先日イベントレポートをご紹介した『ウソはホントの恋のはじまり』の上映後トークイベントの前に「週に1本は映画を観る」という映画好きなはあちゅうさんにお話を伺いました。
実は、映画レビューサービス「Filmarks」のユーザーでもあるはあちゅうさん。レビューやログの取り方、動画配信サービス(VOD)を使った映画の観方、最近観たおすすめ映画など、映画ファンが気になるポイントだけでなく、理想の映画デートや、作家としての今後の取り組みまで、幅広くお話してくださいました。今回はFILMAGA独占インタビューの模様をご紹介します。
▼「SNSを恋愛に活用する方法」とは?『ウソはホントの恋のはじまり』トークイベント
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】メディアに露出している人の恋愛対象になるには?
―『ウソはホントの恋のはじまり』の主人公男性の「好きな人のSNSを調べて彼女の好きなものに合わせてアプローチしていく」という行動についてどう思いましたか?
女々しい印象を持ちました。でもそこが可愛いところでもあるし、意外に男性の方が女性に対してどう思うのかを気にするものかなと思いました。
私なら、最初から相手が自分のことを知っているとか、ファンとして好意を持ってくれることがわかると恋愛対象にはならないかもしれません。「表向けのはあちゅうが好きなんだ」と思って、期待されてしまうと失望させたくないからこそ、ちゃんとした自分を見せなくてはならないと、バリアを張ってしまいます。一度それを作ってしまうと、剥がすのが難しくなりますね。
特に、メディアに露出しているような人と接点を持つ場合は、ファン度のバランスを取ることは大事だと思います。
変に相手のことを調べて、それをアピールするよりは、普通に挨拶から始めた方が恋愛対象になりやすいと思います。プライベート時なのに、SNSの使い分けみたいなことを質問されたら、仕事だと思ってしまい、恋愛モードにはならなくて、話していて楽しくなくなりますよね。
映画デートは事前から演出しようとすることが大事!
―理想の映画デートのシチュエーションを教えてください。
映画館に行くデートの予定ができたとき、誘っていただいた相手からチケットの手配をしてもらえたら嬉しくなります。あと、映画を観る前にポップコーンと飲み物を買ってきてもらえるとそのデートに特別感が出ます。そういうところで、映画デートを一緒に楽しもう!という思いが伝わるので、映画デートの演出の一部として一番盛り上がるのかなと思います。
また、映画を観ている最中は集中しているので上映中にあまり話しかけてこない方が良いです。映画を観終わった後に感想を色々と言い合える方が素敵です。
―デートで行きたい映画館はありますか?
TOHOシネマズ六本木ヒルズです。シートにバラエティもありますし、オンラインでもチケットが取りやすいし、TOHO系列の映画館は楽天ポイントが使えるのが良いですね。
六本木だと映画の前後に食事も取りやすいですし、東京タワーを見ることもできます。利便性と雰囲気と合わせて良いのが魅力です。
映画館って立地場所によって、家族連れが多かったり、お客さんの雰囲気も違うと思いますが、六本木だと周りの人たちがオシャレで、デートに最適だと思います。
週末は必ず1本。Amazonビデオやスカパーなどでも
―映画はどうやって観ますか?
映画館の他に、自宅でFire TV Stickを使って、NetflixやAmazonビデオで映画も見ています。またレンタルショップでDVDを借りたり、スカパーの映画チャンネルでも映画を観ます。スカパーだとなかなか出会えない映画も観ることができます。最近だと『エリート・スクワッド』が良かったです。
ブラジルの映画で、公開当時南米では『アバター』を抜くほどの大ヒットした映画です。なんとなく予約をしていて、観てみたらとても面白かったです。続編もあるのですが、両方観ました。ちなみに続編の方は、Amazonビデオの方で観ました。
夜、特に予定がなければ映画を観ています。週末は必ず観ているので週に1本以上は観ています。娯楽として、インプットとして映画を楽しんでいますし、字幕で観ると英語の勉強にもなりますよね。
ネットの評判はやっぱり侮れない!?
―観たい映画はどうやって探していますか?
刺激の強いものを観たいときと、まったりしたものを観たいときと気分によって波があるので、どっちを観ようか迷ったときは、Yahoo!映画やFilmarksなどのアプリや友だちのブログ、Twitterなどネットを検索して評判を見て参考にします。
評判はやっぱり侮れなくて、評価が2と低いものは、開始15分でちょっと…と思うときがありますね。高い評価のものは、自分が観たときにも外す率は少ないです。
―最近観たもので良かった映画はありますか?
最近観て一番良かった映画は、アンジェリーナ・ジョリー主演の『チェンジリング』です。
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以前に一度観ていたのですが、再度観ることで作品の良さを再認識しました。あんな悲劇的なことが本当にあった実話なのだとはとても信じられませんが、映画ならではの臨場感のおかげで、自分自身がその事件の当事者であるかのように、歴史を体感できるのも映画の魅力の一つだと思いました。
他にも、劇場では『デッドプール』、レンタルで『恋の渦』を見返しました。『ベテラン』という韓国の映画も面白かったです。
―今まで人生の転機となったような映画はありますか?
3本あります。1本目は『RENT/レント』というミュージカル映画です。前に踏み出す勇気をもらいました。
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またミュージカル映画をあまり好きではなかったのですが、これを観たことがきっかけでその後はまるようになりました。『ヘアスプレー』や『ハイスクール・ミュージカル』などのミュージカル映画も大好きです。
2本目は、『アメリカン・ヒストリーX』です。
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差別を扱ったアメリカの映画ですが、アメリカに留学しているときに観て心に深く残りました。当時、自分もちょっとした差別をカリフォルニアで受けることがありましたが、そういうときに奮い起つような勇気をもらいました。
差別は根深い問題というのを映画で学んでいたからこそ、自分の体験を「こういうこともあるだろう」と楽観的に捉えることができたのだと思います。
最後に、ブルース・ウィリス主演の『ストーリー・オブ・ラブ』です。
原題が「THE STORY OF US」で1999年のアメリカ映画です。当時付き合った彼と一緒に観ていたのですが「愛とは何か?家族とは何か?」と問いかけるような映画です。
映画の中で両親と子供が一緒にご飯を食べるシーンがあります。お母さんが子供に、今日一番良かったこと、悪いことを聞くシーンがとても良くて、これはいつか家族ができたら絶対やろうと思いました。私に影響を与えた映画の一つです。
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】作家が自由に表現できる新しい稼ぎ方のスタンダードを作りたい
―はあちゅうさんの未来図は「ネット時代の新しい作家の形を作ること」と著書の中でも述べていましたが、具体的にどういった将来像を考えていますか?
新しい作家の稼ぎかたを考えています。表現の場所を紙に限らずに、ネットなど新しい場所に持っていたいと思っています。今のことを続けていった先にこの完成図はあると思っています。ただもう少し、小娘が何かやっているなという程度のものではなく、どの作家もこれをやるのが当たり前というスタンダードを作っていきたいです。
他の媒体で連載をするにしても、文字数の制限やその媒体の型に合わせなくてはならず、表現のルールなどによってどうしても本当に書きたいことが書けないことがあると思います。もちろん、そういうことも楽しんで書くのが作家としてのテクニックですが、一方でそういった制限なく自由に書ける場所で、かつそれを書いて生計が立てられる場所を作っていきたいと思っています。
今はそういったことをWeb上の会員制のコミュニティサービスであるオンラインサロンや有料記事の仕組みのあるnoteを使って作っています。
これまでは作家が読者とつながれる場所って本しかなかったのですが、私の場合SNSなどいろいろな場所でつながりができ、知ってもらえる機会を得られたのかなと思います。
そういう部分で作家のインスピレーションの場になれたら嬉しいですし、もっと作家が文字で食べられるようになったら良いなと思います。
―もしはあちゅうさんの作品が映画化したら誰に監督をお願いしたいですか?
私の本を気に入ってくれて情熱を持ってやってくれる人ならどなたでもお願いしたいです。書籍が売れる売れないということは、作品のパワーと同じくらい、出版社の方の熱量にかかっていたりもするんです。本になった時点で私が書いた作品であっても、私だけの作品ではなく、読者のものになっていると思うので、もし映画化の機会があれば、監督さんが解釈した私の本、というのを観たいです。
暴言は無料のフィードバックだと思う
―良いことも悪いことも含めて、はあちゅうさんはエゴサーチをするそうですが、辛いことはないのでしょうか?
エゴサーチをして、10個が暴言であったとしても、そのうちの1個でも真実があるかもしれないですよね。それは自分が気をつけなくてはならないということなので、無料のフィードバックだと思って取り入れるようにしています。
例えばですが、昔、猫背だと言われたことがありまして、それを見たおかけで、テレビに出演した際、背中に意識をあてるようになりました。
誹謗中傷は、今の時代みんなに降りかかってくるものだと思うので、それに耐えていかないとならないと思います。私はそれを18歳くらいの早い段階で耐性がつくようになったので良かったのかなと。若いときから受けてきたからこそ、それを反省として受け止めることで、大きな失敗をしなくて済んできてるのかもしれません。
自分にはいろいろな一面がある
―周りからの批判が続くと「自分とは何か?」ということに悩まれたりはしませんか?
あまりありません。自分にはいろいろな一面があって、上司の前にいる私と飲み会ではしゃいでいる私とは違うように、Aさんに出す私とBさんに出す私は別人で性格も違うと考えています。
一つの顔を持った私がいるとは考えず、いろいろな顔を持つ私がいると思っています。
その中のどの私を私自身が好きになって広げていくか、その理想の自分でいる時間を長くするというのは意識したいなとは思っています。ただ、家で寝ている自分も本当の自分。あまり考え過ぎても意味がないと思います。
―Filmarksへのご意見、ご感想をお聞かせください。
「最近観た面白い映画は何ですか?」と聞かれたときにログは便利ですよね。また、コレクション欲があるので、映画館に何回行って、何作品観たというのは自分の中でカウントしていて、今年何本観たとか一覧できると嬉しいです。
多様な生き方を見出すその姿に生きる勇気を持たせてくれる
どんな自分も自分は自分! 時に批判にさらされても、自分の今後の向上につながるものは真摯に受け止めればいい。様々な生き方を映画などから学んで自分の次の生き方に活かしていく。そんな、はあちゅうさんの好きな映画や、今までの生き様や将来のことなどを聞き、多様な生き方を認めて、自立して生きる強さを感じました。
きっと、彼女の生き方に共感し、希望を見出す方も多くいらっしゃるかと思います。今回ご紹介したはあちゅうさんが刺激を受けた映画をぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
▼ はあちゅうさん プロフィール
1986年生まれ。神奈川県出身。慶應義塾大学法学部政治学科卒。卒業後、電通に入社し、コピーライターとして勤務したのち、2011年にトレンダーズに転職し「キレナビ」の編集長就任。現在はフリーとして、ブロガー、作家、コメンテーターとして幅広く活躍。
http://lineblog.me/ha_chu/
https://twitter.com/ha_chu
Synapse(シナプス) – ちゅうもえの楽屋にいらっしゃい
Synapse(シナプス) – ちゅうつねカレッジ
(取材・文:柏木雄介/辻千晶、撮影:斉藤聖)
※2021年12月23日時点のVOD配信情報です。