炎上&拡散、ダメ絶対!SNSでの「正しいつながり方」を教えてくれる映画あれこれ

気づいたら映画ファンになっていた

松平光冬

「炎上」という言葉を聞いて市川崑の映画をまっさきに思い浮べた人は筋金入りの映画マニアで、「拡散」という言葉から小田ひで次のマンガを連想した人は、相当のマンガファンに違いない。

でも現代社会において「炎上」「拡散」といえば、いわゆるネット用語を思い浮かべる人が大半だと思う。

ツイッターやフェイスブックなどのSNSで社会的な事件がまたたく間に「拡散」すれば、過激な発言があればネットが「炎上」して非難が集中することは、発端となった人物が有名無名問わず日常的となっている。

ここではそうしたインターネットのあり方、SNSなどのコミュニケーションツールでのつながり方を教えてくれる映画をピックアップしよう。

就活に勤しむSNS世代を突き刺すキビしい青春

『何者』

何者

(C)2016映画「何者」製作委員会 (C)2012 朝井リョウ/新潮社

桐島、部活やめるってよ』で知られる作家、朝井リョウの直木賞受賞作を映画化。

就職活動を通して知り合い、内定獲得という共通目標に向け意気投合していた5人の男女だが、次第に就活に対する姿勢などの差異が明らかになるにつれ、その関係に変化が…

面接官に良い印象を与えるよう着飾る自分と、SNSで本音を吐露する自分――果たして自分は「何者」なのかを、観客にも突きつけてくる作品となっている。

昨今は就活状況をSNSに記す学生も多いようだが、その内容から炎上となって内定が取り消されたというケースも少なくない。

本作でも、SNSを発端とした「ある展開」が待っている。リアルタイムに就活中の人は、リスク対策の一環として観ておいた方がいいかもしれない。

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ツイッター初心者必見、使い方の良し悪しが分かる映画

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』

シェフ

(C)2014 SOUS CHEF,LLC. ALL RIGHTS RESERVED

ロサンゼルスの一流レストランシェフとして働くカールはある日、自分の料理を酷評したグルメ評論家のツイッターを見つけ、使い方をよく知らないままに怒りのツイートをしてしまう。それがまたたく間に炎上してしまい…

ツイッターを使っている人なら「あーあやっちゃった」と思わずにはいられないこの行為だが、使い方を把握しているはずでも、感情に任せたツイートをしてしまうことはありがち。

ツイッターが発端で痛い目を見るカールだが後半、使い方を熟知している息子の拡散によって事態が変わっていくため、ツイッター初心者にとっては、使い方の良い例悪い例が分かるという点で参考になるかも。

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ネットでつながる社会を象徴する、悲喜こもごもな群像劇

『ディス/コネクト』

ディス

(C)DISCONNECT, LLC 2013

自身の裸の写真をネットに拡散されたショックで自殺未遂を起こした少年とその父親、不和状態となった悩みをチャットで打ち明けるうちに個人情報を盗まれ全預金を奪われた夫婦、そして違法ポルノサイトで自撮り写真を売る少年と彼を追う野心的な女性テレビリポーター、これら3つの話が緩やかにつながっていく…

SNS依存、児童ポルノ画像、なりすまし詐欺に個人情報漏えいといったネット社会につきものの危うさを、ドキュメンタリー映画『マーダーボール』でも見られた臨場感あふれるカメラワークやアドリブの多用でリアリティーにとらえた、ヘンリー=アレックス・ルビン監督の手腕にも注目。

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『ステイ・コネクテッド つながりたい僕らの世界』

ステイ

ネットでおのおの浮気相手を探す夫婦に、フェイスブックで母の再婚を知らされた息子。芸能界で成功し損ねた過去を引きずるあまり自分の娘をネットアイドルにしようとする母。GPSで娘の行動を監視する母に、親に秘密でSNSを始める娘といった、ネットに依存する親や子を描いた群像劇。

JUNO/ジュノ』や『マイレージ、マイライフ』のジェイソン・ライトマン監督、アダム・サンドラージェニファー・ガーナー出演という強力な布陣でありながら、日本では劇場未公開となってしまった作品。

たとえ手痛い失敗をしたとしても、人間またやり直せばいいといったライトマン監督らしいメッセージは、本作でも健在。

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SNS情報を鵜呑みにしすぎた人間たちの暴走

『白ゆき姫殺人事件』

白ゆき姫

(C)2014「白ゆき姫殺人事件」製作委員会(C)湊かなえ/集英社

化粧品会社のOLが遺体となって発見され、テレビのワイドショー番組のディレクターの赤星が被害者情報をツイートしたことに端を発し、そこから一人の同僚女性の城野が、容疑者として拡散されていく…

SNSからくる情報を鵜呑みにしてしまいがちな、ネット及びマスメディアの現状を皮肉った作品。

本作の原作者、湊かなえは他にも『高校入試』のような、情報の拡散がもたらす怖さを内包した作品を発表しているので、併せて触れてみるのもいいかも。

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俺の“訃報”を拡散しろ!「いいね!」依存症男の本当の友だち探し

『Facebookで大逆転』

facebook

(C)2014 FACEJOCKEY FILMS, LLC ALL RIGHTS RESERVED.

フェイスブックで「いいね!」をもらうことに執着するあまり、態度の悪い運転手などのリアクション画像をアップしまくる駐車取締官のマイケルが、フェイスブック内の友人の誕生パーティにひとり招待されなかったことに激怒。そこで自分が死んだという情報を拡散して、誰が真の友だちなのかを突き止めようとする…

マイケルの行為自体はホメられたものではないものの、SNSで自分がアップした画像やつぶやきにリアクションが欲しいと思う方は多いのでは。また、直に付き合える友だちが少ない人ほど「いいね!」友だちを求めようとする心理は、SNSが普及する現代社会を象徴しているといえるかも。

「ワロタww」「ざまぁw」などのネット用語を活用した日本語字幕も楽しいコメディだが、くれぐれもマイケルのようにやり過ぎないように。

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おわりに:ネットの魔力に自分を見失わないように

コミュニケーションの手軽なツールとして重用しているインターネット及びSNSも、時に危険が伴う両刃の剣となるのは、現代人なら分かりきっていることと思う。

それでも、悪気なくツイートしたつもりの文章が、人によっては悪意と見なされ炎上&拡散沙汰になることもある。

ハッキリ言って、炎上&拡散を絶対に防ぐ方法などないのかもしれない。

それでも、ネットの魔力に自分を見失わないように、今回取り上げた映画がネットやSNS、ひいてはその向こうにいる人と上手に付き合っていく上での指針になれば幸いである。

 

※2022年8月22日時点のVOD配信情報です。

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    2014/5/28 SNSを題材にしているけれど、それはただのきっかけに過ぎず、浮き彫りにされるのは一番近くにいる人との希薄な人間関係。隣にいる相手が何を思っているのか分からないのが問題ではなく、そもそも分かろうとしないのが問題。そんな彼らに襲いかかる不幸は、生死に関わる許されないものもあるけれど、その不幸を経験したことによって夫婦は夫婦らしく、家族は家族らしく、本来あるべき理想の姿へと変わっていく。そして、家族以外ではジェイソンとベン、それぞれの父親の対峙が印象的。加害者と被害者で真逆の立場とはいえ、息子と向き合ってこなかった点では同じ。二人の立場が入れ替わっていても不思議ではなく、その可能性は無きにしも非ず。また、作中で唯一誰とも寄り添えないレポーターのニーナは、職業柄、誰よりも多くを語っているはずなのに、この言葉に心はなく空虚。そういうのは確実に相手に伝わる。
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    「人をやっつける時は面と向かってやれ」。言う親の気持ちは手に取るようにジンと伝わる。愛を求め、人を傷つけ、懸命に生きようとする子供たちの姿がまっすぐ胸を打ついい映画である———ロバート キャンベル(東京大学大学院教授) ________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 本作は社会での孤立感、疎外感からネットに縋る現代人達への管鐘とも取れるが、決して「コネクト(繋がる)」することを「ディス」る映画ではない。 むしろ人類が群れることで熾った社会や家族の「断ち切れない絆」を真っ向から扱ったポジティブな作品である———小島秀夫(ゲームデザイナー/「メタルギア」シリーズ監督) ________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 人はオンラインでもオフラインでも人をいがみ、からかい、疑う。『ディス/コネクト』はネット社会の怖さではなく、人間そのものの怖さと弱さを描いた映画だ。何度かぞくっとした———古市憲寿(社会学者) ________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ネットゆえに人はつながりあい、ネットゆえに孤立する。SNS時代の「人の絆」をはじめてリアルに描いた傑作———斎藤環(精神科医) ________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ SNSでの"つながり依存症"が蔓延する現代社会の行く末を見すえた、衝撃の作品———香山リカ(精神科医) ________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ インターネットによって暴かれた心の闇は、誰も意図しないのにその闇を自らどんどん深めていく。その怖さ。マーク・ジェイコブスの快演にも拍手!———祐真朋樹(スタイリスト) ________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ なぜこんな映画が今までなかったのだろう?ネットはもはやヴァーチャルではない。僕らの生活そのもの、そうリアルなのだ。 愛情に飢え、寂しさを埋めようとする思いが蠢き、絡み合う。それを解くのも僕ら自身である———米田智彦(編集者『デジタルデトックスのすすめ』著者) ________  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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    過去鑑賞
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    すぐそこにあるように感じる、学校や家庭のSNSトラブルにまつわるお話。 10年以上前の作品ながら、普遍的な事柄をフラットに扱っており、色褪せないリアリティを持った群像劇でした。 それぞれの事情が上手く交わり合うテンポの良い脚本が見事でした。 ITリテラシーって大切ですねw #ディスコネクト 予告: https://youtu.be/IF4THNkv5xg?si=BJLXK80W8SwuUrv6 -------------- #本日の一曲 Kenichiro Nishihara - my leaving feat. mabanua 先日の中州ジャズのパフォーマンスが素晴らしかったです。名曲! https://youtu.be/HCRbay_EbMw?si=MeS7_uUPcClefzBo
ディス/コネクト
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