邦画で相次ぐ大ヒット漫画の実写化。観てから読むか?読んでから観るか?そんな迷いが楽しく、Filmarksでの評価も高い10本をまとめてご紹介。

るろうに剣心』(2012)

るろうに剣心

和月伸宏による大人気コミックを『ミュージアム』などの大友啓史監督が実写化。『るろうに剣心』(12)『るろうに剣心 京都大火編』(14)『るろうに剣心 伝説の最期編』(14)の3作品が公開されており、2020年夏には完結編2部作『るろうに剣心 最終章 The Final』(20)『るろうに剣心 最終章 The Beginning』(20)の公開が控えている。

動乱の幕末期にかつて「人斬り抜刀斎」と恐れられた剣客・緋村剣心(佐藤健)は、明治維新後は「不殺(ころさず)の誓い」を立て、流浪人として逆刃刀を手に世の人を助けていた。だが、彼の過去を知る人物はそれを許さず、剣心の命を狙う。はたして剣心は、「不殺の誓い」を守り、大切な仲間を守れるか……。

実写化不可能とも言われた必殺技の数々を、斬新なカメラワークと佐藤健の抜群の運動神経で表現。スピード感溢れる殺陣で、それまでの時代劇のイメージを覆す「アクション時代劇」として新たな歴史を刻んだ。

るろうに剣心

GANTZ』(2010)

GANTZ

奥浩哉原作のSFアクションを『キングダム』などの佐藤信介監督が実写化。死んだはずの人間が「GANTZ」という謎の球体に召喚され、異形の「星人」との戦いを強いられるという独創的な設定で、『GANTZ』(10)『GANTZ: PERFECT ANSWER』(11)の2部作で構成されている。

戦いに快楽を見出してゆく玄野(二宮和也)と戦いを嫌う加藤(松山ケンイチ)のキャラクターが好対照。戦いが終わると元の世界にしばし戻されるという悪夢のような設定により、緩急が違和感なく作られ、観客を飽きさせない。敵となる「星人」の姿や攻撃の多彩さ、人間の力を増幅させるボディスーツや武器の違いは、ゲームの中に迷い込んだような没入感を与えてくれる。

GANTZ

キングダム』(2019)

キングダム

現在も連載中の大人気歴史コミックを『GANTZ』など佐藤信介監督が実写映画化。春秋戦国時代の中国を舞台に、弟に王座を奪われた秦の王、嬴政(えいせい)と、天下の大将軍になる事を夢見る奴隷の少年、信(しん)が協力し、仲間と共に王座奪還に挑む。

本場中国にて敢行されたロケーションにより、ダイナミックな世界観が実現。山崎賢人、吉沢亮、長澤まさみ、橋本環奈、本郷奏多ら豪華キャストによるアクションも話題になった。原作者の原泰久が脚本に参加した事で、ファンも納得の見せ場が作られており、Filmarksレビューには続編を望む声も多数寄せられている。

キングダム

東京喰種 トーキョーグール』(2017)

東京喰種トーキョーグール

石田スイの大人気コミックを原作にしたダーク・ファンタジー。見た目は人間だが、人間を食糧とする喰種(グール)が潜む東京。不慮の事故により「半喰種」となってしまったカネキ(窪田正孝)は自分の運命に苦悩するが、人知れず生きてゆく喰種の仲間に受け入れられ、敵対する駆逐部隊「CCG」との対決に挑む。2019年には喰種VS喰種の対決を描く続編『東京喰種 トーキョーグール【S】』(19)が公開された。

見せ場となる捕食シーンはグロテスクに見せつつも、半喰種になったが故にわかる喰種の苦悩に理解を示す等、内面の動きも描かれ、人間ドラマとしての一面も持つ。

東京喰種 トーキョーグール

翔んで埼玉』(2018)

翔んで埼玉

魔夜峰央の人気コミックを『テルマエ・ロマエ』などの武内英樹監督が、二階堂ふみ、GACKT主演で実写映画化。埼玉県民が東京都民から迫害を受けている世界を舞台に、東京都知事の息子と埼玉出身の転校生による県境を越えたラブストーリーをコミカルに描く。

数多くの埼玉あるあるネタや、関東圏第3位の座を争う埼玉県VS千葉県の合戦シーン等見せ場は多く、第62回ブルーリボン賞では見事作品賞を受賞した。

翔んで埼玉

寄生獣』(2014)

寄生獣

岩明均の伝説的同盟漫画を、『永遠の0』『アルキメデスの大戦』などの山崎貴監督が実写映画化。『寄生獣』(14)『寄生獣 完結編』(15)の前後編で構成されている。染谷将太、橋本愛、深津絵里、北村一輝など豪華なキャスティングでも話題となった。

人間の頭部に侵入し、その肉体を支配する謎の寄生生物と、右手を乗っ取られ、寄生生物ミギーと共存する高校生新一(染谷将太)の対決を描く。ミギーとの共存が進むにつれ、徐々に思考が変化してゆく新一を演じる染谷将太の演技は圧巻。人間の存在意義を問う台詞も多く、単なる怪奇ものに留まらない荘厳な世界観が魅力だ。

寄生獣

ちはやふる 上の句』(2016)

ちはやふる 

競技かるたに注目が集まるきっかけとなった末次由紀の少女漫画を『タイヨウのうた』などの小泉徳宏監督が広瀬すず主演で映画映画化。『ちはやふる 上の句』(16)『ちはやふる 下の句』(16)『ちはやふる ー結びー』(18)の3部作で構成されている。

高校生の千早(広瀬すず)は、幼なじみの新(新田真剣佑)に会うために、競技かるた部を創設。千早に想いを寄せる幼なじみの太一(野村周平)ら経験者、初心者を含む5名の部員で練習に励み、全国大会への出場をめざす。

競技かるたのスポーツとしてのダイナミックさに刮目させられると共に、和歌の意味が部員同士の絆を深めるきっかけになる等、細やかな感情表現が光り、青春映画の傑作としての呼び声も高い。

ちはやふる 上の句

信長協奏曲』(2015)

信長協奏曲

石井あゆみの歴史ファンタジーを実写化。テレビドラマシリーズののちに完結編として劇場版が公開された。「ライアーゲーム」シリーズの松山博昭が監督を務めた。小栗旬、柴咲コウ、向井理、山田孝之、水原希子らが続投した。

戦国時代にタイムスリップした高校生サブロー(小栗旬)は、奇しくも同じ顔をした織田信長に出会い、彼の代わりに織田信長として生きる事に。安土城を完成させ、天下統一も間近と思った矢先に、歴史の教科書で自分がもうすぐ死ぬ運命にある事を知る。

原作が未完の為、映画版オリジナルの結末だが、本能寺の変に山崎の合戦と見せ場は多く、ドラマ完結編の域を超えた新たな歴史スペクタクルとして楽しめる。

信長協奏曲

帝一の國』(2017)

帝一の國

古屋兎丸による学園コメディを『恋は雨上がりのように』などの永井聡監督が実写映画化。菅田将暉、野村周平、竹内涼真、間宮祥太朗、志尊淳、千葉雄大、永野芽郁など注目の若手俳優が集結した。

総理大臣になり、ひいては「帝一の國」を作るという野望を抱き、名門海帝高校に進学した赤場帝一(菅田将暉)が、生徒会長の座を巡って勃発する激しい派閥争いに身を投じる様がコミカルに活写される。過剰とも言える演技合戦がコメディ濃度を高め、観る者を笑いの渦へと誘う。

帝一の國

カイジ 人生逆転ゲーム』(2009)

カイジ

福本伸行原作の人気コミックを『ST赤と白の捜査ファイル』などの佐藤東弥監督が藤原竜也主演で実写映画化。『カイジ 人生逆転ゲーム』(09)『カイジ2 人生奪回ゲーム』(11)『カイジ ファイナルゲーム』(20)の3作品が公開されている。

自堕落な生活を送るカイジ(藤原竜也)は、保証人になった事をきっかけに莫大な借金を背負う事になり、借金返済のため豪華客船でのギャンブルに挑む。独創的な設定のギャンブルは誰にでもわかりやすく、それゆえに手に汗握る展開に。絶体絶命の状況を前にすごむ表情や渾身で唸る長台詞が話題となり、今や彼の代表作のひとつとして数えられている。

カイジ 人生逆転ゲーム

【文・mame】

(C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会(C)2011「GANTZ」FILM PARTNERS(C)原泰久/集英社 (C)2019映画「キングダム」製作委員会(C)2017「東京喰種」製作委員会 (C)石田スイ/集英社(C)2019 映画「翔んで埼玉」製作委員会(C)映画「寄生獣」製作委員会(C)2016 映画「ちはやふる」製作委員会 (C)末次由紀/講談社(C)石井あゆみ/小学館(C)2016 フジテレビジョン 小学館 東宝 FNS27社(C)2017 フジテレビジョン 集英社 東宝(C)古屋兎丸/集英社(C)2009 「カイジ」製作委員会