国際映画祭 東京フィルメックス・Filmarks賞『泳ぎすぎた夜』が受賞

[最終更新日:2018年2月22日]

2017年11月に有楽町朝日ホールほかで開催された国際映画祭「第18回東京フィルメックス」。同映画祭で、国内最大級の映画レビューサービス・Filmarks(フィルマークス)とのコラボレーションで創設された「Filmarks賞」を、青森県を舞台に少年の冒険を描いた野心作『泳ぎすぎた夜』が受賞。第2回にして国内映画が初受賞となりました。

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映画ファンの評価で決まる「Filmarks賞」

同賞は、東京フィルメックスで上映される全作品を対象に、映画祭期間中にフィルマークスに投稿された評価・レビューを集計し、最も★評価(5.0満点)が高かった作品に授与されるもの。昨年の受賞作は、韓国の新鋭ユン・ガウン監督のヒューマンドラマ『わたしたち』(2017年9月劇場公開)。

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青森で壮大な初めてのお使い『泳ぎすぎた夜』

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★★★★☆ 4.13]日本/79分/監督:五十嵐耕平ダミアン・マニヴェル

2014年のロカルノ映画祭で出会った二人の新鋭監督による共同作『泳ぎすぎた夜』が、高い評価を集め、見事第2回のFilmarks賞に輝きました。同作は、東京フィルメックスの学生審査委員賞も受賞。雪に覆われた冬の青森県を舞台に、早朝の魚市場で仕事をする父親に絵を届けるため、6歳の少年が通学路を外れ、小さな冒険を始めるというストーリー。

フィルマークスユーザーからは、「雪の風景に共感しまくり」「壮大な初めてのお使い」「弘前が詰まった映画」「無垢で純真な愛情を感じた」といったレビューが寄せられています。

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【投稿レビュー】「今年みた新作邦画で1番心に刺さった。言葉に頼らず映画を魅せる五十嵐耕平とダミアン・マニヴェル両監督に感服」(30代・男性)、「札幌出身なので、雪の風景に共感しまくりな作品でした。雪の景色が見たい。そして、親に会いたい。そう思わせてくれた素敵な作品」(20代・男性)、「雪景色の青森、壮大な初めてのお使い的な、男の子のポートレイトのような作品」(20代・女性)

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青森県弘前市出身のアーティスト・奈良美智氏もコメントを寄せる『泳ぎすぎた夜』は、2018年2月24日イオンシネマ弘前にて先行公開。4月からイメージフォーラムほか全国で順次公開されます。 

公式サイト:http://oyogisugitayoru.com/

配給:コピアポア・フィルム、NOBO

わずか★0.01差で次点となった佳作

ニッポン国 vs 泉南石綿村

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[★★★★☆ 4.12]日本/215分/監督:原一男

東京フィルメックスでは観客賞を受賞した、原一男監督の最新ドキュメンタリーがわずか★0.01差で、Filmarks賞では次点という結果に。大阪・泉南地域の石綿(アスベスト)工場の元労働者とその親族が、損害賠償を求め、国を訴えた“泉南・アスベスト国賠訴訟”。その8年にわたる闘いの全てを記録したドキュメンタリー。2018年3月10日よりユーロスペース他で公開されます。

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【投稿レビュー】「普通の人をドキュメンタリーにしてもこれほど面白いとは。さすが原一男」、「アスベストが明治以降の日本の現在進行形の問題であることを十分すぎるほどに示した、と思う」、「東京フィルメックスで観客賞を受賞したのも納得の大傑作」

公式サイト:http://docudocu.jp/ishiwata/

その他、劇場公開予定作

今回の東京フィルメックスで上映された作品が、2018年続々と劇場公開されます。

馬を放つ2018年3月17日、岩波ホール他

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モアナ(サウンド版)2018年9月、岩波ホール他

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刺激的な映画体験!来年の東京フィルメックスも期待

開催から一貫して「映画の新しい流れ」をテーマに掲げ、今年も新進監督の秀作が集まり、反響のうちに閉幕した第18回東京フィルメックス。強烈な作家性を発揮する監督の最新作上映など、面白い映画を先取りして観られるのが楽しみのひとつ。今年参加した方も未体験の方も、また来年、年に一度の映画祭をたっぷり楽しみたい。

MIER

《最優秀作品賞に輝いたカミラ・アンディニ監督『見えるもの、見えざるもの』より》

■第18回東京フィルメックス 公式サイト:http://filmex.net/2017/​

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※本記事内のFilmarksのレビュー及びデータは2017年11月30日時点のものです。

※記事の一部の内容を2018年2月22日に最終更新。

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