映画ファンが注目する、第74回カンヌ国際映画祭受賞作品。日本では2022年4月に公開が迫る作品も多数あり、今まさに熱が高まっている。本稿では『英雄の証明』から『ドライブ・マイ・カー』まで、第74回カンヌ国際映画祭受賞のおすすめ作品をまとめて紹介。
世界三大映画祭のひとつ、カンヌ国際映画祭とは?
世界三大映画祭とは、国際映画製作者連盟が公認する映画祭。イタリアのベネチア国際映画祭、ドイツのベルリン国際映画祭、そしてフランスのカンヌ国際映画祭のことを指す。本稿で取り扱うカンヌ国際映画祭の歴史は古く、1939年の幕開けを予定していたものの、第二次世界大戦によって中止。終戦後の1946年より開催され、2022年には晴れて第75回を迎える。
見逃せない!4月公開のカンヌ受賞作品
『英雄の証明』(2022年4月1日公開)
『別離』のアスガー・ファルハディ脚本と監督作。アミル・ジャディディ、モーセン・タナバンデ、サハル・ゴルデュースト、サリナ・ファルハディなどが出演。第74回カンヌ国際映画祭では、グランプリを受賞した。
イランの古都シラーズ。ラヒムは借金の罪で投獄され服役している。そんな彼の婚約者が偶然にも17枚の金貨を拾う。借金を返済すればその日 にでも出所できる彼にとって、まさに神からの贈り物のように思えた。しかし、罪悪感に苛まれたラヒムは落とし主に返すことを決意。そのささやかな善行は、メディアに報じられると大反響を呼び“正直者の囚人”という美談の英雄に祭り上げられていく。ところが、SNS を介して広まったある噂をきっかけに状況は一変する……。
『アネット』(2022年4月1日公開)
『ポンヌフの恋人』のレオス・カラックス監督作。アダム・ドライバー、マリオン・コティヤール、サイモン・ヘルバーグ、水原希子などが出演。第74回カンヌ国際映画祭では、監督賞を受賞した。
スタンダップ・コメディアンのヘンリーと国際的オペラ歌手のアンは、恋に落ちて順風満帆な日々を送る。しかし2人の間にアネットが生まれて、日常が一変する……。
『TITANE/チタン』(2022年4月1日公開)
『RAW〜少女のめざめ〜』のジュリア・デュクルノー脚本と監督作。ヴァンサン・ランドン、アガト・ルセル、ギャランス・マリリアー、ナタリー・ボイヤーなどが出演。第74回カンヌ国際映画祭では、パルム・ドールを受賞した。
幼い頃、交通事故により頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれたアレクシア。彼女はそれ以来“車”に対し異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになる。遂に自らの犯した罪により行き場を失った彼女はある日、消防士のヴィンセントと出会う。10年前に息子が行方不明となり、今は独りで生きる彼の保護を受けながら、ふたりは奇妙な共同生活を始める。だが、彼女は自らの体にある重大な秘密を抱えていた……。
その他、注目の受賞作品
『ドライブ・マイ・カー』(劇場公開中)
『寝ても覚めても』の濱口竜介監督作。原作は村上春樹による短編集「女のいない男たち」より。西島秀俊、三浦透子、岡田将生、霧島れいかなどが出演。第74回カンヌ国際映画祭では脚本賞を受賞したほか、第79回ゴールデングローブ賞で外国語映画賞を受賞、第94回アカデミー賞では作品賞ほかにノミネートされた。
舞台俳優であり、演出家の家福悠介。彼は、脚本家の妻・音と満ち足りた日々を送っていた。しかし、妻はある秘密を残したまま突然この世からいなくなってしまう。2年後、演劇祭で演出を任されることになった家福は、愛車のサーブで広島へと向かう。そこで出会ったのは、寡黙な専属ドライバーみさきだった。喪失感を抱えたまま生きる家福は、みさきと過ごすなか、それまで目を背けていたあることに気づかされていく……。
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『ニトラム/NITRAM』(2022年3月25日公開)
『アサシン クリード』のジャスティン・カーゼル監督作。ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ジュディ・デイヴィス、エシー・デイヴィス、ショーン・キーナンなどが出演。第74回カンヌ国際映画祭では、男優賞(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)を受賞した。
いつまでも花火遊びをやめられず近所からは厄介者扱いされているニトラム。母は彼を「普通」の若者として人生を謳歌してほしいと願う一方、父は彼の将来を案じ出来る限りのケアをしようと努めている。サーフィンに憧れ、ボードを買う資金を買うために芝刈りの訪問営業を始めた彼は、ある日、ヘレンという女性と出会う……。
※本記事で紹介する映画は国内最大級の映画レビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」のデータに基づいてセレクトしたものです。
※2022年3月12日時点の情報です。