『グランド・イリュージョン』〜近づけば近づくほど逆に見えなくなる奇術ショー〜

劇場未公開作品を愛してやまない田舎人

フレスコの傘

9月1日に劇場公開されて話題になった『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』。

グランド・イリュージョン 見破られたトリック

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実際に劇場でご覧になった方はご存知かと思いますが、約3年前に公開された『グランド・イリュージョン』の続編です。主役である4人のマジシャンとFBIの攻防から目が離せない前作は、全世界で興行収入が3億ドルを突破した大ヒット作品。

そこで今回は続編をご覧になった方や興味はあったけど観れていないという方はもちろん、「『グランド・イリュージョン』って何?」という方にもそのおもしろさを改めて伝えるべく、前作『グランド・イリュージョン』の見どころや楽しむポイントなどを紹介したいと思います。

こちらはレンタルショップでのレンタルだけでなく、HuluやAmazon プライム・ビデオといったサービスでもすぐに楽しむことができるので、過去に観られた方もこれを気に是非見返してみてください!

『グランド・イリュージョン』あらすじ

ベガスからパリの銀行を襲え!

路上マジシャンだった4人の男女が何者かによって引き合わせられ、イリュージョンチーム、フォー・フォースメンを結成。

ラスベガスでのショーで彼らは観客の1人を巧みに誘導し、パリの銀行から320万ユーロの大金を強奪するという前代未聞のマジックを成功させる。フォー・フォースメンは一夜にして有名になるが、同時にFBIとインターポールから追われる身となってしまう。

だが、ラスベガスでのショーは、ほんのはじまりにすぎなかった。フォー・フォースメンはFBIたちの追跡をかわしながら次のショーへと足を進める。

これはトリックか? それとも犯罪か? 彼らの目的とは?

主要な登場人物

フォー・フォースメン

J・ダニエル・アトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)・・・チームのリーダー的存在。トランプやコインを巧みに扱うスライハンドマジシャン。

メリット・マッキニー(ウディ・ハレルソン)・・・読心術、テレパシー、催眠術などのメンタルマジックを行うメンタリスト。

ヘンリー・リーブス(アイラ・フィッシャー )・・・脱出系マジックを得意とするチームの紅一点。ダニエルの元助手。

ジャック・ワイルダー(デイヴ・フランコ )・・・ピックポケット(舞台上などで観客に対して行うスリ行為)を得意とする若手マジシャン。

フォー・フォースメンを追いかける人々

ディラン・ローズ(マーク・ラファロ)・・・FBI特別捜査官。アルマと共にフォー・フォースメンを追いかける。

アルマ・ドレイ(メラニー・ロラン)・・・インターポールの捜査官。現場経験のない新米。

サディアス・ブラッドリー(モーガン・フリーマン)・・・かつては一流マジシャンだったが、現在はマジックの種明かしを行うことで有名なマジシャン。

その他

アーサー・トレスラー(マイケル・ケイン)・・・世界的な大富豪にしてフォー・フォースメンのスポンサー。

超一級のエンターテインメントの名にふさわしい豪華キャスト陣が集結!

グランド。イリュージョン

一番に目を引くのは、ド派手な作風に負けない豪華なキャスト陣たちです。

ジェシー・アイゼンバーグを筆頭にジェームズ・フランコの弟、デイヴ・フランコらが顔を覗かせるフォー・フォースメンのフレッシュな面々に加え、彼らを追うメラニー・ロランとマーク・ラファロの美女と野獣(?)コンビ、脇を見ればモーガン・フリーマンとマイケル・ケインが立っているという豪華さ。

追われる側と追いかける側を絶妙なバランス感覚で描いている点も本作の見どころのひとつです。

そんな彼らが織り成す極上のイリュージョン・ショーを最後までぜひ堪能しましょう。

《ケイパー・ムービー×マジック》新たなスタイルの誕生

ケイパー・ムービー(caper movie)とは簡潔に言うならば主人公たちがチームを組み、集団で強盗や強奪を行う映画のこと。

本作の場合はマジシャンたちが犯罪者となるわけですが、銃などの武器を持たず大金を強奪し、マジックで悪を倒すというスタイルは犯罪者でありながらも新しいヒーロー像の誕生のように思えます。

ようするに現代版ロビン・フッドみたいなものでしょう? と言われればそれまでですが、この斬新なスタイルはマジックの持つ芸術性の強調とケイパー・ムービーの新たなおもしろ味を切り開いていることに成功しているのではないでしょうか。

そして観ている最中はマジシャンってこんなにかっこいいのか! と知らぬうちに彼らの魅力に引き付けられているはず。かっこよすぎる新たなヒーロー像に注目です。

デヴィッド・カッパーフィールド直伝!? 俳優自らが行ったマジックの数々

作中で披露しているマジックはリアリティを出すため、そのほとんどを出演俳優自らがカメラの前で行っています。

手先の器用さが求められるジャック・ワイルダーを演じたデイヴ・フランコはリハーサル初日からカードをひたすら投げ続け、そのカードでバナナを半分に切る練習を3時間もしたそうです。その甲斐あってか、ジャックと彼を追うFBI捜査官ローズとのマジックを使った攻防戦は手に汗握る熱い展開が用意されています。

マジックの演技指導を担当したのはデヴィッド・クォンという方ですが、世界的に有名なマジシャン、デヴィッド・カッパーフィールド(現実離れした瞬間移動などを繰り返すとんでもない人物)が実際にショーで披露した大技などを参考にしているため、カッパーフィールド自らがマジックの監修を担当した部分もあるそうです。これは本当にすごいことなんですよ!

またラスベガス、ニューオーリンズ、ニューヨークと舞台を変え、その地に合わせてのショーが展開されていく点にも注目してみてください。例えばラスベガスならとことん派手に、フランス・スペインの植民地時代の街並みを残しブードゥー教が根付くニューオーリンズでは古典的なマジックを織り込んでみたりと、その場の雰囲気でマジックの表情がガラリと変わるのは大変魅力的です。

こういった背景を意識してもらうとその場に合わせてのテーマ的なものがわかってより一層マジックが楽しめるかと思います。

種明かしの名手

種明かしはマジックの世界では現在でも重大なタブーとされていますが、本作の場合は種明かしの名手を登場させることでマジックに対する疑問を違和感なく解消しています。

作中で披露されるマジック全てが明かされるわけではないのですが、これほど大掛かりなマジックを簡単に明かされてしまうと消化不良解消の域を超えて、快感すら感じるほど。

その名人を出演するだけで作品に厚みを持たせてくれるモーガン・フリーマンが演じていることも嬉しいですよね。

黒幕は誰なのか? 実は2回目が楽しい

フォー・フォースメンを裏で操っているのは誰なのか? きっとコイツが黒幕に違いない! と誰もが一度は推測すると思いますが、初見で黒幕の正体を見事に当てた人はどのくらいいるのでしょうか。かくいう筆者もコイツが黒幕に違いない! と目星を付けていたものの見事に撃沈。

お、お前さんが黒幕だったのかい・・・!? と衝撃的なラストを迎えることとなります

それもそのはず、本作は私たち鑑賞者に対しても大掛かりなミスディレクション(観客の注意をそらすこと)が仕掛けられているからです。ストーリー自体がかなりスピーディーに展開していくということもあり、幾重にも折り重なったミスディレクションはそう易々と見破ることはできません。

そういった経緯から2回目を鑑賞するのが楽しい映画とも言えると思います。2回目は新たな発見もできますし、細部まで注意深く観察できる余裕が生まれていると思うので、ぜひ2回鑑賞してみてください。特に黒幕の行動を最初からじっくりと観察すると本当に笑えます。完全に一人芝居状態です。

マジックを信じること

本作を楽しむ一番のポイントはマジックを信じる心を持つこと。

この技はCGを使っているから現実的にありえないとか、突っ込みどころが多すぎる! などといちいち文句を言っていては作品のおもしろさを実感できなくなるので、どうしてお空は青いの? といった子供のような純粋無垢な気持ちを持ち、最後まで広い心で鑑賞することをおすすめします。

マジックとは ?
計算されただましです
楽しませ 感動させるもの
信じること 信頼 信用 
それなしに 芸術としてのマジックは存在しません

(劇中の台詞より)

まだまだある! マジシャンが出てくる映画

マジシャン

最後にマジシャンが出てくる映画を簡単にまとめてみました。気になる方はこちらもぜひチェックしてみてください!

マジック』(1978年)・・・リチャード・アッテンボローが監督を務めたサイコスリラー。主人公の売れないマジシャンを演じるのはアンソニー・ホプキンスで腹話術や華麗なカードさばきを披露しています。

幻影師アイゼンハイム』(2006年)・・・19世紀末のウィーンを舞台にしたイリュージョンもの。恋愛要素強めですが、最後まで目が離せない展開が用意されています。幻影師アイゼンハイムを演じるのはエドワード・ノートン

プレステージ』(2006年)・・・クリストファー・ノーラン監督作品。2人の敵対するマジシャンをヒュー・ジャックマンクリスチャン・ベイルが演じています。

イリュージョニスト』(2010年)・・・ジャック・タチが娘ソフィーに遺した脚本をもとにシルヴァン・ショメが脚色したアニメーション作品。主人公である老手品師タチシェフはタチの本名でもあり、タチ自身として描かれています。

俺たちスーパーマジシャン』(2013年)・・・スティーヴ・カレルスティーヴ・ブシェミジム・キャリーらがマジシャンを演じたコメディ映画。

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  • Shintaro
    3.5
    マジックの域超えてる
  • まみ
    4.0
    記録
  • 4.8
    めさんこ好きっす。 この映画にケチをつける人は、私が許しません!!(笑)
  • 高坂拳斗
    3.7
    記録
  • すままる
    3.5
    マジックのスケールが大きくてワクワクが半端ない。4人のマジシャンがスマートに人々を騙すかと思いきや人間味が溢れててスマートになりきれないところも面白い。そきて善悪がはっきりわからなくなる展開が面白い!気持ちの整理がつかないままクライマックスへ。 最後大どんでん返しなんだろうけど、なぜ!?というどこか納得がいかないんだよねぇ。だけどマークラファロの渋さを感じられる作品だなぁ
「グランド・イリュージョン」
のレビュー(79456件)