探偵はBARに…そんなにいない!リアル店主が選ぶBARが印象に残る映画たち

映画が好きなただのBar主人

店主

どうも、店主です。ライターネームが「店主」なのはリアルにBARの店主だからですしかしあまりお酒に詳しくないことで一部で有名だったりもします。

BAR。バー。Bar。映画を観ていると(現代劇ならば)BARが出るシーンというのはとても多い。大人の出会いの場、仕事の取引、銃撃戦… BARなくして映画は成立しないといっても過言ではない…多分。

BARとは?広辞苑では「カウンターのある洋風酒場」と定義されています。しかしBARといってもイギリスの大衆酒場である「パブ」の形式に近い場合も多く、その定義はハッキリとしておりません。

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BARというとトム・クルーズ主演の『カクテル』を思い浮かべる人も結構多いのではないでしょうか。

華麗なパフォーマンスでお酒を作るバーテンダーを彼が演じて一斉を風靡しましたが映画に出てくるお店はBARと感じるかは人それぞれ(筆者としてはBARというイメージはございません)。

個人的にBARとは「静かにお酒が飲める大人なバーカウンターがある酒場」というイメージがあります。ゆえに学生の頃は映画の影響もあり「大人が集う異世界」という印象が強くありました。

そんなBARで働いている筆者が思う、「BAR」の印象が強い映画を下記に数本ご紹介させて頂きます。映画自体もですが単なる1シーンの印象も含めて。

BAR映画といえばミッキー・ロークが飲んだくれる『バーフライ』は外せない

BAR映画と聞いて映画好きの方はこの『バーフライ』を連想する人も多いはず。タイトルが意味するのは「BARに集まる飲んだくれ」。タイトルからまさにBAR映画の王道といえる作品です。

80年代に人気絶頂だったミッキー・ロークが主演で彼の代表作のひとつでもありますが、この映画を観た10代の頃「BARで飲んだくれるのって渋い…」と思ってしまったから怖いものです。

ひたすら酒飲みっぱなしでストーリーよりも雰囲気を楽しむ映画と言えますが、そもそもBARは酒よりも雰囲気を味わう趣が強いので、この映画の魅力とBARの魅力は似ているともいえるでしょう。

若い紳士淑女のみんな、BARの空間そのものはかっこいいけど、飲んだくれは駄目駄目だから勘違いするんじゃないぞ!

「BAR」と聞いて筆者が真っ先に連想する『L.A.コンフィデンシャル』

BAR映画といえば上記の『バーフライ』が筆頭ですが、私個人的には『L.A.コンフィデンシャル』が一番最初に頭に思い浮かびます。

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1950年代のL.A.を舞台にした警察汚職モノのクライムサスペンス。この映画で当時『ユージュアル・サスペクツ』『セブン』に出演しノリに乗っていたケビン・スペイシーがジャック・ヴィンセンズ役を好演しております。

このジャックが独りでBARにて考え事をするシーンが何度か登場します。その露骨でないBARの使い方が大人なBARの使い方だな~とカッコよさ、そしてそのシーンに憧れを感じました。

会計をせずにお金だけ置いて出ていくシーンは最高!行きつけの店なら同じ行為を出来なくもないですが初めて行った店でこれをやったら単なる飲み逃げ扱いされるので要注意だ!

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ケビン・スペイシー絡みで彼の初監督作『アルビノ・アリゲーター』も忘れずに

そんなBARでのシーンが印象深いケビン・スペイシーでしたが、この時期監督業にも挑戦しております。それがBARを舞台にしたシチュエーション・スリラーの『アルビノ・アリゲーター』です。

ゴロツキの3人が悪さをしてBARに逃げ込んだら別の逃亡中の武器密輸犯と勘違いされて警察に包囲されるという異色のストーリー。密室劇のシチュエーションとしてもBARは便利でございます。

この映画の教訓は「裏口は作りましょう」ということですね。飲食店の厨房を抜けて裏口から脱出という、一度は誰もがやってみたいベタな映画ならではの逃げ方が出来ないからこんな面倒くさいことになったんです。

この映画はそのストーリーの奇抜さは勿論ですが、出演俳優陣の渋さも魅力です。マット・ディロン、ゲイリー・シニーズ、ウィリアム・フィクナー、ヴィゴ・モーテンセン、そしてフェイ・ダナウェイ!渋過ぎる~

こんな人たちばかりいるなら行きつけになりたい『ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け』

日本映画からもとうことで、渋い探偵モノとかになると上記の『L.A.コンフィデンシャル』と被るので、この『ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け』をチョイスさせて頂きました。

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BARというよりも、この映画の場合は“酒場”ですね。でも「人々が集まる場」としての空間という意味ならBARとそこまで違いはないのかもしれません。「酒がない場に大人はいない」でも言いましょうか。

この映画は設定がめちゃくちゃで、登場人物がビリィ・ザ・キッド(三上博史)、何故か店にいる宮本武蔵(内藤剛志)、中島みゆき(室井滋)、ハリイ・キャラハン(原田芳雄)…と国も時代も人種も関係ございません。

そんなメンツがワチャワチャする様をひとつの酒場だけで描く、勢いとノリだけで作った映画。80年代の日本でしか出来ない不思議なパワーがここにあります。どんな映画か分からないと思うので予告編だけでも見てみてください。

予告編観てもやっぱりどんな映画か分からないと思いますが(笑)、こんな人たちが集まるBARがあれば毎日でも行きたいですね!

良いバーテンダーの条件を再認させられる『プリデスティネーション』

割とナウい作品からもチョイス。派手過ぎないが出る映画は軒並み優良な“映画ファンの安心印”ことイーサン・ホーク主演の『プリデスティネーション』も基本はBARを舞台に話が展開していきます。

とあるBARで酒を飲みながら自分の身の上をバーデンダーに話をする青年の物語を軸に進む本作。内容はタイムトラベルを交えたSFサスペンスで細かい内容は割愛しますが、イーサン・ホーク演じるバーテンダーの接客が実に素晴らしいのです。

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(C)2013 Predestination Holdings Pty Ltd, Screen Australia, Screen Queensland Pty Ltd and Cutting Edge Post Pty Ltd

筆者も経営者でありながらカウンターの内側に立っては酒を作り接客をするので「バーテンダー」です。バーテンダーと言われると「酒を作るのがうまい」「話が面白い」等をイメージする人も多いでしょう。それは何ら間違いではありません。

だが筆者が考える「良いバーテンダー」とは、お客様が楽しんで酒を飲み、お客様が気持ち良く話が出来る空間を作ることにあると考えます。その点でこの映画のイーサン・ホーク演じるバーテンダーの接客は素晴らしい!

出来るだけこちらの身の上を話さず客が話をしたい内容を引き出すスキルが凄い。時には酒を奢り、うまく相槌と質問を繰り返しながら気持ち良く話をさせる(これが出来るバーテンダーが意外と少ない)。非常に参考になります。

その点に注意しながら本作を観るのも面白いのでは?まあその接客の良さも映画のオチでなんとなく分かる部分もありますがそれはそれで。

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番外編:野沢那智の吹き替えが最高過ぎる『ハドソン・ホーク』

上記に先述したホーク繋がりでブルース・ウィリス主演の『ハドソン・ホーク』を思い出しました。ブルース・ウィリスといえば日本語吹替を野沢那智氏が担当しており、その独特の言い回しにはファンも多く存在します(勿論筆者も)。

『ダイ・ハード』でのジョン・マクレーン刑事の野沢那智氏の人を食ったような吹き替えは有名ですが、個人的に野沢氏の吹き替えと言えばこの『ハドソン・ホーク』なのです。那智節全開で脂乗りまくり!

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今回のBAR特集で何故本作を挙げたかというと、冒頭にブルース・ウィリス演じるハドソン・ホークが刑務所から10年ぶりに出所し、昔行きつけだったBARに行くシーンがあるからです。

そこでのBARが時代の変化でパブに近い形態に様変わりしているのを目の当たりにし、ブルース・ウィリスが残念がるシーンが印象的でした。「時代が変わっても変わらない」ことこそがBARの魅力なので、その気持ちは良く分かります。

その残念さを表現するブルース・ウィリスの演技も素晴らしいですが、日本語吹き替えでの野沢那智が素晴らし過ぎてもはや芸術の域!もう見事過ぎて笑うしかないレベルです。是非とも吹き替えで観て欲しい作品!

いかがでしたでしょうか。映画にとってBARという空間は切っても切れない?存在なのだと思います。それは人の拠り所でもあり、大人の世界の扉を開く異空間でもある。BARとは日常とは少し違う“非日常”を演出してくれる空間なのです。

さああなたも“行きつけ”のBARを見つけて「行きつけがあるんだよね~」とふかして「カッコイ~!」と言われる素敵なオトナライフを堪能しませんか?そこでオススメのBARがありまして店主という人がやっているらしく…(手前味噌)

※2021年9月20日時点のVOD配信情報です。

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  • スギノイチ
    3.3
    シラフの状態がないミッキー・ローク。休日の俺みたいだ。 『レスラー』の主人公造形はこのうらぶれ姿を踏まえてたのかな。 相手の髪を引っこ抜かんばかりのフェイ・ダナウェイのキャットファイトが壮絶。 4,5次会まで飲んだ後みたいな終わり方も良い。
  • benno
    4.2
    作家であり詩人のチャールズ・ブコウスキー…彼が自ら脚本を務め、自身の20代半ばの日々を描いた自伝的ストーリー…ようやく鑑賞ですっს 数多の有名人をファンに持つブコウスキー…今作の監督バーベット・シュローダーもそのひとり…念願叶っての作品です…。 『酔いどれ詩人になるまえに』のマット・ディロンのめちゃカッコいいブコウスキーも素敵でしたが…今作はムチムチ、ポッコリお腹のミーキー・ロークのブコウスキー…ところが彼が堪らなく可愛らしく愛おしい…。 冒頭の♬ Hip Hug-Her / Booker T. & The M.G.’s で掴みはバッチリ…。 ダウンタウンのバーでお酒を煽っては喧嘩ばかりしている売れない作家のヘンリー(ミッキー・ローク)…。 犬の様に暮らし金持ちに唾を吐く…感性豊かで繊細な性格の彼はどこにも属すことなく気ままな暮らしを送ります…。 そんなある日…バーでひとりの女性と遭遇… “She looks like a kind of distressed goddess.”      彼女は悲しみの女神のようだ… あれ〰︎バーフライの中に見覚えのある顔…ブコウスキーがカメオで出演…!! “Just one thing… I want never fall in love. I don’t wanna go through that. I can’t.” ー “Don’t worry. Nobody’s ever loved me yet.”  ひとつ言っておくわ…恋なんかしたくない…   2度としないわ…  ー 心配するな…俺を愛する女なんていない…。 ヤサグレ感たっぷりの男前ワンダ(フェイ・ダナウェイ)がカッコ良くて素敵…お互いに同じような生活を続けるふたり…いつしか愛し合うように…。 ブコウスキーの紡ぐ言葉は一言も聞き逃したくないくらい沁み入ります…なんてロマンティストなの…。 そして、ほぼ夜の薄暗いバーや汚いアパートですが…色彩もペール調で優しく…部屋の窓から見えるペガサスのネオンライトは酔いどれ詩人ヘンリーをいつも見守ります…。 アル中が主役なのに、まるで絵本みたいな世界…これも名匠ロビー・ミューラーのマジック…。 何よりお気に入りは…部屋の左右の壁をまるで額縁のようにワンダが行ったり来たり…なんて絵になるのでしょう…美脚と共に動く絵画に見惚れます…。 薄汚れた部屋にブコウスキーが大好きなマーラーやモーツァルトの音楽がこんなにも落ち着くなんて… ヘンリーとワンダのフワフワした日々を魅力的な台詞と音楽と共にずっ〰︎と愛でていたい…ෆ* thanks to; leylaさ〰︎ん 𓈒 𓏸 𓐍 thanks to; のんchanさ〰︎ん 𓈒 𓏸 𓐍
  • のんchan
    4.2
    チャールズ・ブコウスキーの映画脚本デビュー作❗️ ご本人カメオ出演しています💫 ブコウスキーを大好きなバーベット・シュローダー監督が、映画嫌いなブコウスキーに直接懇願して了承されたものの、資金難の問題で暗礁に乗り上げたりを繰り返し、7年の歳月を費やし制作した貴重品⭐️ 撮影はロビー・ミューラーが良い仕事してます。 ブコウスキーは特典映像で語っていて、自身の24歳頃の3日間にあった事実を描いているのだそう。 主役は当時34歳の脂の乗っているミッキー・ローク。ブコウスキーに成り切りながらも、真似しているのでなくロークらしいオリジナリティを出している。リハーサルを嫌い、ほぼほぼ一発撮り。ロークのアイディアが活きていた。 ヒロインは45歳のフェイ・ダナウェイ、美しいです✨ 当時は人気が下火の頃で、この作品でハリウッドでの再燃にかけていたらしく演技はとても魅力的です。アバズレだけど、どこか一本気で頼れそうでもあり可愛くもあり。 『刑務所に12回、マーラーとモーツァルトのファン。ダンスはできない。映画嫌い。アボカドとショーペンハウアーが大好き』 というのは、才能がありながらも感性が鋭すぎて俗世間に馴染めず埋もれている作家のヘンリー。 ロスの場末のバーで飲んだくれ、喧嘩する日々。身体は酒太り気味、喧嘩の傷が絶えず、まぁ〜汚ったない装いで臭ってきそう。 そんな時、あるバーで人生に幻滅しているワンダに出会う。 ワンダは年寄りのパトロンから金を貰って繋いでいた。 2人は愛に無縁だったが、なにか通じ合うものを感じ、傷付け合いながらも強く惹かれていく... 特別に何も起きないけど、良心的なバーテンとヘンリーの友情に泣けるし、喧嘩っ早いバーテン(スタローンの弟)との喧嘩を、バーの常連たち(ロケ地アパートの素人の住人たち)に見守られながら、コメディチックな笑いを挿入し、人間って関わり合って生きるんだよねっていう、何か切なくも温かくなる不思議な引力のある作品。 ブコウスキー自身、欲がなく、金持ち嫌いで、人情がある憎めない人間。そのまんまの世界観を覗ける、どうにも魅力的な作品になっていた🌟
  • 怒り
    3.8
    ブコウスキーが脚本書いてて主人公もチナスキーだった 恋なんて二度としたくないという女性に対して「心配するな おれを愛する女なんていない」は痺れる、生きてるうちに一回はこんなようなことを言いたい
  • OTIS
    3
    バーに集る人らのドラマ。実年齢が10歳以上違うミッキーロークとフェイダナウェイ。スタンローンの弟も出演。
バーフライ
のレビュー(270件)