映画ファンがもっと新しい感動とワクワクする作品に出会うため、映画企画を募集し、グランプリを決める「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」。その最終審査会「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM2017」が11月16日に開催されました。その模様や結果をご紹介します。今年のグランプリは誰の手に !?
「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」とは?
映画ファンが多く来店するTSUTAYAが、オリジナル映画企画とクリエイターの発掘を目的に2015年より行っているプロジェクト「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」(TCP)。
今年で3回目を迎える同プロジェクトは、優秀賞(準グランプリ2作品、グランプリ1作品)に選ばれると、5,000万円〜の総製作費をTSUTAYAがバックアップ! 副賞として最大30万円ポイントのTポイントがもらえるほか、完成した作品は全国のTSUTAYA、ネット宅配レンタルのTSUTAYA DISCAS、映像配信サービス・TSUTAYA TVでのレンタルといった特典もあります。
ちなみに2015年に開催された第1回のグランプリとなった中江和仁監督の作品企画『嘘と寝た女』は、長澤まさみさんと高橋一生さんをキャストに迎え、『嘘を愛する女』とタイトルを変え2018年1月20日に公開されます。
ゲスト登壇した中江監督
ほかにも2015年準グランプリ作品企画、2016年の受賞作品企画も鋭意製作中とのこと。中にはもうまもなく詳細が発表される作品もあるのだとか!?
応募資格はプロ・アマ問わず。なので、どうしても撮りたい作品がある人、映画監督デビューを目指す人の夢を応援する素晴らしい企画なのです。
ファイナリストを審査するのは、女優・原田美枝子さんほか映画界のプロフェッショナルたち
今年の応募総数は268企画。昨年よりも応募総数は減ったものの、その分、質の高い作品が集まったのだそう。
実際にグランプリが決まるまでの流れは、映像に精通したTSUTAYAスタッフによる1次審査、企画に沿ったシナリオとポスタービジュアルを提出し、その後TCPプロデューサーと面談する2次審査、イメージ映像や資料を作成し、最終審査員の前でプレゼンをする最終審査(「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM2017」)というステップになります。
今回、その最終審査まで残ったのは、『カオルという女(仮)』湯浅典子さん、『モータープール(仮)』ウエダアツシさん、『水上のフライト(仮)』土橋章宏さん、『ミステリー・パッセンジャー(仮)』天野千尋さん、『2/1イチブンノニ(仮)』針生悠伺さん、『イカメッシー(仮)』田中智章さん、『ザ・ドールハウス・ファミリー(仮)』片岡翔さんの7名でした。
そのファイナリストの審査をするのは、俳優や映画プロデューサーなど映画界の第一線で活躍する8名のクリエイターです。
今年は、数々の映画賞を受賞してきた女優の原田美枝子さんも最終審査員として参加!
ほかにも、(株)阿部秀司事務所代表取締役・阿部秀司さん/代表作『ALWAYS 三丁目の夕日』など、(株)ブリッジヘッド代表取締役・小川真司さん/代表作『ナラタージュ』など、C&Iエンタテインメント(株)代表取締役社長・久保田修さん/代表作『のぼうの城』など、スタジオ地図代表取締役・齋藤優一郎さん/代表作『バケモノの子』など、(株)セディックインターナショナル代表取締役中沢敏明さん/代表作『おくりびと』など、といった名映画プロデューサーたち。
そして主催のCCCグループからカルチュア・コンビニエンス・クラブ(株)代表取締役社長兼CEO、(株)TSUTAYA代表取締役会長兼CEO・増田宗昭さん、カルチュア・エンタテインメント(株)代表取締役社長、(株)TSUTAYA代表取締役会長兼COO・中西一雄さんも参加し、グランプリを選出します。
運命が決まるプレゼンの後、ついにグランプリ発表!
今回の最終審査では、全作品プレゼン時に、作品の企画意図が伝わりやすいイメージ映像を作成することが必須となったため、ファイナリストのみなさんはそれぞれ、プレゼン資料+映像での発表となりました。
映画の予告編のようなものもあれば、作品の舞台となる場所の空気感が伝わるような映像など、さまざまな内容で企画への熱い思いをぶつけていたのが印象的でした。
またプレゼンごとに行われる審査員からの質疑応答では、本当にこのストーリー設定が現実的な側面から見ても実現可能なのか、映画化した際の商業的なアピールポイントはどこなのか、など厳しい声も……。
そういったやりとりを経て7人のプレゼンが終了し、いよいよ準グランプリ、グランプリの発表! 今年は協賛の(株)IMAGICAによるIMAGICA賞も設けられました。また、準グランプリ、グランプリを選考する中で意見が割れたということで、準グランプリ、グランプリと映画製作の条件は同じという特別賞も急遽、設定! そんな中、各賞はこちらの方々に決まりました。
グランプリ
『2/1イチブンノニ(仮)』針生悠伺さん
あらすじ:子育てを放棄していた医師の秀夫。しかし心臓移植が必要となった息子のために培養されたクローンの息子と暮らす羽目になり、愛してはいけない彼への愛情が芽生えてしまう
準グランプリ・Filmarks賞
『モータープール(仮)』ウエダアツシさん
あらすじ:夏休みの間、モータープール(月極駐車場)を営む大阪の祖母のところで過ごすこととなった小2の新太郎が異文化同然の大阪で体験する出来事を描く
準グランプリ・GREEN FUNDING賞
『ザ・ドールハウス・ファミリー(仮)』片岡翔さん
あらすじ:事故に遭い、脳科学者の父により人形に記憶を埋め込まれた母、妹、弟と仲良く暮らしていたはずだった藍。だが、あることがきっかけでその歯車が崩れていく
特別賞
『水上のフライト(仮)』土橋章宏さん
あらすじ:走り高跳びでオリンピックを目指していた少女・遥が母の車に追突され下半身麻痺になるが、カヌーに目覚め、今度はパラリンピック出場を目指す
IMAGICA賞
『2/1イチブンノニ(仮)』針生悠伺さん
受賞者からは喜びと映画製作へ向けての意欲も!
受賞者は特別賞などを含め、4名となりました!
「本当にありがとうございます。これからもがんばります」(土橋章宏さん)、「本当にうれしいです。オリジナルで映画を作れる機会というのはなかなかありませんので、がんばって撮影したいと思います」(ウエダアツシさん)、「冒険的な企画だったので、自信はなかったんですけれどとても感謝しております。自分のやりたいことを突き詰めておもしろい映画を作れたらなと思っております」(片岡翔さん)と、受賞直後、喜びや今後へ向けての意欲をスピーチしてくれました。
また、IMAGICA賞とグランプリのダブル受賞となった針生悠伺さんは、今回の企画にあたって自身の思い入れも強かったことが伝わるこんなエピソードを語りました。
「この映画を企画する前に同じコンセプトのショートフィルムを3年前に作っていたんです。でも、そのあとに子どもが生まれて、もっと命のことを深く考えて、愛のあるテーマにしなきゃいけないと思って。そこから自分なりに磨き上げた大事な企画だったこともあるので、子どもが大きくなったら観せられるようにがんばって作りたいと思います」。
TCPは来年も開催予定。オリジナル作品を映像化したいと思っている人は今後のTCPにも注目していてください!
【あわせて読みたい】
※ TSUTAYAが選ぶ「本当に観たい映像作品」とは?TCP受賞者インタビュー(1)
※ 次世代の大物監督が出る!?「TCP2016」最終審査会に密着!
※ TCP受賞者に聞く、情熱を持った映画企画を考え、実践するための方法とは?〜TCP初代グランプリ中江監督〜
※ 夢を追う若者と、夢を追ったかつての若者に捧ぐ全肯定の物語。ほとばしる熱量で、心を温める作品『火花』
※ ストップモーション・アニメの常識を覆す超大作が誕生!!アメリカが描いた美しい日本の記憶とは。
※2022年12月23日時点のVOD配信情報です。