昨今、スローライフや丁寧な暮らし、断捨離など身近な生活を見直して、少ない資源で健やかに暮らすといったアイデアがメディアを通して広く浸透してきました。しかし実際の所、何から始めればいいのかと困惑している方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では丁寧な暮らし入門として、生活のヒントが詰まった作品を10本紹介します。暮らしだけでなく、それを営む人々の哲学や美しい自然の風景などにも注目しながら観てみてください。
『リトル・フォレスト 夏・秋』(2014)
『見えない目撃者』の森淳一脚本・監督作。原作は漫画家・五十嵐大介による代表作。橋本愛、三浦貴大、松岡茉優、温水洋一、桐島かれん出演。田舎の良さが詰まった作品で、韓国映画としてリメイクもされた。
小森は東北のとある村の中の小さな集落。いち子は一度都会に出たけれど、自分の居所をみつけることができず、ここに帰ってきた。近くにスーパーやコンビニもない小森の生活は自給自足に近い暮らし。稲を育て、畑仕事をし、周りの野山で採った季節の食材から、毎日の食事をつくる。四季折々に様々の恵みを与える一方で、厳しさも見せる東北の大自然。時に立ち入りながら、自分と向き合う日々の中で、いち子は美味しいものをもりもり食べて明日へ踏み出す元気を充電していく……。
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『青葉家のテーブル』(2021)
『サマーフィルムにのって』の松本壮史監督作。西田尚美、忍成修吾、久保陽香、市川実和子、栗林藍希出演。「北欧、暮らしの道具店」によるWebドラマの劇場版で、食事やインテリアなど随所に細やかなこだわりが感じさせる。
シングルマザーの春⼦と、その息⼦のリク、春⼦の飲み友達めいこと、その彼⽒で小説家のソラオという一風変わった4人で共同生活をしている青葉家。夏のある日、春子の旧友の娘が美術予備校の夏季講習に通うため、青葉家へ居候しにやって来た。そんな優子の母・知世は、ちょっとした“有名人”。知世とは20年来の友人である春子だが、どうしようもなく気まずい過去があり……。
『ハッピー・オールド・イヤー』(2019)
『ダイ・トゥモロー』のナワポン・タムロンラタナリット監督作。チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、サニー・スワンメーターノン、サリカー・サートシンスパー、ティラワット・ゴーサワン出演。思い出の品と時間をかけてゆっくり向き合いたくなる1作。
デザイナーのジーンは、スウェーデンに留学しミニマルなライフスタイルを学んで帰国する。かつて父親が営んでいた音楽教室兼自宅の小さなビルで、出て行った父を忘れられずにいる母、自作の服を販売する兄と三人で暮らす彼女は、家を改装しデザイン事務所にすることを思い立つ。理想的な事務所すべく、モノにあふれた家の“断捨離”を進めていく。一度は全てを手放そうとする彼女だったが、洋服、レコード、楽器、写真といった友達から借りたままだったモノを返して廻ることに……。
『パターソン』(2016)
『ナイト・オン・ザ・プラネット』のジム・ジャームッシュ監督作。アダム・ドライバー、カーラ・ヘイワード、ゴルシフテ・ファラハニ、永瀬正敏出演。丁寧な暮らし映画と言えば、本作を真っ先に連想する人も多いのでは。
ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソン。彼の1日は朝、隣に眠る妻ローラにキスをして始まる。いつものように仕事に向かい、乗務をこなす中で、心に浮かぶ詩を秘密のノートに書きとめていく。帰宅して妻と夕食を取り、愛犬マーヴィンと夜の散歩。バーへ立ち寄り、1杯だけ飲んで帰宅しローラの隣で眠りにつく。そんな一見代わり映えのしない毎日。パターソンの日々を、ユニークな人々との交流と思いがけない出会いと共に描く7日間の物語。
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『恋人たちの食卓』(1994)
『ブロークバック・マウンテン』の アン・リー脚本・監督作。ラン・シャン、ヤン・グイメイ、ワン・ユーウェン、シルヴィア・チャン、ウィンストン・チャオ出演。劇中には100種類以上の豪華料理が登場する。
かつて一流ホテルのシェフだった朱老人と3人の娘は、日曜の夕食を共にすることが決まりごとになっていた。ある晩、次女・家倩は、父の味覚が衰え始めていることに気づく……。
『しあわせのパン』(2011)
『Red』の三島有紀子脚本・監督作。原田知世、大泉洋、森矢カンナ(森カンナ)、平岡祐太、光石研出演。全編にわたって北海道ロケが行われた。
北海道・洞爺湖のほとりにある小さな町を舞台に、パンカフェを営む夫婦とお店を訪れる人々の交流を描いたハートウォーミングな人間ドラマ。
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『海街diary』(2015)
『そして父になる』の是枝裕和脚本・監督作。原作は吉田秋生による代表作。綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、大竹しのぶ出演。鎌倉が舞台ということもあり、ゆったりと流れる時間と生活が温かい。
まぶしい光に包まれた夏の朝、3姉妹に届いた父の訃報。15年前、父は女と出て行き、その後、母も再婚して家を去った。3姉妹を育てた祖母もとうに亡くなり、広くて古い鎌倉の家には彼女たちだけが残った。両親へのわだかまりを抱えた、しっかり者の長女の幸と、そんな姉と何かとぶつかる次女の佳乃、マイぺースな三女の千佳。3人は父の葬儀で、腹違いの妹すずと出会う。そんな彼女の涙を見て、幸は別れ際に「いっしょに暮さない?」と誘う。そして秋風とともに、すずが鎌倉へやって来る。4人で始める新しい生活。それぞれの複雑な想いが浮かび上がる……。
『人生フルーツ』(2016)
『神宮希林 わたしの神様』の伏原健之監督作。ナレーションは『万引き家族』の樹木希林が担当。平成28年度文化庁芸術祭のテレビ・ドキュメンタリー部門で大賞を受賞した。
かつて日本住宅公団のエースだった修一さんは、阿佐ヶ谷住宅や多摩平団地などの都市計画に携わってきた。1960年代、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指したニュータウンを計画。しかし、時代はそれを許さなかった。結局、完成したニュータウンは理想とは程遠い無機質な大規模団地だった。修一さんは、それまでの仕事から次第に距離を置くようになる。そして1975年、自ら手掛けたニュータウンに土地を買い、家を建て、雑木林を育てはじめた。それは修一さんにとって、ごく自然なライフワークとして継続されることになる。あれから50年。90歳の修一さんに新たな仕事の依頼がやってくる……。
『ターシャ・テューダー 静かな水の物語』(2017)
松谷光絵監督作。ターシャ・テューダー、セス・テューダー、ウィンズロー・テューダー、エイミー・テューダー出演。自然と共存して生きる彼女の人生哲学は学び多いこと間違いなし。
米国バーモント州。雪深い山奥にある、18世紀風の農家コーギコテージがあった。まるで 絵本の世界に迷い込んだようなコテージには、コーギ犬と一緒に暖炉に温まり、絵を描く1人の女性がいた。アメリカを代表する絵本作家、ターシャ・テューダー。70年もの間、現役で活躍、離婚を経験し女手ひとつで4人の子供を育てあげた後は一人暮らしを謳歌した。「思うとおりに生きてきた」と語るその人生は、決して平坦な道のりではなかった……。
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『めがね』(2007)
『彼らが本気で編むときは、』の荻上直子脚本・監督作。小林聡美、市川実日子、加瀬亮、光石研、もたいまさこ出演。同監督とスタッフによる『かもめ食堂』と合わせて観ることで、その独特で丁寧な世界観の虜になるはず。
海辺の小さな宿を訪れたタエコは、マイペースな島の人々に振り回されながらも日常の中で忘れてしまっていたものを取り戻していく……。
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※本記事で紹介するドラマは国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。
※2021年8月8日時点の情報です。