ポノック短編集『ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間』を手がけた「ジブリの英雄」3人

アニメの風通しがもっと良くなりますように

ネジムラ89

2018年8月24日に劇場公開となるスタジオポノックによる短編オムニバス作品ちいさな英雄 カニとタマゴと透明人間。本作は“ポノック短編劇場”と題されたプロジェクトの一環で公開される作品です。

ちいさな英雄

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本作の注目ポイントは、かつてスタジオジブリにて活躍していた制作陣がクレジットされているところです。中でも各短編の監督を務めている面々は、これまでのスタジオジブリ作品でも重要なポジションにいた人物ばかり。

そこで今回は、各作品の監督をご紹介するとともに、彼らのこれまでの活躍をピックアップしてみたので、映画の予習や復習に、ぜひご覧ください!

『カニーニとカニーノ』の米林宏昌監督

カニーノ

渓流を舞台に、嵐をきっかけに流された父を捜しにいくサワガニの兄弟の冒険を描いた『カニーニとカニーノ』

本作を監督するのは米林宏昌監督。
米林監督は、昨年スタジオポノックの長編作品第一作『メアリと魔女の花』の監督を務めたばかり。

メアリと魔女の花

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スタジオジブリ時代から長編作品の監督も多数務めており、これまでの監督作品には『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』といった作品があります。その他にも数多くのジブリ作品で原画を担当し、三鷹の森美術館で上映されている短編『めいとこねこバス』の演出にもクレジットされています。

意外なことに米林監督がオリジナルストーリーを手掛けるのは今回の『カニーニとカニーノ』が初めて。原作物という、ある意味制限のある世界から解き放たれた米林監督が一体どんな物語を紡いでくるのか、その手腕に注目です。

『サムライエッグ』の百瀬義行監督

サムライエッグ

たまごアレルギーを持った小学生の少年シュンと、ダンススクールで働くシュンの母の物語を描いた『サムライエッグ』

本作を監督するのは百瀬義行監督。
百瀬監督は、スタジオジブリ作品の中でも高畑勲監督作品での活躍が多く、『火垂るの墓』『おもひでぽろぽろ』『平成狸合戦ぽんぽこ』『かぐや姫の物語』と往年の名作から近年の作品まで、作画監督や構成、演出といった各種重要なポジションで制作を支えてきました。自身が監督した作品としては、テレビ放送や『猫の恩返し』の劇場公開時に同時上映された「ギブリーズ」シリーズや、音楽プロデューサーの中田ヤスタカが所属するユニット・CAPSULEのMVなどを担当。

ギブリーズ episode 2

「ギブリーズ」シリーズでは、温かみを感じる質感のアニメーションが特徴的でしたが、今回の『サムライエッグ』でもその特徴は健在。他2作品とは異なる独特のタッチで描かれるアニメーションとなっているので、そのビジュアルも楽しめるポイントとなっています。

『透明人間』の山下明彦監督

透明人間

誰にも気づかれずに消えゆこうとする透明人間の青年を主人公にした作品が、タイトルもそのままに『透明人間』です。

本作で監督を務めているのが、山下明彦監督。監督としての経験は少ないですが、実はスタジオジブリ作品の制作に多数参加している重要な人物です。『千と千尋の神隠し』を皮切りに、『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』など、ジブリのヒット作でハイライトとなるシーンの原画や作画監督をして活躍してきた実力者。ジブリでの活躍以前には、ゲームソフト「ワンダープロジェクトJ2」でキャラクターデザインを務めるなど、特殊な経歴を持っています。

その姿こそ見えることのない透明人間を、果たしてどうアニメーションで描くのか。『透明人間』は題材としても興味深い作品です。今回はさらにそれをアクロバティックに描くことを謳っているだけに、まったく想像つきません。どんな体験ができるのか、非常に楽しみです。

スタジオジブリの実力者たちの描く作品とは

この様に各短編の監督たちは三者三様、その活躍の仕方こそ違えど、それぞれがこれまでスタジオジブリで重要な役割を担ってきた人たちです。

スタジオジブリと聞くと、どうしても宮崎駿監督や高畑勲監督といった名前の方が前に出てきがちでした。ですがそれをサポートしてきた実力者の面々が、いざ監督としてアニメーションを制作すると、果たしてどんな作品が出来上がるのか、どんな体験をさせてくれるのか、気になってきませんか?

スタジオジブリという枠組みから放たれた3人の監督陣が送るメッセージを、ぜひ受け取ってください。

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(C)2018 STUDIO PONOC

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