【ネタバレ】映画「キングダム3」李牧とは何者?実写キャストは誰?原作では今後どうなる?『キングダム 運命の炎』を徹底解説

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ネジムラ89

映画『キングダム 運命の炎』に登場した“李牧”とは?サプライズ解禁となった実写キャストは?原作だと今後の展開はどうなる?ネタバレありで徹底解説!

日本の映画の中でもなかなか類を見ないスケールで製作されてきた映画「キングダム」シリーズに早くも第3作目が登場です。その名もキングダム 運命の炎。今作では引き続き信の成長が描かれていくだけでなく、シリーズでも屈指の重要キャラクターが続々と登場する映画にもなっていました。

果たして今作では何が描かれていたのか。原作漫画などとも照らし合わせながら、その内容を振り返りましょう。

映画『キングダム 運命の炎』(2023)あらすじ

七つの国が争い続けていた、中国春秋戦国時代。戦災孤児として育った信(山崎賢人)は、亡き親友と瓜二つの秦の国王・嬴政(えいせい・吉沢亮)と出会ったことをきっかけに、共に中華統一を目指すことになる。

そんな秦に対して、強い恨みを抱いていた隣国の趙が突如として秦へと侵攻を開始した。秦に対する脅威となった趙に対して、嬴政は長らく戦場を離れていた伝説の大将軍・王騎(おうき・大沢たかお)を総大将に任命しようとしていた。

王騎から戦いの覚悟を問われた嬴政は、改めて自身が中華統一を志すきっかけとなった自身の過去を語りだす。それは嬴政にとって恩人である紫夏(しか・杏)との悲しい別れの記憶だった。一方の王騎もこの戦いにある因縁を抱いていた。

決戦の地となる馬陽に臨む秦の軍勢の中、100人の兵士を率いることとなった信は居た。王騎に“飛信隊”と名付けられた信の部隊は、2万の軍勢を率いるを討つという特別な任務を果たすべく動き出す……。

※以下、映画『キングダム 運命の炎』や原作漫画「キングダム」のネタバレを含みます。

原作やアニメーションのどこまでを描きどんなアレンジを施している?

今回の映画『キングダム 運命の炎』では、大きく分けて2つの物語が展開されました。前半では嬴政が自身の出自を語る過去のエピソード。後半では王騎を総大将に迎えて臨む、趙との戦いの前半が描かれることとなりました。

原作漫画においては、前半の嬴政の過去の話は単行本7巻に収録されているエピソードであり、TVアニメでは第2シリーズの第7話「呪われた王子」から描かれる内容を映像化したものです。原作では宮女である向に対して語られる内容なのですが、今回の映画ではアレンジが施され王騎に中華統一を目指す理由を語る際に語られるものとなっていました。

紫夏との物語が後半の合戦シーンとは関係がないものとなっているせいで、物語としては浮いた印象を受けるかもしれませんが、原作やTVアニメシリーズを追っていた人は今回の映画で登場した“王騎が昭王の遺言を嬴政に語る”という展開を補強する演出となっていることが分かるでしょう。今後、続編映画が製作された場合、ここで紫夏との逸話が描かれたことが後の展開でより活きてくるでしょう。

一方、後半の戦のシーンは単行本11巻から展開されていく趙との戦いが描かれ、これはTVアニメシリーズでは第1期の第25話「任命」から描かれる内容にあたります。こちらも原作からはアレンジが施されており、今回の映画の一番最後に現れる武神である龐煖(ほうけん)の存在は、原作漫画やTVアニメでは趙との合戦以前からはっきりと存在が描かれていました。

新キャラクター参戦!出演キャストは?

豪華な出演陣もシリーズの特徴となっている「キングダム」シリーズですが、今作でも新たなキャラクターの登場に伴い、意外なキャスティングが行われていました。今後の展開も含めて抑えておきたい人物たちを改めておさらいしておきましょう。

龐煖(ほうけん)/ 吉川晃司

映画『キングダム 運命の炎』の終盤で突如として、秦の陣営へと単身現れた巨体の男が龐煖でした。その圧倒的な実力は信や羌瘣(きょうかい)をも凌駕するものとなっていました。そんな龐煖はかつて秦の六代将軍の一人である摎を討ち取っており、王騎はその因縁を抱えていたことから今回の戦いで総大将を担ったとも描かれました。

この龐煖というキャラクターは、作中でも屈指の強さを誇るキャラクターとして描かれていることからも、今回満を持して龐煖が最後の最後で姿を現したことはまだまだ映画「キングダム」シリーズを描いていくことの予告であるとも受け取れます。

そんな重要な立ち位置である龐煖役を務めたのは、ミュージシャンでもある吉川晃司。ドラマ『天地人』の織田信長役や『るろうに剣心』の鵜堂刃衛役、『仮面ライダー』シリーズの仮面ライダースカル役などに続き、強者としてのオーラを要する役どころへの抜擢となりました。

李牧(りぼく)/ 小栗旬

今回の映画『キングダム 運命の炎』においてもう一人のサプライズでの登場となったのは、李牧でした。遠方から合戦の様子を観察していた河了貂(橋本環奈)たちのところへ突如と現れた李牧は、戦意こそ見せませんでしたが明らかに只者ではない意味深で怪しい登場となりました。

そんな異質さが表れているのが、李牧を務めているのが俳優の小栗旬であること。数多くの映画やドラマで主演として活躍する小栗が事前の告知もなく出演していることからも、原作を追っていない方は彼が何者なのかと驚かされたことでしょう。

実はこの李牧も趙側の人間であり、彼こそ新たな世代の趙国三大天の一角を担う知略に溢れた厄介な敵として、原作漫画やTVアニメシリーズでも活躍していくキャラクターです。映画『キングダム 運命の炎』ではその活躍こそわずかとなりましたが、今後どんどん見せ場が用意されていったとしてもおかしくないキャスティングとなりました。

趙の三大天とはいったい何者か?

今回、作中ではわずかに触れられるのみとなった存在ですが、原作でも重要な存在として描かれていくのが「趙の三大天」です。

趙の三大天とは、かつて秦の六代将軍とも肩を並べたとされる実力を持つ三人の英傑でした。かつてはその実力で名を轟かせていた三大天ですが、現代では彼らは居なくなり趙は凋落したとされていたのですが、『キングダム 運命の炎』ではその地位を担う新たな人材の登場を予感させる展開を見せました。

原作漫画などでは、すでにかつての趙の三大天についても描かれており、かつては、藺相如(りんしょうじょ)、廉頗(れんぱ)、趙奢(ちょうしゃ)の三人が三大天として君臨していたことが描かれています。

そして、新たにこの三大天に君臨する存在がやはり居ることが判明します。現在、新たに趙の三大天を担うのが龐煖と李牧の二人であり、実は『キングダム 運命の炎』でも異様な存在感を発揮した二人こそが趙を大きく動かす要因となった正体だったわけです。

今作の結末の描き方と今後の伏線とは?

『キングダム 運命の炎』では、あくまでも趙との合戦の序盤までが描かれることとなりました。信が“飛信隊”という名を授かり、その名で武勲を得たこと。趙の馮忌(ふうき)が早くも落ちたこと。王騎の実力が確かであること……などが描かれることとなり、信の新たな成長譚として物語は結末を迎えていると言えます。

しかし作中では数多くの意味深な発言や演出が多数盛り込まれていることを踏まえると、次回作を前提として製作されている作品とも受け取れます。

例えば、今作では蒙武(もうぶ)に対して王騎が今後の進軍について、方針を指示するシーンが登場しています。またその王騎が感じている敵勢力側の未知の戦力についてもはっきりと正体が明らかにされていませんでした。そしてなにより前述している王騎が嬴政に話したとされる昭王の遺言についても描かれずじまいでした。そしてなにより、エンドロールでは本編では出番のなかった楊端和(長澤まさみ)が登場。これらの要素は原作漫画では、趙との戦いの二日目以降の展開で活きていくものとなっているので、あえて今作で描かれているということは次回作の製作を確信しても良いのではないでしょうか。

次回作があるとしたら描かれるのは一体どこ?

では、もし『キングダム 運命の炎』の続編が描かれるとしたらどういった内容となるのでしょうか。原作漫画でいえば単行本13巻以降の趙との合戦の顛末が描かれていくことになるでしょう。

原作ではこの後、ついに正体を表した龐煖らとの本格的な戦いに臨むこととなります。圧倒的な強さを誇る龐煖と、ついにその存在が明らかになる李牧が本格的に戦いに参戦することとなり、これまでは自ら戦いに臨む様子が描かれてこなかった王騎もついに戦線へと臨むこととなります。

注目はその後、因縁となる王騎と龐煖の一騎打ちが描かれ、王騎が敗北。満身創痍な状態でありながらも、限られた体力を振り絞り信たち残されたものに最後の助言を残していくことになります。もし今後次回作が製作されるとしたら、この『キングダム』という物語の“序盤”の山場である王騎の最期までを映像化して欲しいところです

とはいえ、原作漫画「キングダム」でこのシーンが描かれるのは単行本16巻。『キングダム 運命の炎』が公開された時点でも、原作漫画の連載は続いており、単行本は69巻までも刊行されているほどです。まだまだ続けようと思えばかなり先まで物語が続けられるともいえる実写映画版「キングダム」。果たして今後物語がどこへ向かい、どんな着地を迎えるのかに注目です。

 

※2023年8月4日時点の情報です。

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