも重要なこと!自分がどう思っているか相手にそれが伝わっていなければ、コミュニケーションはできません。普段では言いにくいことも、友人、そして家族に伝えられるようになれたら素敵なおとなになれていると思います。

人生の中で自分のことをたくさん悩める時期です。是非新たな門出に立つ日にこそ『百万円と苦虫女』を観て希望のある未来を描いてもらえれば幸いです。

▼『百万円と苦虫女』予告編

(C)2008「百万円と苦虫女」製作委員会

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  • ぱなお
    3.5
    ある出来事をきっかけに100万円貯めては引っ越しを繰り返す生活を始めた鈴子(蒼井優)。鈴子は自分を知らない人たちの中に身を置いて、ただただ普通に働いて平穏に暮らしたいだけなのに、面倒に巻き込まれていく。それも周りが好意的なことから起きてしまうから、なんとも深くて面白い話。「適当に愛想笑いをしていたらトラブルなく過ごせると思っていた」人と人とが繋がる以上、そういうわけにもいかないのが現実の生活だなぁ、と。園芸売場でのフットワークの軽い森山未來に恋に落ちずにはいられない♡
  • クラフト
    -
    うん。まあうん
  • 心変わリ
    3.7
    Amazon primeで鑑賞。 こういう生き方羨ましい。
  • のりまき
    -
    08年日。自分はON/OFFがきく俳優さんが好きなんだと再確認。ひたすら綺麗に格好よく撮る手法もあるけど、メリハリがついた方が印象は強くなるし、深度が深まる。蒼井優も森山未來も魅力的に撮れていた。更に心を掴まれたのはピエール瀧の首の揺すり方。
  • ユミウサ
    4.0
    2015/05/07【持参】 再鑑賞。主人公が“自分探しの旅”ならぬ“自分なくしの旅”に出るという着想が素晴しいロードムービー。蒼井優演じる鈴子は、旅をするうち不器用なりにコミュニケーション力が身に付いていく。結局、自分とは他者との関係性において存在するという明確な主題をタナダユキ監督は旅の中に浮かび上がらせている。森山未来演じる大学生との最終エピソードに不満の声もあるだろうが、鈴子は苦虫を噛み潰したような表情のまま旅を続けるのだろう。旅の終わり彼女がどんないい女になるか想像するのも、また楽しい。とても好きな作品。
「百万円と苦虫女」
のレビュー(25239件)