【LIFE as ACTOR〜女優・川島海荷〜】02:いろいろな役を演じている女優さんがうらやましい

世界のディズニーを翔る元映画サイト編集長

鴇田崇

2006年のドラマデビュー以来、さまざまなフィールドへ活躍の場を広げ続けている女優・川島海荷。テレビドラマ、舞台、映画などでの女優としての活動に留まらず、日本テレビ系情報番組「ZIP!」の総合司会を務め、いまや朝の顔としてもおなじみの存在だ。

その川島海荷が2017年末、高名な「ステラ・アドラー・スタジオ」主任講師であるロン・バラス氏による演劇ワークショップを受講した。彼女は何を想い、何を求めて同ワークショップに参加したのか? そして、体験を通して女優・川島海荷は、どのように感じ、成長し、今後に活かしていけるのか? 芸能界デビューから10年、決して立ち止まることがない女優・川島海荷の決意や想いについて、彼女の過去・現在・未来をテーマに話を聞いた。

現在:23歳のいま

川島海荷

映画やお芝居に対する見方が変わった

――最近では、総合司会を務めている「ZIP!」のレポーターとして、取材にも精力的に取り組まれていますよね。

『DESTINY 鎌倉ものがたり』という映画で、VFXを担当された白組さんの制作現場にお邪魔した時に、VFXの制作過程を取材して衝撃を受けました。ひとつの画を作るためにどれだけの時間がかかるのかということを生で知って、映像へのこだわりを学びました。映画は、お芝居や物語だけではなくて、映像の素晴しさも重要な要素であることを知って、より大切に映画を観るようになりました。新しい刺激をもらったので、また違う見方で映画に接していけるようになったなあと思います。

川島海荷

――ちなみにいま期待している映画は何でしょうか?

「ZIP!」では最新情報が飛びかっているので、2018年も注目している映画は多いですね。『シェイプ・オブ・ウォーター』という作品がいま一番気になっていて、FilmarksでもClip!しています! 不思議な生物と人間が恋する、その表現は最新の技術だと思いますが、評価も割れているので、一体どうなっているのか自分の目で観てみたいです。『DESTINY 鎌倉ものがたり』でVFX制作現場を取材した影響で、そういうことに興味が向いているのかもしれません。

――昨年は本業の女優業のほうでもさまざまな役柄を演じていて、経験値がますます上がりました。

そうですね。デビュー当初は感覚レベルでしか演じられなかったので、等身大の自分と近い役か幼い役、病弱な役など、似たような役柄が多かったです。そこに自分もハマリやすいと自覚をしていて、ほかの女優さんがいろいろな役を演じている姿を観て、うらやましく思っていました。だんだん自分もいろいろな役柄を演じたいなあと純粋に思うようになったけれど、でもやり方がよくわからない。それで詳しい方々にいろいろと聞いて、いろいろなレッスンなどを受けるように最近はしていました。

川島海荷

人生の半分、俳優をやっていても、やればやるほどわからなくなる

――その一環として今回のワークショップも受けられたわけですね。

最初にお話を聞いた時には英語で何をするのか不安でしたが、つねづね演技について勉強したいと思っていたので、何か刺激をもらえたらという思いで受けることにしました。芸歴でいうと12年で、人生の半分を俳優業に費やしていると思うと自分でもびっくりですが、何に一番自信があるかというと何もない。しかもやればやるほどわからなくなっている部分もあったので、新しい自分も見つかる機会になればと、探検する気分でもありましたね。

――その最終日を見学させていただきました。「お芝居には方程式があることを知った」とおっしゃっていましたが、お芝居の素人からすると数学みたいで意外でした。

もちろん、演じる人によってアプローチの仕方は違うとは思いますが、そのお芝居の方程式みたいな考え方は、自分の性格に合っていると思いました。計算とか考えることも好きなタイプで、理論的にやり方がわかっているほうが好きなんです。そこに正解はたぶんないけれど、ひとつのやり方を教えてもらったというか、そういうことがあることを知っただけでもよかったです。これからそれを実践して、何度も試していって、自分のものにしていけたらと思います。

川島海荷

いま目の前にあることをよく見よう

――たとえば、どういう作品の、どういうキャラクターに生かせそうですか?

それこそ、どういうキャラクターでも生かせることを、今回のワークショップでは教わったような気がします。自分とかけ離れた性格の役柄などを演じてみたいとも思います。でも、その方程式をいきなり作品で試せるかっていうと、できないことが多い気もしています。まだまだこういうワークショップなど、トレーニングを続けていかなくちゃ、とは思います。それはひしひしと感じています。

――「自分自身を知った」という意見の方もいましたね。

そうですね。自分の視点だけで自分を観ると、ついついこうだと決めつけちゃうし、客観的に観ちゃっている部分があって、こうしなきゃいけないとかあるものですよね。でも、それって要らないよねって、最初に教えていただいた。自分でいろいろな判断をして、判断した理由も考えてみるといいと教えていただいて本当によかったです。いま朝番組をやっている日常がリズムになっていて、その中には良くも悪くも流れ作業的なこともある。でも注意して見れば、ちょっとした変化もそこにはあると思うんです。流れ作業的、と決めつけずに、いま目の前にあることもよく見ようとも思いました。(インタビュー・文:鴇田崇、写真:岩間辰徳)

川島海荷

LIFE as ACTOR
〜女優・川島海荷〜

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