Filmarksで「もう一度観たい」というレビューが多く寄せられるやみつき映画をセレクト。謎が残って見返したくなる作品から、何度観ても感動する作品まで10本まとめてご紹介。
『ユージュアル・サスペクツ』(1995)
密輸船爆破事件を調べる捜査官のデヴィッド・クイヤンは、唯一生き残った詐欺師のヴァーバル・キント(ケヴィン・スペイシー)を尋問する。現場から消えた大量のコカインと現金。事件を知る男の証言から浮上した「カイザー・ソゼ」という謎の存在とは。
本作でケヴィン・スペイシーは第68回アカデミー賞助演男優賞を受賞。巧みな脚本で脚本賞を受賞したクリストファー・マッカリーは監督としての活躍もめざましく、スリリングな展開とすべての観客が騙されるラストは公開当時話題となった。また本作は、ブライアン・シンガー監督の出世作となった。
『シックス・センス』(1999)
精神科医のマルコム(ブルース・ウイリス)は、担当していた青年に銃で撃たれた過去を持ち、心に深い傷を負っていた。リハビリの末、死者をみることが出来る少年コール(ハーレイ・ジョエル・オスメント)にカウンセリングを施すようになり、自身の心境にも変化が起こるのだった。
鬼才M・ナイト・シャマラン監督が、「ダイ・ハード」シリーズのブルース・ウィリスを主演に描くホラー・ミステリー。本作はシャマラン監督にとって出世作となり、第六感を持った少年コール役を演じたハーレイ・ジュエル・オスメントも天才子役として高く評価された。
『シャッターアイランド』(2010)
連邦保安官テディ(レオナルド・ディカプリオ)は、外部からは隔絶された孤島にある精神病院を訪れる。この島で起きた謎の失踪事件で女性患者が残したメッセージを手がかりに調査を進めていくと、次第に精神病院に隠された秘密が明らかになるのだが……。
デニス・ルヘインの同名ミステリー小説を原作に、『ディパーテッド』(2006)の巨匠マーティン・スコセッシ監督が描くサスペンス・スリラー。作品の雰囲気はハリウッド古典期のホラー映画を想わせ、孤島に漂う不穏な空気感など、スコセッシ監督の演出力が冴える。
『インターステラー』(2014)
地球での暮らしが不可能になりつつある近未来。そこで元宇宙飛行士のクーパー(マシュー・マコノヒー)に、居住可能な他の惑星を探すというミッションが託される。彼は人類存続の危機を回避するため、愛する家族を地球に残し、生物学者で宇宙飛行士のアメリア・ブランド(アン・ハサウェイ)と共に、果てしない宇宙へ旅立っていく……。
監督は『インセプション』などの名匠クリストファー・ノーラン。CG使用を最小限に雄大な宇宙空間を再現。ノーラン作品ならではのストーリーの緻密さが感じられ、マシュー・マコノヒーの力強さとアン・ハサウェイのエモーショナルな演技が好バランス。
『ラ・ラ・ランド』(2016)
ハリウッド女優を目指すミア(エマ・ストーン)はオーディションに落ちてばかり。ある日、落ち込んでいたミアはっどこからともなく聞こえてくるピアノの音色に誘われジャズバーに入ると、ピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)と出逢うのだが……。
『セッション』(2014)のデイミアン・チャゼル監督が正統なハリウッド式ミュージカル作品として製作した本作は、全世界で大ヒットを記録。第89回アカデミー賞作品賞の受賞こそ逃したものの、主要6部門を受賞し、エマ・ストーンは見事主演女優賞に輝いた。さらにライアン・ゴズリングは第74回ゴールデングローブ賞で主演男優賞を受賞。
『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)
1985年7月、大観衆を前に息を整えるフレディ・マーキュリー(ラミ・マレック)。そこから時は1970年まで遡る。後に婚約者となる女性や、バンドメンバーたちとの運命的な出逢い。こうして結成されたクイーンの歩みはしかるべくして始まる。
昨年、全世界にクイーン旋風を巻き起こした大ヒットミュージカル映画。伝説的ボーカリスト、フレディ・マーキュリーの栄光と挫折。偉大なロックスターの孤独や悲しみを際立たせる、以後スターダムを上り詰めていくフレディにとっての決別と覚悟の雨の描写が胸を熱くさせる。
『アス』(2019)
アデレード(ルピタ・ニョンゴ)は夫と子どもたちとともに夏休みを過ごす為、幼少期に住んでいた、カリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れる。早速、友人達と一緒にビーチへ行くが、不気味な偶然に見舞われた事で、過去の原因不明で未解決なトラウマがフラッシュバックするのだった。
監督デビュー作の『ゲット・アウト』(2017年)で第90回アカデミー賞で見事、脚本賞を受賞したジョーダン・ピール監督が仕掛ける、前代未聞のサプライズ・スリラー。アカデミー女優ルピタ・ニョンゴなどの黒人俳優を起用し、人間の内面の恐怖を見つめる独自の視点である黒人一家が体験する恐怖を描く。
『パラサイト 半地下の家族』(2019)
家族全員が失業中のキム一家は、半地下住宅で貧しい暮らしを送っていた。ある日、長男のギウ(チェ・ウシク)がIT企業の社長の邸宅へ家庭教師の面接を受けにいく。そして妹のギジョン(パク・ソダム)も兄に続いて大豪邸へ潜入することに成功するのだが……。
『グエムル-漢江の怪物-』(2006)の巨匠ポン・ジュノが韓国の名優ソン・ガンホを主演に、韓国社会に根付く貧富の差を描いた人間ドラマ。人間を見つめる眼差しとその圧倒的表現力が高く評価され、第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルム・ドールを受賞。さらに第92回アカデミー賞ではアジア映画としては初となる作品賞受賞という快挙を成し遂げた。
『ミッドサマー』(2019)
精神疾患を抱える大学生のダニー(フローレンス・ピュー)は、文化人類学を専攻する友人たちとともに、人里離れた村ホルガで90年に1度開催される祝祭に参加するとになる。訪れた村は、自然豊かな土地で、村人たちも幸福に満ち溢れていた。しかし祭が始まると、雰囲気が一転し、あたりは恐怖で包まれるのだった。
『ヘレディタリー/継承』(2018)で長編映画監督デビューを果たしたアリ・アスターの監督第2作となる本作。スウェーデンの奥地で催される儀式の恐怖がホラータッチで描かれる。ルキノ・ヴィスコンティ監督作『ベニスに死す』(1971)で美少年タジオを演じたビョルン・アンドレセンが老人役で出演していることでも話題になった。
『ジョーカー』(2019)
ゴッサム・シティで大道芸人として生きるアーサー(ホアキン・フェニックス)。母ペニー(フランセス・コンロイ)の介護をしながら、自身も精神疾患のためカウンセリングに通っていた。そうした日々を繰り返すうちに、人々を笑顔で幸せにしようとするアーサーの心の中に言い知れぬ狂気が渦巻き始めるのだった……。
DCコミックスの大人気コミック『バットマン』のディランであるジョーカー誕生秘話を描く本作は、第76回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞というアメコミ映画史上初の快挙を成し遂げた。ジョーカー役のホアキン・フェニックスは歴代ジョーカー俳優の中でも群を抜く怪演ぶりをみせ、圧倒的な演技力が世界中の賞賛を浴び、ジョーカー俳優として映画史にその名が刻まれることとなった。
【文・チャーリー】
※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。
※2020年3月12日時点の情報です。