【6話考察】テントは本当に敵なのか?ドラマ日曜劇場『VIVANT』をネタバレ考察!

TBS系日曜劇場『VIVANT』の第6話を考察!ノゴーン・ベキの本性や、乃木憂助の冒険とは何なのか考察します。

TBS系日曜劇場『VIVANT』。6話までの放送で次第に人物や真相が明らかになる中、まだまだ謎が多い『VIVANT』。ノゴーン・ベキの本性や、乃木憂助の冒険とは何なのか考察します。

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 ※以下、ネタバレを含みます。

VIVANT』第6話までのあらすじ

日本企業・丸菱商事がバルカ共和国の企業・GFL社に対し、契約金の10倍にもなる1億ドルの誤送金をしたことが発覚。関与を疑われた乃木憂助(堺雅人)は契約金を追いバルカへ向かう。
GFL社から契約金を受け取っていたザイールに面会するが、自爆テロに巻き込まれ、重要参考人としてバルカ警察に追われてしまう。その場に居合わせた日本の公安・野崎守(阿部寛)と、医師・柚木薫(二階堂ふみ)とともにバルカ警察から必死の逃亡劇を繰り広げる。

無事日本に帰国し、野崎とともに誤送金事件を調べていく乃木。その末に、犯人は乃木の同期である山本巧だと判明した。山本はテントの一員(モニター)だったのだ。野崎は山本を捕えようと奔走するも、一足早く自衛隊の影の諜報部隊・「別班」の黒須(松坂桃李)が確保。黒須と山本の元に乃木が現れ、自分も別班であると明かした。二人は山本にテロ組織の情報を自白させた後、自死に見せかけて始末する。

山本の死に違和感を覚えた野崎は乃木が別班だと確信し、また、テントのリーダーが乃木の父親であると突き止めた。乃木をマークすることで別班がもつテントの情報を得ようと企む。一方乃木は、GFL社のアリ(山中祟)を脅迫しテントの情報を吐かせ、その際アリから渡された数字の暗号を元に太田と協力しテントの足取りを掴んだ。

【考察】テントは本当に敵か?「乃木憂助の選択」と「冒険」が鍵になる

第6話では、過激な描写に注意を促す警告文に驚かれた方が多かっただろう。その文が指すのは、テントの幹部が資金を横領し、それに対する制裁シーンだ。テントという組織の身内に対しても容赦がない様子がありありと描かれていた。だが、物語の冒頭でもう一つ注目したい大きな違和感があった。「別班と公安が討つべき相手は乃木の父親なのか」ドラマ開始直後に流れるナレーションの一部だ。まるで、「乃木の父親は本当に悪役なのか」とも取れる内容だった。主要人物が次々と出揃う中、これから物語はどのように進んでいくのか。

冷酷なテントの組織とノゴーン・ベキの本性

また6話は、テントやノゴーン・ベキの解像度が上がった回であった。組織の金を横領をするものがいるように決して一枚岩とはいえないようだが、同じく組織を裏切ることになった幹部のアリも「どんな場所に隠れていても必ず見つけだされてしまう」と恐れを滲ませており、ベキの恐怖支配と絶対的な立場を感じた。そしてベキは「資金は何のために世界から集められているのか」と他の幹部に檄を飛ばしており、何らかの目的、または大義のためにテロ活動をしているようだ。
ノゴーン・ベキは若い頃、乃木卓として日本の公安部 外事第一課に勤めていたことが明かされる。その後、公安の記録は抹消され、農業使節団の一員になりすまし、極秘にテロ組織へ潜入捜査をしていた可能性も示唆された。公安としてテロ組織に潜り込んだのか、現在は心変わりしたのか、乃木卓がノゴーン・ベキになるまでに何があったのかが語られる日も近そうだ。

「2人の乃木」の別れる選択

ベキの息子だと判明した乃木憂助とFの会話も印象的だった。2011年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロを機に、「愛する家族を守るため」と軍隊へ入隊したサムに感銘を受けた乃木は、「愛する」という感情を求め、国を家族と置き換え自衛隊に志願した。その乃木がテントのリーダーが自分の父親だとわかるや否や、「息子だと分かれば愛情を注いでくれるかもしれない」と会って話したいとFに伝える。一方Fはそんな乃木を叱咤し、日本のためにベキを始末するんだと異なる立場を口にした。一人の中に存在する、二つの選択。乃木は自分の父に愛を求めるのか、それとも別班として始末する道を選ぶのか。ナレーションで語られた、「乃木憂助が自らの運命に挑む大冒険の物語」とは、この選択が鍵になるのではないか。ドラマのキャッチコピーである、「敵か味方か。味方か敵か。」は依然、不透明なままである。

【考察】乃木が薫に固執する理由が明らかに

ザイールの自爆テロの後に乃木と野崎が入院する病院で出会った薫。乃木は薫と少女・ジャミーンに異様なまでの執着を見せている。
乃木はバルカ共和国からの逃亡よりもジャミーンの手当を優先させる薫に賛同したり、砂漠で行方不明になった薫を何時間もかけて探したりという行動を見せた。第4話では、ジャミーンの手術費用が足りないからとクラウドファンディングを始め、第5話で乃木は手術費用として1470万円を振り込んでいる。
その理由が語られたのは6話。家族との記憶をなくし「愛」という感情を追求する乃木だったが、Fに薫とジャミーンへの行動と想いこそ「愛」なのではないかと突きつけられる。5話までは乃木は別班として二人に近づいていたようにも感じられたが、純粋な気持ちからの行動だったようだ。
だが、柚木薫は本当に普通の医者なのか、その正体はまだわからない。これまでに各俳優の役柄が続々と明らかになっている。松坂桃李は別班の一員であることや、乃木の父親役として登場した林遣都は、現在の姿は​​役所広司であり、テロ組織・テントのトップであったこと、第1話でサプライズキャストとして登場した白装束の男(二宮和也)もテントの一員であること。メインキャストはほとんど別班か公安かテロリストである。メインキャストである二階堂ふみも何らかの組織の一員であってもおかしくない。ジャミーンが過去にテントの一員と写真を撮っていたこと、第1話でノゴーン・ベキ がアディエルとジャミーンの話題を出していたこと、そのジャミーンを助けようとする薫。まだまだ真相は謎だ。

まだ明かされない謎や伏線に今後も注目

第5話では衝撃的な事実が明らかになった。テロ組織・テントのマークと乃木家の家紋が一致し、亡くなったと思われていた乃木の父親はテントのトップだった。
第6話では、その父親に対し「愛情を注いでくれるかも」と会いたいという欲望を募らせる乃木と、そんな乃木に「日本のために始末するべき」と諭すFが印象的だった。冒頭で触れた、「テントは敵なのか」という点で、今後乃木がどの立場に落ち着くのかは間違いなく見どころとなるだろう。
そしてテントが何のために資金を集めているのか、二宮和也演じる白装束の男の正体は何なのか、ジャミーンとテントの関係など謎は多い。現時点で一般人のふりをしているテント、あるいは別班の一員がいることもありえるだろう。ふとしたシーンやセリフに伏線が含まれている可能性がある。特にジャミーンについて、5話前に放送されたダイジェストの中で監督が「笑顔が物語の鍵になる」と言及していることも覚えておきたい。
テレビドラマとは思えないスケールで進む『VIVANT』。こんなに勢いがあって、積み重なる謎にワクワクさせられるドラマはそうないだろう。ぜひこのブームに乗り遅れないでほしい。

*2023年8月21日時点の情報です。

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