不可解な事件や謎を解明し、真実へと奔走するミステリーやサスペンスはもちろん、セリフが絶妙な脚本や作中の演出のディテールが凝ったドラマは、思わず夢中で観続けてしまいますよね。
そこで本記事では、日本で大反響を呼んだ懐かしの名作ドラマから最新作のドラマまで、考察が捗る地上波ドラマ(国内)を、10本厳選してご紹介します。一体なぜこんなことが起きてしまったのか? この演出が示すものは? など、本記事で紹介したドラマ作品をじっくり観察することで、物語を深掘りしていくことの楽しさを知ることができるはず。
『ケイゾク』(1999)
中谷美紀×渡部篤郎共演の大人気刑事ドラマ。タイトルとなった「ケイゾク」とは、警察内部で“迷宮入り事件”を指す用語である。本作では、捜査一課の二係がこの勤務にあたっている。この「二係」で繰り広げられる個性溢れる刑事と、用意周到な犯罪者との知恵比べを軸に物語は展開していく。東大卒のエリートで、天才的な頭脳の持ち主だが、垢抜けない新米女性刑事・柴田を、中谷美紀が好演。そして、一見デキる男だが、ある事件に関わる曰く付きの叩き上げ刑事・真山を、渡部篤郎が等身大で演じている。人気シリーズとなった本作は、後にスペシャル版と映画版も制作された。
【ドラマ『ケイゾク』作品情報】
■監督:堤幸彦
■脚本:清水東、西荻弓絵
■キャスト:中谷美紀、渡部篤郎、竜雷太、野口五郎、鈴木紗理奈、徳井優、長江英和、矢島健一、西尾まり
■再生時間:46分
ドラマ『流星の絆』(2008)
1993年・秋。小学6年性の有明功一(齋藤隆成)、四年生の泰輔(嘉数一星)、一年生の静奈(熊田聖亜)の3人兄妹は、両親に内緒で獅子座流星群を観に行く計画を立てていた。夜中にこっそりと家を抜け出した彼らが自宅へ戻ると、そこには変わり果てた両親の姿が……。2008年・夏。両親が殺害されてから14年が経過した今、大人になった功一(二宮和也)は、親代わりの林ジョージ(尾美としのり)が営むカレーハウス「ジョージクルーニー」で働いていた。功一は、毎日のようにハヤシライスを注文する珍客(要潤)や、ジョージから借金をしている弟・泰輔(錦戸亮)のことで頭を悩ませる日々を送っていた。そんなある日、店にある男がやって来る。それは、父・幸博(寺島進)と、母・塔子(りょう)が殺害された事件を担当した刑事・柏原(三浦友和)だった……。時効まであと3ヶ月だと伝えに来た柏原に対して功一は、泰輔や静奈とは「会っていない」と嘘をつく。数日後、功一は、一流企業で働いているはずの妹・静奈(戸田恵梨香)が、街中で“キャンギャル”をやっていることを知る。理由を聞くと、上司・高山(桐谷健太)からの嫌がらせを受けたため会社を辞め、「エステティックアドバイザー」という資格を取得するため、30万円もの大金をある女に払ったからだと言う始末……。それが“資格商法”という詐欺であることに気付いた功一は、静奈を欺いた女を探し、騙し取られた30万を奪還するため、ある作戦を立てるのだが……!?
【ドラマ『流星の絆』作品情報】
■原作:東野圭吾(「流星の絆」/講談社文庫)
■脚本:宮藤官九郎
■キャスト:二宮和也、錦戸亮、戸田恵梨香、要潤、尾美としのり、設楽統、桐谷健太
■再生時間:48分
『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(2010)
大ヒットドラマ「ケイゾク」のスタッフ、演出・堤幸彦らが11年の時を経て集結。戸田恵梨香と加瀬亮をW主演に迎え、常識では計り知れない特殊能力「SPEC」を持った犯罪者に立ち向かう若き刑事たちを描く。IQ201のオタク女刑事・当麻紗綾(戸田恵梨香)と、ある事件をきっかけに出世街道を外された刑事・瀬文焚流(加瀬亮)。クセのあるこのコンビが、時に協力し合いながらトラップを仕掛け、犯人と息詰まるような攻防を繰り広げていく。よりスタイリッシュでこれまでにない刑事ドラマが今、降臨! ※このドラマには自殺の場面が含まれています。当時の制作意図を尊重して放送当時のまま配信しますが、過去に辛い経験をされた方は、視聴を避けるか、信頼できる方と一緒にご覧ください。【TBSオンデマンド】
【ドラマ『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』作品情報】
■脚本:西荻弓絵
■キャスト:戸田恵梨香、加瀬亮、竜雷太、神木隆之介、福田沙紀、城田優、安田顕、田中哲司、真野恵里菜、有村架純、椎名桔平
■再生時間:47分
『Nのために』(2014)
「告白」や「夜行観覧車」などの人気ベストセラー作家・湊かなえ原作。榮倉奈々主演。 大学生の杉下希美(榮倉奈々)は、 成瀬慎司(窪田正孝)、 安藤望(賀来賢人)、 西崎真人(小出恵介)と“ある計画”を立てたことで、セレブ夫妻の野口貴弘(徳井義実)と奈央子(小西真奈美)が殺害された現場に居合わせてしまう。その場で西崎が逮捕され、自供から有罪が確定し、懲役10年が言い渡される。10年後、この事件の判決に疑いを抱く元警察官・高野茂(三浦友和)は、事件の真相を追い始める。 登場人物たちに共通する、イニシャル「N」。Nたちはどのように出会い、誰を愛し、どんな罪を犯したのか……。現在と過去を交錯させながら、事件の真実を明らかにしていく純愛ミステリー!【TBSオンデマンド】
【ドラマ『Nのために』作品情報】
■原作:湊かなえ(「Nのために」双葉文庫)
■脚本:奥寺佐渡子
■キャスト:榮倉奈々、窪田正孝、賀来賢人、原日出子、柴本幸、モロ師岡、美保純、葉山奨之、光石研、山本未來、織本順吉、徳井義実、小西真奈美、三浦友和
■再生時間:47分
『カルテット』(2017)
数々のヒット作を手掛けた坂元裕二の完全オリジナル作品。ある日、偶然出会った4人の男女がカルテットを組み、軽井沢でひと冬の共同生活を送ることに。しかし、その偶然には大きな秘密が隠されていた。恋、涙、笑い、秘密、ウソが入り乱れ、ほろ苦くて甘いビターチョコレートのような大人のラブストーリー×ヒューマンサスペンスをお送りする。主人公・巻真紀を演じるのは、松たか子。共演には、満島ひかり、高橋一生、松田龍平と実力派俳優陣が顔をそろえる。また、主題歌は椎名林檎が本作のために作詞作曲したオリジナル楽曲。松、満島、高橋、松田がドラマ限定で結成したユニット「Doughnuts Hole」が歌う「おとなの掟」にも注目!【TBSオンデマンド】
【ドラマ『カルテット』作品情報】
■監督:土井裕泰、金子文紀、坪井敏雄
■脚本:坂元裕二
■キャスト:松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平、吉岡里帆、富澤たけし、八木亜希子、Mummy-D、藤原季節、宮藤官九郎、もたいまさこ
■再生時間:45分
『アンナチュラル』(2018)
主演・石原さとみ×脚本・野木亜紀子。日本に新設された死因究明専門のスペシャリストが集まる「不自然死究明研究所(UDIラボ)」を舞台に、「死」の裏側にある謎や事件を明るくスリリングに解明していく1話完結型の法医学ミステリー。UDIラボで働く面々には井浦新、窪田正孝、市川実日子、松重豊ら演技派俳優が顔をそろえる。【TBSオンデマンド】
【ドラマ『アンナチュラル』作品情報】
■脚本:野木亜紀子
■キャスト:石原さとみ、井浦新(ARATA)、窪田正孝、市川実日子、薬師丸ひろ子、松重豊、竜星涼、北村有起哉、池田鉄洋(池田テツヒロ)、飯尾和樹、大倉孝二
■再生時間:45分
『最愛』(2021)
“事件を追う刑事は、かつて心を通わせた最愛の人だった。”殺人事件の重要参考人となった実業家・真田梨央(さなだ・りお)と、梨央の初恋の相手であり事件の真相を追う刑事、そして、あらゆる手段で梨央を守ろうとする弁護士の3人を中心に展開するサスペンスラブストーリー。2006年、梨央が青春時代を過ごしていたのどかな田舎町で失踪事件が起きた。15年後、時代を牽引する実業家となった梨央の前に事件の関係者が現れたことにより、当時の記憶とともに封印したはずの事件が再び動き出す。過去の失踪事件が現在の殺人事件へと繋がっていく……その事件の真相に迫る姿を完全オリジナルで描く。主人公の実業家・真田梨央を演じるのは、吉高由里子。いつも笑顔を絶やさず、学生時代は父が寮父を務める大学陸上部の寮の看板娘だった梨央は、東京の大学の薬学部へ進学。その後、30歳で母親が経営する真田ホールディングス関連会社「真田ウェルネス」代表取締役に就任。「世界を変える30代の社長に選ばれるなど世間から注目を集める一方、過去の失踪事件から現在の連続殺人に至る一連の事件の重要参考人でもあるという役どころだ。そして、梨央に深く関わるのが2名のキャスト。事件の真相を追う捜査一課の刑事で、梨央の初恋の相手でもある宮崎大輝(みやざき・だいき)に松下洸平。梨央の会社の法務部に所属する弁護士で、あらゆる手段を使って彼女を守る加瀬賢一郎(かせ・けんいちろう)を井浦新が務める。正義感が強くひたむきな刑事と、清濁併せ呑む弁護士という正反対の2人が、1人の女性とどう向き合い、そしてどのように事件の真相に迫っていくのか。スリリングな展開と心が震える愛の物語。【TBSオンデマンド】
【ドラマ『最愛』作品情報】
■脚本:奥寺佐渡子、清水友佳子
■キャスト:吉高由里子、松下洸平、田中みな実、佐久間由衣、高橋文哉、奥野瑛太、岡山天音、薬師丸ひろ子、光石研、酒向芳、津田健次郎、及川光博、井浦新(ARATA)
■再生時間:54分
『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021)
ひとりで生きたいわけじゃない。大豆田とわ子は、これまでの人生で三回結婚し、三回の離婚を経験している。「あの人、バツ3なんだって」「きっと人間的に問題があるんでしょうね」……確かに、人間的に問題がないとは言わない。しかし逆に言ってみれば、この世界に問題のない人間なんているのだろうか? 離婚は一人でするものではなく、二人でするもの、協力者ありきのバツ3なのだ。そして、大豆田とわ子は今も、三人の元夫たちが持ち込んでくるトラブルに振り回される日々を過ごしている。どうやら皆は、大豆田とわ子のことが好きで嫌いで仕方ないのだ。果たして四人は、それぞれの幸せを無事に見つけることはできるのだろうか……?
【ドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』作品情報】
■脚本:坂元裕二
■ナレーション:伊藤沙莉
■キャスト:松たか子、岡田将生、角田晃広、松田龍平、市川実日子、高橋メアリージュン、豊嶋花、石橋静河、石橋菜津美、瀧内公美、近藤芳正、岩松了、弓削智久、平埜生成、穂志もえか(保紫萌香)、楽駆
■再生時間:45分
『ミステリと言う勿れ』(2022)
変わり者の大学生がひたすら喋りまくって、巻き込まれた事件の謎も人の心も解きほぐす新感覚ミステリー。秋が深まってきたとある日。自宅にて大好物のカレーを作っていた大学生・久能整(菅田将暉)の元に、刑事がやってきた。近所の公園で殺人事件が発生し、遺体で発見されたのは整が通う大学の同級生だという……。どうやら警察は、整に疑いの目を向けているようで、任意同行を求められてしまう。そして取調室で整の事情聴取が行われるが……話が脱線しがちな上に、整は警察の矛盾点をズバズバと突いていく。一筋縄ではいかない整に、刑事たちは振り回されていた。中には、妻との不仲について悩んでいることを整に言い当てられ、悩み相談をしてしまう者まで出てきてしまう始末。しかし、事件の捜査上でついに、整の指紋がついた凶器が発見されてしまい……。
【ドラマ『ミステリと言う勿れ』作品情報】
■原作:田村由美(「ミステリと言う勿れ」/小学館「月刊フラワーズ」連載)
■脚本:相沢友子
■キャスト:菅田将暉、伊藤沙莉、尾上松也、門脇麦、白石麻衣、水川あさみ、鈴木浩介、筒井道隆、遠藤憲一、永山瑛太(瑛太)
■再生時間:54分
『silent』(2022)
CDショップの店員・青羽紬(川口春奈)は、新たな人生を歩もうと前向きに生きている一人の女性。そんな紬は8年前に、最愛の恋人との別れを経験していた。紬にとって大切な人との出会いは、高校2年生の秋。朝礼でたまたま耳にした男子生徒・佐倉想(目黒蓮)の声に惹かれて、壇上で作文を読む彼に心を奪われた紬は、次第に彼が気になる存在へとなっていった。3年生で同じクラスとなった二人は、少しづつ距離を縮めていき、晴れて付き合うことに。音楽が好きだというお互いの趣味を通じて、仲を深めていく。そして、卒業式のある日……これからも一緒にいたいと思っていた紬に対して、想は理由も言わずに突然別れを告げて、姿を消してしまう。それから8年の月日が流れ、新たな人生を歩み始めていた紬。しかしある日、偶然にも雑踏の中に想の姿を見かけたことをきっかけに、再び彼の存在を意識するようになっていく。もう一度、想に会ってちゃんと話をしたいと彼の姿を探し始めた紬だったが、実は想が徐々に耳が聞こえにくくなる“若年発症型両側性感音難聴”を患い、聴力をほとんど失っていたという思いがけない現実を知ることになり……。
【ドラマ『silent』作品情報】
■脚本:生方美久
■キャスト:川口春奈、目黒蓮、鈴鹿央士、桜田ひより、板垣李光人、夏帆、風間俊介、篠原涼子
※2022年11月16日時点での情報です。