マーベル・スタジオが新たに送り出すヒーローチーム“エターナルズ”の活躍を描いた本作。アメコミ界の伝説的作家ジャック・カービーのコミックを、映画『ノマドランド』(2021)で第93回アカデミー賞監督賞を受賞した監督クロエ・ジャオが独特の映像美で映画化。これまでのマーベル映画とは一線を画す作品として話題を呼んでいる。本記事では、映画『エターナルズ』のあらすじ&キャスト、本作の見どころをネタバレありでご紹介します。

映画『エターナルズ』(2021)あらすじ

エターナルズ

宇宙の創造主“セレスティアルズ”によって生み出され、邪悪な捕食者“ディヴィアンツ”から人類を守ることを命じられた不死の異星種族“エターナルズ”。怪物から人類を守り、時には知恵を授けながら、7000年もの間、陰から人類を見守ってきた。しかしサノスによって半分になった宇宙生命が、アベンジャーズの戦いによって復活したことで、滅んだはずの“ディヴィアンツ”が再び姿を現し始める。宿敵の復活を知ったイカリス(リチャード・マッデン)は“エターナルズ”を再び結集させることを決意するのであった……。

キャスト紹介

セルシ(ジェンマ・チャン

エターナルズをまとめる中心メンバー。感情を持たない物質を別の物質に変換する能力を持つ。人間のデインと交際中だが、かつての恋人イカリスのことを数世紀に渡って愛し続けている。

イカリス(リチャード・マッデン

高潔でカリスマ性を持ち、任務に対する責任感が強い最強の戦士。空を飛び、目から強烈なビームを放つことができる。セルシとは元恋人だった。

セナ(アンジェリーナ・ジョリー

チームで最も危険な女戦士。テレパシー能力や、自分の頭に浮かんだ武器を生み出すことができる。無愛想で他者に心を開かないがギルガメッシュだけに心を許す。

ギルガメッシュ(マ・ドンソク

チーム随一の怪力を持ち、コズミック・エネルギーを拳にまとって強化し戦う。チームで最も心優しい人物で、セナの唯一の友人でもある。

エイジャック(サルマ・ハエック

エターナルズのリーダー。エターナルズと人間のどちらも癒すことができる能力を持つ。冷静沈着でチームの精神的な支柱として存在感を放つ。

ファストス(ブライアン・タイリー・ヘンリー

頭脳を担う知性派で、戦いの行方を冷静に分析する能力を持つ。発明の才能にも恵まれ、想像するものは何でも作り出すことができる。

スプライト(リア・マクヒュー

幻影を生み出し、自分の姿を自由自在に変化させることができる。外見が故に周囲から子供扱いされており、そのことで孤独や疎外感を感じる。

キンゴ(クメイル・ナンジアニ

チームのなかで最も陽気な性格で、インド映画界のスターとして活躍する。手からコズミック・エネルギーを発射する能力を持つ。

マッカリ(ローレン・リドロフ

全宇宙のなかで最も速いスピードで移動することができる。ありとあらゆる空間を移動して、地球を調べ尽くしたため豊富な知識を持つ。

ドルイグ(バリー・コーガン

メンバーとの交流を避けて、一匹狼として独自に行動する。コズミック・エネルギーを使って、人の心をコントロールすることができる。

※以下、映画『エターナルズ』のネタバレを含みます

“ダイバーシティ(多様性)”を取り入れたキャスティング

エターナルズ

本作『エターナルズ』で活躍する10人のスーパーヒーローは、人間をはるかに超える超人的パワーを持つ不死の宇宙種族だ。古代の人間たちの目からは神のように映る存在でもある。一方、感情的で人間味のある10人をより魅力的にしているのが、キャスティングと言っても過言ではない。製作総指揮のネイト・ムーアとクロエ・ジャオ監督が、キャラクターと役者自身が多少リンクするよう一人ひとり見極めて選んだのだという。

また、世界中で重要視されている“ダイバーシティ(多様性)”をキャスト・キャラクターに反映していることが特徴だ。アベンジャーズのキャストと比較してもメンバーの年齢層や人種の幅が広く、アメリカ、英国、メキシコ、韓国など多様性に富んだキャストが揃った。キャラクターたちの設定にも多様性があり、原作に登場するキャラクターのセクシャリティや性別を変更している。例えば、リーダーのエイジャックは原作では男性だが、メキシコ女優のサルマ・ハエックが演じている。また女優のローレン・リドロフが演じる、MCU初の聴覚障害を持つヒーロー、マッカリも原作では聴覚障害はない男性だ。ブライアン・タイリー・ヘンリーが演じるファストスは、夫と子供がいるゲイの男性という設定。こちらもMCU初となるLGBTQのヒーローとして登場する。

中国生まれの女性監督、国際色溢れるキャスト、障害やLGBTQなど、今叫ばれている“ダイバーシティ&インクルージョン(多様性を認め、一体化を目指すこと)”をいち早くマーベルの世界に取り入れているのかもしれません。

「アベンジャーズ」の戦いに参加しなかった理由は?

エターナルズ

アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)で、最悪の敵サノスとアベンジャーズが人類の命運をかけた戦いを繰り広げていたが、エターナルズは地球にいたのにこの戦いに参加しなかった。その理由は “セレスティアルズ”の命令で “ディヴィアンツ”から人類を守るという任務を任されていたのだ。つまりウルトロンのようなロボットや、サノスといった宇宙人は“ディヴィアンツ”ではないため戦いに関与することができなかったのである。

宇宙の創造主“セレスティアルズ”の目的とは?

エターナルズ

“セレスティアルズ”の本当の目的は、知的生命体のエネルギーを利用して、新たな“セレスティアルズ”を誕生させること。誕生には一定量のエネルギーを使うため、知的生命体=人類を増やさなくてはならなかった。そこで“セレスティアルズ”は知的生命体の進化を妨げる捕食者を取り除くため、“ディヴィアンツ”を作り出したのだ。しかし、“ディヴィアンツ”が人類を襲うようになったため、人類を守る種族としてエターナルズが生み出された。エターナルズは人類のためではなく、“セレスティアルズ”を生み出すために作られた存在だったのだ。

「アベンジャーズ」シリーズとの関わりは?

エターナルズ

宇宙の創生から人類の歴史を巡る一段とスケールアップした物語で、今までのMCU作品とは全く別の作品のように感じると思いますが、これまでのMCU作品にもしっかりと接点がありました。宇宙の創造主にしてエターナルズを生み出した“セレスティアルズ”は過去のMCU作品に何度か言及されており『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(2014)に登場したコレクターが拠点としていた“ノーウェア”は死んだ“セレスティアルズ”の頭だと言われている。さらにコレクターが、ガーディアンズに見せた映像のなかで、“セレスティアルズ”の1人が、インフィニティ・ストーンのパワー・ストーンを使って星を破壊する姿も登場している。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)では、ピーター・クイルの父として登場したエゴが、自らを“セレスティアル”だと名乗った。

エターナルズの存在は何年も前から示唆されていた。本作『エターナルズ』(2021)で本格登場となるが、今後のMCU作品に大きく影響する存在なのは確かだ。エターナルズや地球にいるヒーローたちとどのように関わっていくのか注目したい。

今後のMCUの展開は?

エターナルズ

2021年にフェーズ4をスタートし、ますます拡大を続けるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。エターナルズでは今後のMCUに関わってきそうな新キャラクターが4人も登場した。1人目はセルシの同僚で恋人関係にあったデイン・ウィットマン(キット・ハリントン)だ。このデインが魔剣を振るうヒーロー“ブラックナイト”へと変身していく。また、ポストクレジットでデインが剣を手に取ろうとするとき、何者かに囁かれるシーンがある。声の正体は明かされてないがジャオ監督のインタビューで、その正体はヴァンパイアハンターのブレイド(マハーシャラ・アリ)だという。

ミッドクレジットシーンでは、地球を去ったセナ・マッカリ・ドルイグの前に、タイタン星の王子でサノスの弟、エロス別名スターフォックス(ハリー・スタイルズ)というヒーローが現れる。兄であるサノスとは真逆で愛や官能を重んじるキャラクターである。そしてもう1人、トロールの姿をしたヒップが一緒に登場した。4人が今後のMCUにどう関わってくるか楽しみだ。

また、エターナルズの続編は今のところ発表されておらず、他のMCU作品に登場する可能性の方が高いかもしれない。いずれにしろ、これまでのMCUの裏側でエターナルズが何をしていたのかが描かれたことにより、全く新しい物語が始まったのは確かです。本作のラスト以降、エターナルズのメンバーがどのような道を歩みだすのか、今後の展開に目が離せない。

(C)Marvel Studios 2021