あの伝説のミュージカル『レント』が来日!公開リハに潜入!

映画は三度のメシの次に好き

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今年は、映画作品としても広く知られ、日本でも大ヒットした”ミュージカル”の舞台版が本場ブロードウェイから次々と来日し、大盛り上がり!そんなミュージカルフィーバーの2016年、大トリとなるのは、なんとあの伝説的作品「レント」

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ミュージカル好きであれば、知らない人はいない! と言っても過言ではないくらい、世界中で何度も上演されてきた。

今年は初演の1996年から20周年という記念すべき年。しかも「レント」の世界とリンクするクリスマス&大晦日の季節に、この”日本”へとやってきてくれたからには、観に行かない理由が見当たらない!!

今回は、一足先に最終稽古の場へと潜入! 映画ファンもきっと好きになるミュージカル「レント」の魅力を調査してきた。

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はじめに

私の「レント」ファン歴は全く誇れるものではない。出会いは映画版『RENT/レント』から…。しかし、作り込まれたストーリー、思わず口ずさみたくなる楽曲、そしてまるで”エンジェル”のいたずらのような奇跡の数々を知れば、そこからはトントン拍子で取り込まれてしまう。

なぜこんなにも愛されるミュージカルになったのか。ぜひ知ってもらいたい。

「レント」って名前は知ってるけど、何がすごいの?!

「レント」がオフブロードウェイで上演されたのは今から20年前1996年。映画で言えば、小規模な劇場(ミニシアター)にて上映されるインデペンデント作品のようなイメージが近いかもしれない。

初演からの「レント」の躍進はあっという間だった。オフブロードウェイから、わずか2ヶ月でブロードウェイに進出!さらに同年のトニー賞を受賞!

”レントヘッド”と呼ばれる熱狂的ファンも生まれるほど、連日Sold Outの大人気作品となった。

その後、12年にも及ぶロングランを達成し、今ではミュージカル史の1ページとして語り継がれている。

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生み出した若きアーティストもまた、伝説に…。

「レント」がすごいことは分かった。でも、次に気になるのは「誰が作ったのか?」。

脚本・作詞・作曲を担当し、まさに生みの親となったのはジョナサン・ラーソン。有名なオペラ「ラ・ボエーム」を基に、舞台を現代へと移し、若者たちの苦悩と現代にはびこるエイズや麻薬、貧困、人種や性差別問題を衝撃的に描いた。

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ジョナサンの作る楽曲は多ジャンルに及び、不採用になったものも含めれば膨大な量に。演出家のマイケル・グライフと幾度となく衝突しながら、試行錯誤し上演直前まで制作は続いた。

いよいよ公演を数時間後に控えた1996年1月25日、まさかのジョナサンの訃報が届くのである。35歳という若さだった。

ジョナサンが変えたミュージカルという壁

「レント」のストーリーについて、少し知っておこう。

舞台となるのはニューヨークイースト・ヴィレッジ廃ビルが並ぶイースト・ヴィレッジには、路上生活者や不法移住者で溢れていた。

そこに住むシンガーソングライターのロジャー、映像作家志望のマークは夢を追い、ニューヨークへやってきたが、まともに家賃=レントも払えない極貧生活に。

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そんな中、富裕層のオーナーたちは凍えるような寒さのクリスマスイブでも、立ち退きを迫る。さらに強盗やエイズ、ドラッグの蔓延によって、才能ある若者たちの命が失われていった。

愛する者との別れやすれ違いに傷つきながら、1日を必死に生き、自分の才能を様々な形で表現しようと葛藤するー。

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ジョナサンもまた、夢を追いニューヨークという地へ。しかし現実は夢物語ではなかった。アルバイトで生計を立てながらの創作活動は時間も体力も削れていく。大切な友人も病でこの世を去り、芸術家への風当たりも冷たい。

今日が最後の日かもしれない!そんな気持ちで必死に生きてきた姿が、作品のキャラクターたちにも投影され、結果今までとは違った客層で劇場は溢れかえっていった。そう物語に共感したのはキャラクターたちと同世代の若者たちだ。

そしてそれは、「ミュージカルをもっと若者にとって親しみやすいものへと変えたい」というジョナサンの夢を叶える形となった。

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すぐ実践できる!映画版『RENT/レント』で予習

今すぐに「レント」を自宅で観たい!そんな方は、当時日本でも大ヒットとなった2005年映画版をチェック!

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監督は「ハリー・ポッター」シリーズでもおなじみのクリス・コロンバス。「ハリー・ポッター」シリーズでもお分かりの通り、原作に対しとても忠実に且つエンターテインメント性を持たせて映像化するにはクリス以外いなかった。彼もまたレントヘッドであり、賛否はあったものの、愛するが故のこだわりはオープニングからエンドクレジットまで随所に感じられる。

さらに、舞台版のオリジナルキャストが集結し、初演から年数が経っているにもかかわらず、キレッキレのダンスと美声を聴かせてくれる。その中には、2017年再来日コンサートも控えている『アナと雪の女王』ではエルサ役で世界中に知られる事になったイディナ・メンゼルの姿も。

オリジナルキャスト以外の映画版キャストとして、ロザリオ・ドーソン(『シン・シティ」)がSMクラブのダンサー ミミ役を熱演。きわどい衣装でセクシーなダンスを披露したかと思えば、ドラッグとエイズに人生を翻弄されていく姿を体当たりで表現。

また、イディナ演じるモーリーンの彼女役として、ジョアンを演じるのは、映画やドラマと幅広く活躍しているトレイシー・トムズ。過去には舞台版「レント」のオーディションに何度も挑戦しては落ちていた経験も。ついに、映画版ではジョアン役をゲットし、さらにはファイナルキャストとしても舞台に立つことができた。

有楽町の地が熱気で燃え上がる!

2016年12月15日に始まった今回の来日公演は、東京国際フォーラム ホールCで上演されている。

初日の前に行われた公開稽古のため劇場に入ると、なんと3階まで客席が!既にSold Outの公演も出てきているというから、日本でもその人気をうかがわせる。

舞台の上には生のバンドと、電飾が付いたアーティスティックなオブジェがキラキラと雰囲気を醸し出している。

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座席で待機していると、音響の調整のため少し時間が遅れるとのこと。それは稽古なのだからしょうがない。逆に生の現場に来ているというピリピリとした雰囲気によりこちらもかなり緊張してくる。

するとなんの前触れもなく、”ザ・ロックスター”のような顔立ちのイケメンロジャーがギターのチューニングを始めた。あれ?これも調整中かな?と思いきや、突然キャストたちがバタバタと登場し、映像作家志望のマークが話し始めた。

「え?もう始まってる?!」そう…開演5分前の鐘が鳴ってからは気を抜くべからず!そうこうしているうちに、どんどん話は進行していく。続いてミュージカルの題名にもなっている楽曲「Rent」が流れると、ロック調の音に合わせてキャストたちがあちらこちらへと飛び回り、激しく力強く歌い上げる。そしてあっという間に、気づけば「レント」ワールドへと引き込まれていた。

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本場ブロードウェイのクオリティを感じられる舞台

公演が始まると、大げさな装置などはなく、キャストの体を張った動きと声、音楽で表現されていることに驚かされる。逆を言えば、アーティストやクリエイターたちの力だけで観客の心を動かさなければならないのだ。

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ロック調の曲もあれば、タンゴにゴスペルを彷彿とさせる曲など、ありとあらゆるテイストで観客を飽きさせない。

才能溢れるキャスト陣は、キャラクターと同様に20代のフレッシュな顔ぶればかり。彼らの内なる叫びを思う存分味わえる。

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英語が苦手でも大丈夫!

ストーリーはAct One / Act Two2部構成。間の休憩を含めると、上演時間は3時間弱程になる。

今回は、来日版…ということもあり、心配だったのは全編英語で進められること。長時間、セリフの意味がわからないと、ちょっと残念なことに。

でもそんな方でも全く問題なし!なんと舞台のサイドに映画のように日本語字幕が付いているのである!なんて至れり尽くせりなんだろう!これで言語に気にせずノリノリになれること間違いなし。

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推しメンは”エンジェル”!

マークとロジャーだけでなく、個性豊かなキャラクターたちが登場し入り乱れていく。その中でも名前からして特別な存在であることが分かる”エンジェル”ストリートドラマードラァグクイーン。エンジェルに出会うことで、皆が影響を受けながら、自身の人生を見つめ直し、そして命はなんと儚いものなのか現実を突きつけられることになる。

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そんな彼女のパフォーマンスは素晴らしい!机をドラムに見立てながら飛んだり跳ねたりアクロバティックに動きまわる。そして極め付きはこの笑顔!もうメロメロ。

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7年ぶりの来日公演は何かが違う

「レント」は長い月日をかけて、様々な演出が加えられてきた。

しかし20周年記念とあって、あえて今回は演出家マイケル・グライフオリジナル版での上演となる。今では世界中どこに行っても観ることができなくなった貴重な公演が日本で観られるとあって、レントヘッドの中でも話題になっている。

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それに加えて、日本だけの試みとして、クリスマスイブ大晦日限定公演が決定している。

「レント」のストーリーの始まりはクリスマスイブの21時。前代未聞の21時開演となるスペシャルプログラムだ。さらに大晦日公演の2回目はなんと22:15から始まる。それは、Act Twoの最初に流れる名曲「シーズンズ・オブ・ラブ」の後、年明けへのカウントダウンの場面に合わせて実際に2017年の年明けを迎えるためとのこと。選び抜かれた「レント」のキャスト陣と一緒に特別な日を迎えられるなんて、世界中のレントヘッドが羨ましがりそうだ。

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1年(525,600分)はあっという間に過ぎていく。一日一日を必死に生き抜く人たちに、愛することの大切さを教えてくれる「レント」を観れば、人生の見つめ直しのきっかけにもなるはず。

語り継がれる伝説をぜひ、あなたの目で確かめて観ては?

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★ブロードウェイ・ミュージカル「RENT(レント)」20周年記念ツアー公式サイト※PCサイトは音が流れますので、ご注意ください。 http://rent2016.jp

★日本人キャストによるマイケル・グライフ演出版の公演も決定!シアタークリエにて2017年7月2日~8月6日まで上演予定。シアタークリエ ミュージカル「レント」公式サイト http://www.tohostage.com/rent2017/

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    ブロードウェイでも長く上演されている名作ミュージカル『RENT』を、制作総指揮をロバート・デ・ニーロらが務め、ハリーポッターシリーズのクリス・コロンバスを監督に迎え完全映画化。 ニューヨークの片隅で、 エイズやドラッグ、同性愛、生と死、 悩みや葛藤など現代社会にも通じる問題に向き合いながら懸命に毎日を生きる若者たちを鮮明に描き出している。 個性豊かな主要な8人の登場人物は皆とても魅力的。 観る人によって好きな人物、感情移入してしまう人物は様々だと思うけど、自分は中でも毅然とした佇まいや周囲を明るくしようとするエンジェルが大好き。 キレッキレで何度も見たくなるアクロバティックなかっこいいダンスやムードメーカーでもある彼女はまさにエンターテイナー。 だけどその裏で抱えているものも人一倍大きな彼女が気になってしまう。 様々な問題、悩みを抱える登場人物たちが心の内をぶつけるように歌う楽曲の数々。 中でも《Seasons of love》は本作を代表する名曲で、日本でも飲料メーカーのCMに起用されたりしていたので、舞台を観たことがなくても曲だけは耳にしたことのある人もいるのではないだろうか。 様々な人生を経験してきた8人だからこそ、彼らが “自分らしさ” を問いかけるように歌う《Seasons of love》は心に真っ直ぐに届く。 目の前の役者たちの熱量が体感として響いてくる生の舞台も最高だけれど、この映像化だからこその広がる見せ方なども多くて、また違った良さがある。
  • 影千代
    3.1
    20225 元は伝説的な舞台のミュージカル。レントヘッドと呼ばれるファン達を生み、クリスコロンバスも自身がレントヘッドだったとことを明かしている。で、できる限り舞台をそのまま映像化したかった、と。 だが、その意図は果たして正しかったのか、疑問である。観ている限り、舞台の方がいいんじゃないかと思える。そうだとしたら映画化する意味って何? ミュージカル映画って、観客に「何でそこで急に歌い出す?」って思われたらダメだと思うけど、本作で何度か感じた。舞台なら感じないんじゃないかと。 歌ってるシーンもMVぽいというかカラオケ映像ぽいというか、当時はどうか知らんけど今観ると。。 1年という時間を強調してるわりに冬のシーンばっかりだったり、ロジャーがギター売ってサンタフェ行ってすぐ帰ってきたり、あんだけ言ってた自分の曲はどうなった?とか、ミミ死んだと思ったら生きてましたとか、何それいる???? あとこれはしょうがないけど、AIDSの受け止め方が80〜90年代のもので時代を感じる。 ただし性的マイノリティ、民族的マイノリティへの共感性は先進的で素晴らしいし、ボヘミアンイーストヴィレッジ的な雰囲気もよく伝わってきて、よかった。 エルサのイディナメンゼルってここから出てきた人だったんだな。
  • キングボブ
    4.5
    記念すべきFilmarks900作品目。 そして2020年の300本目という奇跡。 ミュージカル映画で明るく行こうと思ったら、LGBTとHIVというアメリカの抱える社会問題にどっぷりな内容であった。 「未来はない…今が続くことに感謝」という言葉が非常に印象的で、LGBTに関しては非常に肯定的に描かれていたのが良かった。 それにしても歌や音楽が素晴らしい。 ロジャーが若きボンジョヴィに見えたのは自分だけかな…。 あのようなオープニングは非常にワクワクさせてくれる。 名作の多いクリス・コロンバスとスティーヴン・チョボスキーが手掛けた、重いながらも大きな感動を与えてくれるミュージカル映画の良作。
  • Miyu
    4.5
    周りにいる大切な人たちと一緒に生きられるだけで幸せだなと思える映画。相手の個性を尊重するとかそんな大きなことじゃなくて受け入れるくらいが丁度いいと感じた。エンジェルみたいにどんな状況の中にいても「自分はラッキーだ」って思えるような人間になりたい。修学旅行に行った時に学年全員でSeasons of loveを歌うっていうことがあって、なんで??って思ってたけど今はすごくいい歌だということを理解している。
  • すみ
    4.5
    絶望の中の一筋の光を全力で感じている人達。生きて、いるって物凄く尊いんだな。
RENT/レント
のレビュー(14857件)