2021年の4月29日は昭和の日。今回は、昭和を感じる80年代の名作をご紹介します。80年代は日本のサブカルチャーが大きく成長した時代。86年以降のバブル期の派手さはよく耳にしますね。当時を知らない人も、懐かしい人も楽しめる、活気あふれる昭和の名作をお楽しみください。
『時をかける少女』(1983)
筒井康隆のSF小説を、『HOUSE ハウス』の大林宣彦が映画化。原田知世、高柳良一などが出演。
ある日の放課後。高校生の芳山和子は、実験室でラベンダーのような薬品の匂いを嗅いで倒れてしまう。それ以来タイムリープを繰り返す様になってしまった和子は、同級生の深町一夫に相談するが、信じがたい真実を知ることに……。
原田知世の初々しい魅力満載のSFファンタジー。大林宣彦監督の「尾道三部作」にも数えられる、永遠の青春映画の名作。
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『セーラー服と機関銃』(1981)
赤川次郎の同名小説を、『台風クラブ』の相米慎二が映画化。薬師丸ひろ子、渡瀬恒彦などが出演。
父子家庭で育った星泉は交通事故で父を亡くし、父の恋人を名乗る謎の女・マユミと同居することになる。次の日に学校へ行くと、校門の前ではヤクザの一軍が泉を待ち構えていた……。
ひょんなことから少女がヤクザの組長になり、大人になっていく過程を描いた不朽の青春映画。映画やドラマで何度もリメイクされるなど、時代を超えて愛され続けている。
『私をスキーに連れてって』(1987)
ホイチョイ・プロダクションズの馬場康夫が『彼女が水着にきがえたら』と『波の数だけ抱きしめて』と共に手掛けた青春映画。原田知世、三上博史などが出演。
仕事も恋もパッとしないサラリーマンの矢野。しかしスキーに関してはプロ並みの腕前で、ゲレンデではスターだった。ある日優という女性に一目惚れをするが、奥手な矢野はうまくアプローチができないままスキー場を後にすることに。それから数日後、矢野と優は社内でばったり会うことになる。
当時人気絶頂だったスキーを中心に繰り広げられる若い男女のラブストーリー。劇中に流れるユーミンの「恋人がサンタクロース」も大ヒットし、バブルを象徴する一作となった。
『戦場のメリークリスマス』(1983)
『愛のコリーダ』の大島渚監督作。デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、北野武(ビートたけし)、トム・コンティなどが出演。
1942年戦時中のジャワ島、日本軍の俘虜収容所。収容所で起こった事件をきっかけに粗暴な日本軍軍曹ハラと温厚なイギリス人捕虜ロレンスが事件処理に奔走する。一方、ハラの上官で、規律を厳格に守る収容所所長で陸軍大尉のヨノイはある日、収容所に連行されてきた反抗的で美しいイギリス人俘虜のセリアズに心を奪われてしまう……。
映画のみならず、坂本龍一が作曲したテーマ音楽「Merry Christmas Mr.Lawrence」もヒットを飛ばした80年代の日本映画を代表する作品。
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『ビー・バップ・ハイスクール』(1985)
きうちかずひろの同名コミックを、那須博之が映画化。清水宏次朗、仲村トオル、中山美穂などが出演。
私立愛徳高校のツッパリコンビ・ヒロシとトオルは高校2年生を留年するも、一級下だったマドンナの泉今日子と同じクラスになり、猛アタックをする平和な日々を送っていた。しかし2人は悪名高い戸塚水産高校の生徒の恨みを買い、今日子が手酷くやられてしまう。そのことを知ったヒロシとトオルは、敵校に殴り込みに行く。
全6シリーズに及ぶ、不良映画の金字塔。恋に喧嘩に、全力でツッパリ道を貫く痛快学園ドラマ。
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『台風クラブ』(1985)
『セーラー服と機関銃』の相米慎二監督作。三上祐一、工藤夕貴、三浦友和などが出演。
とある東京近郊の中学校に通う生徒たちは、普通の学校生活を送りながらも、それぞれに苛立ちとやり場のない感情を溜め込んでいた。ある日の放課後、大型の台風が発生し取り残された生徒たちは、日頃の感情を爆発させていく。
普通の中学生たちの繊細な感情が台風という触媒を得て解放され、いつしか狂気と化していく様を鋭く見据えた青春映画の傑作。
『家族ゲーム』(1983)
本間洋平の同名小説を、『間宮兄弟』の森田芳光(君都道幸)が映画化。松田優作、伊丹十三、由紀さおり、辻田順一、吉川一朗太などが出演。
出来のいい兄とは反対に、弟の茂之は成績の悪い問題児。高校受験を控えているにも関わらず、家庭教師が次々と匙を投げてしまう始末。そんなところにやってきた新しい家庭教師の吉本は、三流大学すら留年している一風変わった男だった。独特の指導方法で茂之の成績は次第に上がっていくが……。
家族が横一列に並ぶ食卓シーンなど、独特の構図や音楽がシニカルでシュールなホームドラマの快作。
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『探偵物語』(1983)
赤川次郎が薬師丸ひろ子のために書いたオリジナルストーリーを、『ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ』などの根岸吉太郎が映画化。松田優作、薬師丸ひろ子などが出演。
アメリカ出発を1週間後に控えた女子大生・直美の前に、私立探偵の辻山という男が現れる。2人はある殺人事件に巻き込まれながらも、次第に絆を深めていく。
事件の謎解きの面白さもありながら、松田優作演じるクールな探偵と薬師丸ひろ子演じるおてんばな女子大生の恋物語がフレッシュな青春映画。
『南極物語』(1983)
南極観測隊とそり犬たちの実話を元に、『キタキツネ物語』の蔵原惟繕が映画化。高倉健、渡瀬恒彦、夏目雅子などが出演。
昭和33年、南極の昭和基地では、悪天のため越冬計画を断念し、断腸の思いで15匹の樺太犬を昭和基地に置き去りにする。極寒の無人の基地で、15頭の犬たちは必死に生きる延びるためにもがいていた。そして再び越冬隊の活動が行われることになり、基地に帰ってきた隊員たちは衝撃の光景を目にする。
公開当時、邦画史上第1位となる約59億円の配給収入記録を打ち立てた。過酷な環境でも、懸命に生きようとする犬たちの姿に心打たれる一作。
『タンポポ』(1985)
『マルサの女』の伊丹十三監督作。山崎努、役所広司、宮本信子、渡辺謙、安岡力也などが出演。
雨の降る夜、タンクローリーの運転手のゴローとガンは、寂れたラーメン屋に立ち寄った。ラーメンの味は期待外れで、未亡人の店主・タンポポにそれを伝えると、弟子にしてほしいと嘆願されてしまう。美しいタンポポに心を惹かれ、3人は寂れたラーメン屋を立て直すために、究極のラーメンを作ることに。
伊丹十三いわく、本作は「ラーメン・ウェスタン」といって、まるで西部劇のようなタッチでゴローとタンポポの恋物語が綴られていく。
※2021年4月26日時点でのVOD情報です。