映画『ミナリ』あらすじ&キャスト・見どころを紹介【新たなる家族映画のマスターピース】

『ムーンライト』や『レディ・バード』など大ヒット作を次々と打ち出し、今やオスカーの常連となったA24と、『それでも夜が明ける』でアカデミー賞作品賞を含む3冠を受賞した『それでも夜が明ける』のPLAN Bが強力なタッグを組んだ最新作『ミナリ』のあらすじ・見どころなどを解説。

第89回アカデミー賞作品賞に輝いた『ムーンライト』や、俳優のグレタ・ガーウィグが自伝的要素を盛り込んで描いた青春映画『レディ・バード』など、次々と大ヒット作を打ち出しオスカーの常連となったA24と、『それでも夜が明ける』でアカデミー賞9部門にノミネート、作品賞を含む3冠を受賞したPLAN Bが強力なタッグを組んだ映画『ミナリ』が、2021年3月19日(金)より満を持して日本で公開。すでに各国の映画祭にて196ノミネート、69受賞と、まさに今年度最も注目の作品です。

ミナリ』(2020)あらすじ

1980年代、農業で成功することを夢みる韓国系移民のジェイコブは、アメリカはアーカンソー州の高原に、家族と共に引っ越してきた。荒れた土地とボロボロのトレーラーハウスを見た妻のモニカは、いつまでも心は少年の夫の冒険に危険な匂いを感じるが、しっかり者の長女アンと心臓に病を持つが好奇心旺盛な弟のデビッドは、新しい土地に希望を見つけていく。まもなく毒舌で破天荒な祖母も加わり、デビッドと一風変わった絆を結ぶ。だが、水が干上がり、作物は売れず、追い詰められた一家に、思いもしない事態が立ち上がる……。

ミナリ』キャスト

ジェイコブ/スティーヴン・ユァン<父親役>

『バーニング 劇場版』や、ドラマ『ウォーキング・デッド』シリーズなどのスティーヴン・ユァン。農業で成功したいという思いから、アーカンソー州の田舎町に家族を率いてやってきた。いつまでも少年の心を持ち、子供達に成功した姿をみせたいと奮闘する。

モニカ/ハン・イェリ<母親役>

『ハナ奇跡の46日間』、『群盗』など、40本を超える長編映画やTVドラマに出演する韓国の名俳優・ハン・イェリ。予想を超える田舎町での生活に不安を覚えながらも、家族を守ろうと奔走する強い女性。

デビッド/アラン・キム<息子・弟役>

本作がデビュー作であるアラン・キム。心臓に病を抱えながらも、何もない土地に楽しさを見出し、好奇心旺盛に辺りを散策するなど、子供ならではの適応力をみせる。

アン/ネイル・ケイト・チョー<娘・姉役>

プロの俳優としては本作が初めての作品であるネイル・ケイト・チョー。幼いながらにしっかり者で、危なげな弟を見守り、母を支えるなど、優しく強い女の子。

スンジャ/ユン・ヨジョン<祖母役>

50年にもわたるキャリアの中で数多くの賞に輝き、韓国で最も敬愛されている伝説の俳優、ユン・ヨジュン。娘のモニカに頼まれ、子守りをするために韓国からアメリカにやってきた毒舌で破天荒な祖母。

ポール/ウィル・パットン<隣人役>

『追いつめられて』、『アルマゲドン』など、100本以上の作品に出演している名脇役・ウィル・パットマン。敬虔なクリスチャンで、少し変わった優しい隣人。ジェイコブの農業を手伝ってくれている。

ミナリ』見どころ

世界中のメディアと映画ファンに熱狂を巻き起こし、現在も受賞リストを更新し続ける新進気鋭の監督・リー・アイザック・チョン。韓国系移民2世として生まれ、アーカンソーの田舎で育った彼の半自伝的作品である本作は、私たちに“大切なものは何か”というメッセージを届けてくれます。

本作の見どころの一つとして、韓国語と英語が入り混じるリアルな移民家族を見事に演じきったキャストたちの高い演技力にも注目です。父親・ジェイコブ役のスティーヴン・ユァン、母親・モニカ役のハン・イェリ、祖母・スンジャ役のユン・ヨジョンと、韓国のみならず海外でも絶賛されているベテラン俳優陣に加え、期待の新人俳優たちにも注目の声が集まっています。

本作がデビューとなる息子・デヴィッド役のアラン・キムは、監督の少年時代を投影したキャラクターであり、物語のキーパーソンとなる重要な役どころ。複雑で説得力を求められる難しい役を見事に演じきり、監督が求めていた<無邪気さ、わんぱくさ、元気さ、脆さ、慎重さ、激しさ>を見事に体現しました。娘・姉役のアンを演じたネイル・ケイト・チョーも本作が映画デビューとなる新人であり、しっかり者の姉として「愛する人を真剣に大切にする」というアンの役どころを、自らのやり方で好演。期待の新人俳優たちにとって、本作が出世作になることは間違いないと言えます。

タイトルの「ミナリ」に込められた想いとは?

「ミナリ」とは、韓国語で香味野菜のセリ(芹)のこと。雑草のような逞しさで大地に根をはり巡らせ、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために親の世代が懸命に生きるという意味が込められています。理不尽かつ不条理な運命に翻弄される一家が逞しく困難を乗り越えていく様子は、まさにミナリそのもの。生きている限り人生は続き、明日は必ず来ることの尊さを教えてくれる本作を、是非劇場でご覧ください。

ミナリ』作品情報

■脚本&監督:リー・アイザック・チョン
■出演:スティーヴン・ユァン、ハン・イェリ、アラン・キム、ネイル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョン、ウィル・パットンほか
■配給:ギャガ
■上映時間:116
■公式サイト:gaga.ne.jp/minari
■コピーライト:© 2020 A24 DISTRIBUTION, LLC   All Rights Reserved.Photo by Melissa Lukenbaugh, Courtesy of A24

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  • せい
    3.6
    冒頭30分くらい寝ちゃったわ…。寝ちゃったけど雰囲気はめちゃくちゃ好きな作品。 夢を追う夫と、それに不満を持つ妻。どうしても妻の方に感情移入してしまって、夫に腹を立てながら見てしまった。 おばあちゃんが明るくて見ていて楽しい。 デビットがおばあちゃんを呼ぶ声が可愛すぎた…。 「ミナリ」の伏線回収めっちゃするね。
  • えぬちん
    1
    ジェイコブの自分勝手さにイライラした。 心臓の悪い息子が倒れたりするのかと思って今か今かとハラハラしたが、特になんの事件も起きず終わってしまいビックリ。 あまりメッセージ性を感じなかった。
  • ジャン黒糖
    3.9
    今年行われた第93回アカデミー賞で韓国人のユン・ヨジョンさんが最優秀助演女優賞を獲得し、前年度の『パラサイト』に続き、2年連続で”韓国”人にとって象徴的な出来事になったことでも話題になった感動作。 作品テーマ、テイストから日本人的には地味な印象を持たれる映画だけど、各映画賞でノミネート・受賞するのも納得の、とても現代アメリカらしい、個人的には好きな1本でした! 【物語】 韓国系移民のジェイコブ・イはアメリカの大地で韓国野菜を、同じく韓国系移民たちのために作るという農業の夢を叶えるため、アーカンソー州の田舎町に家族で移住。 妻モニカはそんな彼の、家族よりも自身の夢を優先する姿勢にストレスを募らせるが、交換条件的に母親であるスンジャにも同居してもらうことになり、アメリカで生まれた持病持ちの息子デビッドは、生まれて初めて祖母と会うことに。 花札が好きで口の悪い祖母スンジャの姿に最初こそ面食らうデビッドだったが、やがて家族の生活に刺激をもたらすことに…。 【感想】 アメリカで生きるカッコ付きの”アジア人”らを主人公とする感動ドラマらしい映画ポスターのルックとアカデミー賞を賑わせた話題性から、個人的には観ることを躊躇していた作品。 見た目の雰囲気からなんとなく異国の地で暮らすアジア人の生きにくさ、差別を描いた作品かと思っていたが、どっこい! とても現代アメリカらしい好きな作品でした! 本作は主に3世代の”韓国人”家族の姿が描かれるのだが、その描き分けがとてもいまらしいと思った。 生きがいである農業という”アメリカンドリーム”を掴むため、韓国から移民としてやってきたジェイコブと、そんな夫と衝突の絶えない妻のモニカはいわゆる”韓国系移民”。 彼らの子供であるアンとデビッド、特にデビッドはアメリカで生まれた、正真正銘”韓国系アメリカ人”。 そんな彼らと離れて韓国で暮らしていた祖母のスンジャは純粋な”韓国人”。 安直な表現でいえば”移民”と括られる家族の話なのだが、ひとくちに”移民”といっても彼らはそれぞれ世代、国籍、性別によって立場が異なる。 ただ、立場が違うからといって、それを黒白はっきり付けるのではなく、むしろそれら様々なデモグラフィックフィルターを通じて生じる立場の違いは、グラデーションであり、立場が違うからこそ対話を重ねて乗り越えていく姿を主眼に描くのがよかった。 たとえば息子デビッドは、祖母スンジャとの交流、礼拝堂で仲良くなった白人アメリカ人の男の子との交流など、様々な立場の違う人たちと触れることで視野を広げていくことになる。 また、父親のジェイコブは最初こそ、「アメリカに暮らす韓国人のために韓国野菜を作る」と情熱を燃やす一方、一番近い”韓国人”である自身の家族を少し優先度を下げて見てしまう。 ただ、そんな彼も、一向に軌道に乗らない農業の困難さに直面したり、妻や家族と同行してミサに行ったり、敬虔なクリスチャンであるポールと一緒に過ごしたりしていくなかで、生き抜くうえで本当に大切なものの取捨選択をしていくことに。 ”水脈”をめぐるラストには思わずグッと来てしまった。 ジェイコブ、モニカ、アン、デビッドという、彼ら家族の韓国人らしからぬ名前からして、おそらく作り手も意図してこの映画を単純な立場の違いというよりは曖昧さとして描いているのかと思った。 この、立場の違いを、単純に違う者同士として描くのではなく、グラデーションのように交わりうる人同士として描くのは、映画のテイストこそ違えど、『ブックスマート』でいう学校社会や『クレイジー・リッチ!』での広義で”アジア人”の描き方にも通じるような、とてもいまっぽい映画だなー!と思った。 そんな、デモグラ的立場の違いに関係なくアメリカという広大な国に文字通り”根を張って生きていく”ことの象徴としてミナリ=セリが描かれるのもよかった。 劇中、スンジャはミナリについて「雑草みたいにどんな環境でも根強く育つからお金持ちも貧しい人も食べて元気になれる」という。 まさにこの映画に出てくるジェイコブ一家そのもの。 ワンダフル ワンダフル ミナリ ミナリ! 演じるキャストそれぞれよかった。 『バーニング 劇場版』の不気味な演技が印象的だった、ジェイコブ役のスティーブン・ユアンさんもよかった! 妻モニカ役のハン・イェリさん、お顔が日本の女優江口のりこさんに似てたなぁ!! そして!オスカー受賞したユン・ヨジョンさん! 孫から見た祖母の異質感を絶妙に演じてたなぁ。栗を一旦口に入れてからデビッドにあげたり、花札のことになると口悪くなったり、”山の雫”ことマウンテンデューを異常に求めたり…最高だった笑 主演のスティーブン・ユアンさんは生まれこそ韓国だけど、育ちはミシガン州。 本作の監督リー・アイザック・チョンさんは血筋こそ韓国系ながら生まれはアメリカコロラド州。 という、まさに劇中のジェイコブ家族同様、作り手である彼ら自身、もっといえばいまのアメリカそのものがどういった人種構成で成り立っているか。 そういった意味でもまさに”現代アメリカ映画”!というしかない1本だし、この映画が劇中のセリフの半分以上が韓国語であることを理由にゴールデングローブ賞の作品賞候補から外れた、ということ自体、ちょっといかがなものかとさえ思った。 いや~良い映画でした。 ワンダフル ワンダフル ミナリ ミナリ!
  • Miki
    4.5
    面白い。 内容は全く関係ないが、画的にバーニングがフラッシュバックするシーンがあった。
  • A
    3.5
    夫婦のすれ違いがリアル…奥さんのポロッというセリフに共感できる。おばあちゃんは期待してた通りいいスパイスだった。 映画なのに農業が成功して家族幸せに暮らせることを心から願ってしまう。 スティーブンユアンがキャップを被るとグレンにしか見えない。笑 2021 No.241
ミナリ
のレビュー(11295件)