映画『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』内容は?見どころは?ネタバレありで徹底解説!

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映画『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』で描かれる内容は?作品の魅力をアニメライターがネタバレありで徹底解説!

炭次郎が『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(2020)ぶりに映画館に帰ってきました。2023年2月3日より「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へのワールドツアー上映がスタートしました。

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ

本作は国内上映だけでなく世界80以上の国・地域での映画館での上映をする試みとなっており、これまでにない規模で鬼殺隊の活躍が披露されます。一方でその内容は、「すでにTVで放送された」内容も含まれます。そんな特殊な『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』がどんな作品だったのかを、解説していきます。

※以下、本作のネタバレを含みます。

『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』とは何か

2023年2月3日より劇場上映を果たした『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』は、“劇場版”とは異なり、本来TVアニメシリーズで放送された内容を、映画館などで上映する試みです。

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ

今回上映される内容は、2021年12月より放送を開始した『鬼滅の刃遊郭編』のクライマックスにあたる第十話と第十一話。さらに、2023年4月より放送を予定している『鬼滅の刃刀鍛冶の里編』の第一話を、放送に先駆けて初公開します

しかも今回の上映では、ただ単にTV放送したものを劇場で流すのではなく、映画館のフォーマットに合わせ、本編映像を全編4Kアップコンバートし、より精細な映像に変換している上(一部劇場環境では2Kコンバート版での上映)、音楽も劇場での鑑賞に合わせて再調整が施されています。

冒頭には、これまでの炭次郎の物語を、主題歌として作品を彩ってきたLiSAの「紅蓮華」「明星」と合わせて振り返る“スペシャルアバン”も用意されているので、シリーズを追ってきた人には懐かしく、実はこれまでの活躍を知らないという人も、炭次郎の歩みを大まかに捉えられるようにできています。

「遊郭編」の第九話までのあらすじ

本作では『鬼滅の刃遊郭編』の第十話から始まるので、炭次郎と鬼たちの熾烈な戦いの真っ只中から描かれます。第一話〜第九話では何があったのでしょうか。

鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ

もともと炭次郎たちは無限列車での戦いを終えて、蝶屋敷で療養生活を送っていました。そんな炭次郎たちの前に現れたのが、音柱である宇髄天元です。鬼の情報を探るため、吉原遊郭に潜入している宇髄の嫁であるくノ一たちの行方を探すべく、神崎アオイら女性の隊員を強引に連れて行こうとした様子を観て、炭次郎や善逸、伊之助らは代わりに任務につくことを宣言します。

炭次郎らは女装することで遊郭で調査を開始。ついに、上位幹部である“上弦の陸(ろく)”である堕姫を発見し、人質となっていた面々を救いつつ宇髄と共に堕姫を追い詰めるのでした。見事、堕姫の頸をはねたのも束の間、もう一人の上弦の陸である、堕姫の兄・妓夫太郎が出現。実は、堕姫と妓夫太郎は二人の頸を同時に斬らなければ倒すことができない特殊な性質を持っていたことが明らかになります。

炭次郎たちは、堕姫と妓夫太郎の二人の鬼を相手に、一進一退の攻防を続けていたのですが、ついに伊之助が妓夫太郎に胸を貫かれ、妓夫太郎の血鬼術である“血鎌”の猛毒に冒された宇髄が腕を落とされて倒れるという窮地を迎えるところまでが第九話でした。第十話ではまさにこの大ピンチを迎える場面から物語が始まります

「遊郭編」第十話のド迫力で見せる宇髄の“譜面”とは?

「遊郭編」の第十話ではそんな大ピンチを迎える展開からの大逆転が描かれます

一面が火の海になった遊郭で、味方の中で唯一自由に動ける状態となった炭次郎は、逃げ出したと思わせた隙をついて、鬼の弱点である藤の花の毒が塗られたクナイを妓夫太郎に突き刺すことに成功します。そのチャンスに現れるのが、実は筋肉の力で心臓の鼓動を遅らせ、死を偽装し毒の巡りを遅らせた宇髄。“譜面”を完成させた宇髄は、ものすごい猛攻で妓夫太郎を追いつめます。

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ

この“譜面”とは敵の攻撃動作の律動を読んで音に変換する、宇髄独自の戦闘計算式のこと。分析には時間がかかるとされ、すぐには妓夫太郎を圧倒できなかったようですが、炭次郎が時間を稼いでくれたこともあり、宇髄は見事に妓夫太郎の攻撃動作を分析しきったわけです。

そんな、宇髄が譜面を完成させてからのアクションシーンがまた圧巻。音柱の名に違わぬリズム感で攻撃を捌いていく様子が視覚的に、かつ派手に描かれます。遊郭編全体を通してもこのシークエンスが一番の見所のアクションシーンと言っても過言ではない、随一の迫力のあるものとなっていました。

アニメーション制作を務めた、ufotableの公式Twitterアカウントでは、放送当時、放送に合わせて場面写真や提供画像を紹介していたのですが、まだ最終話を迎えていない第十話時点で、多くの賛辞が届く事態となっていました

またufotableの公式YouTubeチャンネルでは、この宇髄と妓夫太郎の戦闘シーンがいかに作られていったのかの様子が伺えるプレビュー映像を公開しているので、より深く知りたい方は観てみてください。

第十一話で描かれる堕姫と妓夫太郎の悲しい結末

第十話が「遊郭編」の“動”の見せ場とするなら、第十一話は“静”の見せ場。「遊郭編」の最終話では、堕姫と妓夫太郎が鬼になる前にどんな人間で、なぜ鬼になったのかが描かれます

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ

 

見事、堕姫と妓夫太郎の頸を同時に落とすことに成功した炭次郎たちでしたが、二人の死を確認しにきたはずの炭次郎は、首から上だけになりながら罵倒し合う二人の姿を見つけ、優しくその喧嘩を止めます。炭次郎の優しさと同じ妹を持つ境遇からの親しみが感じられる場面となっていましたが、感動的なのはそこから展開される妓夫太郎の回想です。

鬼になってしまうと生前の記憶をほとんど忘れるという性質がありましたが、消えゆく堕姫の姿を見た妓夫太郎は、咄嗟に人間の頃の妹の名前である「梅」を叫ぶと共に、鬼になった経緯を思い出します。

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ

遊郭の最下層で生まれ、周囲から忌み嫌われていた妓夫太郎にとって妹の梅の誕生が生きる希望となったこと、そして、生きがいを見つけたにも関わらず、二人は周囲から殺されかけたこと、そして当時は上弦の陸だった童磨によって鬼にしてもらった様子が描かれます。

あの世とおもわしき世界で、梅を光の差す方に向かわせ、一人暗がりを歩もうとする妓夫太郎でしたが、兄を思う梅の言葉に、共に歩んでいくことを決意しました。

二人が歩む先は炎に包まれており、地獄へと向かっていくような姿を想像させますが、二人が同じ道を歩もうとする姿は切なくも感動的です。また、梅を背負うギリギリまで妓夫太郎は鬼の姿をしていますが、炎に包まれた最後のカットだけ、人間の姿に戻っている点にはどこか救いのようなものを感じます。

ついに集結する“上弦の鬼”!今作で初公開となる見所は?

そして、『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』ではタイトルにもあるように、ついに新たなシリーズである「刀鍛冶の里編」の始まりを体験することができます

目玉となる上弦の鬼が集結することも明らかになっている通り、無限列車編で登場した上弦の参・猗窩座や、かつては上弦の陸であった現在、上弦の参の童磨が再登場。さらにはまだ未登場の他の上弦の鬼たちまでもが集います。

新たに発表された上弦の鬼たちと、キャストは以下の通りです。

上弦の壱・黒死牟(CV:置鮎龍太郎)
上弦の肆・半天狗(CV:古川登志夫)
上弦の五・玉壺(CV:鳥海浩輔)

それぞれがどんなキャラクターで、上弦の鬼同士が集結するとどうなるのかは気になる要素となっています。

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ

対する鬼殺隊からは、霞柱の時透無一郎と恋柱の甘露寺蜜璃が登場。柱合会議以来の登場となっているこの二人が、どんな立ち回りをしていくのかも「刀鍛冶の里編」の注目点の一つです。

また、上映開始に合わせて、「刀鍛冶の里編」の主題歌がロックバンドのMAN WITH A MISSIONとシンガーソングライターmiletのコラボレーション曲「絆の奇跡」になることも発表され、TV放送に先行して新たなオープニングアニメーションが、劇場で観ることができることも明かされています。

今回が初めてのお披露目となる「刀鍛冶の里編」への期待が高まります。『「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』は、まもなく新たな展開に臨む炭次郎の戦いの予習・復習にまさに最適な作品と言えそうです

「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』予告

作品情報

タイトル:『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』
配給:東宝・アニプレックス

(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

※2023年2月11日時点の情報です。

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