私たちが楽しんでいる4DX映画のほとんどは、実はこのオトコが生み出していた!
『インターステラー』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『ザ・ウォーク』など、2年間で300本もの4DXコンテンツを手がけてきた、クリエイティブ・ディレクターのチェ・ヨンスン氏。
彼が演出した、日本初の4DX専用ショートムービー『ボクソール★ライドショー 廃校からの脱出!』の公開に先立ち、4DXについて語ったインタビューコメントが到着しました。
【『ボクソール★ライドショー 廃校からの脱出!』とは…】ホラー界の鬼才・白石晃士が監督を務める、4DXの特殊効果を最大化したアトラクションホラームービー。女子高生アイドルが、戦慄の廃校脱出劇を繰り広げる。
《2016年1月16日(土)より、ユナイテッドシネマ他にて全国ロードショー》
一般的なホラー映画とは違う独特な企画。4DXとしての魅力をふんだんに味わえる
Q.まず、本作の感想を聞かせてください。
今までは長編映画を主に手がけていたので、『ボクソール★ライドショー』のような短編作品に出会えたことは、特別な経験でした。特にPOV(主観ショット)スタイルの映像を4DXで感じ取ってもらうための作業は、すごく楽しい経験でした。
Q.4DX演出について、コンセプトやポイントを教えてください。
本作には、大きく4つのコンセプトがありました。ひとつめは、POVスタイルの魅力を活かすべく、俳優たちとの距離感を自然と共感できるようにすること。ふたつめは、観客を驚かせる演出効果を倍増させるために「Back Tickler(背面座席が動く)」や「Face Water(前席から、顔の周辺に水が吹き付ける)」などの効果を重ねること。あとは、「バランス」と「エキサイティング」です。
本作は、そもそも追求する表現スタイル(POV)がある作品なので、そこに4DXのエンターテイメント(風やバブルなど)を溶け込ませて、4DXとしての魅力もふんだんに味わえるようにしました。
Q.製作時のエピソードはありますか?
『ボクソール★ライドショー』は、一般的なホラー映画とは違う独特な企画だったので、スタッフの間で話題になりました。そういったユニークなところに大きな魅力を感じ、「もっと頑張ろう!」という意志が高まりました。
今回はさらに、4DXの他作品についても!
Q. 過去に手がけた4DXで一番満足している映画は何ですか?
手がけた全ての作品に愛着を持っていますが、4DXと相性が良いジャンルといえば、やはりアクションです。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』では、作品のキャラクターを追っていくような新しい企画を試みました。
(C)Marvel 2015
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特に「ハルク・スペシャルバージョン」では、ハルクが咆哮(ほうこう)する瞬間のリアルな振動をバイブレーションで表現するなど、ユニークなバージョン展開で、とても印象深い作品でした。
Q.これは難しかった、苦労したという映画があれば教えてください。
『ニード・フォー・スピード』というレース映画です。
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個々の体験があればこそ、スタッフはよりリアルな4DX表現をすることができます。しかし、映画に登場する4〜5億超えの高価なスポーツカーを運転した経験は誰もありません。「クルマ一台一台の違いを説明してほしい」というオーダーだったので、エンジンの音や動きの特性を勉強するなど、間接的なリサーチを重ねました。とても苦労した映画でもありましたが、記憶に残る、想い出が詰まった作業でした。
Q.過去作の中で4DXにしたい映画はあるでしょうか?
憧れの巨匠スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』です。あの静的な映画の美しさを4DXの表現で再誕生させたい!
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また、スタンリー・キューブリック監督といえば『シャイニング』。ジャック・ニコルソンの狂気に満ち満ちた最後のシーンをサプライズ効果をふんだんに取り入れて表現したいですね。
今後ますますの進化が予想される4DX。2016年、まずは“マスター・オブ・4DX”ことチェ・ヨンスン氏が手がけた『ボクソール★ライドショー』から入門してみてはいかがでしょうか。
映画公式サイト:http://4dxmovie.jp/
(C)2016VAUXHALLRIDESHOW
【チェ・ヨンスン氏 プロフィール】1971年7月生まれ。2014年に CJ 4DPLEX 4DX i-Studioに入社。同年1月総括クリエイティブ・ディレクターに就任。主に4DXコンテンツの品質管理及び4DX最終演出の方向性を打ち立て、2015年現在150本以上の長編商業映画を4DX化。映画のほか、CMや予告編、オルタナティブ・コンテンツなど含め、2年間累計300本以上のコンテンツを手がけるという驚異的な仕事量をこなす。
※2022年11月28日時点のVOD配信情報です。