TSUTAYAが選ぶ「本当に観たい映像作品」とは?TCP受賞者インタビュー(1)

2015.12.21
インタビュー

Filmarks編集部

フィルマーくま

中江監督メイン

2015年11月12日、東京のiTSCOM STUDIO & HALL二子玉川にて、TSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社グループが主催となり、映像クリエイターの新しい才能を発掘し、制作からレンタル・販売までを総合的に支援する「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM2015」(以下、TCP)の最終審査会が開催されました。全474の企画の中から勝ち抜いた7名のクリエイターたちが登壇、グランプリ1作品、準グランプリ2作品が選出されました。

今回FILMAGAでは、グランプリ、準グランプリを受賞した3名の監督たちにリレー形式でインタビュー!第1回目は、見事グランプリを受賞した中江和仁監督にお話を伺いました。

中江監督001

《中江和仁さん:プロフィール》1981年生まれ。武蔵野美術大学卒業後、東北新社を経て、株式会社サン・アドに入社。CM制作と並行して、インデペンデント映画を作り続けている。2015年からフリーランスとして活動中。

CMでも映画でもいい映像を作る、ということには変わりはなく、いいものを作ればどちらでも伝わる

—この度は見事グランプリの受賞、おめでとうございます!まずは受賞した感想について教えてください。

ありがとうございます。まずはホッとした、という心境です。

プレゼン用に5分間の映像作品を作ったのですが、急遽7~8名のスタッフに集まってもらって広島で撮影しました。東京でも撮影し、ここでは更にスタッフ&キャストが増えました。ここで受賞できなければ、みんなに申し訳ない、という気持ちでした。

中江監督002

—TCPに応募されたきっかけは?

今回の受賞作品である『嘘と寝た女』の企画は十数年前から構想していて、以前サンダンス・インスティテュート/NHK賞では日本代表になりましたが、受賞を逃していました。その後もずっと何かの賞やコンペには応募し続けていて、賞金をもらって映画化したいという思いで今回のTCPに応募しました。

中江監督006

中江監督は普段はお仕事でCMを作られていますが、今回映像作品を制作するにあたり、大きな違いなどはありますか?

それを話し出すと3日間くらい合宿しないといけなくなるのですが(笑)

一言で言うと、CMはモノを売る、企業のことを好きになってもらうというのが大前提です。ただ、そのような企業の思いを押し付けすぎるとみんなが見たくなくなって嫌がられてしまうので、もっとエモーショナルなものを付加して伝えようとしています。

また、CMは短歌や俳句のように15秒、30秒という短い世界だからこそ伝わることもあると思うのですが、映画はもっと長い話なので、そのあたりの文法や論法が違う、というのはありますね。

ただ、CMでも映画でもいい映像を作る、ということには変わりはなく、いいものを作ればどちらでも伝わる!という思いで作っています。

僕はジョン・カサヴェテスを自分のお父さん、ダルデンヌ兄弟を自分のおじいちゃんだと思っています

中江監督003

—憧れの監督や影響を受けたクリエイターはいらっしゃいますか?

こちらの質問に答えるのも3日間くらいかかってしまいそうですが(笑)

僕は、映画監督のジョン・カサヴェテスを自分のお父さん、ダルデンヌ兄弟(ジャン=ピエール・ダルデンヌリュック・ダルデンヌ)を自分のおじいちゃんだと思っています(笑)彼らの作品が好きなんです。

しかし、今回の映画で言うと、一番意識したのは、韓国のポン・ジュノ監督でしょうか。ポン・ジュノ監督の映画はエンターテインメント性がありながらも人間の深い業の部分をえぐりだし、上手に描いているまれに見る監督だなと思っています。

そのような雰囲気、エンターテイメント性と芸術性、両方の価値観を併せ持つ映画を作りたいですね。

―今回、審査員の満場一致でグランプリに輝いた『嘘と寝た女』。

嘘と寝た女

この作品は《内縁の夫が亡くなった時に、彼の名前や医者と称していた事などすべて嘘だと判明したが、夫は誰だったのか調べてもわからない》という実際の事件から着想を得たということですが、この作品を撮ろうと思ったきっかけ、一番の理由について詳しく教えてください。

一番のポイントは「この2人は一体なんだったのだろうか?」ということですね。

当時の新聞報道の記事を読むと、この女性は男性の嘘が発覚した際、それでも「彼に騙されたとは思わない、しかし二人で過ごした五年間の為にも真実を突き止めたいのです」と言っていました。騙し、騙されていたが、愛していた。そこに「愛とは何か」という、表面的ではないもっと深い核のようなものがあるのではないかと思いました。これまで自分が考えてきたこととリンクする部分があったのかもしれません。

―今回の主人公は女性ですが、モデルとなった方はいらっしゃいますか?

モデルは特にいないのですが、僕の周りにもキャリアウーマンというかバリバリ仕事をしている人で、結婚をしていない女性もたくさんいます。結婚しないと自分で決意しているのか、たまたま独身を続けているのか理由は様々だと思いますが、現代を舞台にした場合に、愛がみえない、自分では愛しているつもりだが、本当の愛には至っていない、そのような女性像が主人公として合っているのかなと思いました。

観た人が腰を抜かしてくれるような映画を撮りたいです

中江監督005

―今回の作品で伝えたいテーマはありますか?

見終わった後に、「人を愛する」とはどういうことだろうと考えてもらいたいですね。

結婚相手や恋人について過去の全てを知っているわけでもない、毎日お互いに小さな嘘をついているかもしれない、それでも一緒にいる、一緒にいたいと思う。それって一体なんなのだろう、ということを改めて考えていただくきっかけになればいいなと思っています。

―今後どのような作品を撮りたいですか?

観た人が腰を抜かしてくれるような映画を撮りたいです。今回の作品もそれを目指したいですね。

中江監督004

―最後に読者の方へメッセージをお願いします!

個人が出資して映画の制作費を集めるクラウドファンディングというシステムがあります。今後、そのような取り組みが世界規模で起こっていくと、出資の規模が変わるかもしれません。みなさんファンドにお金を出してください(笑)

—ありがとうございました!『嘘と寝た女』期待しています!

※TCP受賞者の特典の1つに、株式会社ワンモアが運営するクラウドファンディングサービス「GREEN FUNDING」との連動があります。T会員をはじめとした映画ファンなどから制作資金支援を広く募るなど、ユーザーによる映画制作の支援が可能です。

(取材・文 / 辻千晶 撮影 / 鸙野茜)

<TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM2015>特設ページ

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    哀愁漂ってた。 息子への母の思いが凄い。
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    やっぱり母親あっての息子なんだね。
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    ポンジュノ駆け足レビュー② OPとEDのキム・ヘジャ最高。 母の存在感が凄すぎてウォンビンの演技目立たず。 チョン・ウヒのおっぱいで思わず「おおっ」 祖母が米びつから携帯を出すシーンが地味にすごい。 いやな記憶を忘れるツボ、あるならぜひ刺したい。 私が観たポンジュノ作品の中ではこれがいちばん良かった。 伏線は回収しきれていない。
「母なる証明」
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