映画『名探偵コナン沈黙の15分(クォーター)』今回の犯人は凶悪すぎる?8年前に何が起こったのか?徹底解説【ネタバレ】

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ネジムラ89

映画『名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』にはシリーズの中でもトップクラスの凶悪犯が登場する?灰原とコナンの共同作業が貴重?ネタバレありで見どころを徹底解説!

2011年に公開された劇場版名探偵コナンシリーズの第15弾が名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター)』(※以下、『名探偵コナン 沈黙の15分』と表記します。。ゴールデンウィークシーズンに公開される劇場版名探偵コナンシリーズとしては、上映時期と異なる雪国を舞台にした珍しい映画でもありました。

そんな本作で注目して欲しいのが、今回の犯人の凶悪ぶり。今回はネタバレありで驚くべきスケールで展開される事件の顛末から、そのほかにも見逃さないで欲しい映画の見所を紹介していきます。

名探偵コナン沈黙の15分』のあらすじ

8年前の新潟北丿沢村。ある少年が何者かに追われ、足を滑らせて崖から転落してしまった。それを追っていた何者かは、転落した少年を確認し微笑むとその場を去っていくのだった。

時は映り、現代。都営地下鉄15号線・東都線の開通式に出席する朝倉都知事に、脅迫状が送りつけられる。警戒する警察たちだったが、無事開通式を終え、いざ列車は出発。しかし、東都線に沿って博士の車で並走していたコナンは、トンネルの中に不審な影を発見する。

犯人は列車が走ってきたタイミングを見計らいトンネルを爆破させることと悟ったコナンは、とっさに車外に飛び出すのだった。

そして事態は、8年前の事件と繋がっていく事になる……。

※以下、『名探偵コナン沈黙の15分』のネタバレを含みます。

過去に何があったのか!?

名探偵コナン沈黙の15分』では8年前の事件と現在の事件をコナンが並行して解いていくような物語となっています。過去の事件も現在の事件も考えることが多すぎて、整理が追いつかないという人も居ると思いますので、改めて、事件の顛末をネタバレありで振り返ってみましょう。

まずは8年前何があったのか。今回の事件の犯人である山尾渓介は多額の借金を抱えていたことにより、新宿の宝石店へ押し入って宝石を大量に強奪していきました。その際、山尾は店にいた女性を殺害してしまいます。

その後、宝石を祖母の家に隠そうと、車で北丿沢村へ向かうのですが、その道中で人をはねて殺してしまいます。この被害者である遠野なつきこそ、同級生の遠野みずきの妹でした。罪に罪を重ねてしまった山尾でしたが、さらに運の悪いことにその事故を少年・立原冬馬に目撃されてしまいます。山尾は冬馬を一度は気絶させて車に連れ込んだものの、この後どうしようかと考えているうちに、運悪く飛び散った盗んだ宝石を冬馬に見られてしまいます。

始末せざるを得なくなった山尾は、車外へ逃げ出した冬馬を追いかけますが、運悪く崖に転落した冬馬。山尾はそのまま彼を見捨てて置いて、交通事故の件のみ自首します。この最後の冬馬の逃走シーンが映画の冒頭で描かれたものになります。

そのほかの出来事は作中で断片的に描かれるため、複雑にはなっていますが、時系列で追っていくと山尾の凶悪ぶりがよくわかりますよね

やりすぎ!今回の犯人は罪を犯しすぎている!?

今回の犯人の山尾のさらに恐ろしいことに事件をこれで終わりにしないところ。

交通事故の際に無免許、飲酒運転に加えてスピード違反までしていたため、服役期間が長くなってしまったことで、想定外にも宝石を隠したはずの祖母の家がダムの下に沈んでしまうのでした。

まともな考えであれば、ここで諦めてもおかしくないのですが山尾は違います。なんとダムを爆破してでも、宝石を回収しようと考えます。

ダムの警備が手薄になるであろう式典の日を狙う山尾でしたが、式典に東京都知事の朝倉優一郎が出席することになり、想定よりも多くの人が集まりそうになり焦ります。そこで山尾は、ダムを爆破する爆弾のテストも兼ねて、地下鉄に沿った首都高を爆破する計画を立てます。

実行に写した山尾でしたが、コナンの機転により奇跡的に死傷者はゼロに抑えることができましたが、コナンがいなかった場合、電車に乗っていた乗客どころか、トンネルを走る乗用車も巻き込んだ歴史的な殺人事件となっていたことでしょう。

しかし、山尾にとってはこの事件すら下準備。宝石強盗の犯人だとバレて厄介だった同級生の氷川尚吾をたちまち殺害し、彼のスタンガンを利用しつつ警備を突破し、ダムに爆弾を設置します。あとはダムを爆破して、ダムの水を抜いた後で宝石を回収するだけ。罪を同級生の武藤岳彦になすりつけて、高飛びしてしまう算段だったようですが、結果的にコナンたちによって阻止されてしまいます。

しかし、爆弾は爆発してしまったことでダムは崩壊。結果的にダムの水を抜くことには成功してしまいます。宝石がどれだけ高価だったのかはわかりませんが、前科に加えて、殺人、地下鉄と首都高の同時爆破、ダムの爆破とあまりにも重大な犯罪を行なっています。名探偵コナンシリーズにおいてもトップクラスの凶悪犯と言えるでしょう。

少年探偵団大活躍!?

がっつり犯人の凶悪ぶりを紹介しましたが、名探偵コナン沈黙の15分』の見所で忘れてはいけないのが少年探偵団の活躍。本作は歴代劇場版シリーズでも彼らの出番が意外にも多い作品となっています。

序盤でこっそりスノーモービルを運転し公道を走ってしまう姿も驚き。スノーモービルはスクーターの様な扱いに近く、私有地などであれば無免許で運転できる乗り物と言えど、小学一年生が3人も乗り合わせて滑走するなんて危なっかしくて恐怖です。案の定転倒してしまうわけですが、大事故にならなくて本当によかったです。

普段は仲が良い元太と光彦がここで喧嘩をしてしまうのも珍しいですが、コナンや灰原の面倒見よく諭す様も、シリアスな普段の展開と違った日常が垣間見れて、ちょっと嬉しいシーン。ここで仲裁に入ったコナンのセリフが、クライマックスに再度想起されるシーンはなおさら沁みます。

一度口から出しちまった言葉はもう元には戻せねぇんだぞ。言葉は刃物なんだ。使い方を間違えると、やっかいな凶器になる。言葉のすれ違いで一生の友達を失うこともあるんだ。一度すれ違ったら2度と会えなくなっちまうかもしれねーぜ?

2度と会えなくなる、なんて飛躍しすぎに思えるかもしれませんが、命がけの事件をくぐり抜けてきたコナンにとっては、日常的に覚悟しているからこそ、出てくる言葉だと言えるかもしれません。

ちなみに“言葉は刃物”のセリフは、原作単行本54巻、TVアニメ479話の『服部平次との三日間』にて登場した釈連和尚のセリフの引用でもあります。

コナンと灰原のコンビで忘れてはいけないのが、普段は違う場所で分担作業をすることの多い二人が珍しく行動を共にするシーンが多いのも今作のポイント。一緒にボードの上に乗ってアクションをこなすのは、蘭といった大人のキャラクターではなかなかできないので、実はこのシーンもコナンシリーズでも貴重な場面となっています。度々、灰原がコナンを思っているのではないかという場面が盛り込まれる名探偵コナンシリーズですが、二人の直接的な掛け合いが多い本作は二人を応援している人にとってもマストチェックな作品となっています。

気になるポイントもいくつか?

その他、本作でこその珍しいポイントいくつか紹介しておきます。

作中、お土産を買うシーンでわずかに登場するキャラクターが、コナンたちの通う帝丹小学校の教師である小林澄子先生。白鳥警部が警察官になるきっかけを与えたのも実は彼女で、二人はかなり親密な仲になっています。映画で二人の仲がピックアップされることが滅多にないので、貴重な一場面となりました。

中盤、やけに喋るペースが遅い新潟の刑事が登場しますが、彼の声を担当しているのは、一時期バラエティ番組で引っ張りだこだった戦場カメラマンである渡部陽一。映画のゲスト声優として抜擢されました。出番はわずかでしたが、強烈なインパクトを残したキャラクターでしたよね。

ゲスト声優にはもう一人、フリーアナウンサーの宮根誠司が、記者会見のシーンのアナウンサー役として出演しています。宮根は、翌年公開映画の『名探偵コナン 11人目のストライカー』にも、ゲスト声優として参加しており、2年連続の出演となりました。

(C)2011 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
※2020年12月4日時点の情報です。

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