こんな面白いのにナゼ!劇場未公開作品を掘り起こせ!今すぐ見たい未公開映画10選

劇場未公開作品を愛してやまない田舎人

フレスコの傘

常日頃、私たちにスクリーンの中から夢を与え続けてくれる映画ですが、その中には様々な理由によりスクリーン(=表舞台)に立つことなくひっそりと消えてしまう映画も存在します。それが劇場未公開作品と呼ばれる類のもので、その多くは人目につかずいつの間にかDVDがリリースされている・・・という幸薄の存在。

様々な理由により劇場での公開が見送られた作品ですから、この内容ならば劇場未公開なのは納得できるな~と思うものもあれば、こんなに面白い映画なのになんで未公開なの?もっと色んな人に観てもらいたい!と思う作品もたくさんあります。

そこで今回は劇場未公開作品を愛してやまない筆者がこの作品を埋もれさせておくのは勿体ない!と感じた未公開作品を紹介したいと思います。

ホーンテッド・ハウス(1999年/原題:KOLOBOS)

「求む映画出演者」という新聞広告で集められた5人の男女。彼らは実験映画の撮影のためとある別荘に集められたのだ。だが、この別荘はどこかおかしい…。

タイトルは実に安直ですが、蓋を開けてみれば90年代後半ホラーの隠れた名作がお目見え。至って普通の別荘が殺戮の場と化す様に訳も分からず引き込まれます。70、80年代のホラー、スプラッター映画を意識したような演出はホラー好きならば観て損はない内容でしょう。

ちなみに原題であるKOLOBOS(コロボス)とは古代ギリシャ語で切り刻まれたという意味で、その意味を知るとさらに恐怖が倍増しそうな趣があります。

グラバーズ(2011年/原題:GRABBERS)

グラバーズ

アイルランドの孤島で繰り広げられるエイリアンVS酔っ払いたちの戦い!

アイルランドの孤島に突如として現れたエイリアンという最初から最後まで貫き通したスケールの小ささが逆に目を引く作品です。エイリアンの襲撃は世界規模とかそういうレベルでないのです。孤島規模なのであります。

襲いかかるエイリアンは血中のアルコールが苦手なのでは…?と気付いた島民たちはこぞってそうだ、みんなで酔っ払っちまえばいいんだ!と酒をガンガン飲みだす始末・・・。ストーリーは終始そういうノリで展開していきます。

生首が飛んだり、死人も出ているのにみんなへべれけ寸前。全編に渡って醸し出されるどこかトボケた雰囲気がたまらない一本。

悪魔の恋人(1996年/原題:FEAR)

悪魔の恋人

16歳のニコールは優しいがどこか謎めいた青年デビッドと恋に落ちる。初めて本当の恋を知るニコール。だが、彼女は知らなかった。デビッドの仮面の下に隠された恐ろしい凶暴性を・・・。

ブレイク前のマーク・ウォルバーグとリース・ウィザースプーンが拝めるという点においてはある意味貴重な作品ではないでしょうか。当たり前ですが二人とも初々しい!

デビッドを演じたマーク・ウォルバーグが爽やかな青年の顔と凶暴な犯罪者の顔、この二面性を上手く演じ分けており非常に恐ろしい。好青年だった人間の化けの皮が剥がれ、凶暴性を剥きだしにして襲いかかってくる姿はホラー映画とはまた違った現実的な恐ろしさがあります。

またラストの家族を巻き込んでのマイホーム籠城戦は本作一番の見所と言えるでしょう。

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クライム・チアーズ(2001年/原題:SUGAR & SPICE)

クライムチアーズ

チアガールたちが銀行強盗を強行する話で、尺も80分と短いのでサクっと観られる作品です。ベティ人形のマスク(ジャケット上部参照)をお揃いでかぶり、ハイ、今から銀行を襲っちゃいま~す!みたいなノリが実に軽快で楽しい。

『レザボア・ドッグス』、『ヒート』、『狼たちの午後』といった名作映画を教本にしながら銀行強盗をイメージトレーニングするシーンや、キュートなチアガールたちの日常なども盛り込まれており、シンプルな内容ながら飽きない作りになっています。チアガールの相手役にはジェームズ・マースデンの姿も。

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ラッツ(1983年/原題:RATS: NIGHT OF TERROR)

ラッツ

舞台は核戦争の影響で荒廃しきった2015年の地球。食糧を求め知らずのうちにネズミの穴蔵に突っ込んでしまった人間たちは一人、また一人と殺人ネズミの毒牙にかかってゆく…。

イタリアB級映画の巨匠、ヴィンセント・ドーン(故人)による1984年製作のキラー・ラッツ・ムービー。

本物のドブネズミを使用し、保健所からクレームを受けながらも撮影を敢行したというある意味伝説的な作品。低予算映画なうえに製作年が80年代ということもあり、VFXでネズミをかさ増しすることが出来なかったのか、押し寄せるネズミの大群を涙ぐましいまでの努力で何とか表現しようとしたその姿勢がスゴい!というかあざとい!

またグロ要素もなかなか目立っており人間の口の中からネズミを出してみたり、人間の背中を突き破ってネズミを出してみたりとやりたい放題。スタッフも大変でしょうが、これは演じた役者たちも相当苦労したことだろうと思います。

そして全てをドン底にまで突き落とす後味の悪いラストにも注目。これはしてやられた!と思わず叫んでしまうかも?

デッドゲームシティ(2013年/原題:All Things to All Men)

デッドゲームシティ

ロンドンを舞台に、裏社会に通じる汚職刑事とその裏社会を仕切る元締めとの大掛かりな強盗計画を描く。

なんとなく『ユージュアル・サスペクツ』を彷彿とさせるような内容に既視感を覚えつつも、所々にスタイリッシュな映像が挟み込まれており、洗練されたお洒落な雰囲気が味わえる作品。

ガブリエル・バーンとジュリアン・サンズをはじめ、ルーファス・シーウェル、トビー・スティーヴンス(なんとマギー・スミスの息子であります!)、レオ・グレゴリー、デヴィッド・スコフィールドという非常に渋いキャスト陣たちが顔を揃えている点にも注目して頂きたい。

特にガブリエル・バーンとジュリアン・サンズはケン・ラッセルの『ゴシック』でバイロンとシェリーを演じた仲ですので二人の年月を経ての再共演は嬉しいことこのうえないのです。

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デス・プラン 呪いの地図(1958年/原題:I BURY THE LIVING)

名前の上にピンを立てるだけで必ず死ぬ。

墓地の管理人をすることになったボブ。墓地を管理する地図にはピンを立てなくてはいけないのだが、予定地には白ピンを、埋葬済みの印には黒ピンを立てる決まりがあった。ところがある日、白ピンを立てなくてはいけない場所に間違って黒ピンを立ててしまった…。すると地図に黒ピンを立てた名前の人物が次々と亡くなっていき…という怪奇事件を扱った作品。

要するにデス・ノートならぬデス・マップといったところでしょうか。昔の作品だけに隠れに隠れた作品ですので知名度の低さが悔やまれます。

さて、終盤で主人公は「黒ピンで死をもたらす力が私にあるなら白ピンで生を与えることも出来るはずだ」と考え、地図に立てられた黒ピンを白ピンに立てかえます。果たして死んだ人間たちは自分の隠された能力によって生き返るのか?それともこの地図自体が呪われているのか?どうなるかは観てのお楽しみ。

ディフェンドー 闇の仕事人(2009年/原題:DEFENDOR)

ディフェンドー

アーサー・ポピントン(ウディ・ハレルソン)は、昼間は道路工事現場で働く素朴な人物。しかし、彼は夜になると、自らが作り出したスーパーヒーロー“ディフェンドー”に変身し、ビー玉や、パチンコといったお手製の武器で、市民を悪の手から守るためパトロールをするのだ!

よわっちいヒーローが主役です。ヒーローが使う道具は、おはじき(ビー玉)、瓶詰めの蜂、ライム果汁、パチンコ、おじいちゃんから譲り受けた棍棒などどれも子供だましのような道具ばかり。それでも敵が怯んだり、気絶している様子を見ると思わず興奮してしまいます。銃は弱いやつが使う道具だと言って、銃を使わないところもよかった。

ボロボロになっても独り戦い続けるディフェンドー。ああもう、どうしてこんなにショボいヒーローは愛しいのだろう。 どうしてこんなに頑張れるのだろう、この人は。 負けると分かっていても立ち向かえる強さと勇気、そして真っ直ぐで淀みのない心。それがあるから彼はかっこよく映るのでしょう。

ただ単にヒーローもののコメディかと思ったら大間違い。どんなに無敵なヒーローよりもかっこいいと思える弱いヒーローがこの映画には確かに存在しています。

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ブラッド&ボーン 真拳闘魂(2009年/原題:BLOOD AND BONE)

ブラッド&ボーン

マーシャルアーツ界のニュースター、マイケル・ジェイ・ホワイト主演、ムショ帰りの男がストリートファイトに挑む姿を描いた格闘モノの傑作。

主人公ボーンの造形は60~70年代のイーストウッドのような寡黙なヒーローにしたかったということで、口数もほとんどないのに雰囲気で魅せる魅せる。西部劇を思わせ、勧善懲悪の分かりやすい話の運びも小気味良くて爽快。

そして一番の見所はやはりマイケル・ジェイ・ホワイトのキレッキレのアクション!終盤での対マット・マリンズ戦(マリンズはスーツ姿で対戦)、これがもう最高にカッコいい!スタッフ陣全員が何らかの形で格闘の世界に関わっているというだけあって、根本的な作りや作品にかける情熱が違うのです。

これが埋もれているのは本当に勿体ない。映画の中で誤魔化しのない本物の格闘技が観られる貴重な一本。

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アリス・スウィート・アリス(1977年/原題:ALICE SWEET ALICE)

アリス

『アリス・スウィート・アリス』という可愛らしいタイトルとは裏腹に、その中身はアリスという名の12歳の少女が妹殺しの罪をかぶせられるという強烈なものとなっています。

監督のアルフレッド・ソールはヒッチコックの作品群に加え、ニコラス・ローグの『赤い影』とマーヴィン・ルロイの『悪い種子』に影響されこの作品を作り上げました。

黄色いレインコートを羽織り、プラスチックのお面で顔を隠し、手には研ぎ澄まされた包丁…これらの小道具が小さな殺人鬼の狂暴性を剥き出しにさせる。ブルック・シールズのデビュー作としても有名な本作ですが、70年代スラッシャー映画の傑作と呼ぶに相応しい戦慄を余すことなく味わえることでしょう。

アリス役のポーラ・シェパードは撮影当時19歳で、現場では煙草を吹かしていたというエピソードはファンにとってはお馴染み。

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劇場未公開作品を掘り起こせ!

今回紹介した劇場未公開作品はほんの一握りにすぎません。この世にはまだまだ闇の中に埋もれた作品が数多く存在するのです。

この記事で少しでも多くの方々に劇場未公開作品への興味を持って頂けたならば幸いです。

劇場未公開作品よ光あれ!

 

※2021年9月20日時点のVOD配信情報です。

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  • hachi
    3.4
    誰が犯人かわからない不穏な雰囲気と、アリスの鬱屈した表情がベストマッチ!最後のアリスの微笑は、こわっておもった…鳥肌もの。
  • 地球外生命体
    3.2
    建築家から映画監督に転向したという異色の経歴を持つアルフレッド・ソウルが手がけ、1970年代スラッシャー映画の隠れた名作とも言われる一作。 教会で聖餐式のさなかに1人の少女が殺され、12歳の姉アリスに疑惑の目が向けられる。そして、その疑いが晴れないまま、次々と殺傷事件が起きる。 事件の発端となる最初の犠牲者を少女時代のブルック・シールズが演じており、彼女のデビュー作としても知られる。 1976年に製作され、当時日本で劇場未公開。その後、マスター等の紛失により長らく幻の作品となっていたが、2019年にオリジナルネガが発見され、2Kスキャンでデジタル修復された。それにより、2020年8月に日本でも初の劇場公開が実現。
  • -
    なんだなんだと思っていたら終わっていた。 テンポが良い。 終わってしばらく経ってからそういう事か! と理解。 黄色いコートの殺人鬼のスラッシャーテラー。 パニックではない。 スラッシャーあまり観ないので分からないが、血の量は現実的。 リアルだからこそ痛そう。 聖体拝領、女の子というと小さな悪の華を思い出すが、こちらの女の子アリスのグレ方のほうが、理由がはっきりしている分、かわいそうにも思える。妹がかわいすぎるしね。 観終わってからアリスの心境を考えるとラストのシーンも頷ける。 アリス達のの住むアパートの内装がとても可愛い。 特に大家さんの部屋は猫が沢山いて花柄の壁紙に映える。大家さんは汚い。信じられないほど服が汚い。顔はきれいなので不快度は低い。 アリスの秘密の箱もヴェールとか入っていて可愛いんだけど一緒にゴキブリが飼われていて、苦手な人は気持ち悪いと思う。 神父の家の家政婦の部屋やドレッサーもすごくガーリーで可愛い。ここで異端なのは家政婦自身。 この可愛さと異質なものの組み合わせが繰り返される意図は何となく伝わるが形容し難い。 アリス・スウィート・アリスというタイトルも毒っ気を感じるし。
  • ume0214
    3.1
    プライムで視聴。字幕版 この前に見た「悪を呼ぶ少年」(1972)と似たような作品なのかな。 妹のカレンが教会で殺される。 続けて叔母も襲われる。 状況から見ても姉のアリスが疑わしい。 果たしてアリスが犯人なのだろうか...。 凄い形相した顔のアップが多くて全体的に不気味な雰囲気が漂っている。 それと包丁でザックザク刺すアップも多くショッキング。 刑事が案山子過ぎる。 後半に差し掛かったあたりで真犯人が分かってしまうしアリスの出番もほぼ無くなり完全に拍子抜け。 ラストはアリスが殺人に興味を持つっていうことなのかな。 出番少ししか無いけどこれが映画デビュー作のブルック・シールズが可愛すぎ。 妹と並ぶと12歳の姉が随分おばさんに見えて気になって調べてみたら 映画公開時 妹カレン役:ブルック・シールズ11歳 姉アリス役:ポーラ・E・シェパード19歳 追記 本来のタイトルは「Communion」聖餐の意。 アリスも犯人もパンを食べたがってたもんね。 それがブルック・シールズが人気女優になったので「Alice, Sweet Alice」というロリータ属性匂わすタイトルに変更したとのこと。
  • foxiiikxxs
    2.5
    なんだ、オバハンかあ
アリス・スウィート・アリス
のレビュー(2063件)