時間が経つのは早いもので、今年もまもなくアカデミー賞が発表される。
昨年のアカデミー賞授賞式では、なんといっても『ラ・ラ・ランド』がいろいろな意味で注目を集めた。日本での公開後もその波は止まらず、1年を通して超話題となったのではないだろうか。
日本中のシネフィルの中には、2017年のベスト映画を『ラ・ラ・ランド』に選ぶひともたくさんいて、まだまだ『ラ・ラ・ランド』は、ファンの心を惹きつけて離さないようだ。
そこで今回は『ラ・ラ・ランド』好きなひとにおすすめしたい作品を紹介しようと思う。少し切り口を変えて、“映画”ではなく“海外ドラマ”を紹介したい。
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まずは、『ラ・ラ・ランド』の楽曲(作詞)を手がけたベンジ・パセックとジャスティン・ポールのコンビのことは、作品を語る上で欠かせない。
彼らは同作でアカデミー賞を受賞し、以降もブロードウェイミュージカル「Dear Evan Hansen(原題)」にてトニー賞を受賞。そして、今年1月に開催された第75回ゴールデングローブ賞では『グレイテスト・ショーマン』の主題歌賞を受賞し、2018年も躍進が止まらない!
登美丘高校ダンス部とコラボし話題となった楽曲「This Is Me」は劇中でも圧巻のパフォーマンスを繰り広げている。
そんな天才コンビが楽曲提供した海外ドラマが存在するのを皆さんご存知だろうか?
「SMASH」
ブロードウェイの舞台を夢見て集まる若者たちの葛藤を描いた作品。マリリン・モンローが主役のミュージカルをめぐって、役の取り合いや男女の駆け引きなど、輝かしい舞台の裏のリアルな現実をエグいほど表現した。実際に起きた事件などからもヒントを得たシーンが多数あり、ミュージカルファンにとっても満足のいく出来となっている。
主役のカレンを演じるキャサリン・マクフィーは米オーディション番組「アメリカン・アイドル」出身。ドラマのスタート時は、この人がマリリンの役を?と思ってしまうが、カレンと共に力をつける歌声と演技に後半では納得し応援してしまう。その他キャストもブロードウェイやハリウッドで活躍する俳優ばかり。スティーヴン・スピルバーグが企画したことから話題となり、劇中のミュージカル作品は実際にブロードウェイで上演される予定であったが、残念ながら実現はまだしていない。
公式サイト http://www.smash-tv.jp/index.html
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】「THE FLASH/フラッシュ」
「SMASH/スマッシュ」とはガラッと変わり、アメコミ作品にも実は楽曲提供している。「THE FLASH/フラッシュ」はDCコミックの大人気ヒーロー“フラッシュ”が主役のドラマ。
ある日、粒子加速器研究所の大爆発に巻き込まれ、超スピード能力を手に入れたバリーは、同じく爆発によって不思議な力を得たメタヒューマンたちと戦いながら、家族との過去や恋人と向き合いヒーロー特有の苦悩に胸を痛めながらも成長していく。
注目してほしいのは、同じくDCコミックのドラマ「SUPERGIRL/スーパーガール」とのクロスオーバーエピソード。シーズン3の「デュエット」という回では、フラッシュとスーパーガールが共演し、特別にミュージカルエピソードとして歌ありダンスありのいつもと違ったストーリーとなっている。
「THE FLASH/フラッシュ」の主役を演じるグラント・ガスティンと「SUPERGIRL/スーパーガール」の主役メリッサ・ブノワは、大人気ミュージカルドラマ「glee/グリー」にも出演していた。その他、映画『レント』のジェシー・L・マーティンや「SMASH/スマッシュ」「NEWSIES(原題)」のジェレミー・ジョーダンなどレギュラーキャストの中にもブロードウェイで活躍する俳優たちがすでに出演していたことから、ミュージカルエピソードが制作されるというニュースが飛び込んだ時に、ファンにとっては「待ってました!」と放送日をひたすらワクワクしながら待つ状態に!
ベンジ&ジャスティンコンビが提供した「Runnin’ Home to You」はグラントの歌声と見事なメロディに涙なしでは観られない一曲。
公式サイト https://warnerbros.co.jp/tv/the-flash/
次に紹介したいのは、海外ドラマとミュージカルの距離をグッと近づけて大人気となった2作品。『ラ・ラ・ランド』のミアとセバスチャンのように、自分の夢と現実との間で葛藤しながらも、愛する人に励まされながら自分の道を探して行く、誰もが感情移入してしまうようなストーリーにも共通点がある。
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】「ハイスクール・ミュージカル」
「ハイスクール・ミュージカル」シリーズは、ディズニーチャンネルの大人気ドラマ作品。
主人公トロイはクラスの人気者グループにいるバスケ少年。ある日トロイとは正反対の優等生ガブリエラが同じ高校に転校してきたことから世界は一変! 自分には思いもよらなかった才能に気づき始める。生徒たちは将来の夢と恋に悩み苦しみながら協力し合い、時に対立しながらも人生の決断をしていく。
シリーズ全3作品で構成されており、キャストたちの実際の成長を楽しむことができる。
トロイ役のザック・エフロンはこの作品でティーンたちの心を鷲掴み! 『グレイテスト・ショーマン』にも出演しており、ハリウッドスターとしての階段を着実にのぼっている。シリーズ1では実際に歌唱はしていないものの、シリーズ2からは必死の練習の成果により、彼自身の歌声を聴くことができる。
ガブリエラ役のヴァネッサ・ハジェンズはハリウッド映画での思い切った演技以外にも、定評のある歌声とダンスでブロードウェイの舞台でも活躍中!
映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』の監督でも知られるケニー・オルテガが、ミュージカルとドラマを結びつけ、ティーン向けでも侮れないプロ仕様のダンスと歌に社会現象ともなったこの作品は、ミュージカル初心者でも「まずはココから!」とオススメできる作品。
「glee/グリー」
田舎町のマッキンリー高校にある廃部寸前のグリークラブを立て直そうと教師のウィル・シュースターはオーディションを開始する。しかし最初に集まったのはいわゆる“負け犬”としていじめを受ける生徒たち。そこに何とか人気者グループからメンバーを引き抜き、歌にダンスと実力をつけながら大きな大会へと挑戦していく。
シーズン6まで続いた大人気シリーズで、各回テーマに合った楽曲を歌い上げながらストーリーは進んで行く。劇中で使われる楽曲はオリジナルのものもあるが、往年のヒット曲〜ほぼ同時期に人気となっている曲までカバー起用されていることが人気になった理由の一つ。
また、全体的にコメディタッチで進む中、差別やいじめなどの問題もリアルに描くことで、時にグサッと胸に刺さるようなシーンも。
『アナと雪の女王』のエルサ役で知られるイディナ・メンゼルやクリストフ役のジョナサン・グロフも登場し、本気度がうかがえる。キャストの歌うサウンドトラックCDも何種類も発売される異例のヒットとなった。
また、本シリーズを手がけた敏腕プロデューサーのライアン・マーフィーは、新たなダンスミュージカルドラマ「Pose(原題)」を製作中。2018年夏放送予定。こちらも期待したい!
最後は少し異端な(?)作品を。ベンジ&ジャスティンコンビ同様に、『THE FLASH/フラッシュ』のミュージカルエピソードに楽曲提供した女優・クリエイターのレイチェル・ブルームが主役の最新ミュージカルドラマ。
Amazon Prime Videoで観る【30日間無料】「クレイジー・エックス・ガールフレンド」
高学歴の優等生キャラであるレベッカは、ニューヨークで弁護士として働くバリバリのキャリアウーマン! しかし、毎日真面目に淡々と働く日々にこのままで良いのか?と疑問を持ち始めてしまう。そんな時、啓示(思い込み?)を受けて仕事を辞め、元カレが住むニューヨークとは真逆のカリフォルニア州ウェスト・コビーナに移住。元カレに未練タラタラのレベッカは新しい地で出会う個性溢れる人々を巻き込みながら、クレイジーな新生活を始める。
タイトル通り“クレイジーな元カノ”を演じるのはレイチェル・ブルーム。レイチェルはSF作家へのぶっ飛んだ愛の形を表現した動画をYouTubeへ投稿し一躍有名に。ミュージカルとコメディを掛け合わせたこのドラマではレイチェルワールドが炸裂! POPからクラシックまで多ジャンルに渡る歌とダンスで飽きさせず、狂気めいた笑いがクセになる。
レイチェルはこの作品で第73回ゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門を受賞! 本国ではシーズン3が放送中の大人気ドラマとなった。
ちなみに、友人役で出演のサンティノ・フォンタナはブロードウェイミュージカルの「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」や映画『アナと雪の女王』のハンス役などでも知られ、出演者の歌とダンスはコメディドラマでも手を抜かずホンモノの出来を味わえる!
ここまで『ラ・ラ・ランド』ファンならきっと気に入ってもらえるであろう海外ドラマの紹介をしたが、『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督がなんと『The Eddy(原題)』というミュージカルドラマを手がけるとの噂も! 『ラ・ラ・ランド』の制作にも大きく影響したフランスが舞台となる予定。今後も映画にドラマに『ラ・ラ・ランド』ファンにとっては楽しみが絶えなそう!
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