あのトッキー西川口の「誇大宣伝はおとといきやがれ!」【第2回】

この仕事をしていると「おすすめ映画は?」としょっちゅう聞かれますが、正直、わからないです。だって、観る側の映画偏差値、映画リテラシーによって面白い映画は変わってくるわけで、万人が楽しめる映画がわかれば今頃名プロデューサーくらいにはなっているぞい。

あのレリゴーだって前前前世だって、あそこまでのメガヒットは誰もが予測不可能だったことを踏まえまして、筆者のモノサシで現状の素敵映画を雑にご紹介! そこにピンと来た方、バチッとハマった方はきっと楽しめる。知らんけど。それでは参りましょう、トッキー西川口の、本当に面白い映画はコレだ!

社会派作品のヒュー様も悪くないわよ!『フロントランナー』(2月1日公開)

フロントランナー

自販機の前で写真撮ったら背丈が同じ!(インスタグラム参照のこと)という大の親日家、ヒュー・ジャックマン主演の最新作『フロントランナー』は、スキャンダルによって失脚した実在の政治家、ゲイリー・ハートにまつわる伝記ドラマ。アメリカ合衆国大統領選挙でジョン・F・ケネディの再来とまで言われた最有力候補(=フロントランナー)だが、ある報道で抹殺されてしまう。

現代でいう、いわゆるフェイクニュースの恐怖や、報道のあり方などを問うている作品で、ネットがない時代の実話ではあるものの、警鐘はガンガン鳴りまくっている。実はFILMAGAでは、先日の来日の際、ヒュー様への直撃インタビューを敢行しており、そこで「SNSのことだよ。自分の政策や思想よりも大事なことだ。俳優にとってもイメージ作りは大事」と、SNSの影響力について言及していた。

フロントランナー

ヒュー・ジャックマン「僕は退屈な男。だから僕みたいな人間は演じたくない」 『フロントランナー』【来日インタビュー】

鑑賞後、しばらくもやもやした感じが残るかもしれないが、それだけに普遍的なテーマを扱っているのだ。

歯みがけよアビバノンノ!歯科技工士の青春描く『笑顔の向こうに』(2月15日公開)

笑顔の向こうに

実力ある若手俳優が大勢いる日本映画界において、映画『ギャングース』『虹色デイズ』『世界でいちばん長い写真』などなど、2018年だけでも多数の作品で主演を務め、マジの演技派・高杉真宙の最新作『笑顔の向こうに』は、若い歯科技工士の青春を描いた爽やかな一作! 公益社団法人日本歯科医師会が製作に関わっているだけあり、歯や歯科医療をフォーカスしながら、ドラマも描いていく。

高杉真宙さん演じる歯科技工士の大地は、腕が良くイケメンなために王子と呼ばれているも挫折を味わい、焦燥感も抱くなか早く認められたいと願う。社会に出れば誰もが感じる悩みや葛藤を、じわじわと順を追って表現していく高杉真宙の演技力が凄まじく、同世代は我がごとのように、年上世代は父親のような眼差しで、スクリーンを凝視しちゃうはず。映像も本当に爽やかで心地よく、まさしく羽ばたく春という季節に観てほしい一作だ。

『ラ・ラ・ランド』コンビ再降臨も『ファースト・マン』が先!?(2月8日公開)

ファースト・マン

アカデミー賞を前代未聞の珍事とともに席巻した『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督、そして主演のライアン・ゴズリングが再タッグを組み、あの月面着陸計画という危険な任務を、アポロ11号の船長であるニール・アームストロングの視点で描いた、まさに宇宙SF巨編。なんと本作『ファースト・マン』は、『ラ・ラ・ランド』よりも先に製作が実は決まっており、『ラ・ラ・ランド』の撮影中にアイデアを出し合っていたとか。

アメリカ人の偉業だけを描いたわけではなく、そのための代償も惜しみなく描写している。トランプ大統領は観ないそうですが、その宇宙のように深遠な人間ドラマにハマる人は多く、夢と現実のはざまで葛藤する男女の切ない恋愛模様を描いた『ラ・ラ・ランド』とのギャップも、ライトな映画ファンには楽しめるはず。余談ですが、追い込まれたゴズリングが時々披露する“やべえ表情”は本作でも健在!

ファースト・マン

【町田啓太、究極の対談】『ファースト・マン』デイミアン・チャゼル――原点に帰るフェイクドキュメンタリーと新たなる挑戦

ファースト・マン

『ファースト・マン』ライアン・ゴズリングが語るデイミアン・チャゼルとの絆、そしてイラッとする(笑)ところ【来日インタビュー】

(C)公益社団法人日本歯科医師会、(C)Universal Pictures

記事をシェア

公式アカウントをフォロー

  • RSS