『ローグ・ワン』だけじゃない!もう1つのスター・ウォーズ関連作が満を持して公開

気づいたら映画ファンになっていた

松平光冬

「スター・ウォーズ」シリーズの『エピソード3/シスの復讐』と 『エピソード4/新たなる希望』の間をつなぐサイドストーリー、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』。

帝国軍の兵器デス・スターの設計図を奪うというミッションを遂行する、「ローグ・ワン」と呼ばれる反乱軍チームの活躍が描かれる。

ローグワン

(C) 2016 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

2017年の正月映画の目玉の一つとなっているこの作品が12月16日に公開されたが、実は翌17日に「スター・ウォーズ」のドキュメンタリーも日本公開される。

それは、『エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街』。

2016年8月に新宿シネマ・カリテで先行公開されたが、このたび満を持しての全国公開となった。

『エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街』:もうひとつの『スター・ウォーズ』サイドストーリー

エルストリー

(C)ELSTREE 1976 LIMITED, 2015

 1976年、イギリスの老舗撮影スタジオの一つだったエルストリースタジオに、奇抜な衣装に身を包んだキャストが集結。彼らの多くは、自分たちがどんな映画を撮っているのかよく把握していなかったが、後にそれは『エピソード4/新たなる希望』として、映画界の歴史に名を遺す1本となった――

本作では、全身衣装に覆われているため素顔が映らないキャラクター、あっという間に瞬殺されるキャラクター、素顔で出ていても数秒しか映らないキャラクターなどなど、主にエキストラとして参加していた面々に焦点を当てる。その中には、ファンの間で特に名が知られる、「エピソード4~6」でダース・ベイダーのスーツアクターを演じたデヴィッド・プラウズ、ボバ・フェット役のジェレミー・ブロックも含まれる。

彼らの中にも、「スター・ウォーズ」という作品に対する考え方の違いや、ファン参加のコンベンションでは彼らだけにある“人気の格差”が存在することなどが知れて面白い。

 「スター・ウォーズ」がいかに彼らの人生にどのような影響を与えたのかを探る、現在の眼から見た別の意味でのサイドストーリーともいえる。

I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー』:ダース・ベイダーの“中の人”の光と影

近々公開される「スター・ウォーズ」のドキュメンタリーはもう1本ある。

自他ともに認める「スター・ウォーズ」ファンという2人のスペイン人監督が撮った、『I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー』がそれ。

ユアファーザー

こちらは、『エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街』にも出演するダース・ベイダー役のデヴィッド・プラウズ個人にスポットを当てており、彼の俳優としてのキャリアやベイダー役に選出されるに至った経緯、そして彼とジョージ・ルーカスとの“確執”を振り返っていく。

共同監督の一人、マルコス・カボタがプラウズに密着していくと同時に、ある壮大なプロジェクトを遂行しようとしていく過程にも注目。

11月にWOWOWで放映されたのですでに観た人もいるだろうが、2017年にヒューマントラストシネマなどで改めて劇場公開されるそうなので、未見の人や気になった人はチェックしてみてはいかがだろうか。

『I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー』予告編

まだまだある、『スター・ウォーズ』関連作品

『ファンボーイズ』:友のために『エピソード1』のフィルムを奪え!オタクな「ローグ・ワン」チームが出動

ファンボーイズ

ファン待望の新作『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』が公開される1年前の1998年に、「死ぬ前に「エピソード1」を見たい」と願う末期ガンに侵されたファンのため、仲間たちがチーム「ローグ・ワン」ばりにルーカスフィルム本社があるスカイウォーカー・ランチに侵入し、デス・スターの設計図ならぬ「エピソード1」のフィルムを盗もうと企てるコメディ。

ルーカスフィルム協力の下で製作されており、内部公開が極めて少ないスカイウォーカー・ランチ内でのロケ撮影や、「スター・ウォーズ」ファンと“トレッキー(トレッカー)”と呼ばれる「スター・トレック」ファンとの頭の悪いケンカシーンなど、見どころも多い。

なお昨年、末期がんで余命2カ月を宣告されたテキサス在住の男性ファンの、「『フォースの覚醒』を観るまでは生きたい」という願いを叶えようと運動が起こり、最終的に監督J・J・エイブラムスのはからいで12月の本上映より早い11月に男性宅での上映が実現したという、まさに「ファンボーイズ」を彷彿とさせる出来事が起こったのも記憶に新しいところ。

『ピープルvsジョージ・ルーカス』:「スター・ウォーズ」はルーカスのもの?それともファンのもの?

ピープル

「スター・ウォーズ」を愛してやまない世界中の熱狂的ファンが、シリーズの生みの親ジョージ・ルーカスに対する愛憎を洗いざらい吐露するドキュメンタリー。

「特別編」や「エピソード1~3」のプリクエルに対する感想の相違や、スター・ウォーズに人生の全てを捧げた末の現状など、ファンの悲喜こもごもがかいま見え、『フォースの覚醒』にもカメオ出演している某コメディ俳優が、一人のファンとして何食わぬ顔で出演しているのが面白い。

ファン側の目線で追った、『エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街』や『I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー』と対になる作品ともいえる。

関連作ともども「スター・ウォーズ」文化に浸ろう

2017年は「エピソード4」公開から40年というメモリアルイヤーとなり、12月には正規シリーズ最新作「エピソード8」も公開される。

他にも主要キャラのハン・ソロの若き日を描いたスピンオフの製作も発表されており、「スター・ウォーズ」ストーリーはまだまだ続く。

それと同時に、『エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街』や『I AM YOUR FATHER/アイ・アム・ユア・ファーザー』といった関連作も、今後も製作されていくことは間違いないだろう。

というのも今回取り上げた4作品は、製作に「スター・ウォーズ」のファンだったスタッフが絡んでいる。もっと言うと、『フォースの覚醒』の監督J・J・エイブラムスも、もともと熱狂的ファンだった1人。

新たなフィルムメーカーを生む効果を担っている「スター・ウォーズ」は、もはや文化の一部となっていると言っても過言ではない。

『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』はもちろんのこと、他の関連作も込みで「スター・ウォーズ」文化に浸ってみるのはいかがだろうか。

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  • いののん
    4.1
    スターウォーズについて全く詳しくないけれど、気になって観賞。 1976年 これが前代未聞の超弩級SF映画になることなど、 その時、知る由もなく、 誰が監督なのかも知らず、 そしてきっとその時ジョージ・ルーカスもまだ何者でもなく、 ジョージ・ルーカスに会ってもそれが監督だと気づかないくらいの感じで、 ただ矢印の指す方向に従って歩いて行ったらそこがスタジオだったとか、 そんなこんなで人生をスターウォーズというばかでかい怪物に その後の人生を左右されていった方々のお話。 エキストラと一括りにして良いのかどうか私には全くわからないけど、 とにかく観ていて色々と思うところがありました。 世界の人口が80億人だとしたら、そのうちの約25%もの人が スターウォーズを観ているらしい。 その巨大怪物映画スターウォーズに エキストラ(と一括りにして良いのかはわからないけど)として出演し、 好むと好まざるとに関わらず その後の人生はスターウォーズにどうしたって巻き込まれていく。 その後の人生が順風満帆な方もいらっしゃったと思うけど、 プライドやら嫉妬やら妬みやら肥大化する自意識とやらに 自分の人生を侵食されてしまった方もいらっしゃったのではないかと思う。 それにどう折り合いをつけ生きていくのか。 これは、特別な方々のドキュメンタリーなのかもしれないけど、 でもこれは、私自身と地続きの話でもあるように感じられ、 苦しく切ない気持ちにもなりました。 コンベンションという言葉がよく登場しましたが、 スターウォーズのファンの方々が集う催し物なのでしょうか。 ファンの方々にいついつまでも愛される姿をみて、 これも人それぞれなのかもしれないけれど、 それはやはりステキなことだなあと思いました。 ファンの方々は、主役級のキャストだけでなく、 ほんの一瞬しか映らないような出演者まで含めて スターウォーズという映画を愛しているからこそ、 各地でコンベンションが催され、 そしてこのようなドキュメンタリーが製作されるのだと思うと、 スターウォーズという映画の、底知れない大きさをあらためて感じた次第です。
  • よしお
    3
    No.2595 「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」に出演した「無名俳優」たちを追ったドキュメンタリー。 ドキュメンタリーというより、インタビュー集。 彼らのうちのある人たちは、コンベンションといわれる「大型ファンイベント」に参加して、マニアたちにサインして稼いでたりしている。 ダース・ベイダーの「中の人」を演じたデヴィッド・プラウズが、相当プライドの高そうな人だということがわかった。 いくつかのイベントを出禁になっていると言っていたが、なんとなくわかる気がする。 しかもこの人、「時計じかけのオレンジ」に出てるんだよね。途中で思い出した。
  • shoh323RA
    2
    🖇
  • beachboss114
    4
    単にコメントを繋いでいるだけで、ドキュメンタリーとしては全く芸がない作りなんだけど、「残念な連中」が数珠繋ぎで未練がましい愚痴を垂れていくのが興味深い。 それだけ。 一言でもセリフのある役をもらえた役者。本来そっちの方が格上なのに、ファンの集いでは“空き缶”を被った格下の連中の方が人気というジレンマ。 エキストラ出演が趣味で、画面の端に入り込むのを生き甲斐にしている男。そいつのフィルモグラフィだけ見たら「スター・ウォーズ」とか「ランボー」とか「インディ・ジョーンズ」とか、もう錚々たる経歴。 そういう連中のちっぽけな幸福感や忸怩たる思いが、微笑ましく感じられる作品。 それで十分。
  • S
    2.1
    1976年、イギリスのエルストリースタジオで制作されていた『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』。 スター・ウォーズシリーズ第1作目の作品に出演したエキストラ俳優の、生い立ちやスター・ウォーズ作品との関わり、出演後の人生に焦点を当てたドキュメンタリー映画。 『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の制作の舞台裏に関するドキュメンタリーだと勝手に想像していましたが、思っていた以上にエキストラ俳優一人一人の人物に焦点を当てたドキュメンタリーだったので、少々期待はずれ… エキストラ俳優が映画のどのシーンに出演していたのかを実際の映像と共に紹介してくれており、その点に関しては興味津々で鑑賞できました。 頭をぶつけるストームトルーパー、カンペをしっかり見ている戦闘機のパイロットは面白かったです! スター・ウォーズシリーズの愛され方はすごいですね。
エルストリー1976 新たなる希望が生まれた街
のレビュー(313件)