映画『楽園』あらすじ・キャスト・原作情報【主演・綾野剛×原作・吉田修一×監督・瀬々敬久】

『悪人』、『怒り』をはじめ多数の著書が映像化され、いま最も注目されるベストセラー作家・吉田修一新たな最高傑作「犯罪小説集」が映画化。タイトルを『楽園』として2019年に全国で公開される。主演に綾野剛。若手筆頭株の杉咲花と、演技派・佐藤浩市が脇を固める。監督は瀬々敬久

吉田修一自身、「こんなにも物語をコントロールできず、彼らの感情に呑み込まれそうになったのは初めて」と語る本作は、2019年新たなる衝撃を与えること間違いなしだ。

楽園

映画『楽園』あらすじ

青田に囲まれたY字路――。ある夏の日、幼女誘拐事件が起こった。未解決のまま、住民の胸には 罪悪感だけがしこりのように残り、事件直前まで被害者と一緒にいた紡は心に深い傷を負った。それから12年後、再びそこで2つの悲劇が起こる。少女が行方不明となり、町営住宅で暮らす豪士が容疑者として疑われた。追い詰められ、街へと逃れるが、そこで豪士は驚愕の行動に出るのだった―。そしてY字路に続く集落、愛犬と暮らす養蜂家の善次郎は、村おこしの事業を進めていたが、話のこじれから村中の非難を受け、村八分状態に。善次郎は狂気に陥り、恐るべき事件へと発展する―。被害者の親友だった少女、容疑者の青年、そして限界集落で暮らす男。なぜ人は罪を犯すのか? なぜ自分だけ生き残ってしまったのか? それぞれの人生が交錯するとき、物語は衝撃のラストへと導かれる。

映画『楽園』キャスト

中村豪士/綾野剛

楽園

母親と共にリサイクル品販売をする孤独な青年

楽園

1982年、岐阜県生まれ。高校卒業後、モデル活動を経て『仮面ライダー555』(03)で俳優デビューを果たす。映画『夏の終り』(12)、『横道世之介』(13)で第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2016年の『日本で一番悪い奴ら』で第40回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した。主な出演作に、映画「GANTZ」シリーズ(10、11)、『怒り』(16)、ドラマ『空飛ぶ広報室』(13)、「コウノドリ」シリーズ(15、17)など多数。

綾野剛コメント

ただただ、そこに存在する事。映るのではなく、居る。それだけです。
杉咲さん、浩市さん、お二人との大切な時間を、愛おしく抱きしめながら過ごしたいと思います。

湯川紡/杉咲花

楽園

事件直前まで被害者と一緒過ごし、心に傷を負った少女。

楽園

1997年、東京都出身。幼少の頃から子役として活動をスタート。2011年にオーディションを経て現在の所属事務所である研音に入所。2013年のドラマ『夜行観覧車』での演技で脚光を浴びる。2016年には映画『湯を沸かすほどの熱い愛』で第40回日本アカデミー賞助演女優賞を受賞した。主な出演作に、映画『無限の住人』(17)『十二人の死にたい子どもたち』(19)、ドラマ『とと姉ちゃん』(16)、『花のち晴れ~花男 Next Season~』(18)など。

杉咲花コメント

綾野さんとは、これまで何度か映画の授賞式などでお会いする機会があり、その度に「いつか一緒にやろうね」と声を掛けてくださっていたので、今回ついにご一緒させていただけることをとても嬉しく思います。そして4年前、映画の世界にほぼ初めて足を踏み入れたあの頃の私に、格好良くて優しいお人柄で、その背中で、色々なことを教えてくださった尊敬する佐藤さんとまたご一緒させていただけること、心から幸せに思います。
紡は難しい役ですが、どうか彼女がこの映画の中の一筋の光になりますように。
初めての瀬々組、心して臨みたいと思います!

田中善次郎/佐藤浩市

楽園

父親の介護のために村へと戻り、愛犬レオと暮らしながら養蜂家を営む。

楽園

1960年、東京都出身。1980年、多摩芸術学園映画学科在学中にドラマ『続・続事件』で俳優デビュー。翌1981年には映画『青春の門』に出演し、第24回ブルーリボン賞新人賞を受賞。代表作に映画『壬生義士伝』(02)、『陽気なギャングが地球を回す』(06)、『64 ロクヨン』(16)など。

佐藤浩市コメント

人種、宗教、個人で心の折れ方バランスの崩れ方は多様です、人の数だけある。他人がそれを解りたいと思うのは日常の生活に余計な不安を取り除きたい、安心に暮らしていきたいという当然の思いです。しかし最後のスイッチが何処に在るのか? それは壊れていくその人自身にも分からない。
作者の吉田さんも監督の瀬々さんも、そして僕自身も、最後に背中を押されるその瞬間の人間の脆さ、怖さに目を向けていきたい。『楽園』はそれを体現する作品です。

映画『楽園』監督

瀬々敬久

1960年、大分県生まれ。25歳のときに自主制作映画『ギャングよ、向こうは晴れているか』を監督。ピンク映画で経験を積んだのち、徐々に大衆向け映画へとシフト。主な代表作に、『ヘヴンズ ストーリー』(10)、『64 ロクヨン』(16)、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17)など。

瀬々敬久監督コメント

人はどこかに楽園を探して生きているような気がする。一方で、日常は犯罪事件で覆われ、人々はそれを見聞きし、生活している。罪を犯す人も、それをワイドショーで追う自分らも、実はどこかで楽園を探しているのではないか。吉田さんの「犯罪小説集」を初めて読んだ時、そんな印象を与えられた。長年のファンである吉田さんの小説は、今回も犯罪を通して、生きる意味を問うていたのだ。何とか映画にしたいと思った。短編集を一本の長編映画の脚本にするには様々な格闘があったが、何とか形に出来たと思う。さらに俳優たちの参加。綾野剛さんの持つ繊細さと危うさ、杉咲花さんの凛とした純粋さ、映画に生々しい力を与えてくれると思う。そして今回は佐藤浩市さんに静謐な狂気を。そんな震える魂を共に描き、今までにない犯罪と人生の映画になることを目指し、現場に臨もうと思っています。

映画『楽園』原作

映画『楽園』作品情報

楽園

2019年全国公開
原作:吉田修一「犯罪小説集」(KADOKAWA刊)
監督・脚本:瀬々敬久
配給:KADOKAWA

(C)2019「楽園」製作委員会

【文/ビルボーイジン】

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