物語の展開を暗示させる伏線。名作は伏線を巧妙に忍ばせて観客を楽しませます。今回は伏線が張り巡らされて、何度も観たくなる良作を10本紹介。
『カメラを止めるな!』(2017)
とある山奥の廃墟で、ゾンビ映画の撮影が行われていた。監督のこだわりから、何テイクも重ねていくうちに、様子がおかしいことに気づく。どうやら役者のゾンビが本物のゾンビになって現れてしまったのだ。ゾンビから逃げながらも、監督は撮影をやめない。ゾンビから逃げ無事に撮影を終えることができるのか。
「ENBUゼミナール」のシネマプロジェクトとして製作された上田慎一郎初の長編映画監督作品。濱津隆之、真魚出演。“この映画は2度始まる”のキャッチコピー通り、前半の伏線が後半でどんどん明らかになっていく展開が爽快。
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『インターステラー』(2014)
地球は異常気象により人類滅亡の危機が訪れていた。元宇宙飛行士のクーパーは、NASAから移住可能な惑星を探すプロジェクト“ラザロ計画”に参加することになる。クーパーは娘のマーフィーに必ず戻る約束をし、未知の銀河系へと旅立つ。
『インセプション』のクリストファー・ノーラン監督が手がけたSF超大作。マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ出演。宇宙という壮大なスケールの中での伏線回収からラストまでは圧巻。設定・脚本は綿密な科学的考証の上に製作されたため、科学の分野からも議論でき、難解でありながら見応えのある作品。
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『パラサイト 半地下の家族』(2019)
全員失業中で貧しく暮らすキム一家は、長男のギウが超裕福なパク家に家庭教師として採用されたことをきっかけに、妹、父、母と次々に他人のふりをして足を踏み入れていく。徐々にパク家に忍び込んでいくキム一家だったが、この豪邸には誰も想像できない秘密が眠っていた。
第90回アカデミー賞 作品賞受賞作品。『殺人の追憶』のポン・ジュノ監督が主演のソン・ガンホと4度目のタッグを組んだ作品。パク家に数々の伏線、演出が散りばめられ、1分1秒目を離せない。後から「あれも伏線だったのでは?」という点が沢山浮かび、確認するため何度も観たくなってしまうこと間違いなし。
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『シャッター アイランド』(2009)
連邦保安官のテディは、精神を病んだ犯罪者を収容する閉ざされた島“シャッターアイランド”へ捜査で訪れる。島から1人の女性が謎のメッセージを残して姿を消したのだ。事件の捜査を進めれば進めるほど、次々と謎が浮かび上がり、次第に島自体の怪しさに気づき始める。
マーティン・スコセッシ監督と主演のレオナルド・ディカプリオが『ディパーテッド』以来2度目となるタッグを組んだ作品。謎解きのために細かい伏線が散りばめられる。回収しきれないとの声が多数で、何度も観直すことになるかも。
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『ゲット・アウト』(2017)
黒人のクリスは、白人の彼女ローズの家に招待される。ローズの家は、「黒人に偏見はない」とクリスを過剰なまでに歓迎する。しかし、使用人が黒人ばかりであったり、古風な格好をした黒人と話が噛み合わなかったり、突如「出て行け」と襲われたり、不審な出来事が続く。何かがおかしいと感じたクリスはローズと家を出ようとするが……。
後に『アス』を製作するジョーダン・ピール監督作品。ダニエル・カルーヤ、アリソン・ウィリアムズ出演。冒頭から始まる数々の不穏な違和感が後半に伏線として展開され、アメリカの根深い人種差別を暴いていく。
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『ミッドサマー』(2019)
アメリカの5人の大学生がスウェーデンの奥地で行われる「90年に一度の祝祭」に訪れる。陽気な踊り、美しい花々に囲まれるその村は、5人にとって楽園のように思われた。しかしやがて不穏な空気が漂い始め、トラウマや恐怖に心がかき乱されていく。
『ヘレディタリー/継承』で高い評価を得たアリ・アスターの監督2作目作品。フローレンス・ピュー、ジャック・レイナー出演。北欧神話や文化を取り入れながら巧妙な伏線が衣装や壁画にまで現れ、観ている者に壮絶な結末を予想させる。
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『インシディアス 第2章』(2013)
怪奇現象が止まらない呪われた家に引っ越して来たジョシュ一家は、超常現象の専門家であるエリーズの助けもあり無事平和を取り戻したかのように見えた。しかし夫のジョシュが息子を救う時に何者かの霊に憑かれてしまっていた。一家にまたしても不可解な現象が襲う。
監督は『ソウ』のジェームズ・ワン、パトリック・ウィルソン、ローズ・バーン出演。ホラー映画ながら謎解き要素が多く、第1章の恐怖演出が第2章の伏線だったことに気づく。
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『アス』(2019)
アデレードは夫と子どもたちと幼少期に住んでいたカリフォルニア州サンタクルーズの家を訪れる。しかしそこでは不気味な出来事に見舞われ、過去のトラウマがフラッシュバックする。そんな中、自分たちとそっくりな“わたしたち”が現れ家族を襲う。
『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督。ルピタ・ニョンゴ、ウィンストン・デューク出演。『ゲット・アウト』よりさらに伏線やメタファーが散りばめられ、伏線に気づくことで作品のメッセージを考えさせられる。
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『ソウ』(2004)
古い浴室の中で目覚めた2人の男。そこには「どちらかを殺さないと2人とも殺す」という犯人からのメッセージが残されていた。それは連続殺人犯“ジグソウ”による命を粗末にした者への残虐なゲームの始まりだった。2人は何とか殺し合わずに脱出できるよう奮闘するが、残酷な展開が待っていた。
ジェームズ・ワン監督×脚本 リー・ワネル作品。ケイリー・エルウィズ、リー・ワネル出演。残虐さに驚かせれるが、心理戦とともに積み重なった伏線がラストに回収される。
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『search/サーチ』(2018)
突如デビットの娘マーゴットが行方不明となる。デビットはマーゴットのパソコンにログインし、SNSから手がかりを得ようとする。しかしそこには活発で明るい普段の娘とは別の姿があった。驚くデビットだったが、何とか手がかりを得ようと必死にSNS上を捜索するが……。
アニーシュ・チャガンティの映画監督デビュー作品。ジョン・チョー、デブラ・メッシング出演。全編パソコンの画面上で展開され、物語の伏線もパソコン上に巧妙に隠される。一気に伏線が回収されるラストに向けて、細かい文字も見逃せない。
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※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。
※2020年6月17日時点の情報です。