本当に観たい映像作品企画を募集し、グランプリを決める「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM(TCP)」が昨年に続き今年も開催! 第2回となる今回、最終審査まで残ったのが8名。そしてこの中からグランプリを選出する最終審査会が2016年11月10日に行われました。
FILMAGAではファイナリストたちのリハーサルから密着! 将来、メジャーな監督になる可能性を秘めた8人の舞台裏をご紹介します。
「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」(「TCP」)とは?
毎日のように映画ファンが多く訪れるTSUTAYAが、映画を愛する人にもっと新しい感動、そしてワクワクする作品を届けたいという思いから、新たなクリエイターの発掘と育成を目的として2015年からスタートしたプロジェクトです。
しかもグランプリ、準グランプリ2作には、5,000万円~の製作費をTSUTAYAがバックアップ。また出来上がった作品は全国のTSUTAYA、ネット宅配レンタルのTSUTAYA DISCAS、映像配信のTSUTAYA TVでのレンタル展開を実施するという特典も。
映画監督志望の人にとって絶好のチャンスが与えられる企画なんです!
■参照:
TSUTAYAが「本当に観たい映像作品」の企画を募集中!5,000万円の制作支援
最終審査当日。午前中はリハーサル!
ファイナリストたちは、最終審査会では約10分間どんな作品を作りたいのかプレゼンを行います。9時過ぎには会場である恵比寿ガーデンプレイス「ザ・ガーデンホール」に集合。リハーサルがスタート!
ちなみに最終審査に残った人と作品名は、甲斐博和さん『少年のウタ(仮)』、谷絵里香さん『ど田舎ウォーズ(仮)』、渡部亮平さん『哀愁しんでれら(仮)』、箱田優子さん『ブルーアワー(仮)』、ヤングポールさん『ゴーストマスターズ!“呪いのビデオができるまで”(仮)』、野村東可さん『東雲コントラスト(仮)』、金井純一さん『ファインディング・ダディー(仮)』、斉藤玲子さん『デッド・レター~配達不能の手紙~(仮)』。
本番同様のリハーサルに入る前にどんな機材を使うのか確認。まだファイナリストたちもリラックスしているよう。
機材確認が終わったら、本番同様のリハーサルへ! 少し緊張しつつも登壇者は映像やスライドを流しながら発表し、本番のイメージをつかんでいきます。その間、他のファイナリストたちはリハ中のプレゼンを聞いたり、最終調整をしたりしていた様子。
本番さながらなので、スタッフの人が残り時間を登壇者に見せるシーンも。プレゼンのリハーサル後は、表彰式の練習も。最後には取材をするマスコミが写真を撮るフォトセッションでの立ち位置を確認。自分が受賞することを想像してなのか、みなさんちょっとうれしそう!?
14時からの本番に向けて一旦お昼休憩。和やかなムード……かと思いきや本番が近づくと少しずつピリリとした空気が漂うように!
いよいよ最終審査会本番!
14時から本番がスタート! 観客席には取材陣や映画関係者などが並びます。そして審査員はプレゼン者の目の前に!
ちなみに今回審査員を務めるのは、スタジオ地図 代表取締役 プロデューサーの齋藤優一郎さんなど第一線で活躍中の映画プロデューサーのほか、映画監督の犬童一心さんや女優・鈴木京香さんといった著名なクリエイターを含む計8名。
■その他の審査員は、TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016公式サイトをチェック!
プレゼンは映画化した場合の作品イメージにあった動画が流れ、その後スライドを使って作りたい思いを発表する形式が多い印象でした。またファイナリストのほかに監督や脚本を担当する人と2人でプレゼンするパターンも。
中には作品イメージの映像の中に、その作品を作りたいと思ったきっかけなどを盛り込んで発表しているものや、プレゼン中にラップを入れたり、役者さんを使って簡単な演劇を行ったりする人も。
プレゼン後は各登壇者に一人ずつ審査員から質疑応答の時間も。優しいお言葉もあれば、手厳しい質問も飛び出しました。そして審査員は事前の資料とプレゼンを見て、配られている審査シートに評価を記入します。これを参考にグランプリが決定!
では舞台裏はどうだったかというと、登壇前、発表内容を再度確認してプレゼンに備える人もいれば、余裕のピースサイン(!?)のファイナリストも。一方、プレゼンが終わってからは、緊張の糸が切れたのか倒れ込んでしまったり、インタビュー動画の撮影で興奮気味に語っている姿を目撃!
ついにグランプリが決定!
いよいよグランプリに向けて審査員が退席し、最終審査に! その間は昨年のグランプリ受賞者の中江和仁さん、準グランプリ受賞者である加藤卓哉さん、片桐健滋さんによるトークショーが行われました。
■TSUTAYAが選ぶ「本当に観たい映像作品」とは?TCP受賞者インタビュー(1)
■TSUTAYAが選ぶ「本当に観たい映像作品」とは?TCP受賞者インタビュー(2)
■TSUTAYAが選ぶ「本当に観たい映像作品」とは?TCP受賞者インタビュー(3)
昨年を振り返ってのトークやこの1年で変わったこと、そして受賞作の映像化の進捗といった話題も。
そしてトークショーの終わりには、なんと発表が! それは中江和仁さんの『嘘と寝た女(仮)』が東宝とTSUTAYAのバックアップのもと、製作配給が決定。
東宝と言えば、今年は『シン・ゴジラ』や『君の名は。』といった大ヒット作を手掛けている大手映画製作配給会社。ということは、映画が出来上がったときには大々的に公開される可能性も!? 第2回のグランプリ作の夢もふくらみます。
会場も興奮気味の中、結果発表へ!
今回は審査員協議の結果、グランプリ・準グランプリのほかにもう1作品映画化したいということで、審査員特別賞が急遽設定されることに! その栄えある賞に輝いたのは箱田優子さんの『ブルーアワー(仮)』。
まだ賞の詳細は決まっていないとのことで、少し戸惑っていた箱田さんに「映画化するというのは決まってます」との声がかかり、「やったー!」と腕を挙げる箱田さん。「わざわざ用意していただいてありがとうございます」というコメントも。
そして準グランプリ・Filmarks賞にはヤングポールさんの『ゴーストマスターズ!“呪いのビデオができるまで”(仮)』、準グランプリ・GREEN FUNDING賞には金井純一さんの『ファインディング・ダディー(仮)』が選ばれました。
ヤングさんからは「ここまで来るのが長かったというか……。本当にやりたい企画だったので実現できるのがうれしいです」という喜びの声が。そして金井さんからは「これに賭けてた面もあったので、この機会に絶対おもしろい、グランプリにも負けない映画にしたいと思ってます」と力強いコメントを聞くことができました。
そして、グランプリは渡部亮平さんの『哀愁しんでれら(仮)』に決まりました! 他の方の受賞が決定した最中は硬い表情だった渡部さんでしたが名前を呼ばれた瞬間、喜びの笑顔。トロフィーは審査員を務めた鈴木京香さんから手渡されました。
グランプリに輝いた感想を尋ねられると、「本当に悔いが残らないようにと思ってすごくがんばって準備と、練習してない風に見せながらがんばって練習してました(笑)。本当に映画を撮れるということが信じられないです。本当にうれしいです。ありがとうございました!」と喜びを爆発させていました。
ちなみに最終審査会が終わったあとにプレゼンも含めて緊張したか渡部さんに聞いてみたところ「手汗で(手に持っていた)このトロフィー、ベトベトです(笑)」との答えが! プレゼン中は落ち着いて話していたのが印象的だったので、クールなプレゼン、そして受賞ができたのも日ごろの努力の成果なのかもしれません。
2017年もTCP開催予定!
最後はファイナリストや受賞者、審査員たちとでフォトセッション!
そしてすべて終わったのは18時。朝から長時間お疲れ様でした。
どのファイナリストのプレゼンも興味深い内容で、そのプレゼン方法もわかりやすく工夫されているものばかりでどれがグランプリに選ばれてもおかしくないくらいクオリティの高い最終審査会でした。
なかなか新しい才能を発掘する場が少ないという映画業界の中で立ち上がった「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」。なんと来年も開催予定なんだとか! まだ詳細は未定ですが今後もFilmarks、FILMAGAはTCPを応援していきます。
FILMAGAでは今回の受賞者へのインタビューを個別に行いました。来週より4回に分けてご紹介しますので、映画製作に興味がある人、製作していきたいと考えている人、TCPでグランプリを獲りたいと思っている人はお見逃しなく!