哀悼の想いを込めて。パリの街並みが美しく映しだされた映画クロニクル

人との出会いに日々感謝(ライター・編集)

大久保渉

2015年11月13日、現地時間にして21時頃、パリで事件が起こりました。あまりに残酷で、あまりに理不尽で、あまりに悲しい事件が起こりました。

パリ中心部のコンサート会場で、レストランで、パリ近郊のサッカースタジアムで、その他パリ市内で、多くの方々の命が奪われました。

命を失くされた方々に、そのご家族の方々に、心から哀悼の意を表すると共に、お怪我をされた方々に、今も不安な夜を過ごされているパリ市民の皆様に、心からお見舞い申し上げます。

パリアイキャッチ大

出典:https://unsplash.com/photos/VLWy8LIdzsQ

そして、今回はパリに再び平安が訪れることを祈って【パリの街並みが美しく映しだされた映画】をいくつかご紹介させていただきたいと思います。

1950年代から2000代までの輝けるパリに想いをはせつつ、パリの、世界の平和に想いを馳せつつ。

1950年代のパリの街並みを描いた映画

『巴里の空の下セーヌは流れる』(1951)

パリの空の下

名匠ジュリアン・デュヴィヴィエ監督が、パリ市2000年祭を記念して製作した作品です。

パリの日常を切り取った、騒々しくも人情味あふれるお話と、セーヌ河を含めたきらびやかなパリのロケーションが観る者の心をふわっとのどかにしてくれる傑作です。

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『大人は判ってくれない』(1959)

大人はわかってくれない

オープニング、エッフェル塔を斜め上に見上げるようにして撮影したシーンがとても印象的な、フランソワ・トリュフォー監督による半自伝的な作品です。

どこにいても見上げればエッフェル塔がある。なにかそういった安心感に、郷愁の念にかられてしまうような冒頭に、パリへ向けた愛が感じられてくる1作です。

『勝手にしやがれ』(1959)

勝手にしやがれ

パリの街なかを縦横無尽に、シャンゼリゼ通りで隠し撮りを敢行したりと、今作が「パリの映画」、ひいては「今を生きる人たち」を描いた映画であるということを鮮やかに表現したジャン=リュック・ゴダール監督による革新的な作品です。

手持ちカメラによるぶれた映像の数々が、当時のパリの街並みを勢いよく、瑞々しく切り取っていきます。

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1960年代のパリの街並みを描いた映画

『地下鉄のザジ』(1960)

地下鉄のザジ

地下鉄に乗るのを楽しみに地方から出てきた10歳の少女・ザジが、パリの街なかを自由奔放に走りまわる、陽気なコメディ映画です。

劇中に登場するパリ10区の東駅やサン・ヴァンサン・ドゥ・ポール教会、2区のストリート等々、目に鮮やかなパリの街並みをカラー映像で楽しむことができる快作です。

『5時から7時までのクレオ』(1961)

クレオ

病院からの診断結果を待つ、病におびえたクレオの午後5時から7時までのひとときを、ほぼリアルタイムドラマとして描き出した作品です。

揺れ動く不安を表すかのように、パリの街なかを徘徊する彼女を追っていくカメラが、タクシーの中から、バスの中から、人で賑わうパリの街並みをすっと流れるように撮影していくショットが印象的な1作です。

『パリ、ところどころ』(1965)

パリところどころ

ヌーベルバーグを代表する6人の映画監督が、サンドニ街、エトワール広場等々「パリの6つのスポット」をそれぞれの視点から描きだした短編オムニバス作品です。

ロメールが、シャブロルが、手持ちカメラを片手に街へ飛び出して、思い思いのパリのすがたを息づかいが聞こえてくるほどに大胆なタッチで描き出していった野心作です。

1970~1980年代のパリの街並みを描いた映画

『モン・パリ』(1973)

モンパリ

パリの下町モンパルナスを舞台に、突然妊娠してしまった(?)男の喜悲劇が妙なリアリティーでもって滑稽に描き出されていくラブ・コメディです。

下町情緒溢れる街の人たちと主人公夫婦のやりとりが可笑しくって、賑やかなモンパルナスの一面が伝わってくるような素敵な映画に仕上がっています。

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ボーイ・ミーツ・ガール(1983)

ボーイミーツガール

ヌーベルバーグ以後のフランス映画に新しい波を起こした、レオス・カラックス監督の長編デビュー作品です。

パリを舞台に男と女が出会うといった単純なストーリーではあるものの、これ以後のカラックス作品にも登場するポンヌフ橋がふと詩的な雰囲気を映画にもたらしたりと、登場人物とロケーションの関係性に富んだ、不思議な魅力に包まれた映画のように思います。

1990年代のパリの街並みを描いた映画

『パリのランデブー』(1994)

パリのランデブー

ヌーベルバーグの代表的監督にして、70歳(当時)を超えてなお野心的で瑞々しい映画を撮り続けるエリック・ロメール監督のオムニバス映画です。

ポンピドゥーセンター付近のアーケード等々、雑踏の賑わいに混じった登場人物達の不明瞭なセリフや、カメラを不意に振り向く群衆など、恐らくゲリラ撮影をしたであろう映像の数々が、パリを舞台とした男女の物語を現代の空気そのままに、生き生きと描き出しています。

『恋するシャンソン』(1997)

恋するシャンソン

出典:http://www.allocine.fr/film/fichefilm_gen_cfilm=9118.html

台詞が突然シャンソンに切り替わるという、驚きの演出を見事なまでにまとめ上げた名匠アラン・レネ監督による現代のパリを舞台にした群像劇です。

勘違いが勘違いを呼ぶストーリーも面白いのですが、今作には「パリのツアーガイド」という登場人物が出てまいりますので、映画を見ながら軽く観光ができたりもする、パリの街並みが堪能できる1作です。

2000年代のパリの街並みを描いた映画

『パリ、ジュテーム』(2006)

パリ、ジュテーム

コーエン兄弟、ガス・ヴァン・サント、オリヴィエ・アサイヤス、トム・ティクヴァ、諏訪敦彦ら、世界中の映画監督18人が「パリ20区のうちの18区」をテーマに各々約5分間の短編映画をつくりあげたオムニバス作品です。

パリの表通りから裏通りまで、パリの魅力がふんだんに詰まった映画となっております。

ジュリエット・ビノシュ、ナタリー・ポートマン、ボブ・ホスキンス他、豪華出演陣のきらびやかな演技と美しいパリの街並みにも注目な1作です。

『PARIS』(2008)

パリス

ジュリエット・ビノシュ、メラニー・ロラン出演による、パリで暮らす人たちの人生を儚くも美しく描き出した群像劇です。

アパートの窓から見下ろすパリの美しい街並みがとても印象的で、迷いもがきながらも生きている人達のことを街がやさしく包み込んでくれているかのような気分にさせられてしまう、胸に残るシーンだと思いました。

日本人監督が描いたパリの街並み

その他、日本の諏訪敦彦監督が手掛けた以下2作品も、パリを舞台にしております。

不完全なふたり(2005)

不完全なふたり

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ユキとニナ(2009)

之とニナ

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以上、【パリの街並みが美しく映しだされた映画】を特集させていただきました。

中東諸国の民主化問題を扱った映画もあることにはあるのですが、さしあたって、今は何より、パリへの想いが届けられるような特集をと思って、このような記事を書かせていただきました。

パリフリー画像

出典:https://unsplash.com/photos/EIO_ZytZm8Y

どうか、一日でも早くパリ市民、そして世界の人々が笑顔で安心して暮らせる日がきますように。

 

※2022年3月7日時点のVOD配信情報です。

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  • ノテ子
    5
    パリの魅力満載!観終わった後に人と語り合いたくなる! 5分という短さでもそれぞれの監督の個性が溢れてる〜。中には「え"ぇ!?」ってのもありーの、「フフッ」ってのもありーの。 セーヌ海岸のアラブ系女性と青年、バスティーユの夫の愛、ヴィクトール広場のジュリエット・ビノシュ、お祭り広場の黒人の歌、ペールラシェーズ墓地、14区の1人旅の女性が感じた人生のふとした瞬間の幸福の中にある悲しみ…などなどお気に入り場面挙げたらキリが無い! レビュー見るとまたリピートしたくなる作品です。そしてパリに行きたくなる!これ好き‼︎ (当時の映画感想ノートより) DVDも購入したし、パンフレットもわざわざネットから購入したくらい好きな作品。 この3年後にパリに行くことができて、ペールラシェーズ墓地のキスマークだらけのオスカー・ワイルドのお墓の前で写真撮ったわ〜。墓地が広過ぎて迷ったのも良い思い出。
  • suzuna
    -
    音声:フランス語 字幕:英語
  • コトコ
    4
    ちょうどよくふざけてて、好きだった
  • SteveShi
    3.5
    パリにも奇妙な物語
  • さくら
    1
    数話しか見てないけど余り面白くなかった
パリ、ジュテーム
のレビュー(7036件)