映画館を出る時には人生が変わっている、文句なしの傑作!アカデミー賞作品賞受賞!『ムーンライト』が描く切なくも、美しい愛

大本命と目されていた『ラ・ラ・ランド』を抑えて、見事本年度アカデミー作品賞を獲得した『ムーンライト』がいよいよ3月31日から日本でも公開となります。美しい海と自然に囲まれたマイアミ少年シャロンが、迷い、苦しみ、それでも決して愛を失わない感動の物語を美しい映像で綴った傑作です。

ムーンライト

暗闇に輝く、月光のような愛の物語

麻薬中毒の母親と2人暮らしの少年シャロンは内気な性格で学校ではいじめられる毎日。自分の居場所を求めてさまようシャロンの、少年期、青春期、青年期の3つの年代を通して彼が抱き続けた孤独と愛の行方を繊細かつ美しい映像と情緒的な音楽で丁寧に描いています。

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■繊細で美しかった。驚くほど目が3人とも同じだったから違和感なく世界にはいり、感じてきた。音楽や映像、そして彼らの目から感じる映画だと思うから映画館で観るのを薦めたい!(gyuukoさん)
■「あんな頃もあったな」とうらやましさすら覚えるシャロンのピュアっぷりがスゴイ。年齢毎の3部構成になっており、シャロンも各部違う俳優が演じているが、みんな本当に澄んだ目をしている。(itaitakoさん)
■ひたすらに愛。差別とか、麻薬とか、いじめとか、どれも確かに存在はするけどすべて生活の一つとして描かれていて、そこに愛も当たり前に存在していて。何より愛を伝えたかったんだな、と。(milkysky3104さん)

役者陣の熱演にも注目

本作の主人公、シャロン役には年代に合わせて3人の役者が演じていますが、別人とは思えないほどのフィーリングの調和を感じさせます。中でも10歳のシャロンを演じたアレックス・ヒバートは、演技未経験ながら自身のセクシュアリティに揺れ動く感情を見事に表現しています。母親役のナオミ・ハリスはその抜群の存在感で、麻薬に溺れながらも、子供への愛情をうまく表現できない中毒の母親という難役を見事にこなしています。
そして、見事アカデミー助演男優賞を獲得したマハーシャラ・アリの優しく包み込むような存在感。ドラッグディーラーでありながらも、シャロンの父親代わりとなり、彼に生きる術を訓えます。「自分の道は、自分で決めろよ。周りに決めさせるな」と、浜辺でシャロンに語り掛ける場面は、映画史に刻まれる、名シーンといえるでしょう。

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■まさに絶妙。間の取り方、表情、目力、気持ちの溢れ方。あえて劇的な描写をほとんどなくして、想像して体感する。主人公のアイデンティティと葛藤だけで、リアルに繊細に時間だけが過ぎていく映画。人間を見た。ラストが、あれ?ここで終わり…もっと観ていたかった。後からじわじわきます。( 0303030222さん)
■リアリティが半端ないない。 三つの時代でそれぞれ別の役者さんがやってるけど 統一感があった、質が高い。 場面が変わる重要なシーンは描いてないけど それがまたリアリティに迫ってていい。(Stuartさん)
■フアン役のマハーシャラ・アリが本当に愛おしかった。世間的には悪者、除け者なんだろうけどかっこいい。母親のナオミ・ハリスは助演とっても良かったんじゃないかってくらい私の心にグッときた。テレサがずっと素敵でよかった。とてもよかった。でもナオミ・ハリスが最強だった。(kopperianさん)

アカデミー会員を唸らせたシンプルで削ぎ落とされた演出力

本作は、劇的な事件を極力取り扱わず、3つの年代のシャロンの日常に焦点を当てています。しかし、その日常から浮かび上がってくるのは、黒人社会が抱える麻薬、貧困、差別などの過酷な現実。本作はそうした諸問題を、劇的な要素をなるべく配したシンプルで抑制されたタッチで描き出します。複雑な問題を抱えるコミュニティを背景にしながらも、本作が描きだすのは、一人の男性の一途な愛と葛藤。居場所を求めて彷徨するシャロンを極端な感情表現をあえて避けて寄り添うように見つめ続けているのです。

ムーンライト

■言葉が全然なくて、目がものを語ってる。すごく丁寧でシンプルで、とことん濾過されたピュアな作品。さすがオスカー!ってなるような、ある意味華のある作品じゃないけど、観終わったあとにほわーっと余韻が広がっていった。(54chrさん)
■映画はとてもシンプルな構成で、だからこそ主人公の純粋な感情をストレートに感じられました。鑑賞後、なぜかまた明日を力強く迎えられそうな、そんな気持ちになれる映画でした。(Yunmasa0709さん)

映画『ムーンライト』information

ムーンライト

名前はシャロン、あだ名はリトル。内気な性格で、学校ではいじめっ子たちから標的にされる日々のなか、同級生のケヴィンだけが唯一の友達だった。高校生になってもそんな日々は続いていたある日の夜、月明かりが輝く浜辺で、シャロンとケヴィンは初めてお互いの心に触れる…しかし、ある裏切りに遭い2人は別々の道へと進む。そして、大人になり再会した2人。静かに語り合うなか、
どんなに時が流れても忘れられずにいた想いが募る・・・。

上映時間:111分
〈2017年3月31日(金)ロードショー〉
公式サイト:http://moonlight-movie.jp/
配給:ファントム・フィルム
(C)2016 A24 Distribution, LLC

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※2022年6月21日時点のVOD配信情報です。

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